#author("2024-08-19T13:29:39+09:00","","")
#author("2024-08-19T13:40:31+09:00","","")
*&ruby(ぼちこ){墓地肥};やし [#d8309d29]

わざと自分のカードを[[墓地]]に送ること。
特に、[[山札]]のカードを[[墓地]]に送ること。

基本的に、[[コンボ]]や[[リアニメイト]]、その他[[シナジー]]を形成する[[カード]]に繋ぐために行われる。

|カラフル・ダンス UC 自然文明 (4)|
|呪文|
|自分の山札の上から5枚を、自分のマナゾーンに置く。その後、自分のマナゾーンのカードを5枚、墓地に置く。|

[[マナブースト]]や[[ドロー]]と違って墓地肥やし自体はそれ単体では全く[[アドバンテージ]]を生まない。その分墓地の枚数はマナや手札よりも軽いコストで増やしやすく、また[[墓地]]を利用・参照する[[カード]]や[[能力]]は他の[[ゾーン]]を利用・参照するものに比べて[[コストパフォーマンス]]に優れることが多いため、うまく組み合わせれば爆発的な[[アドバンテージ]]を叩き出す。

逆に言えば、[[カード]]同士の[[シナジー]]や[[コンボ]]を意識しなければ成立しない、中級者向けの戦略である。

優秀な墓地肥やし[[カード]]としては
-[[山札]]・[[マナ>マナゾーン]]から狙った[[カード]]を[[墓地]]に送れ、[[クリーチャー]]が残る[[《ダンディ・ナスオ》]]
-[[手札]]を減らさないで撃て、[[S・トリガー]]付きの[[《エマージェンシー・タイフーン》]]
-[[マナ]]を(実質的に)消費せず、5枚も[[墓地]]に送れる[[《カラフル・ダンス》]]
-[[墓地]]に[[カード]]を送りつつ、重要な[[クリーチャー]]を[[回収]]する[[《白骨の守護者ホネンビー》]]
-[[DM]]史上最大の量を[[墓地]]に送れる[[《黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド》]]
-[[アタックトリガー]]で[[山札]]から4枚[[墓地]]に送れる[[《堕魔 グリール》]]
-[[アタックトリガー]]で[[山札]]から13枚[[墓地]]に送れる[[《不吉の悪魔龍 テンザン》]]※デメリット付き。

などがある。このうち[[《ダンディ・ナスオ》]]は[[プレミアム殿堂]]、[[《カラフル・ダンス》]]は[[殿堂入り]]している。

用途がそれぞれ微妙に異なるので、上手く使い分けたい。
その他[[《ストリーミング・シェイパー》]]、[[《神門の精霊エールフリート》]]など[[ドローソース]]を兼ねた墓地肥やし要員もいくつかある。(→[[落ちる]])

大きな[[アドバンテージ]]に繋がる分、これへの対策を持った[[カード]]も存在し、''墓地利用メタ・墓地肥やしメタ''と呼ばれる。詳細は[[墓地利用メタ]]のページを参照。

-[[デュエル・マスターズ]]には、[[山札]]から任意のカードをピンポイントに[[墓地]]に落とせるカードが少ない。[[殿堂入り]]以上の[[《ダンディ・ナスオ》]]・[[《ロスト・チャージャー》]]・[[《バロン・ゴーヤマ》]]を除けば、[[《伊達人形ナスロスチャ》]]等数えるほどしか存在しない。[[山札の上]]から墓地を肥やす[[カード]]は多数存在するが、その方法で欲しい[[カード]]が[[墓地]]へ送られるかは運次第であり、どうしても墓地肥やし戦術を安定させる事は難しくなってしまう。
--墓地肥やし戦術を安定させる方法としては、[[デッキ]]のほとんどを[[墓地]]へ送ってもいい[[カード]]にする手がある。例えば[[【墓地ソース】]]は[[墓地]]の[[クリーチャー]]の質では無く量が問われるため、[[デッキ]]を[[フルクリーチャー]]にしてしまえばランダムな墓地肥やしであっても確実に[[クリーチャー]]の数を稼ぐ事ができるようになる。

