ランデス

相手のマナゾーンカード墓地手札等に送り、マナアドバンテージテンポアドバンテージを奪う行為。別名マナ破壊

デュエル・マスターズのシステム上、カードを使うためには原則としてマナコストを支払う必要がある。大量の手札を持っていたとしても、マナコストを支払えなければそれらをまとめて腐らせることができる。そのため、マナを奪う行為であるランデスは最高峰の妨害手段と言える。

そのため、能動的にランデスできるカードの種類は全カードプールから見たらほんの一握りしか存在していない。

  • ランダムハンデスの省略形と勘違いしている人もいるので注意。対象のゾーンが違うため文脈から区別することは可能だが、意味は全く違うので誤りに気がついたら教えてあげよう。
マナ・クライシス UC 自然文明 (4)
呪文
S・トリガー
相手のマナゾーンからカードを1枚選び、持ち主の墓地に置く。
緑神龍ザールベルグ R 自然文明 (9)
クリーチャー:アース・ドラゴン 5000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のマナゾーンからカードを2枚まで選び、持ち主の墓地に置く。
バジュラズ・ソウル SR 火文明 (5)
クロスギア
これをクロスしたクリーチャーのパワーは+2000され、シールドをさらにもう1枚ブレイクする。
これをクロスしたクリーチャーが攻撃する時、相手のマナゾーンからカードを2枚まで選び、持ち主の墓地に置く。
※殿堂入り

代表的なのは《マナ・クライシス》《焦土と開拓の天変》のような単発の呪文。これらを素早く撃ち込むことで相手のカードの使用を単純に1ターン遅らせることができ、大きくテンポアドバンテージを失わせることができる。
特にマナが揃っていない序盤から中盤に喰らうと強烈で、色事故を誘発させられると目も当てられない状態となる。このようにランデスを行う上で相手のマナを減らすことは意識すべきである。

ただし、単発のランデスでは相手の重いカードを使わせなくするという拘束力は低い。ターン毎にチャージする機会があるため、時間が経つとマナを回復されてしまう。よって、相手の出鼻を挫いてからは継続的に相手をコントロールできる状態にまで持ち込むか、素早く決着を付けるように心がけるべきである。

《バジュラズ・ソウル》《アドミラル・クイーン》のような一度に複数枚ランデスするカードもある。
これらはチャージするよりも多くの枚数をランデスできるので、重いカードを使わせなくするというロックの側面が強い。このようなカードを使われてしまうと、自分のマナがみるみるうちに減っていくので最終的に何もできなくなってしまう。

《超竜バジュラズテラ》《魔天降臨》のような、一気にマナゾーンカードを吹き飛ばすものは、そのゲームの勝利を決定づけるためのフィニッシャーとして使われる。
仮にS・トリガーなどで凌がれても、マナさえ奪ってしまえば反撃することはほとんど叶わなくなるため、勝敗は決まったも同然となる。

いずれもコントロールの手段としてはポピュラーなので、自分の戦略にマッチするものを活用していきたい。

ランデスに対する印象及び扱いについて

  • 優秀なランデスカードの中には絶版になっているものも多く、公式もあまり収録に積極的でない様子がうかがえる。

その他

ランデスの変遷

マナゾーンカード墓地に送るカードの初出はDM-02に収録された《マナ・クライシス》《ボルザード・ドラゴン》《シェル・フォートレス》《ボマーザウルス》《技師ピーポ》であった。
しかし、基本セット環境では軽いビーストフォークリキッド・ピープルを中心としたビートダウンメタデッキであったため、これらのカードはしばらくの間、ほとんどトーナメントデッキで見る事は無かった。

DM-04では《アストラル・リーフ》《アクアン》などの影に隠れて《ハイドロ・ハリケーン》が登場。登場当初こそ目立った活躍はなかったが、このカードも後に殿堂入りするほどの凶悪なカードであった。

DM-05では《神々の逆流》《竜脈噴火》の2枚が登場。超豪快だが、《ハイドロ・ハリケーン》よりコストが重いこともあって扱いが難しかった。

闘魂編末期には《凶星王ダーク・ヒドラ》による強力な種族サポートを利用して《猿神兵アッシュ》で継続的なランデスを行う【アッシュランデス】が成立。これは《凶星王ダーク・ヒドラ》殿堂、一時期プレミアム殿堂だった時期も、プレミアム殿堂から殿堂解除となり再び殿堂入りとなった現在もなお細々と使われている。
また、闘魂編では言わずと知れた進化ドラゴン《超竜バジュラ》を獲得。この《超竜バジュラ》を高速召喚して勝負を決める【ターボバジュラ】は後の転生編環境で活躍する。

