#author("2020-01-19T15:51:07+09:00","","")
#author("2023-09-02T13:36:42+09:00","","")
*&ruby(ふよ){付与}; [#a0ef640a]

カード(主にクリーチャー)になんらかの[[能力]]を与えること。「付加」とも。
主に、2つの意味がある。
+カードになんらかの[[能力]]を与えること。
+カードの[[能力]]は変更しないが、あたかもカードが能力を得たかのような挙動をさせること。
++見かけ上カードが[[cip]]や[[pig]]などのトリガー能力を得ている状態のこと。
++見かけ上カードが[[常在型能力]]を得ている状態のこと。

このような[[効果]]は[[継続的効果]]の中でも[[特性]]を変更する継続的効果に分類される。
「付加」とも言う。
//ほとんど言わない
//検索したら結構出てくるよ

|永遠のリュウセイ・カイザー SR 火文明 (8)|
|クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 8000|
|バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。|
|W・ブレイカー|
|相手のクリーチャーは、バトルゾーンに出す時タップして置く。|
|相手の呪文の効果またはクリーチャーの能力によって、このクリーチャーが自分の手札から捨てられる時、墓地に置くかわりにバトルゾーンに置いてもよい。|
|百万面相 トカゲ丸 SR 火/自然文明 (10)|
|クリーチャー:ジョーカーズ/チーム切札/スペシャルズ 16000|
|T・ブレイカー|
|自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得、アンタップしているクリーチャーを攻撃できる。|
|自分の他のクリーチャーが相手のクリーチャーとバトルする時、かわりにこのクリーチャーにバトルさせてもよい。|
|このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを1つブレイクしてもよい。|

|キリモミ・スラッシュ C 火文明 (1)|
|呪文|
|このターン、バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。|
例えば[[《百万面相 トカゲ丸》]]は『自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得、アンタップしているクリーチャーを攻撃できる。』という能力を持つ。
これは雑に言えば「''スピードアタッカーとアンタップキラーを付与する''能力」となる。

「クリーチャーに〇〇を与える」([[革命ファイナル]]から登場)か「クリーチャーは〇〇を得る」という書き方のものが一般的((「付与」という言い方に適合するのは前者。))。まれに「クリーチャーは〇〇を持つ」というものも存在するが、[[効果]]はすべて同じ。
詳しく見ると、[[スピードアタッカー]]を与える部分は「[[スピードアタッカー]]」という能力そのものを与えているので1.の意味の付与になる。
一方、[[アンタップキラー]]を与える部分は厳密には能力を与えているわけではなく、あくまで「[[《百万面相 トカゲ丸》]]の効果で[[アンタップ]]している[[クリーチャー]]を[[攻撃]]できる」状態になるので、2.ii.の意味の付与になる。

-[[キーワード能力]]を付与する場合、その能力の[[注釈文]]が省かれていることも多い。[[スピードアタッカー]]、[[ブロッカー]]、[[スレイヤー]]は特に省かれやすい。また[[パワーアタッカー]]における上昇値のように引数(これがなければ機能しないので当然だが)を要する能力も[[注釈文]]が省かれていることが多い。
また、「自分の他のクリーチャーが相手のクリーチャーとバトルする時、かわりにこのクリーチャーにバトルさせてもよい。」という能力に関しても、自分のクリーチャーに「このクリーチャーが相手のクリーチャーとバトルする時、かわりに[[《百万面相 トカゲ丸》]]にバトルさせてもよい。」という能力を与えているのとほぼ同等の効果があり、2.i.の意味の付与と見ることができる。

1.と2.は一見似たような挙動をするが、「能力・効果の発生源」「[[能力]]の[[無視]]」が絡んでくると、この2つの区別は重要になってくる。詳細は後述。
2.が厳密には何かを与えているわけではないことから、1.だけを付与と呼び、2.については「''擬似付与''」と呼んで区別することもある。

**1.について [#a4bb1b57]

「クリーチャーに〇〇を与える」([[革命ファイナル]]から登場)か「クリーチャーは〇〇を得る」と書かれているものが該当する((「付与」という言い方に適合するのは前者。))。まれに「クリーチャーは〇〇を持つ」というものも存在するが、[[効果]]はすべて同じ。

-「自分の[[クリーチャー]]は〇〇を得る」のように、どの[[ゾーン]]にある[[クリーチャー]]に[[能力]]を付与するか明記されていない場合がある。その場合は基本的に「[[バトルゾーン]]にある」をつけて読む。

**ルール [#f4e63917]
-付与された能力の発生源は付与された[[クリーチャー]]になる。具体例は後述の『付与と擬似付与』の部分にて。
-付与された能力の発生源は付与された[[クリーチャー]]になる。

-付与されても能力は能力なため、[[能力]]を[[無視]]する効果の影響は受ける。

-付与された[[能力]]は[[テキスト]]としては扱われない。そのため、[[バニラ]]に[[能力]]を付与してもそのまま『[[カード]]に[[能力]]が書かれていない[[クリーチャー]]』として扱うことができる。

