《ブルー・インパルス/「
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ブルー・インパルス SR 水文明 (10) |
クリーチャー:スプリガン/ムートピア 12000 |
相手のターンの終わりに、その相手のクリーチャーが自分より4体以上多く、自分の《ブルー・インパルス》がなければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。 |
T・ブレイカー |
スマッシュ・バースト(このクリーチャーが攻撃する時、このカードの呪文側を、バトルゾーンに置いたままコストを支払わずに唱えてもよい) |
「真実を見極めよ、ジョニー!」 SR 水文明 (7) |
呪文 |
S・トリガー |
クリーチャーを3体まで選び、持ち主の手札に戻す。 |
DM23-BD7で登場した水のスプリガン/ムートピアと呪文のツインパクト。
クリーチャー側は相手のターンの終わりに、相手が自軍よりもクリーチャーを4体多く出しており、自分の《ブルー・インパルス》がないという条件付きで召喚でのコスト踏み倒しができる10コスト12000スマッシュ・バースト。
呪文側は敵味方問わずクリーチャーを3体まで選んでバウンスするS・トリガー。
クリーチャー側から見ていくと、このコスト踏み倒しが刺さる条件は以下のようになる。
1.について、1ターンの間にクリーチャー数を大量に増やすデッキはそのターン中のワンショットもつきものである。
もちろんS・トリガーで延命を狙うのは当然だが、《ブルー・インパルス》との併用を考えるとそのカードにも制約がかかる。「相手のターンの終わりに」と相性が良い《終止の時計 ザ・ミュート》や《ピース・盾・ルピア》などを防御札に使っていると、必然的に自分の頭数が1体増える。さらに非クリーチャーの受け札でも《デーモン・ハンド》のように相手のクリーチャーを減らすものではクリーチャー数の差を縮めてしまう作用をする。それらのカードは《ブルー・インパルス》と相性が悪く、現環境ではピンポイントメタの《極閃呪文「バリスパーク」》などの併用が要求されてしまう。
とりあえず、相手の盤面で5体、自分は《ザ・ミュート》1体のみで延命に成功したとして、
自分の盤面が《ザ・ミュート》と《ブルー・インパルス》2体、相手は「クリーチャーを5体並べてワンショットしようとした盤面(例:《弾丸超邪 クロスファイア》が走り出した後)」という潤沢な盤面、果たして自分は勝てますか?
……という状況をイメージすると、《ブルー・インパルス》のおかげで逆転するビジョンは見出しづらいと言わざるを得ない。
根本的に、ワンショットされそうでも「自分のクリーチャー数≦相手のクリーチャー数-4」を満たしているとも限らない。
【青赤マジック】対面を想像して、3ターンキル時には《瞬閃と疾駆と双撃の決断》によるコスト3以下踏み倒しを加味しても3体程度あれば《芸魔王将 カクメイジン》経由でワンショットができる。自分0体でも相手が3体では延命できた場合でも《ブルー・インパルス》を出す条件を満たせない。
次に2.のテンポアドバンテージの問題について。
話をわかりやすくするために、相手が【鬼羅.Star】だったとする。相手が大量にクリーチャーを並べて、カウンターで《ブルー・インパルス》を1体出したとする。《ブルー・インパルス》1体のみではT・ブレイカーでリーサルが足りず、かといってバウンスの盤面処理に回ったとしても手札に戻す除去では進化速攻など次のターンの再展開が容易で、本質的にカウンターには力不足ではないかということ。
スピードアタッカーを多用する相手には、単なるバウンスは、除去したターンにダイレクトアタックを決めてしまい使うターンを与えないか、それこそ《飛翔龍 5000VT》のように出させないようにするかをしないと効き目が薄い。
《流星のガイアッシュ・カイザー》も一緒に使用宣言し先に《ブルー・インパルス》を出してから《ガイアッシュ・カイザー》を出す[1]というプレイングは必須だろう。
3.はそもそもウィニーを大量に並べるゲームは《飛翔龍 5000VT》で咎められるため、オリジナル環境ではウィニー横並べをコンセプトにしたデッキの絶対数が少なく、大量展開可能なデッキであっても《VT》ケアを意識してワンショットに移るまでは無闇にクリーチャーを展開しないプレイングがされる傾向が強い。
《VT》ケアが必然的に《ブルー・インパルス》ケアになってしまっては使おうにも使えない。