-また[[《カラフル・ダンス》]]の[[殿堂入り]]以降は、[[マナゾーン]]のカードを手軽に[[墓地]]に落とす手段が限られるようになった。[[《黒神龍グールジェネレイド》]]などをうっかり[[マナ]]に[[埋める>埋まる]]と、処理に困ることになってしまう。

-墓地肥やしとして利用されるのは、上記のように直接[[山札]]を[[墓地]]に置くものや、[[山札]]からある[[ゾーン]]に[[カード]]を蓄えてから[[墓地]]に落とすもの、あるいは逆に特定の[[ゾーン]]の[[カード]]を[[墓地]]に落としてからその損失を埋めるものである。
[[山札]]以外の[[ゾーン]]から[[カード]]を[[墓地]]に置くだけの[[カード]]は[[ディスアドバンテージ]]を被るため、墓地肥やしとして用いられるケースは限られる。

-当然だが、いくら[[墓地]]があってもそれを利用する手段が無ければ意味が無い。[[《黒神龍デヴォリューション》]]等、自らの選択肢を減らす可能性のある墓地肥やしを使用する場合は注意が必要である。

-2000年代半ばあたりまで、初心者は墓地肥やしを「[[山札]]の残り枚数が減り[[ライブラリアウト]]を助長する自殺行為」と看做して敬遠する傾向にあった。実際は相手が[[山札破壊]]でもしない限りゲーム中に自然にライブラリアウトすることはほぼなく、寧ろ[[【墓地ソース】]]などでは墓地のリソースを稼ぐための行為として山札ギリギリまで墓地肥やしすることが珍しくない。
--現在では[[デッキビルディング]]や[[プレイング]]の基礎が周知されているため、墓地肥やしに対してこのような誤った認識を持つ者はほとんどいない。

-『デュエル・マスターズ 超全集 DS』では山札からの墓地肥やしを「山札を捨てる」と表現している。

**墓地肥やしの歴史 [#y7ee0d08]
***転生編期以前 [#ia672a32]
[[転生編]]までは[[リアニメイト]]などの手段に乏しく、墓地肥やしの需要が少なかった。[[闘魂編]]期に[[自然]][[文明]]の[[《再誕の森》]]や[[《恵みの化身》]]による[[マナブースト]]の為に行われていたくらいである。

***不死鳥編期 [#v55bebb1]
[[不死鳥編]]で[[《インフェルノ・ゲート》]]・[[《魔龍バベルギヌス》]]・[[《黒神龍グールジェネレイド》]]が登場してからは[[闇]][[文明]]の戦術の一つとして主に用いられるようになった。特に[[《インフェルノ・ゲート》]]は強力で、[[《ダンディ・ナスオ》]]や[[《ロスト・チャージャー》]]とセットで盛んに使用された。だが、[[《ロスト・チャージャー》]]は[[プレミアム殿堂]]入りに。

***戦国編期 [#ef04d735]
[[戦国編]]では[[《インフェルノ・サイン》]]を初めとして[[リアニメイト]]や[[墓地回収]]がさらに充実し、[[《邪眼皇ロマノフI世》]]など墓地の[[呪文]]を参照する[[ナイト]]が登場したため、需要が拡大。

***神化編期 [#p08c00f6]
[[神化編]]では[[墓地進化]]が登場。それらのサポートおよび早期[[召喚]]のためにも墓地肥やしは欠かせない。特に[[墓地進化GV]]により[[進化元]]を3体必要とする[[《大邪眼B・ロマノフ》]]と、[[超無限墓地進化]]により[[墓地]]の[[クリーチャー]]をすべて[[進化元]]にとれる[[《邪神R・ロマノフ》]]の存在は重要だといえる。
特に[[《大邪眼B・ロマノフ》]]は[[《魔光蟲ヴィルジニア卿》]]によってわずかコスト5で登場可能であったのは大きい。
一方で[[《インフェルノ・サイン》]]が[[殿堂入り]]・[[《インフェルノ・ゲート》]]が[[プレミアム殿堂]]となり、単純な大型クリーチャー一本釣りは難しくなった。

