《ボルバルザーク・エクス》

ボルバルザーク・エクス SR 火/自然文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/ハンター 6000
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分のマナゾーンにあるカードをすべてアンタップする。

DMX-04で登場したアーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/ハンター

cip能力により、自身のマナゾーンにあるカードをすべてアンタップする。ビッグマナであればあるほど、効果は大きい。

かつて環境を席巻した《無双竜機ボルバルザーク》ハンターとしてのリメイク版であり、「ボルバルザーク」の名に恥じない非常に高いスペックを誇るカードである。

文明コストパワーや「スピードアタッカー」「W・ブレイカー」などの基本的な能力は《ボルバルザーク》から変わらない。
「全マナアンタップ」も、《ボルバルザーク》の持つ追加ターン獲得能力を部分的に再現している。

また、《ボルバルザーク》の持っていた特殊敗北などのデメリットがすべて消えており、純粋なアドバンテージの塊として気軽にプレイできるようになっている。

マナさえ足りれば実質コストを支払わずに召喚できるため、様々な用途が考えられる。

《ボルバルザーク》とは違い2体目以降の《ボルバルザーク・エクス》の能力にも意味がある。手札マナによっては、1ターンに信じられないほどの打点を形成することができる。例えば軽量クリーチャーを展開した後、《フォース・アゲイン》でエクスを再度バトルゾーンに出し、さらに軽量クリーチャーを展開、それらをスピードアタッカー化させればそのままゲームエンドに持ち込める可能性がある。

また殿堂入り以前は、手札に《ボルバルザーク・エクス》が複数枚あれば、それらをすべて1ターンで展開することが出来た。

非常に優秀なカードであるが、その高いスペックを十分に活かすには豊富なマナ手札が必要となる。特に手札の重要性は高く、せっかく《ボルバルザーク・エクス》を出しても、続けてプレイできるカードが無ければその強力な能力は無駄になってしまう。
《サイバー・N・ワールド》を始めとする文明カードや、《ハッスル・キャッスル》《雷鳴の守護者ミスト・リエス》などのドローソースでサポートしたい。

十王篇で登場したキリフダッシュとも相性がいい。キリフダッシュのためのマナを確保しつつ、攻撃ステップではスピードアタッカーを活かして自身でシールドブレイクを狙える。墓地に必要パーツを予め装填しておけばフシギバースコストを実質0マナにして7コスト軽減できる。

テクニック

  1. 《GILL》または《ザルバ》を召喚
  2. 《エクス》を召喚し、マナアンタップ
  3. 先ほど出した2体を進化元にして《ファタル・スパイラル》を召喚進化元ごと自身をバウンスマナが回復しているので1.に戻る。

環境において

弱点はあれど、異常なスペックであることには変わりなく、発売前から環境を一色に染め上げることが危惧されていた。幸か不幸かその予想は当たり、登場以降このカードを搭載したデッキが増加し無事環境入りを果たすこととなる。

《サイバー・N・ワールド》との組み合わせは【Nエクス】として確立しており、【紅蓮ゾルゲ】を筆頭とした文明の合うほぼ全てのデッキに組み込まれていた。

ビッグマナと呼ばれるデッキタイプの出現の契機となった一枚。その性質上、マナゾーンカードが多いほど得をするので、過剰なマナブーストから《蛇手の親分ゴエモンキー!》能力で大量のクリーチャーを展開する戦法が生まれた。

その凶悪さと使用率が評価され、2012年8月11日をもって遂に殿堂入り。このクリーチャーを複数枚使った戦略は不可能となった。「cipに回数制限があれば」「召喚時限定cipであれば」「スピードアタッカーが付いていなければ」と様々な意見が出されていた通り、あからさまな調整ミスを指摘する声は当時から多かった。

殿堂入り後も優秀なスペックには変わりないため、色の合うビートダウン、このクリーチャー進化元にするデッキビッグマナでは変わらず使われている。

《術英雄 チュレンテンホウ》登場前は《常勝ディス・オプティマス》を使った【ラララオプティマス】でも必須パーツとして使われた。《薫風妖精コートニー》マナゾーンを5色化した状態で《獰猛なる大地》を唱え、《エクス》をマナゾーンから出し入れすることで《常勝ディス・オプティマス》スペース・チャージが両方起動し、呪文回収シールド交換を延々と行うことができた。

