【チェイングラスパーループ】

《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》《グレート・グラスパー》の互いをコスト踏み倒しで出し合う関係を活かして、《グラスパー》の攻撃をループさせることによって無限ループを実現するコンボデッキ。緑単ないし準緑単で組まれる。

連鎖類超連鎖目 チェインレックス SR 自然文明 (10)
クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 13000
このクリーチャーまたは自分の他の自然のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーよりコストが2小さい自然のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー
グレート・グラスパー SR 自然文明 (8)
NEOクリーチャー:グランセクト 14000
NEO進化:自分の自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(クリーチャーが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う)
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、クリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。
自分のNEOクリーチャーが攻撃する時、それよりパワーが小さいクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。

概要

《チェインレックス》を正規コストで召喚するための10マナが貯まるまでマナ加速クリーチャーサーチ除去などを行って、時にはコントロール気味に動きながらターボする。

革命編環境から続く環境の高速化に対してマナ加速できるタイミングも無いように思えるが、《桜風妖精ステップル》《霞み妖精ジャスミン》による2コストマナ加速8枚体制、最大3マナ加速の《剛撃古龍テラネスク》によって、5ターン目に10マナ用意してループを始動させることが比較的容易である。
邪魔なクリーチャーは《掘師の銀》などの選ばせ除去で退場させ、侵略革命チェンジに対しては《革命目 ギョギョウ》によるロックが活きる。

《幻影 ミスキュー》や、時には《邪帝斧 ボアロアックス》をも使ってループを補助することもできるため、テンプレ的な流れに囚われることなくループすることが可能。

早ければ5ターン目にループに入れるこのデッキは、《チェインレックス》の重さを感じさせないとても強力なデッキである。ループ自体も比較的簡便であることから、ある程度デュエマを知っているプレイヤーなら手を出せるデッキタイプであり、《グラスパー》の登場以降このデッキは流行するに至った。

主要カード

候補カード

《ダンディ・ナスオ》必要なパーツをマナに置く
《革命目 ギョギョウ》カウンター札
《掘師の銀》除去。《革命目 ギョギョウ》と組み合わせると強い
《未謎の鎖 ブリタネッコ》
《エコ・アイニー》ドラゴン比率高めの構築なら採用圏内。偶数コストなので《チェインレックス》で踏み倒し可能
《社の死神 再誕の祈》使い終わった《ジャスミン》や《マップ》をマナへ
《成長目 ギョウ》盾落ちケア
《ラ・ズーネヨマ・パンツァー/逆転のオーロラ》盾落ちケア。大量ブーストにも
《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》《チェイン》能力誘発/ブーストマナ回収をこれ1枚で
《自然星人》大量マナブーストターンエンド時に《チェインレックス》をマナ回収できる
《ダクライ龍樹》大型マッハファイター攻撃時にマナを操作
《百族の長 プチョヘンザ》ファイナル革命で全体マナ送り。タップインにより盤面を制圧。
《ステップル》や《再誕の祈》をついでのように巻き込んで高コスト域に繋げる
《大樹王 ギガンディダノス》《獅子王の紋章》《ミステリー・キューブ》などでめくると強力。
《フェアリー・ギフト》強力なコスト軽減
《ボント・プラントボ》重量級構築にすればフルスペックを発揮するマナブースト
《古龍遺跡エウル=ブッカ》防御札
《コクーン・マニューバ》防御札。カウンターでループ始動も可能
《コクーン・シャナバガン》
《獅子王の紋章》
《ホーガン・ブラスター》タッチ型の場合には採用圏内の防御札。カウンターでループ始動。
《斬隠オロチ》同上。素出しも十分考慮の範囲内
《終末の時計 ザ・クロック》青をタッチするなら定番の防御札
《光牙忍ライデン》防御ニンジャ・ストライク
《光牙忍ハヤブサマル》
《ガイアッシュの海地図》cipで1ドロープリン効果を使えるS・トリガーコスト8以上のクリーチャーを2軽減