***覚醒編期 [#m94a0618]
[[覚醒編]]では[[墓地]]の[[カード]]を[[コスト]]に発動させる[[アタックトリガー]]「[[返霊]]」が登場。それに合わせて[[闇]][[文明]]を中心に墓地肥やしの[[効果]]を持つ[[カード]]が大量に登場した。

一方で[[《魔光蟲ヴィルジニア卿》]]・[[《龍神ヘヴィ》]]の殿堂入りにより、これまでの墓地肥やし[[デッキ]]は大きな弱体化を受けた。
[[《魔光蟲ヴィルジニア卿》]]から[[《大邪眼B・ロマノフ》]]を高速で呼び出せるウリが消えたのは大きく、それを失った事で墓地肥やしデッキは環境から一時姿を消したとも言ってよい。

***エピソード1期 [#naf38e2b]
墓地肥やし戦術自体が弱体化している中、[[エピソード1]]で強力な[[墓地リセット]]を持つ[[《サイバー・N・ワールド》]]が登場。[[メタゲーム]]では多くのデッキに投入されたため、[[墓地]]を肥やしても無駄になるケースが多くなった。
しかしより深刻だったのは、墓地肥やし戦術自体の遅さ。高速な墓地利用・墓地肥やしの多くが[[殿堂入り]]した事もあって、墓地を肥やしている間に他の[[ビートダウン]]に対して殴り負ける、と言ったケースも増えていったのである。
一応新たな[[カード]]として、必ずクリーチャー2体を墓地に落とせる[[《ヴォルグ・サンダー》]]を獲得したりもしたが、[[【ヴォルグ・サンダーライブラリアウト】]]をはじめ基本的に相手に使うことの方が多かった。
他にも3コストで山札の上から2枚を肥やせるチャージャー呪文[[《ボーンおどり・チャージャー》]]の獲得があった。

***エピソード2期 [#x57eb14c]
[[ドラゴン・ゾンビ]]がフィーチャー種族となり、墓地を肥やすカードは割と多かった。
だが特に注目されたのがエピソード2最終弾の[[《埋葬の守護者ドルル・フィン》]]と[[《白骨の守護者ホネンビー》]]。この弾が出たと同時に墓地に関係する能力を持った[[《誇り高き破壊者 ムスタング》]]と[[《疾封怒闘 キューブリック》]]が登場にしたことによって[[【墓地ソース】]]が環境に進出し始めた。特に[[《疾封怒闘 キューブリック》]]に[[《アクア・メルゲ》]]と[[《盗掘人形モールス》]]を組み合わせた無限ループ([[【メルゲループワンショット】]])は強力で、[[《アクア・メルゲ》]]は[[殿堂入り]]となる。

***エピソード3期 [#oe2eb73c]
[[アウトレイジ]]の台頭とそれに伴う[[【墓地ソース】]]の登場で墓地増やし戦略が再び注目される。[[《新世界 シューマッハ》]][[《日曜日よりの使者 メーテル》]][[《禍々しき取引 パルサー》]]などの有力墓地肥やしクリーチャーの登場と、[[《百万超邪 クロスファイア》]][[《暴走龍 5000GT》]][[《紅き血の テスタ・ロッサ》]]などの墓地にカードが落ちている、あるいは落ちることに対する効果を持ったクリーチャーの登場で、墓地肥やしがまたフィーチャーされた。      

***ドラゴン・サーガ期 [#y1ed555f]
[[《転生プログラム》]]を利用した大量墓地肥やしを活かした[[【転生サイクリカ】]]が環境入り。ただ、[[【墓地ソース】]]弱体化の一環として有用な新規の墓地肥やしがデザインされない状況になり、目ぼしいものは[[《オタカラ・アッタカラ》]]程度しか登場しなかった。

