エピソード3背景ストーリー
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該当弾
DMR-09 「エピソード3 レイジVSゴッド」
DMR-10 「エピソード3 デッド&ビート」
DMR-11 「エピソード3 ウルトラVマスター」
DMR-12 「エピソード3 オメガ∞マックス」
以下は後年、新たに設定が明かされた弾。
概要
このシリーズは、ハンターに出自のあるアウトレイジを主人公サイドとし、敵方のオラクルとの対決構造が築き上げられている。
基本セットから続く物語はこのシリーズで決着が付いているが、DMD-26版の《飛散する斧 プロメテウス》のフレーバーテキストから察するにエピソード3以降も平和になっていない様子が窺え、その不安はDMEX-08で語られた何百万年も続く戦乱という形で的中した。
鬼羅丸とシャングリラの戦いによってゼニスが消滅して1万年。
パンドラスペースの消失から時がたち、世界からハンターとエイリアンはほとんどいなくなり、鬼丸と修羅丸の名は伝説へ、シャングリラと鬼羅丸の戦いはオラクル教団の教義として神話となっていた。
世界は「神の使徒」を名乗るオラクルたちが支配していた。
オラクル教団の目的は、世界を平和にすること。そのために、すべてのクリーチャーの心をひとつにすることを目論んでいる。
オラクルはゼロの神であるオラクリオンを生み出し、その力を借りて様々な奇跡を起こした。
オラクル教団が生み出した神々は、過去にゴッドと呼ばれた種族とは違った。だが、その力はまさに神と呼ぶにふさわしいものであった。
「ゼロの神の使徒」であるオラクルによって、世界は争いのない平和で平定に保たれた世界に見えた。
しかし、ゼロの力を悪用し世界を支配する低俗な輩と考える者も少なくなかった。彼らの力は絶対的な停滞と圧倒的な破壊に裏打ちされていたからである。
その裏付けとして、イザナイの一部は教義に従わせるために、最初は恐怖が必要と考え凶悪なアースイーターを世界に放っていた。
また、オラクルの教義では、停滞は平和と同じ意味で使われる。その為、世界を平和にしたが同時に退屈ももたらした。
それでも、オラクルによって世界は復興した為、オラクルを信奉する信者が増え続けていた。
これまで様々な種族を取り込んできたグランド・デビル、ゼロをいち早く取り込んだスノーフェアリー、炎の化身であるフレイム・コマンド、他アースイーターやアーク・セラフィムがその一例である。
信者の中には、オラクリオンの為に自らの命を犠牲にする者もいた。オラクリオンを作り出すために多数の信者が犠牲となったことは、ゾロスターによって教団の最高機密とされていた。
自らの手で新たな神、オラクリオンを生み出したオラクル教団だが、オラクルの最高指導者は自らが神になることを求めた。
そして、オラクルの最上位であるヨミはゴッドにゼロの魂を吹き込み、ゴッドを真の神「ゴッド・ノヴァ」として生まれ変わらせ、神人類と呼ばれるようになった。
一方で、オラクルの築いた都市に住まないはぐれものもいた。
彼らはアウトレイジと呼ばれ、体の一部を武器に変化させて戦うこれまでの常識に縛られない戦い方をする者達だった。オラクル教団上層部は、反乱分子として以上にその秘密を恐れている。
彼らは自らの信念と衝動にしたがって支配からの開放を目指し反逆の道を歩み続けていた。
オラクルの支配が続く中、人里離れた山奥で自由の拳を極める男がいた。後にドロン・ゴーを身につけオラクルの支配を終わらせる漢、その名はカツドン!
