転生(てんせい)プログラム》

転生プログラム R 水文明 (3)
呪文
S・トリガー
クリーチャーを1体選び、破壊する。そうした場合、そのクリーチャーの持ち主は、自身の山札の上から進化ではないクリーチャーが出るまでカードをすべてのプレイヤーに見せる。そのプレイヤーは、出たクリーチャーをバトルゾーンに出し、表向きにしたそれ以外のカードを持ち主の墓地に置く。
※プレミアム殿堂

DM-10で登場したコスト踏み倒し呪文

バトルゾーン上のどちらかのプレイヤーのクリーチャー1体を持ち主の山札クリーチャー1体にすり替えるらしい非常にトリッキーなカードである。

大抵のデッキには小型から大型まで揃っているため、ただ唱えるだけではギャンブルの域は出ない。

しかし、専用構築をすれば、このカードは「序盤に召喚した自分の小型クリーチャーを、わずか3コストファッティに入れ替える」能力にすることができるため、プレイヤーの腕が試される。
後述にある、山札操作サイキック・クリーチャーを用いた戦法がこれにあたる。

また、自分に使えば墓地肥やしになり、相手に使えばライブラリアウト促進にもなる。
【除去コントロール】など、相手がクリーチャーをあまり入れていないデッキに対して使用すれば山札を大量に削ることも期待できるが、それで強力なファッティがとんで来たら目も当てられないため、やるならそれ以外に勝機がない時くらいだろう。

コスト踏み倒しメタが立っている場合は「破壊する」部分だけが残るため、単純に3コストで打てる除去呪文と扱うこともできる。

下準備の必要性が高いカードではあるが、下準備ができていなくてもいざとなった時に賭けに出られるのもこのカードの魅力であると言える。

環境において

登場時点では、《パルピィ・ゴービー》などの山札操作によって山札の上ファッティを持ってくれば、早期に強力なクリーチャーを展開できる。(→【転生プログラム】)

しかし、このカードが登場した当時の環境は、1枚でゲームを大きく動かすような強力なフィニッシャーは存在しなかったため、山札操作という手間をかけて踏み倒しを行う意義が薄かった。どちらかと言えば、【除去コントロール】系デッキで相手の山札を削る役割が多かっただろう。【ボルバル】の現役時代における【除去コントロール】系統はクリーチャー比率が3割前後であったため、このような使い方は無理からぬことであった。また、当時はプレイヤー攻撃不能のクリーチャーの比率も現在より環境全体においてずっと高く、【除去コントロール】においては採用クリーチャーの内プレイヤー攻撃不能が半数程度で尚且つフィニッシャー不在で適当なクリーチャーで殴るしかフィニッシュ方法がないデッキも珍しくなかったため、相手のダイレクトアタックの可能性を下げる手段としても使われた。

《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》が出てからは、【転生サファイア】で環境トップを走り始めた。しかし、《インフェルノ・ゲート》が登場してからは、《サファイア》の踏み倒し役はあちらにとられ、安定性が低いこのカードはは採用率がガタ落ち。《サファイア》の禁止以降はまた鳴りを潜める。

《貴星虫ヤタイズナ》が登場してからは、それを中核とし、山札を掘り進みつつ、リアニメイトのための進化クリーチャーを大量に墓地へ落とす【転生ヤタイズナ】が構築された。

また、覚醒編超次元が登場してからは、デッキに投入するクリーチャーコスト踏み倒ししたいクリーチャーのみにし、超次元呪文で呼び出した軽量サイキック・クリーチャーをコストにして、そのクリーチャーをほぼ確実に呼び出す【超次元転生】【不滅オロチ】も構築された。
S・トリガーを持つため、《斬隠オロチ》のように単純に確定除去として使うことも可能。相手にフィニッシャーを出されてしまう危険はあるが、スピードアタッカーを出されない限りはとりあえず目先の攻撃は防げるので、土壇場ではこのカードに救われる場面もあった。

非常にトリッキーかつ魅力的なカードではあったが、覚醒編での活躍が祟ったことで2011年1月15日付けで殿堂入りとなった。

殿堂入り後はデッキコンセプトにできなくなったために、あまり見かけないカードとなっていた。

ところが、《龍素記号Sr スペルサイクリカ》の登場からは、【転生サイクリカ】という【超次元転生】が構築され、評価が再び急上昇する。【ミステリー・キューブ】で確実に大型クリーチャーを踏み倒す他、墓地呪文が落ちるという、ある意味《転生プログラム》の弱点とも言えた点がそのまま利点として運用できるようになった。

そして、2016年2月28日、ついにこのカードはプレミアム殿堂へと昇格した。

プレミアム殿堂後は殿堂ゼロデュエルにその活躍の場を移す。GRクリーチャーが登場すると、より容易に転生元を供給できるようになり、殿堂ゼロの【転生サイクリカ】は凶悪なデッキとして環境に参入。中でも《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》との相性は抜群で、3マナから一発で《サイクリカ》を用意でき、容易に3ターンキルを誘発した。さらに、《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》が登場するとそちらと組み合わせた【転生カリヤドネ】が成立し、さらに凶悪性を増した。

このカードが暴走した要因は「踏み台を必要とするとはいえ非進化無制限コスト踏み倒しとしてあまりにも軽すぎる」「ハズレとして捲れた呪文が全て墓地に置かれる」「踏み台が外部ゾーンから余りに簡単に用意できる」この3つである。他の2つなら《ヒラメキ・プログラム》にも当てはまるが、後の殿堂ゼロデュエルでの活躍を鑑みるに「ハズレとして捲れた呪文が全て墓地に置かれる」という点の悪質度がより高いだろう。

その他

サイクル

DM-10の3コストコスト踏み倒し呪文サイクル

関連カード

フレーバーテキスト

収録セット

参考