-[[トリガー能力]]によって能力を付与された[[カード]]が別のゾーンに置かれた場合、付与は失効する。[[ゾーン]]は変わらないが[[カードタイプ]]が変更された場合、同様に失効する。
[[クリーチャー]]が[[進化]]や[[覚醒]]などによって別の[[クリーチャー]]になる場合は、[[カードタイプ]]が変更される場合とは異なり、付与された[[能力]]を引き継ぐ事ができる。
--[[進化V]]や[[G・リンク]]、[[覚醒リンク]]などで複数の[[クリーチャー]]が1つの[[クリーチャー]]になる場合、個別に付与されていた[[能力]]はその1体がすべて引き継ぐ。
逆に[[退化]]や[[リンク解除]]などで1体から別々の[[クリーチャー]]になる場合、元の1体に付与されていた能力はすべて個々の[[クリーチャー]]が引き継ぐ(例えば、元の[[クリーチャー]]に[[スレイヤー]]が付与されていた場合、分離した[[クリーチャー]]も全員スレイヤーとなる)。
-付与される[[能力]]の大半は、[[キーワード能力]]か[[アイコン能力]]である。まれに[[DM-07]]の[[ベリーレア]]のように、『(中略)クリーチャーはすべて、次の能力を得る。「〜」』の形で、付与する能力の全文が鉤括弧で書かれることもある。

**付与と擬似付与 [#u1e6ed98]
付与はあくまで「特性を変更する継続的効果」を指す。
以下のものは厳密には特性を変更しているわけではないので、付与ではない。
-他のクリーチャーのイベントに誘発するトリガー能力
-他のクリーチャーに影響する「ルールを変更する継続的効果」
-[[キーワード能力]]を付与する場合、その能力の[[注釈文]]が省かれていることも多い。[[スピードアタッカー]]、[[ブロッカー]]、[[スレイヤー]]は特に省かれやすい。また[[パワーアタッカー]]における上昇値のように引数(これがなければ機能しないので当然だが)を要する能力も[[注釈文]]が省かれていることが多い。

具体例:
[[《雲上の精霊オービスγ》]]存在下で他の[[サバイバー]]を出した時と、[[《粛清者モーリッツ》]]の[[メタモーフ]]下で他のクリーチャーを出した時は、どちらも[[cip]]で相手の[[クリーチャー]]を[[タップ]]する効果が発生する。ただし前者は出した[[サバイバー]]に能力自体を付与して起こるもの、後者は付与ではなく[[《粛清者モーリッツ》]]の[[能力]]によるものである。
-ここで出した[[クリーチャー]]([[サバイバー]])が[[火]]だった場合、前者では[[《勝利の女神ジャンヌ・ダルク》]]を選ぶことはできないが、後者では選べるという違いが発生する。
**2.について [#a4639850]
以下のものは、1.と違って実際には[[能力]]を得ているわけではない。
能力そのものを付与する1.に対して、こちらは「効果を付与する」と呼ばれることがある。

いずれにせよ、運用の際は微々たる違いであることが多く、付与でないこれらは「''擬似付与''」と呼ばれることがある。
***2.i.について [#f4e63917]

-[[《フラッシュ・アーマー》]]などの効果を指して「[[置換効果]]を付与する」という表現が使われることがあるが効果は能力と異なり特性ではないので付与することはできない。
「AがBしたとき、Cする」という[[能力]]は、あたかもAが「このクリーチャーがBしたとき、Cする」という能力を持っているかのように運用できる。しかし、効果の発生源はあくまでも「AがBしたとき、Cする」という能力を持ったカードである。

-継続的効果はルール変更と特性変更でルールが異なるので特に注意が必要。
[[《ハッスル・キャッスル》]]は、自分のクリーチャーを[[《アクア・ハルカス》]]と同じ[[キャントリップ]]持ちとして扱えるようにするが、出たクリーチャーが1ドローさせているのではなく、あくまで[[《ハッスル・キャッスル》]]が1ドローさせている。

//他のクリーチャーのイベントに誘発するトリガー能力は付与ではない。
//-「他のクリーチャーは『このクリーチャーが〜する時』を得るはトリガー能力を付与する継続的効果を生成する常在型能力であるが、「他のクリーチャーが〜する時」は能力を付与しているのではなく、他のクリーチャーのイベントに誘発しているだけである。

//他のクリーチャーに影響する「ルールを変更する継続的効果」は付与(特性を変更する継続的効果)ではない。継続的効果はルール変更と特性変更でルールが異なるので特に注意が必要。
//-「他のクリーチャーは『このクリーチャーは〜できない』を得る」は何かを制限する能力を付与しているが、「他のクリーチャーは〜できない」は他のクリーチャーに制限する能力を付与するのではなく、その能力を持つクリーチャー自身が他のクリーチャーに対して何か制限している。
***2.ii.について [#pd989c62]

