#author("2020-01-27T23:07:14+09:00","","") *【チェイングラスパーループ】 [#j98b1591] [[《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》]]と[[《グレート・グラスパー》]]の互いをコスト踏み倒しで出し合う関係を活かして、《グラスパー》の攻撃をループさせることによって[[無限ループ]]を実現するコンボデッキ。[[緑単]]ないし準緑単で組まれる。 |連鎖類超連鎖目 チェインレックス SR 自然文明 (10)| |クリーチャー:ジュラシック・コマンド・ドラゴン 13000| |このクリーチャーまたは自分の他の自然のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーよりコストが2小さい自然のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。| |T・ブレイカー| |グレート・グラスパー SR 自然文明 (8)| |NEOクリーチャー:グランセクト 14000| |NEO進化:自分の自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(クリーチャーが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う)| |T・ブレイカー| |このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、クリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。| |自分のNEOクリーチャーが攻撃する時、それよりパワーが小さいクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。| **概要 [#n4e51554] 《チェインレックス》を正規[[コスト]]で召喚するための10マナが貯まるまで[[マナ加速]]、[[クリーチャー]][[サーチ]]、[[除去]]などを行って、時にはコントロール気味にしながらターボする。 [[革命編環境]]から続く環境の高速化に対してマナ加速できるタイミングも無いように思えるが、[[《桜風妖精ステップル》]]と[[《霞み妖精ジャスミン》]]による2コストマナ加速最大8枚体制、最大3マナ加速の[[《剛撃古龍テラネスク》]]によって、5ターン目に10マナ用意してループを始動させることが比較的容易である。 邪魔なクリーチャーは[[《掘師の銀》]]などの選ばせ除去で退場させ、[[侵略]]や[[革命チェンジ]]に対しては[[《革命目 ギョギョウ》]]によるロックが活きる。 [[《幻影 ミスキュー》]]や、時には[[《邪帝斧 ボアロアックス》]]をも使ってループを補助することもできるため、テンプレ的な流れに囚われることなくループすることが可能。 早ければ5ターン目に[[ループ]]に入れるこのデッキは、《チェインレックス》の重さを感じさせないとても強力なデッキである。ループ自体も比較的簡便であることから、ある程度デュエマを知っているプレイヤーなら手を出せるデッキタイプであり、《グラスパー》の登場以降このデッキは流行するに至った。 **主要カード [#l5d754fb] |[[《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》]]|核| |[[《グレート・グラスパー》]]|~| |[[《桜風妖精ステップル》]]|2コストマナ加速| |[[《霞み妖精ジャスミン》]]|~| |[[《トレジャー・マップ》]]|クリーチャーサーチ| |[[《剛撃古龍テラネスク》]]|コンボパーツを揃えるための大型リソース確保| |[[《幻影 ミスキュー》]]|トップが良ければ最速4ターンキルも可能| |[[《ミステリー・キューブ》]]|~| |[[《カブトリアル・クーガ/ミステリー・ディザスター》]]|~| |[[《恐・龍覇 サソリスレイジ》]]|フィニッシャー| **候補カード [#b0b99e6f] |[[《ダンディ・ナスオ》]]※|必要なパーツをマナに置く| |[[《革命目 ギョギョウ》]]|カウンター札| |[[《掘師の銀》]]|除去。《革命目 ギョギョウ》と組み合わせると強い| |[[《成長目 ギョウ》]]|盾落ちケア| |[[《フェアリー・ギフト》]]※|強力なコスト軽減| |[[《ボント・プラントボ》]]|重量級構築にすればフルスペックを発揮するマナブースト| |[[《エコ・アイニー》]]|[[ドラゴン]]比率高めの構築なら採用圏内。