《ホーリー・スパーク》

ホーリー・スパーク R 光文明 (6)
呪文
S・トリガー(この呪文を自分のシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべてタップする。

DM-01で登場した呪文

黎明期から活躍した定番の防御札の1枚。
人気、実用性ともに高く、オールタップという俗称で親しまれる能力の初出でもある。
後にスパークホーリー・スパークという2種の名称カテゴリが与えられた。

《デーモン・ハンド》《バースト・ショット》S・トリガー時の働きを比較すると、相手のクリーチャーの数やパワーにかかわらず、すべての打点を止めることができる。
オールタップは対象を選ばないためアンタッチャブルタップすることが出来、除去耐性持ちであってもタップしてしまえばもう攻撃には参加できない。
攻撃を凌ぐという一点においては非常に信憑性が高く、S・トリガーすればほぼ確実に1ターンを稼いでくれる。一応タップ耐性には紫電効果持ちや《不屈のウレックス》《弩闘!桃天守閣》などは存在するものの、実際に対策として用いられる事はないと言って良い。

現役時は手打ちも強力であり、お互いにクリーチャーの睨み合いが発生した盤面で唱えれば大量のタップキルが狙えた。入りの【クリーチャーコントロール】なら高パワーブロッカーでこのような膠着状態に入ることも少なくなく、総じてカラーパイとマッチしていた。
詰めの一手としても優秀で、どんなにブロッカーを並べていても1ターンなら無効化できる。アンタッチャブルスレイヤーブロッカー《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》などまともに相手したくないブロッカー相手にも有効であり、シールド・セイバーニンジャ・ストライクの登場前までは信憑性が高い突破役でもあった。(もっとも、この頃には完全上位互換《スーパー・スパーク》が登場していた。)

しかし、攻めの側面ではオールタップは着実に凋落していった。自分のターンの相手獣タップは、それだけでは何かしら数的なアドバンテージを稼ぐ能力ではないため、限られたリソースの中でオールタップ効果に手番を割けるorオールタップで対処せざるを得ないときにしか使えなくなり、結果としてカードの汎用性が下がった。
特に《ホーリー・スパーク》は手打ちではコスト6という重さでありながら、他にクリーチャーがいて有効活用できる状態でなければ唱える意味のない呪文という部分がかなり痛い。手打ち時のコストだけ改善された《スーパー・スパーク》が誕生したのも、現役時のように攻めにも使える汎用性がなくなったから登場が許されたカードというのがうかがえる。

受け札が腐るというのはあらゆるカードに起こる悩みだが、最大効力を発揮する場面がはっきりしているため、相手の刻むプレイングで意図的に「腐らせられた」場面が起こりやすいのは弱点。

現在では《スーパー・スパーク》を始めとした数々の完全上位互換が登場しており、環境から身を引いている。
確実に1ターンを稼ぐ受け札としてはオールタップS・トリガー以外にも、攻撃ロックS・トリガーターンの残りをとばすS・トリガー敗北回避能力持ちS・トリガーが登場しており、多様化が進んでいる。

DMX-21にて《ホーリー・スパーク》をピンポイントでサポートする《神聖の精霊アルカ・キッド》が登場。《聖霊王アルファディオス》といった大型エンジェル・コマンドコスト踏み倒し出来る可能性を得たことにより、評価が見直された。
同時に後輩のオールタップとの差別化が図られたことで、完全下位互換の地位を脱却することとなった。

S・トリガーでのオールタップがもたらすゲームの影響について

デュエル・マスターズでは、ブレイクしたシールド手札に加わりハンドアドバンテージを与えてしまうことから、それらを有効活用させないために不用意なブレイクは避け、ブレイクし始めてから出来るだけ素早くダイレクトアタックを狙うのが常套とされている。中途半端な盤面でブレイク除去S・トリガーを踏んでしまった場合、壊滅した盤面で相手にターンを渡すことになるのも理由である。
その点、オールタップは多くの打点を一度に受け止めることが出来るものの、小刻みなブレイク相手には効果が薄いという真逆の性質を持っている。お互いにクロックを刻み合い、テンポアドバンテージが生命線となった状況下では、確実に稼げる1ターンは勝敗に直結する。オールタップダメージレースになる前にあらかじめ踏んでおきたいS・トリガーなのである。

オールタップの存在故に、デュエル・マスターズブレイクの好手・悪手は逆転し得る可能性があり、ゲームを奥深くしている要因といえるだろう。

上記の理由からワンショット戦術とオールタップは切っても切れない関係にある。自分からのワンショットは「あと1ターンあれば間に合ったのに……」という望みを叶えてくれるのが1ターンの時間稼ぎ効果であり、相手からのワンショットにも本来ゲームに負けているのを《光姫聖霊ガブリエラ》のようなデメリットなしで1ターンの猶予をくれる効果であるためである。
そのためワンショットに分類されるデッキオールタップを積みながらもオールタップを対策する構築を取ることが多い。《光神龍スペル・デル・フィン》など呪文ロック《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》を始めとしたシールド焼却、ピンポイントだが《ギガボルバ》で対策される例もある。
《ギガボルバ》に関しては2022年でも《SMAPONの心絵》対策に用いられた例が確認されるほどである。