オラクリオンの光臨によって更なる信者を得た教団だったが、ある時を境にそのバランスは崩れることとなる。
ある日突如として、体全体を変形させることができるアウトレイジたちが現れた。無法者ぞろいのアウトレイジの中でも、群を抜いた無法者、人は彼らを「エグザイル」と呼んだ。
「エグザイル」の出現によって、アウトレイジは決起し、オラクルによる平和は打ち壊されたのだ。
瞬く間にエグザイルたちは、反オラクル勢力であるアウトレイジの象徴となった。まるで、アンノウンに反抗した鬼丸のように。
平和を求めるオラクルと、自由に生きたいアウトレイジ。今までの戦争とは違うその戦いがついにはじまった。
その一方、ゼニスが世界から消滅したことで、トライストーンは己の存在意義を考え始めた。それがあんな事件につながるとは、この時誰も予想はしなかった……。
教団との戦いを通して、アウトレイジたちの結束は次第に固まっていった。
戦いの中でオラクル教団はより多くのエネルギーを欲するようになり、スノーフェアリーたちと手を組もうとした。だが妖精たちは、アウトレイジの求める自由のために、アウトレイジ達と協力することを決めた。
戦いも佳境に入り、アウトレイジ達はオラクルの本拠地、ヴァルハラ・ゴッドに雪崩込む。
彼らの猛撃を前に次第に追い込まれていくオラクル。そして遂に、カツキング、グローバル、ブリティッシュ、ミケランジェロ、ロビンフッドら5人のエグザイルの力によって、神人類であるヨミは失墜、その後継者であるイズモも姿を消した。オラクルの指導者であった彼らの消滅。それは、オラクル教団の事実上の崩壊そのものであった。だが、幸運なことにその終撃に、ヨミは自分の理想を実現するために足らないものに気がつくことができたのだった。だが、それを愛弟子のイズモに伝えられなかったのは不幸であった。
「退屈なオラクルたちは倒したことだし... オレとお前で楽しい喧嘩でもおっぱじめるか!」
「フハハハ、我と貴様との喧嘩は100勝100敗。この戦いで決着させてやろうぞ。」
一時は結束が固まったかに見えたアウトレイジだったが、そこは無法者。倒すべき敵のいなくなった彼らは、お互いの強さを確かめ合うように元のようにアウトレイジ同士の闘いを楽しみ始めた。その結果、強い者であるカツキング率いるアウトレイジとブリティッシュ率いるアウトレイジが残った。
一方で、ヨミとイズモ失った教団。そこに残された信者や最後まで彼らと共に戦った使い魔たちは散り散りとなっていたが、次第にゼロを信仰するものと教団を信仰するものに分裂していった。そんな中イズモはヨミを倒したエグザイルが憎く、復讐の為に力を蓄え、死を覆す力を持つ《不死帝 ブルース》の力を求めていた。
そんな中、教団の維持を求める信者たちを導くオラクルたちがあらわれた。彼らは自らにマントラという新たな位階を与え、教団の再興を目指した。
マントラは散り散りになった使い魔たちにファミリアという新たな位階を与え、信者の下の階級とした。
また、教義を維持するために封殺の力を持つカルマが生み出された。
マントラ派の台頭により、オラクルはオラクリオンを信じるものと、マントラに付き従うものとに二分された。
そんな中、オラクリオンを信仰とするオラクルたちはオラクル教団に伝わる裏教義に触れた。オラクルの裏教義、そしてゴスペルの伝承が伝えているもの・・・そこにはアウトレイジの秘密、アウトレイジとゴールデン・エイジのつながりが書かれていた。カルマはそれに対抗するためにマントラが生み出したものだった。
カルマの始祖、《魔壊業皇 デストピア》は裏オラクル九皇円卓会議にてアウトレイジを「闘いを求める邪なる者」とし、ブリティッシュを新たなゼロの礎とすることを決定、教団の再構築を図った。
裏教義に触れたオラクルはそれに従い闇の魔城「ブリティッシュ・パピリオン」を目指した。《不死帝 ブルース》もついに、《地獄魔槍 ブリティッシュ》の軍門に降った。さらに、ブリティッシュの元には、マントラに追い出されたオラクルたちも集結していった。