偶数コストなので《チェインレックス》で踏み倒し可能| |[[《社の死神 再誕の祈》]]|使い終わった《ジャスミン》や《マップ》をマナへ| |[[《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》]]|[[《チェイン》>《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》]][[能力]]誘発/[[ブースト]]、[[マナ回収]]をこれ1枚で| |[[《古龍遺跡エウル=ブッカ》]]|防御札| |[[《自然星人》]]|大型[[マナブースト]]。[[ターンエンド]]時に《チェインレックス》を[[マナ回収]]できる| |[[《光牙忍ライデン》]]|防御[[ニンジャ・ストライク]]| |[[《光牙忍ハヤブサマル》]]※|~| |[[《百族の長 プチョヘンザ》]]|[[ファイナル革命]]で全体[[マナ送り]]。タップインにより盤面を制圧。《ステップル》や《再誕の祈》をついでのように巻き込んで高コスト域に繋げる| |[[《コクーン・マニューバ》]]|防御札。カウンターでループ始動も可能| |[[《獅子王の紋章》]]|~| |[[《ホーガン・ブラスター》]]※|タッチ[[青]]型の場合には採用圏内の防御札。カウンターでループ始動。| |[[《斬隠オロチ》]]※|同上。素出しも十分考慮の範囲内| |[[《終末の時計 ザ・クロック》]]|青を[[タッチ]]するなら定番の防御札| **ドラグハート [#w1b87ea7] |[[《龍芭扇 ファンパイ》]]|ループさせてライブラリアウトを狙う| |[[《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》]]|[[《龍魂教会 ホワイティ》]]による防御や[[スーパー龍解]]時の山札リセットを活用。ビートダウンプランにも利用可能| |[[《始原塊 ジュダイナ》]]|マナ召喚補助、ビート対策| |[[《恐龍界樹 ジュダイオウ》]]|ビート対策、ウィニーに刺さる。選んで使う効果でもなくクリーチャーでもないので[[《異端流し オニカマス》]]のケアになる| |[[《邪帝斧 ボアロアックス》]]※|ループ補助、非主流パーツ| **ループの方法 [#s8c3bdb4] 手札に《チェインレックス》1体、バトルゾーンに自然のクリーチャー1体、マナゾーンに《グラスパー》2体、《チェインレックス》2体、[[《恐・龍覇 サソリスレイジ》]]1体、《グラスパー》を重ねるための6コストクリーチャー1体が必要。 手順は以下の通りである。 1.《チェインレックス》[[召喚]]、[[マナゾーン]]から《グラスパー》、《グラスパー》[[攻撃]]時マナゾーンから《チェインレックス》。 2.《チェインレックス》の8[[コスト]][[クリーチャー]]踏み倒し[[能力]]2体分未解決の内1体分を[[解決]]し、マナゾーンから《グラスパー》を出し、攻撃中の《グラスパー》に重ねる。 3.《グラスパー》能力で自身を[[マナゾーン]]へ。 4.《チェインレックス》能力で6コストクリーチャーの方に《グラスパー》を重ねる。 5.《チェインレックス》の8コストクリーチャー踏み倒し能力1体分未解決の内1体分解決し、6コストクリーチャーの方に《グラスパー》を乗せる。 6.《グラスパー》攻撃時マナゾーンから《チェインレックス》。 7.《チェインレックス》の8コストクリーチャー踏み倒しの未解決が3体分。そのうち1体分を解決して攻撃中《グラスパー》に《グラスパー》を重ねる、能力で自身をマナ[[ゾーン]]へ。 8.《チェインレックス》の8コストクリーチャー踏み倒しの未解決が2体分。その内2体分解決、《サソリスレイジ》(cipで[[《龍芭扇 ファンパイ》]]装備)を出し、マナゾーンから《グラスパー》を《サソリスレイジ》に重ねる。 9.《グラスパー》能力で《チェインレックス》をマナゾーンへ 10.《ファンパイ》を装備した《グラスパー》で《グラスパー》のアタックトリガーで相手の[[山札]]を1枚[[墓地]]へ、《グラスパー》能力で[[マナ]]から《チェインレックス》。 11.7に戻る。 足りないパーツはこのループの応用で《剛撃古龍テラネスク》の[[cip]]を無限に使って集めると良い。 **モアイゾルゲ [#ae8852c9] サブフィニッシャーとして[[《古代楽園モアイランド》]]と[[《偽りの名 ゾルゲ》]]をそれぞれピン挿ししておくのも考えられる。