S・トリガーという性質上、絡みのデッキでなくとも《ホーリー・スパーク》を4枚積みする構築を取る場合がある。特にビートダウンに顕著で、時間稼ぎとしての役割は勿論、試合が硬直してしまった時に一点突破を狙うために、並べながら手打ちするまで耐えるプランを取ることが出来る。
流石に1ターンの時間稼ぎが光以外の文明[1]で使えるようになってからは鳴りを潜めたが、が入っていないデッキでも《ホーリー・スパーク》がタッチで入っている可能性は十分にあり得る。中速のビートダウンを相手にするときは警戒しておいて損はないだろう。

環境高速化によって手打ちする余裕がなくなって以降も、受け札としてのオールタップS・トリガー除去S・トリガーらとは異なる性質と需要を持ち合わせている。
色の面では白赤2色のビートダウン、例を挙げれば【赤白覇道】あたりが《終末の時計 ザ・クロック》よりチャージしたときの色が優秀な受け札として《閃光の守護者ホーリー》を優先することはしばしば見られる。

環境において

黎明期環境においては唯一と言える1ターンを確実に凌げるS・トリガーとして活躍。勝負を決めることのできる呪文であり、俗に言う切札的な使い方ができた。相手のシールドブレイクする時も、このカードの存在を考慮することが求められた。

といっても流石に現役当時ですらどんなデッキにでも確定で入るレベルのカードではなかった。というのも、上級者の場合はこのカードを警戒して先にS・トリガーとして踏んでおくために、刻むプレイングを行うこともままあったためであった。また、【ボルバル】に対してはこれで1ターンを凌いでも追加ターンがあるので効果が薄く、除去系のS・トリガーの方が《無双竜機ボルバルザーク》特殊敗北まで凌ぐのに適している面があった。

だが、極神編に入るとDM-25でコストが1減少した完全上位互換《スーパー・スパーク》が登場。そちらに出番を譲ることになった。

コストが重い点はガチンコ・ジャッジで活きるなどのメリットがあり、完全に劣っているとは言い難かったが、この点も《DNA・スパーク》《マスター・スパーク》といった同コストながらタップ以外の能力も持つ呪文が登場したことにより完全に立場を失った。

その後DMRP-06にてこの呪文を内包したツインパクトカード《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》が登場した。ルールによると《ホーリー・スパーク》と《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》は別カード扱いとなるため、10年以上の時を経てついに「《ホーリー・スパーク》」を8枚積みできるようになった。

《終末の時計 ザ・クロック》が登場してからは、実物がシールドに埋まっているのが要求されるオールタップより、《戯具 ヴァイモデル》などクリーチャーアクセス効果で間接的に発動でき、《龍装者 バルチュリス》などオールタップを回避する一部のクリーチャーにも刺さるためそちらのほうがどちらかといえば人気が高い。

その他

  • 細かい点だが、DMC-16再録された際にはテキストが「〜すべてをタップする。」から「〜をすべてタップする。」に変更されている。

メディアでの活躍

  • アニメ「VSRF」では第28話で切札 勝太まじめ所ちょー戦で使用。事前にゲスト出演のトレンディエンジェル斎藤から渡されたカードである。
    • 斎藤は「デュエマはわからないが自分と似ている気がする」という理由でこのカードを持っていたらしい。一見するとイラストの光り輝く球体の事を指してそうだが、このカードのイラストレーターはNaoki Saitoこと齋藤直葵氏であり(漢字は少し違うが)二重の意味で自分との類似性を感じていたと思われる。

デュエル・マスターズ プレイスでは

DMPP-01にて登場し、ベリーレアに昇格した。

S・トリガーで唱えればそのターンは確実に攻撃を止めることができ、自分のターンに唱えれば出ているブロッカーをすべて無力化しつつクリーチャーやプレイヤーに攻撃することができる。文明は違えど、《マリン・スクランブル》の立場をほぼ奪ってしまっていた。

DMPP-02ではアンタッチャブル《光器ペトローバ》が登場し、対象を選ばないこのカードの価値がさらに上昇した。

デュエプレでは極神編相当期に《スーパー・スパーク》が登場せず、《白騎士スパーク》白騎士デッキ以外ではタップ効果が不確定に変更されたこともあり、DMPP-15期現在でも活躍を続けている。

その後DMPP-16にてついに上位互換《DNA・スパーク》が登場。DMPP-24では《マスター・スパーク》も。
いずれも強制で山札からカードを1枚減らすため、デッキアウトが現実的に心配なデッキでは《ホーリー・スパーク》を選ぶ理由が残っている。

サイクル

DM-01に収録された6マナS・トリガー呪文。
俗に言う三大S・トリガーである。

デュエル・マスターズ プレイスDMPP-01ベリーレア、コスト6、S・トリガーサイクル

サイクル

関連カード

フレーバーテキスト

収録セット

デュエル・マスターズ

デュエル・マスターズ プレイス

参考