一般に、クリーチャーの上に重ねて(=進化させて)バトルゾーンに出す、特殊なクリーチャー。DM-02から登場している。
また、単にカードタイプの欄に「進化クリーチャー」と書かれているクリーチャーの総称。この場合も《進化設計図》などの効果が使えるが、禁断スター進化やS-MAX進化のように必ずしも進化させるカードであるとは限らない。
《アストラル・リーフ》、《パシフィック・チャンピオン》、《聖鎧亜キング・アルカディアス》、《エンペラー・キリコ》、《邪神M・ロマノフ》、《プラチナ・ワルスラS》と環境に大きな影響を与えた強力なクリーチャーも存在しているジャンルである。
革命編ではバトルゾーンで進化クリーチャーとなるカードのみが持ち得るコスト踏み倒しに「侵略」が登場。また、自身でコスト踏み倒しする場合は必ず進化として出すことになる共通点がある「革命0トリガー」持ちクリーチャーもここで登場。
革命ファイナルまでは順調に強力なクリーチャーが増えていったが、新章デュエル・マスターズからは「NEO進化」のギミックへの置き換えが試みられた。
しかしNEO進化は新たな進化としてそこまで市民権は得られなかった。双極篇、超天篇までは惰性で通常弾でもNEOクリーチャーは登場していたが、十王篇では進化クリーチャーとNEOクリーチャーともども、特殊弾で新規が登場する程度のカードタイプになっていく。
王来篇〜王来MAXでは「バトルゾーンにある進化元を使うことで出すことができる」という性質に原点回帰したスター進化が登場したが、再び市民権は得られず自然消滅した。
ゴッド・オブ・アビス以降は十王篇同様、新規の進化クリーチャー、NEOクリーチャー、スター進化クリーチャー[1]はまれに特殊弾でのみ登場するのみとなっている。
ただし、かつてデュエル・マスターズの華の一つでもあったのは間違いなく、進化プッシュが終わったゴッド・オブ・アビス以降も人気の高い進化クリーチャーはトレジャー枠で再録されている。
守護聖天ラディア・バーレ SR 光文明 (6) |
進化クリーチャー:ガーディアン 9500 |
進化:自分のガーディアン1体の上に置く。 |
ブロッカー |
W・ブレイカー |
召喚の際、進化元がディスアドバンテージとなるため、進化クリーチャーは通常のクリーチャーよりも一見して強力な性能を持つものが少なくない。
進化元のカードを複数必要とする進化V、進化GV、究極進化という種類の進化クリーチャーも存在する。またマナ進化など、バトルゾーン以外にあるクリーチャーを進化元にするものもある。(詳しいバリエーションについては進化の項目を参照)
多くは種族か文明が進化する時の条件となる。
初期は種族による進化が多かったが、後に文明を条件とするものが現れた。また、複数の文明に跨るサバイバー、ナイト、オリジン等や、ドラゴン、サイバー等特定の種族グループを進化元にとる、緩い条件のものが増えつつある。
ほとんどのカードはコスト論で換算できない性能を持つが、一応黎明期は「非進化よりパワー+4000」という基準は存在したようだ。(具体例はコスト論を参照のこと。)
冒頭に述べた、時代が進むごとに不人気へとなっていった現象は、それら進化クリーチャーを出して得られるメリットよりも、進化元がディスアドバンテージとなるデメリットのほうが大きくなり、結果としてコストパフォーマンスが足りていないと判断されるケースが多発したためだろう。
もちろん、王来MAX末期に殿堂入りに指定された《竜魔神王バルカディア・NEX》、アビス・レボリューション末期に殿堂入りした《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》のように、着地に成功した場合のリターンがゲームバランスを壊すほど大きいものも存在するが、それはごくわずかである。通常クリーチャーの性能がインフレを起こした結果、相対的に着地に一手間かかる進化クリーチャーが登場時期のカードプールと照らし合わせて、採用に見合った成果を出してくれるもののほうが少ない。
基本ルール
下にカードがあるNEOクリーチャー(=NEO進化クリーチャー)にも適用される。
- 進化クリーチャーの適正な進化元が存在していない状況(デッキ進化や手札進化など、召喚手順の中で条件を満たすか否か決定する場合を除く。NEOクリーチャーをNEO進化クリーチャーとして出さない場合も除く。)なら、召喚したりバトルゾーンに出したりできない。進化元を必要としないカードは、無条件で進化元が足りている扱いとして進行する。