聖拳編では《魔天降臨》《英知と追撃の宝剣》《焦土と開拓の天変》が登場。これらは今なお使われる呪文である。また、《緑神龍ザールベルグ》が登場したのもこの時期。ランデスカードも徐々に数を増やしていき、次第に注目されるようになっていった。

転生編では強力なクロスギアである《バジュラズ・ソウル》が登場。当時はまだ殿堂入りだった《無双竜機ボルバルザーク》とともにこのカードを投入した【バジュラズブルー】環境を席巻した。
また、《停滞の影タイム・トリッパー》《リアリティ・ヴォイド》《ガイアクラッシュ・クロウラー》などの新たなタイプのランデスカードが出現したのもこの時期である。
ボルバルがプレミアム殿堂入りした後は《母なる大地》《緑神龍ザールベルグ》などを使い回して《超竜バジュラ》進化する【ドラゴンランデス】が出現した。

極神編から戦国編にかけては【黒ランデス】が活躍。【ヘヴィ・デス・メタル】フィニッシャーとし、コントロールの代表格として君臨する。
2008年には《超竜バジュラ》《バジュラズ・ソウル》《母なる大地》殿堂入りしてランデスデッキの活躍はやや後退。ハンデスの主流が《ソウル・アドバンテージ》になったことで、コントロールの主役は【カウンターバイケン】となる。

神化編に入ると、【エンペラー・キリコ】の亜種である【キリコランデス】が出現。【星域キリコドラゴン】などの【エンペラー・キリコ】とともに暴れる。
それ以降は、純粋なランデスデッキメタゲーム上で活躍することは減る。

ドラゴン・サーガではランデス呪文と相性のいい《龍素記号Sr スペルサイクリカ》が出現。【サイクリカランデス】メタゲーム上で活躍した。【準赤単】にも《偽りの王 ヴィルヘルム》《焦土と開拓の天変》が積極採用され、一部の【ミステリー・キューブ】では《天使と悪魔の墳墓》が事実上のフィニッシャー呪文として運用されていた。

革命編になると、強力な擬似ランデスとして《メガ・マナロック・ドラゴン》が登場。しかし能力の強力さとは裏腹に、環境の煽りを受けた結果、期待されたほどの大きな活躍は革命ファイナル期までしていなかった。また、強力なランデス呪文《レアリティ・レジスタンス》が登場したのもこの頃だが、環境での活躍はしばらく待つことになる。また、《レジスタンス》と同じDMX-22では《魔天降臨》も再録された。

革命ファイナルでは《メガ・マナロック・ドラゴン》が早期登場の鍵となる《スクランブル・チェンジ》を獲得し大暴れ。また、高速環境の裏をかいた【ジョバンニスコール】が突然頭角を現した。
この結果、2017年2月26日に《メガ・マナロック・ドラゴン》殿堂入り《天雷王機ジョバンニX世》プレミアム殿堂の措置を受けることになった。また、【知新ジャスティス】が成立し、《レアリティ・レジスタンス》が環境で躍進する事になった。

新章デュエル・マスターズでは重量級の《燃えるデット・ソード》が登場。ジョーカーズである事が災いし、《ジョット・ガン・ジョラゴン》《ジョギラゴン&ジョニー 〜Jの旅路〜》と組んで大暴れしている。

他にも《神々の逆流》が久々に再録された。

双極篇では《轟破天九十九語》というランデスに応用できる両プレイヤーコスト踏み倒し効果呪文が登場。マナブースト系統が強化を受けたため、《天使と悪魔の墳墓》のように複数のマナゾーンカードに干渉できるランデス手段の需要が増した。
【“轟轟轟”ブランド】では《ドリル・スコール》速攻とランデスを両立する手段として重用されるに至った。結果、2019年3月1日に《ドリル・スコール》殿堂入り

超天篇においては、《サイバー・K・ウォズレック》から始まるコンボで3ターン目に《超竜バジュラズテラ》の大量ランデスを行う【ウォズレックバジュラズテラ】が成立。程なくして《ヒラメキ・プログラム》プレミアム殿堂入りした事によって、誕生から数ヶ月で消滅する事になった。その後は、強力なマナドライブ能力を持つGRクリーチャーを連打して勝つ【青赤緑ミッツァイル】【4色ドッカンデイヤー】の台頭により、マナドライブを妨害すべく《マナ・クライシス》《Wave ウェイブ》で使い回す機構を採用したコントロールデッキが散見されるようになるも、安定感で一歩及ばず、地雷の域を出なかった。また、【青黒緑デッドダムド】《レアリティ・レジスタンス》が採用されるようになり、《レジスタンス》の知名度をさらに高めることになった。