革命ファイナル環境では既に【ラララオプティマス】における必須パーツから脱落していたが、プレイヤーによってはこのカードを利用していた。

新章デュエル・マスターズ環境では【5色ジョリー】において《時の秘術師 ミラクルスター》《謎帥の艦隊》とで大量のマナを使ったループに組み込まれた。

双極篇終盤にこのカードの上位種的存在である天地命動 バラギアラが登場したが、こちらはコストの軽さや種族cipの発動条件などで差別化可能。

王来篇環境【5色ザーディクリカ】が大流行すると、《龍風混成 ザーディクリカ》呪文コスト踏み倒しを活かしたソリティアを継続するためのマナ回復手段として偶に顔を見せるようになった。シリーズ終期のオリジナルでは抜き4色《超七極 Gio/巨大設計図》基盤の【ナウ・オア・ネバーループ】にループパーツの1つ(ただ1枚の火のカード)として採用されることがテンプレとなった。

《超七極 Gio/巨大設計図》殿堂入り後は【メクレイド刃鬼】おしゃれ枠として入るかどうか程度となっている。

これでマナを大量にアンタップさせて得するようなビッグマナへのテコ入れという公式の意図もあってか、2024年3月11日付で殿堂解除。2023年8月11日付の改定では《勝利宣言 鬼丸「覇」》が殿堂解除されており、花形種族の1つであるハンターへのテコ入れもあるのだろう。同日付で《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》が殿堂入りに指定されているため、これなら悪さしないと判断された面もあると言える。

実質0マナの2打点としては《“轟轟轟”ブランド》とは違いちゃんと初期投資に使えるマナが必要であること、効果そのものだけでは現在でも最高峰のマナ回復だが、そもそもループに使うならスピードアタッカーパワー6000というスタッツが飾りであり、その余分な付加価値のせいで名目コストが高すぎる。ループパーツに組み込む場合の必要マナが膨大であり、「1ターンに理論上好きなだけマナを支払って勝つ」という終着点なら《鯛焼の超人》《応援妖精エール》のほうが初期盤面での必要マナが少なく済む場合も少なくない。

《巨大設計図》基盤でも直近では採用を見送られることが殆どで、殿堂解除直後の時点では採用はまばら。色の合うドラゴン基盤デッキ【メクレイド刃鬼】は元々展開力には困らず、これを足すとオーバーキルとなるとなるため。重量級の【5色コントロール】系統もリアニメイトなどの汎用コスト踏み倒しでの早期着地に寄せれば4ターン目辺りに《聖魔連結王 ドルファディロム》《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》などのビッグアクションで十分相手に蓋ができるため、そもそもこれを活かすための大量のマナブーストでやりたい放題する準備を整える必要が無い。精々が【ゼニス・セレス】に展開補助用に使われるぐらいである。

漫画・アニメ等での活躍

その他

  • 登場から1年未満で殿堂入りしたカードとしては6例目。登場から殿堂入りまでの294日という日数は当時としては最速だったが、後に《暴龍警報》(268日)に抜かれた。
  • エピソード1当時、実質0コストでバトルゾーン出て来ることから「タダ飯喰らい」という蔑称で呼ぶ者もいた。
  • カードデザインの原型はMagic:The Gatheringの「フリースペル」だと思われる。
    • なお、MtG開発主任のMark Rosewaterは後年になってこのフリースペル能力を「ゲームを根本から破壊することになってしまった」失敗ギミックだと認めている。

戦績

アニメ「デュエル・マスターズ ビクトリーV3」

  • 通算成績:1戦0勝1敗
    話数対戦相手勝敗
    30話切札 勝太敗北

デュエル・マスターズ プレイスでは

ボルバルザーク・エクス SR 火/自然文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/ハンター 6000
バトルゾーンに出た時、自分の使用可能マナを7回復する。それが10ターン目以降なら、すべて回復する。(自分の《ボルバルザーク・エクス》のこの効果は、それが10ターン目以降でないなら、各ターン中1回のみ発動する)
スピードアタッカー
W・ブレイカー

DMPP-16で実装。
9ターン目までは自身のコスト値と同じ7マナだけ回復し、同名カード含め各ターンに1度しか能力を使えない。しかし、10ターン目以降はTCG版と同じく回数制限なく全マナを起こすようになる。

TCG版の記述と重複した内容になるが、このカードの強みは主に以下の3つの要素に分けられる。

  • ①マナを使わずに召喚できる即時2打点
  • ②マナを使わずに召喚できる素材
  • ③コンボパーツ

①についてはそのままの意味で、ターンに1度手札からノーコストで呼び出せるスピードアタッカーW・ブレイカードラゴンということ。
さらなる展開ができ、残り手札や残りマナ、相手の残りシールドにも依存するが唐突にリーサルを狙うことも可能。

