デュエル・マスターズ(カードゲーム)
このwikiで扱っているトレーディング・カードゲーム。
米ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が開発し、株式会社タカラトミー(2006年までは合併前の株式会社タカラ)が発売している、史上最高に激しくアツかりしTCG商品である。
略称はデュエルマスターズ(中点なし)、デュエマ、DMなど。
日本での発売日は2002年5月30日。発売から20年以上が経過しており、国内のTCGの中でも息の長い部類に入る。長い歴史を持つことからカードプールも非常に膨大であり、戦略は幅広く存在する。興味があれば当Wikiを閲覧し、色々と調べてみるといいだろう。
日本国内では「ポケモンカードゲーム」「遊戯王OCG」と並ぶ3大TCGとして認知されている。
小学生などの低年齢層を対象にしてデザインされており、後に挙げる特徴が示すように比較的シンプルで、誰でもゲームを始めやすいようになっている。
根幹となるルールも比較的シンプルにまとまっている。
一方、シリーズの長期化によって複雑な能力を持つカードも登場してきており、高年齢層でもルールを把握するのに戸惑うカードや難解な裁定が目立つようになった。
また年々環境が高速化し、同時に派手な能力も増え、他のカードゲームと比べて特に動画映えするカードゲームとなっている。
- 玩具対象年齢は「AGES 10+」(10歳以上対象)。
…なのだが、公認大会・公式大会では小学生以下対象のイベントが多い。その為、小学生以下でないと手に入らないカードもある。
- もっとも、そういったカードは既存のカードのアルトアート版であったり、後に再録されるパターンがほとんどであるため、重度のコレクターでなければそこまで気にならない場合が多い。
デュエル・マスターズの特徴
ここでは他TCGと比較した際の、デュエル・マスターズの特徴を挙げる。
カードだけでゲームが完結する
他カードゲームにあるダメージカウンターやトークン、サイコロなどが存在せず、カードを使って行える動作で完結している。
プレイヤーのライフポイントに相当するシステムも、数値を記録するのではなく、「シールド」という、プレイヤーを守る盾として扱われるカードの数によって表現される。
公式ルールでも、カード以外の道具は使用できないことが制定されている。
このため、ブースターパックなどでカードを40枚集めるだけですぐに遊び始めることができる。
例外として、カジュアル向けに「ガチャ」という小道具を搭載した構築済みデッキが発売されたことがある。ただしその影響範囲はガチャと連動する同時収録のカードのみであり、通常フォーマットには影響していない。
ほぼすべてのカードがそのまま使用可能
Magic:The Gatheringで言う「土地」のような、「コストを支払うためのカードタイプ」は基本的に存在せず、代わりにほぼすべてのカードがその役割を担うことができる[1]。このため、特定のカードが本当の意味で腐る場面はまずないと言っていい。
カードを使うことについても、同じ文明のカードを含んだコストさえ支払えば行うことができる。つまり、適当に寄せ集めたカードであっても、各カードに最低限の役割が成立し、とりあえず試合ができるデッキになる。
他の特定のカードがないと使用できない進化クリーチャー、メインデッキに入れられない特殊ルールを持つサイキック・クリーチャーなども存在するが、全体に対しての数は少ない。
主要カードタイプが少ない
相手プレイヤーなどに攻撃する役割を持つクリーチャー、使ったその場で効果を発揮する呪文の2つが主なカードタイプであり、全カードの大部分を占める。
中でもクリーチャーはゲームの主力であり、ゲームに勝利する正規の方法であるダイレクトアタック(相手のライフ/シールドを削り切ってトドメを刺す)はクリーチャーにしかできないため、欠かせない存在である。
なのでまずはクリーチャーを主力に、必要に応じて呪文も入れるのが基本形となる。構築済みデッキでもブースターパックでも多くはこの比率なので、安心してデッキが組める。
これ以外のカードタイプも存在するが、一時的または断続的に登場するにとどまっている。
ただし、一度登場したカードの中には上の2種以外のカードタイプであってもメタゲームで活躍し続けているものが存在するので、環境を目指すならばこの2つ以外のカードタイプについてもよく知っておく必要がある。
相手ターンに干渉する方法が少ない
「相手のターン中に使えるカードタイプ」というものが定められておらず、相手ターン中は、基本的に自分は行動選択ができない。
ただし、自分が攻撃を受けると、構築と運次第では「S・トリガー」を持つカードを使用することができる。コストを支払う必要がなく、返しのターンに召喚酔いなしで行動できるなど、大きな逆転要素となっている。
