困惑(こんわく)(かげ)トラブル・アルケミスト》

困惑の影トラブル・アルケミスト R 闇文明 (2)
クリーチャー:ゴースト 3000
このクリーチャーが出た時、自分のマナゾーンにあるカードをすべて手札に戻す。

DM-10で登場したゴースト

自分のマナゾーンのカードをすべて回収するという、良くも悪くもDM-10の出身者らしいクセの強い能力を持つ。

手札は増えるが、行動するためのマナがすべてなくなるため、当然実戦で使うには相応の工夫が求められる。

パワーは2コストに対して3000と高めではあるが、能力がキツすぎるためいくらマナが伸びない速攻であっても採用する理由にはならない。

着目すべきは2マナで一気に手札を増やせるという点である。《偽りの名 iFormulaX》のような一時的に大量の手札が手に入ればゲームに勝てるカード、あるいは《闇王ゼーロ》のようなマナを払わずに使えるカードとは相性がいい。

ライバルは似たような性質を持つ同コストの《悪魔の契約》。あちらは好きなだけマナゾーンカード墓地に送り、その枚数だけドローするというもの。こちらはクリーチャーであること、山札を削る必要がないこと、公開ゾーンのマナゾーンから回収できる点で、差別化したい。

環境において

癖の強いカードは、登場時点では全く評価されずとも後にカードプールの増加によって突如脚光を浴びることがよくあり、このカードも登場から長い月日を経てその一例となった。

このカードが最初に活躍したのは【フォーミュラエクストラウィン】にて。予め《偽りの名 iFormulaX》《ドンドン打つべしナウ》を打っておき、このカードを出してごっそりマナを回収しエクストラウィンを狙うというコンボで評価を上げた。《悪魔の契約》が強力なライバルとなっていたが、呪文メタに引っかからない点と、山札を削らない点で差別化はできていた。

エピソード3環境において【ヒラメキドレーン】で使われることもあった。マナゾーンに埋まったG・ゼロクリーチャーを回収してバトルゾーンに吐き出せば《偽りの名 スネーク》の能力でマナを削る事による被害を相殺できるためである。

後に【フォーミュラエクストラウィン】【シャコガイル】エクストラウィンデッキの地位を奪われてしまっており、《水上第九院 シャコガイル》と大量ドローは相性がいいことから、ライバルだった《悪魔の契約》に差をつけられてしまった。

十王篇で成立した【ゼロ・ルピアループ】にも採用された。コンボパーツが揃えばマナゾーンのカードが必要なくなるため、それらをソリティア用のリソースに変換する動きが強力であった。

DMBD-19DMBD-20期には【ゼーロベン】が流行。クリーチャー手札さえあればマナが必要ないということでこちらでもよく使われる。

その他

  • 用途は非常に限られるものの、特定のコンボデッキでは必須パーツかつ枚数がある程度必要となるだろう。しかし絶版となった大型弾のレア再録経験なしということもあり、シングルカードの価格はそれなりに高い。
    • 後に20周年トレジャーの1枚としてDMRP-21で18年ぶりに再録。比較的レアリティの低い銅および黒トレジャーでの再録のため、価格は下がっていくと思われる。
  • 「アルケミスト」とは錬金術師の意。強引な方法とはいえ一瞬にして大量の手札を得られるこのカードには相応しいネーミングだろう。
  • フレーバーテキストは基本的にデメリットの厄介さを物語る内容であるが、ある意味では何度か環境で悪用されたことに対する皮肉とも取れる。
    • 再録版ではこの皮肉の面がより強調されている。

フレーバーテキスト

  • DM-10
    「また、やってもうた。」――困惑の影トラブル・アルケミスト
  • DMRP-21
    久々にやってもうた。――困惑の影トラブル・アルケミスト

収録セット

参考