//「[[置換効果]]を付与する」という表現が使われることがあるが効果は能力と異なり特性ではないので付与することはできない。
//-「他のクリーチャーは『このクリーチャーが〜する時、かわりに〜』を得る」は置換効果を生成する常在型能力を''付与する継続的効果を生成する常在型能力''であるが、「他のクリーチャーが〜する時、かわりに〜」は他のクリーチャーのイベントを置き換える効果を生成する常在型能力である。
[[単発的効果]]や[[常在型能力]]が、「対象はブロックされない」「相手の攻撃クリーチャーは、可能であれば対象を攻撃する」という[[継続的効果]]を与えることがある。

一見するとそれぞれ「このクリーチャーはブロックされない」や「相手の攻撃クリーチャーは、可能であればこのクリーチャーを攻撃する」という[[常在型能力]]を得ているかのようになる。が、実際にはその能力を得ているわけではなく、そのクリーチャーがその効果の発生源として扱われることもない。
//が、そのクリーチャーに能力を無視する効果をかけても有効のままである。

//[[《チャケの心意気》]]で選ばれたクリーチャーを[[《ゼーロJr.&ゲンムエンペラー》]]で選んでも、その[[攻撃誘導]]は無視されない。

//-発生源を無視すれば「[[継続的効果]]に選ばれたクリーチャーの効果」を無視できる。[[《∞龍 ゲンムエンペラー》]]を出せば唱え終わった[[《チャケの心意気》]]の効果がないものとして扱われるため、[[攻撃誘導]]が無効になる。

**ルール [#z92537fe]

***1.と2.i.の差によって起こること(発生源の違い) [#r9a113e4]

-[[《雲上の精霊オービスγ》]]存在下で他の[[サバイバー]]を出した時と、[[《粛清者モーリッツ》]]の[[メタモーフ]]下で他のクリーチャーを出した時では、どちらも[[cip]]で相手の[[クリーチャー]]を[[タップ]]する効果が発生する。ただし前者は出した[[サバイバー]]に能力自体を付与して起こるもの、後者は付与ではなく[[《粛清者モーリッツ》]]の[[能力]]によるものである。ここで出した[[クリーチャー]]([[サバイバー]])が[[火]]だった場合、前者では[[《勝利の女神ジャンヌ・ダルク》]]を選ぶことはできないが、後者では選べるという違いが発生する。

***1.と2.ii.の差によって起こること(能力と効果の違い) [#ocbaa08f]

-[[《百万面相 トカゲ丸》]]の効果で、[[《ヤッタレマン》]]が「スピードアタッカー」能力と[[アンタップキラー]]効果を付与されている。その時、[[《ヤッタレマン》]]の能力が[[無視]]された場合、[[《ヤッタレマン》]]の「スピードアタッカー」は効果を発揮しなくなるが、[[アンタップキラー]]の効果は失われない。(参照>https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/39131/)

**その他 [#r00f0788]
-[[[DM-07]]での[[ベリーレア]]の一部は、『(中略)クリーチャーはすべて、次の能力を得る。「〜」』の形で、付与する能力の全文が書かれてある。
--[[サバイバー]]などマーク能力を介すものなら珍しくないが、マーク能力でないもので全文の指示があるのは非常に珍しい。
-能力の解決によって付与されたクリーチャーが進化した場合は、付与された能力、効果は([[常在型能力]]を除き)すべて進化先に引き継ぐ。詳しくは[[引き継ぎ]]を参照。

-[[「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時」で始まる能力]]を他の[[クリーチャー]]が使用するのは付与ではないが、発生源がその[[クリーチャー]]になるという点は付与と共通している。
-[[「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時」で始まる能力]]を他の[[クリーチャー]]が使用するのは付与ではないが、発生源がその[[クリーチャー]]になるという点は1.と共通している。

-[[クロスギア]]や[[ウエポン]]、[[オーラ]]は装備品というデザインなので、大部分が付与または擬似付与を行うカードである。
-[[クロスギア]]や[[ウエポン]]、[[オーラ]]は装備品というデザインなので、大部分が付与を行うカードである。
--ただしこの場合も前述の2パターンが混在している。能力の[[無視]]が起きた場合や、新式[[マッドネス]]など条件指定がある効果に対する動きが変わってくるので注意。

**参考 [#d5d04dc4]
-[[用語集]]
-[[パンプアップ]]
-[[「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時」で始まる能力]]
-[[《永遠のリュウセイ・カイザー》]]
-[[《キリモミ・スラッシュ》]]
-[[《百万面相 トカゲ丸》]]

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