これ以外にも、個別に相手の行動に反応して何かを行える能力を持ったカードが存在する(例:ニンジャ・ストライク)。ルールにはない相手ターンへの干渉の機会を増やせることから、メタゲームで活躍することもある。
いくつかのカードゲームは、カードゲームの元祖とも呼ばれるMagic:The Gathering(MTG)のシステムを参考にして制作されているが、デュエル・マスターズの場合はそもそもがMTGの派生商品である。開発元も同じ。(Wizards of the Coast)
色(文明)やタップをはじめとした基礎的なシステムを引き継ぎつつも、より低年齢向け商品として、簡略化される部分は徹底的に簡略化されている。上記に挙げた特徴も、MTGという基礎があった上での簡略化による恩恵である部分が多い。
MTGとのより詳しい関係については、「Magic:The Gathering」のページを参照。
海外展開について
海外版も参照。
- アメリカでの発売日は2004年3月5日。キャッチコピーは「Kaijudo(怪獣道)」だった。
しかし、第12弾を最後に展開は終了。
- 2009年より、韓国での販売を開始。
だがこちらも、2012年に第14弾を最後として展開を終了した。
- 2012年6月26日よりアメリカで、「Kaijudo: Rise of the Duel Masters」の名称で新商品を展開。
日本版と同じルールで遊ぶことができるものの、裏面のデザインが異なり、従来のシリーズとの互換性がなくなっている。
- ゴッド・オブ・アビスから、タカラトミーのアジア方面の海外輸出事業の強化のため、アジア方面の海外展開が決定した。
- 言語は日本語だが、他の海外展開をしているTCGでも日本版のまま海外へ販売しているメーカーもあり、何分デュエマに限ったことではない。
その他
- 正式商品名称は「デュエルマスターズ」ではなく「デュエル・マスターズ」。しかし、ネット上や店頭などでは区別されずに用いられることも多い。
「・」を打たないほうがタイピングでも手書きでも手間が少ないため「デュエルマスターズ」を使う場合も多く、実際に検索エンジンでのヒット数にも大きな差はない。また、かつてこのWikiの名称も「・」のない「デュエルマスターズwiki」という名称であった。
- ウィザーズ、タカラ(現タカラトミー)と共に三井グループの大手総合商社である三井物産(厳密には当時その子会社であるキッズステーション)が設立に大きく関わっており、開発や商標登録などで参加している。この為カードにも「Mitsui-kids」「WHS」と関連子会社の権利表記がされている。
- 上記のキッズステーションが子会社の関係で、勝舞編時のゲーム開発やCS局においてのデュエマアニメや「デュエル・マスターズGATE」「デュエル・マスターズDASH TV」などの実写番組が放送されるなど長い関係性が続いていた。しかし2021年にキッズステーションがソニーグループ傘下となり三井物産がアニメ事業から撤退した為に、王来篇と「キング!」を最後にアニメの再放送やデュエマ関連を扱う事が無くなった。
- 漫画ではNACが「究極のカード」「真のデュエリストのみが使えるカード」「使うには危険が伴う」「敗者は死に至ることもある恐ろしいカード」といった触れ込みで紹介した。後に「真のデュエリスト同士で戦うと危険」という設定に変遷し、老人から赤ちゃんまでの誰でもが楽しめるカードゲームとして普及していた。
- タカラトミーで同じく製作されているTCGの「WIXOSS(ウィクロス)」では名称は変わっているものの、デュエマのルールから影響を受けている物が多い。
派生ゲーム
デュエル・マスターズ(その他の用法)
- 1999年のコロコロコミック5月号から連載された漫画。作者は松本しげのぶ。
当初はMagic:The Gatheringを題材にした漫画であった。デュエル・マスターズ(カードゲーム)に題材が移ったのは白凰戦から[2]。
- 2002年放送のアニメ。上記の漫画版を原作とする。ただし題材とするカードゲームはデュエル・マスターズで一貫している。
- 2003年に発売された、ゲームボーイアドバンス用ソフト。
- 背景ストーリー用語。ドラゴン・サーガにおいて、10年に1度定期的に開催される武闘レースの名称[3]。→デュエル・マスターズ(背景ストーリー)
- 2017年のエキスパンションシリーズ。カードゲームの名称と区別するために『新章デュエル・マスターズ』と呼ばれることが多い。これに伴い、以下のものも改めて「デュエル・マスターズ」のタイトルになっている。
- 2017年〜2018年(2017年度)に放送されていたアニメ。主に「デュエル・マスターズ(2017)」と表記される。
- 2017年から連載されている漫画。1.の間接的な続編。
参考