- S・トリガーで出すことを試みたり、《轟破天九十九語》のように出す効果に巻き込まれるぶんには制限されない。あらゆるクリーチャーは1体ずつバトルゾーンに出すのがルールだが、実際にその進化クリーチャー1体を出す機会が来たときに進化元が足りているなら必ず出し、進化元が足りないのなら出す前の元々あったゾーンにカードを戻す[2]。
- 失敗時にカードを戻すのはデッキ進化と似ているが、デッキ進化の場合は効果によって「進化できなかったら手札に戻す」と指定されているため、そちらは元々あったゾーンは影響されない。
- 《リアルとデスの大逆転》で相手の墓地から進化クリーチャーを選ぶテクニックがある。進化元の用意できない進化クリーチャーを選んでもよく、そうした場合は「出す」という効果が不発になって選ばれた進化クリーチャーは墓地にとどまる。普通は進化クリーチャーを採用しないが《神歌と繚嵐の扉》で相手の山札内から進化を選んだ場合も同様に山札にとどまる。
- 全ての進化クリーチャーは召喚酔いをしない。これはルールの1つであり、全ての進化クリーチャーがスピードアタッカーを持っているという訳ではない。
- 進化クリーチャーに召喚酔いが無いことはあくまでルールに由来するため、「進化」という能力のテキストが参照されることではなく、進化という特殊タイプが参照されることで召喚酔いが無くなるという解釈が正しい。よって、進化能力が無視されても召喚酔いが無いという決まりは無効化されない。進化を用いない方法でバトルゾーンに出したり、何らかの方法で進化元が取り除かれた場合も同様。
- カード指定除去を使う場合、進化クリーチャーと進化元を1枚ずつ別のカードとして扱う。これによって、進化元のカードだけ除去したり、一番上のカードだけを除去することができる。一番上のカードを除去した場合、下にあったクリーチャーは、そのまま残る。詳しくは退化、再構築を参照。
- 進化クリーチャーの一番上がオーラではなく、そのクリーチャーのカードが墓地に置かれた場合は「クリーチャーとして破壊」された扱いになる。「このクリーチャーが破壊された時」、「このクリーチャーが離れた時」などの能力があれば誘発する。
- 一番上のオーラや、進化クリーチャーの下のカードは、単に「カードとして破壊」されただけであり、「クリーチャーが破壊された時」などは誘発しない。スター進化クリーチャーではない通常の進化クリーチャーが破壊された場合も、それが何枚で構成されていても1体分しか破壊カウントにならない。
その他のルール
- 進化したクリーチャーは、進化元が受けていた効果の影響をそのまま受ける。詳しくは、引き継ぎを参照。
- 進化したクリーチャーとその進化元が同時にカード指定除去を受け、進化クリーチャーをセイバーなどの置換効果でバトルゾーンにとどめた場合、その進化元も同時にとどまる。スター進化の場合は、一番上だけが離れ、進化元はすべてとどまる。
- 《Volzeos-Balamord》など、複数のカードで構成されているカードは、移動の実行前にそのオブジェクトとしてとどまるということが確定した時点で、構成カードがすべてとどまるという裁定となっている。
- なお、あくまで進化クリーチャーとその進化元が同時にバトルゾーンを離れる場合にのみ適用されるルールであり、条件付きの全体カード指定除去[3]に進化元のみが効果を受ける場合は、前述のルールは適用されず、通常通り進化元のみがバトルゾーンを離れる。
進化クリーチャーの下から、再構築以外でバトルゾーンに出る場合
分離したクリーチャーは別のゾーンからバトルゾーンに移動したわけではないため、cip能力はトリガーしない。
その他
- カードイラストのどこかに、進化元と同じ数の進化マークが描かれている。このため、イラストを見ただけでもそのクリーチャーが進化クリーチャーかどうかわかるようになっている。
- 後に登場したTCG「カードファイト!! ヴァンガード」で用いる「ライド」という能力と類似点があることから、進化を俗に「ライド」と呼称するプレイヤーもいる。
- デュエル・マスターズ プレイスでは、進化クリーチャーを召喚する際にはカットインが入り、デュエリストがポーズを取る。多くのキャラは右手を掲げるようなモーションを取るが、五守護など例外も存在する。
進化クリーチャーに関連した能力を持つカードの一例
参考
公式Q&A
Q.《「祝」の頂 ウェディング》の「このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出た時」の能力で進化クリーチャーを選んだ場合はどうなりますか? 「合計4枚」とテキストにあるので、進化クリーチャーの一番上のカードだけがシールドに置かれますか?
