ハイランダー

デッキに搭載するカードを全て異なる種類にした構成のこと。

構成上、オリジナルなら40種をデッキに入れざるを得ず、一般的なデッキよりも格段にアドリブに富んだ動きをとることができる。
反面、決まった戦術を行うことが難しく、毎回違った戦い方を要求されるのでプレイングの難易度は高い。

たまに【ボルメテウスコントロール】銀の弾丸戦術とグッドスタッフの結果としてこの形式をとっているものがある。カードプールの増加に伴い組みやすくなり、可能性も広がっているが、実際に組んで回すのには依然として高い技量が求められる。
その場合、ツインパクトの裁定を利用し、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン/ボルメテウス・レジェンド・フレア》をそれぞれ1枚ずつ採用し、フィニッシャー2枚体制にされることも多い。
王来篇では《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン GS》も登場した。この時期にハイランダーの【ボルメテウスコントロール】が使われるかはともかく、ハイランダーにしたまま3枚体制にすることも可能になった。

《天使と悪魔の墳墓》《黒神龍アマデウス》《悪魔聖霊フンボルト》デメリットを受けない(ただし別名カードでも名前集合ならデメリットを受けることがある)こと、各デッキに対する対応力・柔軟性を高められることがこの構成の意義とされる。
また、この構成を活かすためには《クリスタル・メモリー》などの万能サーチは複数積むのが望ましい。

だが、身も蓋もない言い方をしてしまえば、この構成はゲーム開始前の時点で自身に「○○できない」の制限を課す縛りプレイであり、メリットは皆無、あるいは微々たるものである。
墳墓避けに関しては純正ハイランダーにしなくても複数積みカードの枚数を減らせばプレイングで十分カバーできるし、対応力・柔軟性に関しても環境に合った的確なメタカードを2〜4枚重複して入れた方が勝率自体は上げやすい。

また、同名カードを入れない都合上、特定のコンボを決めるのは困難であり、カード1枚1枚の純粋なカードパワーのみで戦うことになる、仮にコンボを組み込むとしても汎用性の高いものしか入らない。

しかし、一方でハイランダーの愛好家も多く存在する。同じカードは一枚しか使えない緊張感、多くの種類のカードを使える選択肢の多さ、独特のプレイ感覚はハイランダーでしか味わえないからである。

またプレイングはその場その場で引いてきたカード、相手のデッキタイプから戦術を組み立てていくので、頭の柔軟性が求められる。決まった戦術というのは大まかなものしか存在しないが、逆にいえば、プレイヤー自身がゲームの道筋を作り出していけるということでもある。

純正ハイランダーより制限を少なくした準ハイランダーも込みにした場合、この構築にするメリットとして「ハイランダーかもしれない」と相手に余計なヒントを与えることで、逆に相手のプレイミスを誘える場合がある(【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】におけるサンプルレシピ)。当然、メタカードの枚数を強引に1枚に絞るということは再現性の低下にも繋がってしまうことは留意すること。

デッキの強さや勝ち負けよりも、ゲームにおける思考自体を楽しみたい人には向いている組み方といえるだろう。

  • カードが1枚積みかどうかを判定するのは、基本的にカード名である。
    • 同名・絵柄違いは1枚積み扱いにはならない。
    • ツインパクトはカード全体の名称を見るため、同じ名称の側があったとしても全体で異なれば別カードとして扱われる。ただし、それらを同時投入しているデッキがハイランダーと呼べるかどうかは人によって見解が分かれる。
  • お互いがハイランダーで戦っている場合、カード資産の影響はかなり受けやすい。
  • 相互互換などを活用すれば一定量のキーカードを揃えることも可能。もっとも「特定のカードを絶対に使用したい」というデッキでも無い限りそこまでする必要は無いが。
  • デッキ構築により各々の強さの落差が激しいデッキタイプでもある。しっかり調整すればガチデッキにもなりうるが、適当に組むとどうしようもないジャンクデッキになってしまう。
  • 漫画「デュエル・マスターズSX」では最弱デュエリスト、角古れく太が使用したデッキ。キーカードからハイランダーを意識しているように見えるが、強いカードを適当に1枚ずつ組み込んだだけにも見える。ジャンクデッキと紙一重のこのデッキタイプならではの描写と言えるだろう。

参考