禁断竜王(きんだんりゅうおう) Vol(ボル)-Val(バル)-8(エイト)

禁断竜王 Vol-Val-8 KGM 水/火/自然文明 (9)
クリーチャー:ディスペクター/アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/禁断 54321
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
スピードアタッカー
T・ブレイカー
ジャストダイバー
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から5枚を見て、その中から2枚まで手札に加える。残りを好きな順序で山札の下に置く。その後、パワー6000以下のクリーチャーをすべて破壊してもよい。
自分のターンの終わりに、このターン、クリーチャーが4体以上破壊されていれば、このターンの後に自分のターンを追加する。

DMRP-19で登場した//自然ディスペクター/アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/禁断

EXライフジャストダイバー、そして54321という圧倒的なパワーによって非常に高い生存力、強力な2つの効果を発揮するアタックトリガースピードアタッカーを兼ね備える。
そしてこのクリーチャーの目玉は、「自分ターン終了時に、そのターン中に自分と相手のクリーチャーが合計4体以上破壊されていれば」という非常に緩い条件での追加ターン獲得。勿論ササゲール持ちディスタス自壊もカウントに入れることが出来る。

アタックトリガーでは山札の上5枚の中から2枚までを手札に加え、さらに任意で全体6000火力を放つ。
必ず山札の上から3枚以上をデッキボトムに送ってしまうものの、このサイズのスピードアタッカーT・ブレイカーが攻撃しながら手札補充を行ってくれるのは非常に便利。手札に加える枚数は0~2枚の好きな数を選べるので、ライブラリアウトの心配もない。
その後に任意で発動できる火力では、ウィニーや小型のシステムクリーチャーなどはほぼ一掃できると考えて良いだろう。ただし6000という数値はインフレが進んだ現在においては火力除去としてそれほど信頼できる数値ではなく、本当に処理したいクリーチャーには今一つ届かないということも多い。
自軍も範囲に含むことから、pig持ちや役目を終えたウィニーなどをなるべく維持してこの火力に巻き込み、追加ターン獲得の為の破壊数を稼ぐのが主な使い方になるだろう。
また、このカードがデッキに入っている可能性を仄めかせば、相手にパワー6000以下のクリーチャーを出しづらくさせる心理的ロックが掛けられる。

スピードアタッカーアタックトリガー火力により、出たターンにそのまま追加ターン獲得の条件を達成しやすい。また、追加ターン獲得には制限もデメリットもないため、専用デッキを組むことで何度も追加ターンを行うことも可能。
//自然ディスペクターであることから、《禁断竜秘伝エターナルプレミアムズ》《接続秘伝ドミニオンスパイク》によるアタック・チャンス呪文での効果バトルに対応している。54321という非常に高いパワーでの効果バトルになるため、実質ほぼ確定除去と考えても良いだろう。他には同ディスペクターである《偽爆電融 ゾルネードシヴァ》マッハファイター付与するという手もある。

ディスペクター/アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴンとサポートの豊富な種族を持つので、早期着地も難しくない。
特に、このクリーチャー召喚時にササゲールを使ってディスタス破壊すれば、コスト軽減しつつ追加ターンのための破壊数を稼ぐことができ一石二鳥。おそらく公式が意図したデザイナーズコンボだろう。
現在ではササゲール持ちディスタスにも実用的な固有能力を持つものが数多く登場しており、選択肢は豊富である。

総じて王来篇キングマスターに漏れず、単体での高いカードパワー、優秀な文明種族シナジーを生む周辺カードに恵まれ、様々な活用法を考えられるカードである。登場直後から、純粋にマナを伸ばす【5色コントロール】【モルト NEXT】をはじめとするドラゴンデッキササゲール持ちディスタスを多く採用した専用デッキ(【青赤緑Vol-Val-8】)など、様々なデッキに投入されている。