ドラグハート

《龍芭扇 ファンパイ》ループさせてライブラリアウトを狙う
《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》《龍魂教会 ホワイティ》による防御やスーパー龍解時の山札リセットを活用。ビートダウンプランにも利用可能
《始原塊 ジュダイナ》マナ召喚補助、ビート対策
《恐龍界樹 ジュダイオウ》ビート対策、ウィニーに刺さる。選んで使う効果でもなくクリーチャーでもないので《異端流し オニカマス》のケアになる
《邪帝斧 ボアロアックス》ループ補助、非主流パーツ

ループの方法

手札に《チェインレックス》1体、バトルゾーンに自然のクリーチャー1体、マナゾーンに《グラスパー》2体、《チェインレックス》2体、《恐・龍覇 サソリスレイジ》1体、《グラスパー》を重ねるための6コストクリーチャー1体。アンタップマナ10マナ必要。
手順は以下の通りである。

  1. 《チェインレックス》召喚マナゾーンから《チェインレックス》以外の自然のクリーチャー1体を進化元として《グラスパー》、《グラスパー》攻撃時マナゾーンから《チェインレックス》。
  2. 《チェインレックス》の8コストクリーチャー踏み倒し能力2体分未解決の内1体分を解決し、マナゾーンから《グラスパー》を出し、攻撃中の《グラスパー》に重ねる。
  3. 《グラスパー》能力で自身をマナゾーンへ。
  4. 《チェインレックス》能力で6コストクリーチャーを踏み倒す。
  5. 《チェインレックス》の8コストクリーチャー踏み倒し能力1体分未解決の内1体分解決し、6コストクリーチャーの方に《グラスパー》を乗せる。
  6. 《グラスパー》攻撃時マナゾーンから《チェインレックス》。
  7. 《チェインレックス》の8コストクリーチャー踏み倒しの未解決が3体分。そのうち1体分を解決して攻撃中《グラスパー》に《グラスパー》を重ねる、能力で自身をマナゾーンへ。
  8. 《チェインレックス》の8コストクリーチャー踏み倒しの未解決が2体分。その内2体分解決、《サソリスレイジ》(cipで《龍芭扇 ファンパイ》装備)を出し、マナゾーンから《グラスパー》を《サソリスレイジ》に重ねる。
  9. 《グラスパー》能力で《チェインレックス》をマナゾーンへ
  10. 《ファンパイ》を装備した《グラスパー》で攻撃。《ファンパイ》の効果で相手の山札を1枚墓地へ、《グラスパー》能力でマナから《チェインレックス》。
  11. 7に戻る。

足りないパーツはこのループの応用で《剛撃古龍テラネスク》のcipを無限に使って集めると良い。

モアイゾルゲ

サブフィニッシャーとして《古代楽園モアイランド》《偽りの名 ゾルゲ》をそれぞれピン挿ししておくのも考えられる。《チェインレックス》の能力で簡単に《ゾルゲ》の能力を必要分誘発できるので、これによって相手のシールドを全て焼却が可能。これが「モアイゾルゲ」である。あとはパワー14000と高パワーにより《革命の鉄拳》《ボルシャック・ドギラゴン》をある程度無視できる《グラスパー》でダイレクトアタックするだけである。
《モアイランド》はコスト10のパワー18000なので《チェイン》でも《グラスパー》でも踏み倒せないように思えるが、一応自然のコスト12としては《神誕の大地ヘラクレス》が存在するので、そこまで無理筋ではない。《幻影 ミスキュー》をループさせると比較的簡便に《モアイランド》を踏み倒せる。

