アート的な修正

デュエル・マスターズ競技イベント運営ルールの「3.3 真正カード」に登場する文言。

何をもって「アート的」か「アート的ではない」かを区別するのは難しいが、噛み砕いて言えば「非公開ゾーン区別できるカードにはなっていない(=不正の意思がないカードである)」ことを指していると思われる。

このページでは、裏面を見るだけでは区別できるカードになっていない性質を持っているものは使用可能になる前提を満たしていると定義し、その中で以下のような加工・状態が運営ルールが呼ぶ「アート的な加工」に含まれる例となる。

  • フルフレームでないカードのフレーム等に、イラストを追記してフルフレームのように見せる
    • このような加工を「拡張アート」と呼ぶ。
  • プレイヤーや関係者などの有名人のサインが記載されている
  • 日光に晒して(意図的に)退色させている
  • 消しゴムで擦るなどして、金枠などのカードの箔を除去している

競技ルールでは、「アート的な修正」が施されたカードについて以下のように記載されている。

アート的な修正は認定イベントでも許容されうるが、その修正がカードのイラストを識別できなくしていたり、戦略上意味のある情報を含んでいたり、問題のあるイラストを含んでいたりしてはならない。アート的修正によってマナ・コストカード名が隠れたり変わったりしていてはならない。

あるカードがそのイベントで使用できるかどうかを決定するのは、ヘッドジャッジである。

上の例の中では「日光に晒して退色させている」カードなどは、マナコストのアイコンなどが退色していることで本来の文明の判断が難しくなることもあり、「アート的修正によってマナ・コストやカード名が隠れたり変わったりしていてはならない」に抵触する可能性がある。

アート的な修正が入っていることで即座にイベントでの利用が禁止されることはないが、無条件に利用が可能ということもない。
ヘッドジャッジの判断次第でいつでも使用が禁止されることがある。

よく「『バージョン分け』のテクニックが使えるようになってしまうから、アート的な修正は『戦略上意味のある情報を含む』ので競技シーンでは一律使えない」という論調が散見されるが、これを認めてしまうと辻褄があわなくなってしまう。
最もアート的と思われる「有名人のサイン」入りカードについて、カードのバージョンが1種類しかないものに施された場合、表面では一目瞭然で区別はできてしまうが、それについて一発で使用禁止になるとはどこにも書かれていない。(あくまでヘッドジャッジが認めれば使用可能というだけであり、常時使用可能とも書かれていないが。)

また、デッキに入った同じバージョンのカードが複数枚投入されていたとして、使用に問題がないレベルの状態の差(一方には数ミリの小さな傷があり、もう一方には傷がないなど)も常識の範囲内なら使用を認めるという通例からも、公式以外が提示した表面のバージョン分けになりうる情報は見逃すしかないという事情もある。十数年前のカードかつ再録がないものは、デッキに投入するカードの状態を統一させるというのは非常に困難だろう。スリーブによって非公開ゾーンでの無作為さを確保できるのなら、アート的・非アート的問わずある程度の個体差を黙認せざるを得ないのが現物のカードを使うゲームの定めである。

結局のところ、アート的な修正を含むカードをイベントで利用する場合は、あらかじめ問い合わせておいたり、いざというときに修正が入っていないバージョンのカードを用意しておくなどの準備をしておいた方が無難である。

  • また、そもそもジャッジや運営者にそのような無用な手間を要しうることなど、自己満足を超えた迷惑をかける原因を生み出しているのがモラル違反という考え方もある。アート的な修正が入ったカードの利用を控えるということも一考。

参考