追加ターンを獲得しやすい組み合わせ

カード名文明/パワー詳細
《禁断竜秘伝エターナル
プレミアムズ》
自然/呪文対応アタック・チャンス呪文
確定除去同然の効果バトルだけでなく、いずれかのマナゾーンからコスト5以下のクリーチャー踏み倒しできる。
直後に自身のアタックトリガーに巻き込むなどして破壊数を稼ぎやすい。
《砕慄接続 グレイトフル・
ベン》
自然/13000墓地からマナブーストを行い、毎ターン1度だけディスタスを無償マナ召喚できる。
cipマナブーストによってコスト9と重いこのクリーチャーに繋ぎ、無償マナ召喚によってディスタスの弾を補給できる。
《Vol-Val-8》とのコンボ抜きでもかなりのパワーカードであり、ササゲール【5色コントロール】で纏めて採用するのも手だろう。
《超轟速 レッド・エンド》/6000pig進化元1体をリアニメイトするパワー6000の進化クリーチャー。攻撃中の《Vol-Val-8》に重ねてから
アタックトリガーの6000火力を解決することで、破壊数を1体分増やしつつ攻撃可能な《Vol-Val-8》をもう1度用意できる。
ジャストダイバーを付けなおしたり手札補充を再度行えたりなど利点は多いが、
コマンドでない《Vol-Val-8》に直接侵略することは出来ないことに注意。別途他のカードコマンド種族を追加するか、
上記の《エターナルプレミアムズ》マナから進化させるなど一工夫必要になる。
《メガ・メイキング・
ドラゴン》
/11000主に【デッドヒート・メガメイキング】でこの組み合わせが見られる。
《デッドヒート》《メガメイキング》両方の踏み倒し範囲に入っているだけでなく、その過程での破壊もカウントに入ることから相性が良い。
《メガメイキング》で同時に複数踏み倒しできれば、わずか一手で数ターンに渡って追加ターンを手に入れることすら可能。
+  メジャーではない組み合わせ

その他の情報

ルール

  • アタックトリガーの手札補充は「2枚まで」という表記のため0~2枚の好きな枚数を指定することができ、0枚を選ぶことで山札を温存できる。ただし効果自体は強制のため、必ず山札の上から5枚を見て山札の下に送る必要がある。
    一方で全体火力は任意のため、攻撃前に4体破壊を満たしている場合はあえて温存するのも一手である。

環境において

下馬評よりも追加ターン獲得に必要なギミックは環境に溢れていたため、高い除去耐性も相まってフィニッシャーに据えたデッキが結果を残した。

2021年10月初頭のオリジナルチャンピオンシップを優勝したササゲールギミック採用型の【5色コントロール】に採用されていた。《ヘブンズ・ゲート》《砕慄接続 グレイトフル・ベン》を2体出しすることでディスタスのタダ出しを一気に行えば、他に採用してある先置きディスタスとの相乗効果で追加ターン発生まではすぐである。【青赤緑Vol-Val-8】でもそこそこ結果を残している。
【赤緑ボルシャック】にこのカードと《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》《ボルシャック・サイバーエクス》を加えて青をタッチした型も結果を残した。《ボルシャック・栄光・ルピア》による過剰マナブーストによりマナに青を埋めるのは容易い。カードパワーの高いドラゴンを多数使える一方、《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》のヒット率が低下するため通常の構築とは一長一短であり、赤緑型も依然として環境に存在していた。

10月下旬の2ブロック環境では《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》軸の【5色ディスペクター】で結果を残した。非力なササゲール持ちを《轟破天九十九語》で大量展開してからこのクリーチャーのアタックトリガーをタイムラグなしに使うという寸法である。

【ダークネスコントロール】に膠着状態を打破するために1枚積みされることもあり、中にはその基盤を受け継ぎつつ侵略を全てカットしてこのカードを主軸とした型もある。オリジナル【青黒退化】/【青黒緑退化】でもジャストダイバーを持つスピードアタッカーということで、《竜魔神王バルカディア・NEX》で呼び出すダイレクトアタック要員として使われる場合がある。勿論除去能力のおかげで《霊宝 ヒャクメ-4》などのS・トリガーブロッカーにも強く、このように《竜魔神王バルカディア・NEX》でノータッチなクリーチャーによるカウンターにもある程度対処できる。