十王篇においては、新カード《不敵怪人アンダケイン》《腐敗勇騎ドルマークス》のコンボが注目され、【アンダケインランデス】が登場するも、直後に《腐敗勇騎ドルマークス》殿堂入りしてしまう。その後ランデスデッキに目立った活躍はなかったものの、【オカルトアンダケイン】が台頭し、その中に《フォール・クロウラー》が投入されるようになると、最速3ターン目に全ハンデスと全体除去を行い、続く4ターン目から毎ターンランデスを行えるようになり、凶悪なランデスロックデッキとしてアドバンス環境のトップに君臨した。また【ゾンビパルテノンループ】が成立。擬似ランデスを行う《エンドレス・フローズン・カーニバル》で相手をロックするループの穴をついたコンボで話題になった。

王来篇では、【ゾンビパルテノンループ】が2021年4月14日の召喚のルール変更によって消滅。さらに【オカルトアンダケイン】の核を握る《不敵怪人アンダケイン》殿堂入りしたほか、《レアリティ・レジスタンス》プレミアム殿堂入りした。また、《アドミラル・クイーン》が再録された。シリーズ終期には《ソーシャル・マニフェストII世》《魔天降臨》を放つと同時に《ロスト・ソウル》で手札に行った相手のマナのカードを叩き落とすフィニッシュ方法が【5色ザーディクリカ】で流行。

ゴッド・オブ・アビスでは《龍素記号wD サイクルペディア》が登場。《マナ・クライシス》《英知と追撃の宝剣》を連打してランデスする戦略が強化された。

デュエル・マスターズ プレイスでの活躍

デュエル・マスターズ プレイスでは、《マナ・クライシス》《焦土と開拓の天変》のような気軽に実効ランデスできるカードは1枚も登場していない。《停滞の影タイム・トリッパー》のような疑似ランデスもDMPP-11《破壊龍神》まで存在しなかった。

登場しているものは、TCG版でも高レアリティ・高コストだったフィニッシャー、例として、

そして、序盤からランデスを行うには重い

など、原則中盤から終盤に発動できるものが実装されていた。

長らくこの法則が守られていたが、DMPP-17《母なる大地》を皮切りに相手のマナゾーンのカードを選ぶ効果が解禁され、DMPP-19《偽りの王 ヴィルヘルム》DMPP-20《停滞の影タイム・トリッパー》と、おなじみのランデスカードも実装されていっている。

それ以前は、TCG版に存在していた低コストのランデスは、似た名前の新カードに置き換えられたり、効果そのものが変更されたりして回避されてきた。
DMPP-03では《腐敗勇騎ドルマークス》のかわりに《腐敗勇騎マルドゥクス》が、DMPP-04では《天使と悪魔の墳墓》のかわりに《天使と悪魔の審判》が収録され、DMPP-08では《崩壊と灼熱の牙》のランデスがハンデスに変更された。その後、DMPP-09EX《天使と悪魔の墳墓》が実装されるもランデスが削除された。

DMPS-12でついに《焦土と開拓の天変》が登場したが、本物のランデスではなく、使用可能マナを一時的に減らすマナロックへと弱体化されている。

ランデスカード一覧

ランデス先や発動条件も様々だが、大別すると5つのタイプに分類される。

1.墓地送りタイプ

2.バウンスタイプ

3.シールド送り・山札送りタイプ

4.特定のカードをランデスするタイプ

5.相手の行動に反応するタイプ

主な疑似ランデスカード

参考

【ランデス】

デッキタイプの分類のひとつ。
ランデスをデッキのメイン、または補助として多数搭載するデッキのこと。

大きく分けて4タイプに分類される。

  1. ランデスでテンポアドバンテージを取りながら殴るビートダウンタイプ。主に《ボルザード・ドラゴン》を使用したデッキや、【牙バジュラズ】などの《バジュラズ・ソウル》入りのビートダウンが該当。
  2. ランデスで相手をコントロールしてからフィニッシャーに繋げる【除去コントロール】タイプ。主に【黒ランデス】系のデッキ全般、【ランデスサファイア】や【ヘヴィ・デス・メタル】が該当。
  3. 一気に相手のマナゾーンを空にする一撃必殺タイプ。主に《ハイドロ・ハリケーン》《超竜バジュラズテラ》を使うタイプのデッキが該当。
  4. ランデス自体が目的で、永続的なランデスでマナを0にしてからトドメを刺すコンボデッキ。主に【アッシュランデス】【アドミラルロック】などが該当。
  • 【ランデス】の中にはフィニッシャー不在であり適当なcipの使い終わったクリーチャーなどで攻撃する型もある。これは、ランデスによるロック力のおかげでそれ以上の特別なフィニッシュ力が必要ないためである。
  • 一撃必殺系以外のランデスデッキを使うと、試合の流れが停滞しやすく勝負が単調になりやすい。大会で勝つためには致し方ないが、カジュアルで使用すると嫌がる人もいる。

参考