総じて、クリーチャー側の性能は、召喚酔いを消す手段がなく出したターン中にワンショットを叩き込めないが、盤面は溜める手打ち《ヘブンズ・ゲート》始動、《スターゲイズ・ゲート》《真実の名 タイガー・レジェンド》始動デッキあたりが仮想敵に定めやすいと言える。
他に、ボードアドバンテージの化身である【黒緑アビスロイヤル】も、勝手に相手が4体以上クリーチャーを出してくれている状況が発生しやすいと考えられる。もっとも《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》のピーピングハンデスには致命的に弱いので完全に刺さるとは言い難い面もある。
クリーチャーとしての運用は上の通りだが、防御札としてはS・トリガーを持ちながら、バウンスとはいえ3体を除去できる。
特に《ボント・プラントボ》などのパワー12000以上のラインや、《神歌の歌姫 アマテラス・キリコ》のコスト10以上のラインに対応したクリーチャー側を持つS・トリガーとしては最高クラスの防御力を誇る。
また、クリーチャーとしか指定されていないので自分のクリーチャーもバウンスでき、様々な利用法が考えられる。
例えば、攻撃中の《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》を対象に含めることで相手クリーチャーを2体バウンスしつつアタックキャンセルできる。
総合的には、基本は呪文側の防御性能を目当てに採用し、クリーチャー側は「手札に来ても最低限腐りにくい」といった感覚で見るべきか。
《巨大設計図》や《ジャンボ・ラパダイス》によって他のカードのついでで手札に加わり、その気がなくとも相手の展開を抑制できることもあるだろう。
防御札として信頼性が高い上に《DARK MATERIAL COMPLEX》の下にカードを一気に3枚も仕込めることから、【青黒COMPLEXコントロール】にも適していると言える。
基本的に《ブルー・インパルス》そのものはコスト踏み倒し条件が厳しい上に劣勢を跳ね返せるスペックではないため、このカードの評価はほぼ呪文側のみの評価である。
ただし、エレメントとして使う気がなくてもツインパクトとして《巨大設計図》【10軸ガチロボ】《神歌の歌姫 アマテラス・キリコ》など一部のカードでさらに汎用呪文として評価が上がる一面もある。
【アカシック3】においては優先順位が多少上がる。DM23-BD4・DM23-BD5・DM23-BD6・DM23-BD7発売日同日のオリジナルで、純粋な防御札枠として3枚投入した【アカシック3】がチャンピオンシップ(ただし39人参加)を優勝。このチャンピオンシップと同じ大会で3位入賞した【アカシック3】には1枚積みであった。それら以外にも【アカシック3】での採用が散見される。後述する補完枠では1枚積みが多めだが、こちらは異なり2枚積み以上もあるなど採用枚数は一定しない。
単なるS・トリガー以上に、《完全水中要塞 アカシック3》を出してしまえば手札からノーコストで3面除去を飛ばせる呪文が《巨大設計図》でサーチできるというツインパクト特有の利点もある。《∞龍 ゲンムエンペラー》など《H.D.2.》フィニッシュの邪魔になるクリーチャーを飛ばすといった用途で利用できる。
自分のクリーチャーも戻せる部分は用途が限定的だったが、《聖斬のコード アシッド》が【アカシック3】に組み込まれると、稀に受け札として使用済みの《コード アシッド》を《ナウ・オア・ネバー》の弾として手札に回収するプレイングがされるようになった。ただ、これは《ナウ・オア・ネバー》の殿堂入りで覆ることになる。
【ハチ公ガチンコ・ジャッジ】にはガチンコ・ジャッジ適性をメインに採用される。
その他のデッキでは、シナジー抜きに補完目的で水の入るあらゆるデッキで採用例が確認される。
2024年1月〜3月の範囲で実際に採用が確認された例では、【5色蒼龍】、【青黒魔導具】、【白緑タッチ青巨大天門】、【青黒赤緑邪王門】、【5色ザーディクリカ】など。
逆に、タッチで水を入れる際にこのカードを受け札兼単色マナにする例も確認されている。2024年3月11日殿堂レギュレーション改訂当日、これを4枚積みした【ゲイル・ヴェスパー】がオリジナルのチャンピオンシップで優勝。投入している水のカードの種類はこれ×4、《水上第九院 シャコガイル》×2、《流星のガイアッシュ・カイザー》×4の3種10枚だけである。
【赤黒タッチ青バイク】にも確認されたようだが、そちらは【青黒赤バイク】とは異なりマナ基盤で水を欲しているわけではないため、カードの色関係なしに完全な単体性能目当てでの採用例となった。