ただし、【青魔導具】の場合は相方の《竜魔神王バルカディア・NEX》魔導具呪文を止められないため、《堕呪 ギャプドゥ》スーパー・ボーナスなどの裏目もあり、過信は禁物。

黒赤緑系の【禁断スター退化】でも、《一王二命三眼槍》に比較的強めであることからフィニッシャーの1体として採用される場合がある。抜き4色の場合は味方の《時空工兵タイムチェンジャー》《天災 デドダム》などの潤滑油となるクリーチャーを巻き込んで追加ターンを得るケースもある。

【我我我ブランド】対面の場合、刻んで来る相手にS・トリガーによる自己踏み倒しリアニメイト呪文によるカウンター《霊宝 ヒャクメ-4》を合わせることが出来れば、大体4ターン目に着地させることができる。そうなれば除去のついで追加ターンを得ることができる。

ただ、コストが9と恵まれず、《流星のガイアッシュ・カイザー》でのコスト軽減《灰燼と天門の儀式》でのリアニメイトに引っ掛からないため、どんなデッキにも入るようなスペックではないと言える。言い換えれば、これだけのスペックの持ち主であることから運用性が良くなり過ぎないように調整されたというところか。

DM22-BD1発売を機に【モルト NEXT】が大幅強化されると青赤緑構築にほぼ確定で入るようになり、アドバンス環境でよく見かけるようになった。スピードアタッカージャストダイバーということでその対策に《革命の絆》が使われるなど環境に影響を及ぼした。ビートダウン用、リソース系といった相手のウィニーや、味方の《ボルシャック・栄光・ルピア》《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》を巻き込めば、特に工夫しなくとも追加ターンを得られる場合がそこそこあるのも美味しい。

アドバンスでは【4色万軍投】に投入されることがあり、自軍の諸々のマナドライブウィニーを餌に追加ターンを得る。

【絶望神サガループ】登場後はそちらにサブフィニッシャーとして投入される場合も。《水上第九院 シャコガイル》と比べると《一なる部隊 イワシン》盾落ちボトム落ちに左右されにくいのが利点で、《一なる部隊 イワシン》の採用枚数を抑えた構築に主に入る。【青黒緑サガ】の場合、《絶望神サガ》自壊ループさせた分と自軍のリソースクリーチャーを巻き込んだ分の、合計2つの追加ターンを安定して得ることができる。

後に《一なる部隊 イワシン》殿堂入りで1枚しか入れられなくなると、必然的に《禁断竜王 Vol-Val-8》をフィニッシャーにした【絶望神サガループ】も増えた。《水上第九院 シャコガイル》はというと、《イワシン》と《シャコ》を各1枚積みしておくだけでサガループにより山札を掘り切る前にその2枚が盾落ちしていないことを把握した時点でゲームに勝ったも同然ということから、デッキ2枠しか消費しないサブプランとして変化することとなった。

2023年8月11日殿堂レギュレーション改訂以降、《超神星DOOM・ドラゲリオン》【テスタ・ロッサ】のフィニッシャーとして使われるようにもなった。

背景ストーリーでの活躍

それは誰もが見た瞬間に「存在してはいけない」と確信できるほどの、禁忌の中の禁忌。

+  具体的な活躍

漫画・アニメでの活躍

漫画『キング』ではハイドが使用した。

+  具体的な活躍

アニメ『キング!』でも漫画『キング』と同様にハイドが使う新たな切り札であり2枚目のキングマスターカードとして『電融』構築時に使用。声優は堀総士郎氏。
こちらは漫画版では使用しなかった追加ターンの獲得能力を存分に使用し、ボルツとジョーを苦しめた。
また、最低2枚所有していることが判明している。

+  具体的な活躍

その他

“隠されし12番目の王”こと「殿堂王」《無双ボルバルザーク》と“時間すらも組み替える力を持つ禁断の使者”こと「禁断王」禁断機関VV-8を合成した新『電融』ディスペクター
事前に予告されていた「ディスペクターの5つの」に収まらない、まさかの「第6の」である。