***革命編期 [#ua1901e4]
[[《夢幻騎士 ダースレイン》]]が登場したことで革命編最初期に[[【ダースレインビート】]]が成立し、革命編中期には[[《暗黒鎧 ヴェイダー》]]の登場により[[【黒単ヘルボロフ】]]が強化された。[[《不吉の悪魔龍 テンザン》]]はデメリットが大きいため[[ガチデッキ]]には採用されなかったが、[[ファンデッキ]]界隈では豪快な動きを実現するために利用された。[[《禁断〜封印されしX〜》]]は[[【レッドゾーン】]]において外れた[[封印]]を墓地肥やしのために使われることがあった。

***革命ファイナル期 [#r7e606b9]
[[《禁断〜封印されしX〜》]]による墓地肥やしは[[【赤黒ドギラゴン剣】]]、[[【5色ドギラゴン剣】]]にも導入された。[[《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》]]はそれらのデッキにおいて実質2枚墓地を肥やせるカードとしての性質を発揮した。革命ファイナル終盤には[[【墓地ソース】]]の強化パーツとして[[《【問2】ノロン⤴》]]と[[《プラチナ・ワルスラS》]]が登場。

***新章デュエル・マスターズ期 [#cd282985]
[[《一なる部隊 イワシン》]]の登場によって3ターン目に[[《百万超邪 クロスファイア》]]の[[G・ゼロ]]を比較的容易に達成できるようになり、《プラチナ・ワルスラS》との相乗効果もあって【墓地ソース】が環境上位に復帰。終盤には[[《阿修羅サソリムカデ》]]を主軸とした[[闇]]系の[[ループ]]として[[【グスタフループ】]]、[[【ジャバランガループ】]]などが成立。6コスト払って[[《戒王の封》]]から無限墓地肥やしする光景は当時よく見るパターンであった。ただ、【ジャバランガループ】はその安定感の高さとカウンター性能から[[ビートダウン]]にも耐性があり、そのため[[【赤青ドギラゴン剣】]]が[[《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》]]を導入したことを始めとして露骨に対策を打たれるようになった。

***双極篇期 [#paf6ccd6]
【墓地ソース】は[[殿堂入り]]によって2枚目以降の[[《プラチナ・ワルスラS》]]を失う。[[《カツラデランス》>《カツラデランス/「アフロ行きま〜す!!」》]]、[[《終焉の開闢》>《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》]]などの[[ツインパクト]][[呪文]]の特性を生かした墓地肥やしが成立するも、そうして[[リペア]]手段が与えられた【墓地ソース】は[[《ポクチンちん》]]の登場によってあちらに対して下手すれば何もできないデッキになってしまった。

***超天篇期[#kn824i6]
新たな[[カードタイプ]]である[[オレガ・オーラ]]の墓地肥やしを利用した[[【黒単ド・ラガンザーク】]]が誕生。しかし、[[GRクリーチャー]]からは[[《ポクタマたま》]]が、[[ツインパクト]][[呪文]]として[[《お清めシャラップ》>《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》]]登場したことでどんなデッキでも簡単に[[墓地リセット]]ができるようになってしまう。ほとんどの[[GRクリーチャー]]の[[召喚]]を封じれる[[《暴走龍 5000GT》]]も[[召喚]]される前に[[速攻かループが始まる地獄絵図>ミッツァイル・マスターズ]]の環境だったのも向かい風となった。
新たな[[カードタイプ]]である[[オレガ・オーラ]]の墓地肥やしを利用した[[【黒単ド・ラガンザーク】]]が誕生。しかし、[[GRクリーチャー]]からは[[《ポクタマたま》]]が、[[ツインパクト]][[呪文]]として[[《お清めシャラップ》>《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》]]登場したことでどんなデッキでも簡単に[[墓地リセット]]ができるようになってしまう。ほとんどの[[GRクリーチャー]]の[[召喚]]を封じられる[[《暴走龍 5000GT》]]も[[召喚]]される前に[[速攻かループが始まる地獄絵図>ミッツァイル・マスターズ]]の環境だったのも向かい風となった。

**参考 [#z89e3023]
-[[用語集]]
-[[墓地]]
-[[墓地利用]]

&tag(用語集,墓地肥やし,墓地送り,墓地,タグ未設定);