そしてオラクル教団はその力で、紫電やロマノフ、《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》などといったかつて活躍した英雄をオラクリオンやゴッド・ノヴァとして次々と生まれ変わらせる。
アウトレイジ側も負けじと対抗し、戦いはさらに激化していく。
そんな中さらなる力を手に入れたブリティッシュに対抗すべく、カツキングは仲間の協力を受けながらも伝説のレイジクリスタルを探し、発見する。その正体は、過去の英雄たちが残した友情の証であった。世界を襲った危機を救ったのはいつだって英雄の友情の力だった。
例えばアンノウンやゼニスに立ち向かうため、元々敵同士であったエイリアンと友情を結んだハンター、古のゴッドに立ち向かい世界を救ったNEX。彼の力を支えたのもルピアとの友情の力だった。英雄の姿が失われても彼らの友情は永遠に不滅。その不滅の友情が結晶になったのがレイジクリスタルなのだ。
カツキングはレイジクリスタルにアツい友情を持つエグザイルとして認められ、真のドロン・ゴーの力を得て、《無敵剣 カツキングMAX》へと変化を遂げる。友情の力を持つアウトレイジに友情の力を増幅する秘宝が組み合わさり、今、まさに、かつて無い強大な力が生み出される。
アウトレイジの力の源は友情。彼らは自分の力を友に分け与え、共に成長することができる。カツキングがレイジクリスタルによってパワーアップすると、共鳴するかのように、仲間のアウトレイジをパワーアップしたのだった。ハンターの友情の力は今もなお受け継がれている。そう、アウトレイジの力の源流はハンターにあるのだ。
こうして友情の力に選ばれしカツキングたちは無敵の力を得て、友を護るべく、次の戦いに挑む……。
オラクリオンを信奉する派閥は、裏教義に従ってブリティッシュをオラクリオンへと変化させた。オラクリオンとなったブリティッシュは、その力でオラクル全体の力を強化していくのだった。また、教団の中核を担うこととなったマントラたちは、信者の数を増やしていった。そしてオラクルでありながら神々を超える力を持った教皇を誕生させたのだった。
信義の男、ブルースは最後までオラクルの支配に抵抗したがUKパンクに飲み込まれてしまった。そして彼の配下であったデスパペットもオラクルとなっていった。
ブリティッシュのオラクリオン化。この事変を受けて、アウトレイジの実力者たちによる無法頂上会談が開催されることとなった。無法者のトップを一堂に集めるのは至難であった。だが、会議が始まった瞬間、カツキングは一言叫び飛び出した。「今からオレがブリティッシュと決闘をしに行く! 決闘をすればあいつの考えもわかるはずだ! オレたちはいつだってそうしてきただろ!?」
腐れ縁のブリティッシュ、その危機を察知したカツキングは、ブリティッシュ・パピリオンに突入。そこでUKパンクと化したブリティッシュを発見する。カツキングはブリティッシュを助けるべくレイジクリスタルの力を解放した。
カツマスターがブリティッシュを救うべく戦い始めたその刹那、オメガとして復活したゴッド・ノヴァがブリティッシュ・パピリオン目指して進軍してきた。二人の友情をまもるべく、一人の男が食い止める。その名は、テスタ・ロッサ。
「意味も無く闘いを求め、ヨミ様を討ったお前たちが邪なる心でなくてなんなのだ? お前たちなど、新たなゼロを生み出す礎となって消え去ってしまえ! それだけが私の願いだ。」
「俺たちは意味なく闘いを求めてなんかいない! 相手を知るために俺たちは闘うんだ! 仲間が、友がいるから俺達は闘う! 闘うんだ! 俺たちの闘いは聖も邪も超えているんだ!」
彼を助けるため、アリスは自身の命を削りその能力のすべてを開放した。
テスタ・ロッサのためにアリスが開放した力は世界を知識の渦に巻き込み、そして、アウトレイジとオラクルの秘密、そしてこの騒動の「黒幕」の正体までもがあらわとなってしまった。