+  合成元との関係
  • DMRP-19CMでは、同弾キングマスターの中でも最初に紹介された。
    また、バサラらしき人物が駆るバイクの後ろを走りながら登場し、その巨体とデコトラ風のアレンジにより大きなインパクトを残している。

関連カード

収録セット

参考


公式Q&A

  • 5つ目の能力について

Q.《禁断竜王 Vol-Val-8》の「攻撃する時」の能力で自分の山札の上から5枚を見た場合、必ずパワー6000以下のクリーチャーをすべて破壊しなければいけませんか?
A.いいえ、自分の山札の上から5枚を見た場合でも、破壊するかどうかは任意で選べます。
「自分の山札の上から5枚を見て、その中から2枚まで手札に加える。残りを好きな順序で山札の下に置く」と「パワー6000以下のクリーチャーをすべて破壊してもよい」は"。"で区切られているため、別々の処理として、それぞれを使うかどうか選べます。
引用元(2023.8.4)

  • 6つ目の能力について

Q.《龍風混成 ザーディクリカ》がバトルゾーンにいる状況で、自分は《禁断竜王 Vol-Val-8》で攻撃し、パワー6000以下のクリーチャーをすべて破壊する能力を使いました。《龍風混成 ザーディクリカ》は「EXライフ」によりシールドを1つ墓地に置くかわりにバトルゾーンに残ったのですが、このターンの終わりに、《禁断竜王 Vol-Val-8》の能力で、《龍風混成 ザーディクリカ》を破壊されたクリーチャーとして数えられますか?
A.いいえ、数えられません。「EXライフ」の置換効果により《龍風混成 ザーディクリカ》は墓地に置かれていないので、破壊されたことになりません。
引用元(2021.9.24)

Q.《ボルシャック・モモキング》がバトルゾーンにいる状況で、自分は《禁断竜王 Vol-Val-8》で攻撃し、パワー6000以下のクリーチャーをすべて破壊する能力を使いました。《ボルシャック・モモキング》は「スター進化」によって一番上のカードのみが墓地に置かれ、進化元のクリーチャーが再構築によりバトルゾーンに残ったのですが、このターンの終わりに、《禁断竜王 Vol-Val-8》の能力で、《ボルシャック・モモキング》を破壊されたクリーチャーとして数えられますか?
A.はい、数えられます。「スター進化」の置換効果により《ボルシャック・モモキング》のカードのみが墓地に置かれた場合も、それは破壊されたことになります。
引用元(2021.9.24)

Q.自分のターン中、《禁断竜王 Vol-Val-8》の「攻撃する時」の能力で、バトルゾーンにある《夜露死苦 キャロル》4体を破壊しましたが、その4体は墓地に置かれるかわりに手札に戻りました。このターンの終わりに、自分は《禁断竜王 Vol-Val-8》の能力でターンを追加できますか?
A.いいえ、追加できません。破壊される際に置換効果などによって墓地に置かれなかったクリーチャーは数えることができません。
引用元(2021.9.24)


[1] デュエチューブ及びコロコロコミック2021年8月号での情報
[2] 《ボルバルザーク》の特色であると同時にプレミアム殿堂・「12の王」への選抜理由でもある「無条件追加ターン獲得能力」は迂闊に外したり変に条件を厳しくするわけにはいかず、かといって特殊敗北以外のデメリットを付ければやはり《ボルバルザーク》らしさが損なわれ、その特殊敗北はそもそも滅多なことで復活させるべきでない能力である。
[3] デュエチューブでの解説から
[4] もっともアニメ『キング!』第23話のデュエマ自体はジェンドルが勝利している。
[5] カードイラスト版では大剣を用いて攻撃する場合に本体ごと前のめりになる必要があり、アニメーションで動かす手間が増えると考えられたのだと思われる。
[6] 「12番目の王」という扱いの他、「王」の名を持つ《キング・ボルバルザーク》が「ドラゴンの真の王」を自称している
[7] https://twitter.com/dmps_info/status/1256146343472492545 の1枚目の画像参照
[8] 6を物理的に反転させると9になる。
[9] 1体目は《龍風混成 ザーディクリカ》、2体目は《竜界電融 N・EXT》