  • 最も使いやすい運用法であり、《エクス》を使った打点形成を狙う。手札を打点に変換するような動きになるため《サイバー・N・ワールド》などで十分な手札を得るとなおよい。
    もちろん、通常の場面では各ターン中1回のみしかその効果が発動しない制約は無視できない。手札でダブついてしまうと2体目以降は《ガルベリアス・ドラゴン》《爆竜 GENJI・XX》よりコストパフォーマンスが悪くなってしまう。

②については、召喚した《ボルバルザーク・エクス》自体は消えてしまうが、回復した7マナ(+あまりマナ)で《ボルバルザーク・エクス》の上に《大神砕グレイトフル・ライフ》《超竜バジュラ》《超竜サンバースト・NEX》などを乗せたり、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》等のタネにしたりと多様なことが出来る。

  • 《超竜バジュラ》を乗せた場合は7マナでの進化速攻で最低でも2ランデスが確定する。上に乗せた進化クリーチャーがバウンスされた場合も次のターンで再度容易に出しなおすことが可能なため、それらに対して撃たれるバウンスにも強くなる。
  • DMPP-17では《母なる大地》が登場し、汎用性が向上した。そのターン中のマナ回復使用権を消費してしまうが、何もない盤面からマナゾーンを利用し8コストまでのクリーチャーをマナから呼び出すことができるようになる。
    また、10ターン目以降なら回数制限撤廃と8以上の回復も解禁され、ソリティアに近い動きも可能になる。

③については①や②と似ているようで少し違う。先の2つは《ボルバルザーク・エクス》を経由して出たクリーチャーを使って勝利を目指すが、この用途は「クリーチャーが残らなかったとしても勝利を目指す糧になる」状態になる。

環境において

DMPP-16環境では主に以下のデッキで使われた。

環境がコントロール寄りになり、10ターン目以降に試合がもつれ込むことはあるが、デッキ構築の時点で10ターン目まで耐える前提で構想するというのはかなり難しく、TCG版の性能にパワーアップした状態の運用はあまり見られない。

DMPP-17期では、《ドンドン吸い込むナウ》《母なる大地》等の汎用S・トリガーやそれらを仕込める《超次元ホワイトグリーン・ホール》除去性能に優れる《超次元リュウセイ・ホール》等が追加されたことにより受けが強化され、10ターン目を迎えやすくなった。
ただし、同環境で暴れるタイムリミット系の【若頭 鬼流院 刃】には、10ターン到達前に挽回がほぼ不可能な盤面が形成されることも珍しくない。

その状況をカウンターできる《超竜サンバースト・NEX》が発掘された。マナ回復を使い《ボルバルザーク・エクス》→《超竜サンバースト・NEX》進化速攻でき、パワー17000の《若頭 鬼流院 刃》を、《無限掌》内蔵かつバトル中のパワーが25000で全滅させることができる。

DMPP-18では、色の合うビッグマナであるにもかかわらず《ボルバルザーク・エクス》全抜きや、入れても1枚積み【メンチ斬ルゾウ】が誕生した。
特に、TCG版での【Nエクス】をあまり触ったことの無いプレイヤーからは大きな弱体化を食らっていないかのように見えていたが、実際には次のような理由で大きくカードパワーが落ちている。

+  カードパワーが落ちている理由

DMPP-22では、龍解には2回の攻撃が必要な《銀河大剣 ガイハート》の並びに着目して、《ボルバルザーク・エクス》→《龍覇 グレンモルト》の順番で召喚して一気にシールドを削り切れる部分が評価された。
TCGの世界線では《龍覇 グレンモルト》の登場前に《ボルバルザーク・エクス》が殿堂入りしていたため、コンスタントに狙えるコンボではなかった。

その他

  • デュエプレの背景ストーリーでは、DMPP-04[1]で無双竜機が無限軍団に襲撃を受けたという出来事が書かれていたが無双竜機の生死などは言及されておらず、《エクス》実装のDMPP-16においても《無双竜機ボルバルザーク》との関係やハンター化した経緯などの詳細は以前として不明なまま。
  • 召喚した際は、バトルゾーン全体が雲に覆われ、突き刺さっている剣が現れると同時に剣を中心に雲が消え去り、《エクス》が降り立つという《無双竜機ボルバルザーク》と同じ演出となっている。

関連カード

フレーバーテキスト

収録セット

デュエル・マスターズ

デュエル・マスターズ プレイス

参考