英知の防壁(ウィズダム・ガード)

英知の防壁 UC 光/闇文明 (4)
呪文
このターン、自分のエレメントは、呪文によって選ばれない。
相手のエレメントを1つ選び、破壊する。その後、その相手は山札の上から1枚目をシールド化する。その相手は、この呪文を、コストを支払わずに唱えてもよい。

DM23-BD7で登場した/呪文
自軍に呪文からのアンタッチャブルを付与しつつエレメントを確定除去する代わりに相手にシールド追加させ、更にこの呪文を撃たせる。

単発の挙動としてはシールド化させる除去に近く、選ぶエレメントに制限がないため使いやすい。
1ターン限りの除去耐性は(メガ)ラスト・バーストなども選ぶタイプの呪文ならば封じられるのは嬉しいところ。
それ以外で活かすなら積極的にシールドブレイクして呪文S・トリガーG・ストライクを踏んでも問題ないようにしたいところだが、そこはいまいちシールド追加と噛み合っていないか。

しかしこの呪文の本質はその後相手もこれを撃てることにある。
デュエパーティーで使用するとこの呪文を使われた相手は別のプレイヤーに撃ち返すことができるが、その際この呪文を撃ったあなたのエレメントは選ばれないため、基本的には他のプレイヤーに撃つことになる。その撃たれたプレイヤーもまた別のプレイヤーに撃つことができるため、うまくいけば1枚で各プレイヤーエレメントを1枚ずつ除去することができ、同じような除去枚数になる《噴霧怪人ドポイズン》などと比べても除去の質は高くなる。

ただし相手が呪文を唱えるかは任意であり、唯一被害を被っていないあなたの利にならないように、この呪文を唱えない、または効果の対象プレイヤーにあなたを選ぶことで、除去の連鎖を止める可能性もある。
うまく相手全員のエレメントを除去させられるタイミングを見極めて使いたい。

1対1のゲームではまた別の駆け引きが生まれる。
相手はこの呪文を自分に撃ち返すことができ、その場合エレメントは除去されないものの、シールド追加は行われる。
基本的に意味のない行為だが、ライブラリアウトが勝敗に関わりそうな時にはこれがデメリットになることもあるだろう。
重要なのはそこからで、デュエパーティーの同名のカードは各プレイヤーにつき各ターン1回までしか使用できないルールは1対1のゲームに当然存在しないため、更に相手に撃ち返すことができる。
そのままお互いの気が済むまで、シールド追加による山札破壊のチキンレースを繰り広げられる。

ルール

  • デュエパーティーでは、「相手の◯◯を××する」効果を適用する際は、まず効果を与える相手を選んでから、◯◯(《英知の防壁》の場合は相手のエレメント)を選ぶ。
    相手を選ぶ際にエレメントがない相手や出ているエレメントを選べない相手を選ぶことは適正なため(デュエパーティールール300.1c, 300.1d)、《英知の防壁》によってエレメントが選ばれない状態になっている相手を選び、その相手にシールド化を強いることができる。
    通常の2人対戦も「相手を選ぶ」処理がないだけで、上記のプレイングが可能である。
  • デュエパーティーでは、同名カードは各プレイヤー1ターンに1度しか使えない。そのため、デュエパーティーにおいて、プレイヤーAが《英知の防壁》をプレイヤーBに唱え、プレイヤーBがプレイヤーAに唱えた場合、そこでコスト踏み倒しの連鎖は途切れる。

裁定不明

  • 誰によって選ばれなくなるかが書かれていないため、《偽りの嘘 ネメシス》と同じ挙動で自身でもエレメントを選べなくなる可能性がある。

その他

  • 地獄返霊のように、状況を見てから追加で効果を使える能力ではなく、カードそのものを使い直すという処理になっている。なので、いずれかのゾーンから唱えたこの呪文は、そのゾーン内で保留状態になりながら、「唱えた後の呪文は墓地に置く」という処理に到達する前に何度もプレイヤーに酷使されるというこれまでにない挙動をすることになる。
  • イラストやカード名の通り《サファイア・ウィズダム》の関連カードだが、事実として2つのズレがある。
    • 1.これまで《ウィズダム》関連のフレーバーテキストでは一貫して「叡智」表記だったが、このカード名は「英知」
    • 2.白青の《ウィズダム》とは異なりこの呪文は白黒
      • 公開情報として、「読者であるプレイヤーをだます目的で《サファイア・ペンダット》がフレーバーに干渉することは基本的にはしない」とある。上の2つの違和感には、一応嘘が混ざっていないことになる。
  • 射場本正巳氏はこのカードで「企業秘密感あってすごい。」と投稿している。ここでの「企業秘密」とはMTGに存在している《企業秘密/Trade Secrets》を意味しており、前述のシールド追加チキンレースとよく似たドローチキンレースが行える。
    • MTGの《企業秘密》は、デュエパーティーの元ネタである「統率者戦」という多人数戦で禁止推奨カードとなっている。
      これはいずれか2人のプレイヤーの間だけでチキンレースをすると、残されたプレイヤーとのアドバンテージ差が取り返しのつかないものになり得るためで、《英知の防壁》はデュエパーティーの「同名カードはターン1」ルールによって発生を未然に防いでいるデザインになっている。
      • そういう意味では、デュエパーティー以外の多人数戦ルールで遊ぶ時はこのカードの使用を控えるのが良いかもしれない。使うならば事前にこのカードにのみデュエパーティーのルールを適用するよう取り決めする、あるいは《CRYMAX ジャオウガ》のような状況を解決できるカードが採用されていることを確認するなどしてトラブルの起こらないようにしよう。

関連カード

フレーバーテキスト

収録セット

参考


公式Q&A

  • 2つ目の能力について

Q.自分は《英知の防壁》を唱え、相手のエレメントを1つ選び破壊し、相手は山札の上から1枚シールド化しました。
呪文の効果には「その相手は、この呪文を、コストを支払わずに唱えてもよい」とありますが、この効果はどう処理しますか?
A.「相手のエレメントを1つ選び、破壊する。その後、その相手は山札の上から1枚目をシールド化する」まで処理した後、その効果を受けた相手は《英知の防壁》をもう一度、コストを支払わずに唱えることができます。
相手がこの効果でもう一度《英知の防壁》を唱えたら、次は自分が《英知の防壁》をもう一度、コストを支払わずに唱えることができます。
この手順を繰り返していき、誰も《英知の防壁》を唱えなくなったら処理が終了し、《英知の防壁》は自分の墓地に置かれます。
引用元(2024.1.19)