A.カード単体ではなくクリーチャーを対象とした効果なので、進化クリーチャーを選んだ場合は進化元のカードも一緒にシールドゾーンへ移動します。それらのカードは重ねず、それぞれ新しいシールドとして置きます。
引用元(2020.2.26)
Q.《無量大龍 ノヴェ・シエントス》の「出た時または攻撃する時」の能力で進化元がカード1枚の進化クリーチャーを選んだ場合どうなりますか?
A.進化元と進化クリーチャーの合計2枚がまとめて山札の上か下に置かれます。上と下に1枚ずつ分けて置くことはできません。なお、山札に置く側のプレイヤーはそれら2枚を好きな順番で置くことができ、その順番を対戦相手に見せる必要はありません。
引用元(2020.9.18)
Q.自分の《ジャスミンの地版》から進化した《サッヴァーク <ギャラクシー.Star>》1体と、《ゲラッチョの心絵》2枚がバトルゾーンにある状況で、相手は《テック団の波壊Go!》を唱え、「バトルゾーンにある相手のコスト5以下のカードをすべて、持ち主の手札に戻す。」を選びました。
この時、自分が《サッヴァーク <ギャラクシー.Star>》の置換効果で、《ゲラッチョの心絵》2枚を山札の下に置けますか?また置いた場合、下にある《ジャスミンの地版》はどうなりますか?
A.置換効果の適用は効果に割り込みますので、《ゲラッチョの心絵》2枚を山札の下に置いて、《サッヴァーク <ギャラクシー.Star>》をバトルゾーンに残せます。また、置換効果が適用されたことで、《ジャスミンの地版》も手札に戻らず、《サッヴァーク <ギャラクシー.Star>》の下にとどまります。
引用元(2022.4.8)
Q.自分の《影速 ザ・トリッパー》と、《轟速 ザ・Re:ッド》が下に置かれている《轟く侵略 レッドゾーン》がバトルゾーンにいる状況で、相手は《テック団の波壊Go!》を唱え、効果で「バトルゾーンにある相手のコスト5以下のカードをすべて、持ち主の手札に戻す。」を選びました。
この時、どのカードが手札に戻りますか?
A.《影速 ザ・トリッパー》と、《轟く侵略 レッドゾーン》の下に置かれている《轟速 ザ・Re:ッド》の2枚が手札に戻ります。
進化元など、カードの下に置かれているなどして特性が参照できないカードは、通常は効果で参照されません。ですが、《テック団の波壊Go!》の手札に戻す効果のように、カードを指定する効果によっては参照されます。
引用元(2022.4.8)
Q.《ザーク・砲・ピッチ》の「出た時」の能力で、相手の進化クリーチャーの下に置かれている、コスト3のカードを選べますか?
A.いいえ、選べません。
カードの下に置かれているカードは、特性が無視されています。カードタイプも無視されているので、エレメントとして扱えません。
+
| | (総合ルール 200.3a)
| - 200.3a
- 進化などによってカードの下に置かれているカードは通常のゲーム中は特性が無視されています。ただし、カードを指定する場合、特性は参照されます。カード以外を指定する場合は参照されません。
例:光と水文明を持つクリーチャーの上に進化した水のクリーチャーは水のクリーチャーであり、パワーも種族も下のカードから影響されません。ただし、《テック団の波壊 Go!》の効果を受けた場合、下のカードもコストを参照し、適正であれば効果を受けます。 例:《卍月 ガ・リュザーク 卍》の無月の門・絶は魔導具を参照しているため、《卍 デ・スザーク 卍》の下にあるカードは参照できません。
|
引用元(2023.4.14)
Q.《ザーク・砲・ピッチ》の「出た時」の能力で、相手のコスト3以下の進化クリーチャーを選んだのですが、この場合、進化元のカードはどうなりますか?
A.選んだ進化クリーチャーと一緒に、進化元のカードも墓地に置かれます。
「エレメントを破壊する」という効果で進化クリーチャーを選んだ場合、「クリーチャーを破壊する」という効果で選んだ時と同様に、進化元のカードも一緒に墓地に置かれます。
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| | (総合ルール 316.3.)
| - 316.3.
- エレメントを指定する効果は、カードを指定する効果ではありません。そのため、複数枚のカードで構成されるエレメントを指定した場合、そのエレメントを構成するカードすべてが影響を受けます。
例:「エレメントを1つ選び、破壊する」という効果で進化クリーチャーを選んだ場合、「クリーチャーを破壊する」という効果で選んだ時と同様に、進化元のカードも一緒に墓地に置かれます。
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引用元(2023.4.14)