《イザナミテラス》型

ループの際に《蒼狼の王妃 イザナミテラス》を使用することにより、《イザナミテラス》のcipによる手札補充マナブーストを無限に行うことができる。手順は以下の通り。

マナゾーンに《イザナミテラス》と《グラスパー》を含む8枚のカードが必要。

  1. 《チェインレックス》を出す。
  2. 《チェインレックス》の能力でマナゾーンから《グラスパー》を出す。
  3. 《グラスパー》のcipで《グラスパー》自身をマナ送り
  4. 《チェインレックス》の能力でマナゾーンから《イザナミテラス》を出す。
  5. 《イザナミテラス》のcipで山札の一番上をマナゾーンに置き、《グラスパー》に進化
  6. 《グラスパー》のcipで《グラスパー》自身を《イザナミテラス》ごとマナ送り。
  7. 4に戻る。

その後は山札が2〜3枚程度になるまでマナブーストを行い、《グラスパー》のマナ送りを使用せずに2体目の《イザナミテラス》から《グラスパー》を2体並べる。
《グラスパー》の攻撃時に《グラスパー》2体分のアタックトリガー誘発するため、《水上第九院 シャコガイル》とcipでドローをする適当なクリーチャーを出すことで《シャコガイル》でのエクストラウィン達成となる。

弱点

注釈:

+  《悠久》がいてもライブラリアウト可能なケースの解説
  • コンボデッキの常としてハンデスを警戒しなければならない。やはりというか緑単あるいは準緑単なので、ハンデスを食らった後の立て直しは比較的難しい。一見相性が良さそうに見える《キキリカミ・パンツァー》は、ループにおいては不純物であるため、搭載されない。《テラネスク》で手札補充は可能だが、そうすると《テラネスク》でマナ加速しない分だけ10マナに到達するのが遅くなる。

環境において

DMRP-02からDMRP-04裁期まで活躍していたが、DMRP-04魔のリリースによって【ゲイル・ヴェスパー】が強化・安定化に至り、プレイングが単純明快なあちらにシェアを奪われ主流デッキの座からは陥落。

双極篇《オブラディ・ホーネット/「Let it Bee!」》《ナ・チュラルゴ・デンジャー/ナチュラル・トラップ》《カブトリアル・クーガ/ミステリー・ディザスター》など強化札を得たが、10マナでより簡単にフィニッシュできる自然系統のデッキとしては【轟破天九十九語】が登場しており、こちらは確実なフィニッシュという差別化点を活かす必要が生まれた。

DMRP-06期になると、《自然星人》の導入によってマナブースト手段の枠を節約しつつ、《ミステリー・ディザスター》によって高速化を図る構築が主流化し、《グレート・グラスパー》ですら3枚程度に抑える構築も見られるようになった。《ボント・プラントボ》を採用した型も結果を残し、《ミステリー・ディザスター》による捲りを重視した重量級デッキの側面が強くなった。心配されていた【轟破天九十九語】との差別化に関しても、《ミステリー・ディザスター》での高速化によって図ることに成功。コスト踏み倒しメタもマッハファイターのおかげで恐れる必要が無く、そうでなくとも全体除去ドラグハート戦術によってアドバンテージを取れるので最悪コスト踏み倒しメタを残したまま無理やり踏み倒しを行っても構わない。

DMRP-07《ドンジャングルS7》を獲得。《ドンジャングルS7》攻撃対象固定能力で勝負が決まることが多々あり、この頃から実際の大会シーンではループをせずに《ドンジャングルS7》で守りを固めて1ショットキルに向かうゲーム運びが多くなった。

超天篇では新たに登場したGRクリーチャーを組み込んだ【チェインシルキードループ】が成立。それでも《グラスパー》の踏み倒し能力は依然として強力であり、こちらも一定の需要を保っていた。『超CSIII in 山形』では決勝ラウンド進出者128人中5人が使用、使用率7位と健闘を見せた。

王来篇期には、《蒼狼の王妃 イザナミテラス》の獲得と《エンペラー・キリコ》の殿堂入りへの降格により、【キリコチェイングラスパー】が成立し、一定の活躍を収めるに至った。

参考