《チェインレックス》の能力で簡単に《ゾルゲ》の能力を必要分誘発できるので、これによって相手の[[シールド]]を全て焼却が可能。これが「モアイゾルゲ」である。あとはパワー14000と高パワーで、[[《革命の鉄拳》]]や[[《ボルシャック・ドギラゴン》]]をある程度無視できる《グラスパー》で[[ダイレクトアタック]]するだけである。 《モアイランド》はコスト10のパワー18000なので踏み倒せないように思えるが、いちおう自然のコスト12としては[[《神誕の大地ヘラクレス》]]が存在するので、そこまで無理筋ではない。[[《幻影 ミスキュー》]]をループさせると比較的簡便に《モアイランド》を踏み倒せる。 **弱点 [#bf19c4d3] -以前は[[《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》]]が相手の山札にあった場合は[[《龍芭扇 ファンパイ》]]による[[ライブラリアウト]]戦術をほぼ諦めざるを得なかった。 --2017年11月20日に競技イベント運営ルールの更新によりループ中にランダム要素が関わる場合最も望む結果まで省略することが可能になったことで、山札が《悠久》だけという状況を作ることが容易になった。 注釈: #fold(){{{ close,《悠久》がいてもライブラリアウト可能なケースの解説) 《悠久》のプレイヤーが、[[《アルカディア・スパーク》]]や[[《超次元の手ホワイト・ブラックホール》]]等、「対戦相手の山札を墓地送り以外で削る呪文」を同時搭載していた場合、《ファンパイ》で奪って唱えることで《悠久》を墓地以外のゾーンに落とし込める可能性が生ずる。当然、膨大な試行回数が要求される。ループにおける手順の省略において十分に大きな自然数を指定すべきである。具体的な数値は以下のような計算によって求まる。 仮に、残り山札35枚の相手が、山札に《アルカディア・スパーク》と《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》をそれぞれ1枚ずつ抱えているとすると、《アルカディア・スパーク》と《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》の全配置パターンは二項係数C(n, k)=n!/[k!(n-k)!]を使ってこのように表現できる。 全事象:C(35, 1)×C(34, 1)=35×34=1,190(通り) この中で《ファンパイ》側にとって都合がいい山札は、《アルカディア・スパーク》の直後に《悠久》が配置されているパターンである。つまり、(1, 2), (2, 3), (3, 4), ...(中略)...,(34, 35)の全34通りしかない。 従って[[ライブラリアウト]]に適した山札になっている確率は 34/(35×34)=1/35≒0.029 約2.9%ということになる。 逆に望ましくない山札である確率は約97.1%ということになり、その場合は山札がリセットされることになる。t回繰り返した際に少なくとも1回は望ましい山札となる確率は、「^」をべき演算記号とした場合 1-(1-1/35)^t =1-(34/35)^t で求まる。t=10だと約25.2%、t=100だと約94.5%、t=200だと約99.7%の確率で少なくとも1回は望ましいパターンが出現する。1,000回と宣言すれば計算上はほぼ100%出現するので、《ファンパイ》解決を1,000×35=35,000回宣言すれば、十分に大きな自然数と言えよう。 計算の簡便さを今回は優先したが、現実には《悠久》に関わらず《アルカディア・スパーク》によって2回につき1回は着実に山札と墓地の総和が1枚ずつ減少するため、これよりは遥かに少ない試行回数で目的を達成できる。 ---- }}} -デッキの自由枠が殆どないので、ライブラリアウトのサブルートを用意するのは困難であろう。《グラスパー》を並べて殴ったり[[《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》]]で[[ビートダウン]]したりしても良いが、やはりできるだけ避けたい展開ではある。 --前述の「モアイゾルゲ」である程度カバーは可能。いっそ[[《単騎連射 マグナム》]]や[[《偽りの王 ナンバーナイン》]]等をピン刺しして《グラスパー》で出してしまうのも一つの手かもしれない。 --ループの過程で[[《革命目 ギョギョウ》]]を踏み倒しており、[[《掘師の銀》]]などで相手の盤面を処理している、というケースがざらなので、そのまま総攻撃を仕掛けても反撃を食らう恐れが比較的薄い。 -[[コンボデッキ]]の常として[[ハンデス]]を警戒しなければならない。やはりというか[[緑単]]あるいは準緑単なので、ハンデスを食らった後の立て直しは比較的難しい。一見相性が良さそうに見える[[《キキリカミ・パンツァー》]]は、ループにおいては不純物であるため、搭載されない。《テラネスク》で[[手札補充]]は可能だが、そうすると《テラネスク》でマナ加速しない分だけ10マナに到達するのが遅くなる。 -ループの過程で[[アタックトリガー]]が組み込まれているため、「相手クリーチャーが攻撃する時」の能力には注意。[[システムクリーチャー]]の場合は《グラスパー》による除去等で対応できるものの、[[シノビ]]や[[《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》]]によるカウンターで止まることもしばしば。特に[[《怒流牙 佐助の超人》]]から飛んでくる[[《斬隠蒼頭龍バイケン》]]に注意。&br;《悠久》と同じくどこからでも墓地に置かれた時誘発する[[《一なる部隊 イワシン》]][[《爆撃男》]][[《疾封怒闘 キューブリック》]]も天敵。《イワシン》は《バイケン》を呼び出せ、《キューブリック》は[[バウンス]]で、《爆撃男》は《グラスパー》のパワーを下げることでループを成立できなくする。 **環境において [#a66de5f8] [[DMRP-02]]から[[DMRP-04裁>DMRP-04裁 「デュエル・マスターズ 新4弾 誕ジョー!マスタードラゴン!!〜正義ノ裁キ〜」]]期まで活躍していたが、[[DMRP-04魔 「デュエル・マスターズ 新4弾 誕ジョー!マスター・ドルスザク!!〜無月の魔凰〜」>DMRP-04魔]]のリリースによって【ゲイル・ヴェスパー】が強化・安定化に至り、プレイングが単純明快なあちらにシェアを奪われ主流デッキの座からは陥落。 [[双極篇]]で[[《オブラディ・ホーネット/「Let it Bee!」》]]、[[《ナ・チュラルゴ・デンジャー/ナチュラル・トラップ》]]、[[《カブトリアル・クーガ/ミステリー・ディザスター》]]など強化札を得たが、10マナでより簡単にフィニッシュできる[[自然]]系統のデッキとしては[[【轟破天九十九語】]]が登場しており、こちらは確実なフィニッシュという差別化点を活かす必要が生まれた。 [[DMRP-06>DMRP-06 「双極篇 第2弾 逆襲のギャラクシー 卍・獄・殺!!」]]期になると、[[《自然星人》]]の導入によってマナブースト手段の枠を節約しつつ、[[《ミステリー・ディザスター》>《カブトリアル・クーガ/ミステリー・ディザスター》]]によって高速化を図る構築が主流化し、《グレート・グラスパー》ですら3枚程度に抑える構築も見られるようになった。[[《ボント・プラントボ》]]を採用した型も結果を残し、《ミステリー・ディザスター》による捲りを重視した重量級デッキの側面が強くなった。心配されていた【轟破天九十九語】との差別化に関しても、《ミステリー・ディザスター》での高速化によって図ることに成功。コスト踏み倒しメタも[[マッハファイター]]のおかげで恐れる必要が無く、そうでなくとも[[全体除去]]、[[ドラグハート]]戦術によってアドバンテージを取れるので最悪コスト踏み倒しメタを残したまま無理やり踏み倒しを行っても構わない。 [[DMRP-07>DMRP-07 「双極篇 第3弾 †ギラギラ†煌世主と終葬のQX!!」]]で[[《ドンジャングルS7》]]を獲得。[[《ドンジャングルS7》]]の[[攻撃]]対象固定[[能力]]で勝負が決まることが多々あり、この頃から実際の大会シーンでは[[ループ]]をせずに[[《ドンジャングルS7》]]で守りを固めて[[1ショットキル]]に向かうゲーム運びが多くなった。 [[超天篇]]では新たに登場したGRクリーチャーを組み込んだ[[【チェインシルキードループ】]]が成立。それでも《グラスパー》の踏み倒し能力は依然として強力であり、こちらも一定の需要を保っていた。『[[超CSIII in 山形>超CS]]』では決勝ラウンド進出者128人中5人が使用、使用率7位と健闘を見せた。 **参考 [#p4fd7310] -[[デッキ集(一覧)]] -[[デッキ集/ライブラリアウト]] -[[デッキ集/ループ]] -[[緑単]] -[[《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》]] -[[《グレート・グラスパー》]]