オラクル教団の分裂、ブリティッシュのオラクリオン化、教皇の誕生―これらは「黒幕」と呼ばれる少年が大きく関わっていた。「黒幕」の目的は平和ではなく、アウトレイジを殲滅することだった。
ゴッド・ノヴァオメガを率いるオラクル。「黒幕」と呼ばれるその男をテスタ・ロッサは知っていた。その身を犠牲に「黒幕」を追い払ったテスタだったが、「黒幕」はまた戻ってくると感じていた。
カツキングとブリティッシュの闘いが終わった後、彼らの誇りを護ったテスタの仲間たちを、ブルースはその身を犠牲にして蘇らせた。
真のゴッド・ノヴァ、それはオラクルジュエルに封じられし新世界の終末の神々、オメガ。無感情であるゼロの力に聖邪の感情を込めることで、オメガが生み出される。それを復活させることができるのは、聖と邪、ふたつの心を併せ持った方ただひとり。それは「黒幕」―死んだと思われていたイズモだった。
イズモはヨミを守るために闘い、深い傷を負ったが、ヨミを討たれた恨みをバネに瀕死の状況を乗り越えた。アウトレイジへの復讐を誓ったイズモは教団崩壊後も力を蓄え傷を癒しつつ、裏からオラクルとブリティッシュ一派を操り、アウトレイジの同士討ちを狙った。一方で、自身の手でヨミの仇を取るべく、オラクルの秘宝「オラクルジュエル」を手に入れた。
オラクルジュエルの力はイズモの眠れる力を呼び覚まし、オメガによってイズモ自身も神人類を超えた超人類へと生まれ変わった。正邪の神を従えたイズモは、新たな世界を作るため、そして、師の仇を取る為に、アウトレイジの逆襲を開始した。
オラクリオンへの崇拝を、それを使役する自身への崇拝と取り違えた《策士のイザナイ ゾロスター》は、「カノン」の廃位以来封じられていたオラクリオン化の儀式を行った。産み出された《破獄のマントラ ゾロ・ア・スター》は、神ではなく、人でもなかった。
聖と邪、ふたつの神を従えて復活したイズモは、カツマスターへ、そして、アウトレイジへの復讐を開始した。圧倒的な力を持つオメガには、さしものカツマスターも対抗できず、レイジクリスタルを奪われてしまう。イズモがふたつの宝石を手に入れたその瞬間、宝石はその真の力を開放し、ゴッド・ノヴァとなり、イズモとリンクした。そして、神を超える無法の神、G・イズモが誕生したのだった。
無法神類となったイズモを助ける為に、ヨミはゴッド・ノヴァとオラクリオンをクロスする存在として復活した。ヨミとイズモの復活により、教団内部で争う理由を失ったマントラは、自然と一つにまとまっていった。
再降臨を遂げたヨミだったが、その代償に心を失っていた。クロスオーバーと化したヨミは、オラクルもアウトレイジも問わず世界を破壊し続けた。師の復讐を終えたイズモが、神世界の創造に取りかかったのだ。手を触れることすらできないクロスオーバー・ヨミには、誰も対抗することができなかった。
一方、レイジクリスタルとオラクルジュエルがエネルギーを解放してゴッド・ノヴァとなった影響で、神の如き力をもつアウトレイジが次々とあらわれていった。イズモにレイジクリスタルを奪われたカツドンは、仲間のアウトレイジたち、そしてエグザイルの力を結集し、G・イズモへの反撃を開始する。
G・イズモに再び戦いを挑んだカツドンは、仲間たちと力を合わせ、G・イズモとレイジクリスタル、オラクルジュエルとのリンクを断ち切ることに成功。神の力を失ったイズモの前で、カツドンは二つの宝石をその身に宿し、カツムゲンへとドロン・ゴーを果たした。
カツムゲンとG・イズモ、クロスオーバー・ヨミのぶつかり合いはあまりにも激しく、世界を一度散り散りにするだけの力があった。アウトレイジたちの声援の中、死闘の末にカツムゲンはようやくイズモを打ち負かした。イズモが最期の一撃を受けるその瞬間、かばったのはヨミだった。
オラクル教団崩壊時にヨミが知ったこと。それは仲間を愛する心はアウトレイジもオラクルも変わらないということだった。クロスオーバーして心を失ったヨミだったが、その記憶とイズモを思う気持ちだけは失っていなかった。イズモの代わりにカツムゲンの一撃を受けたヨミの体は、粉々に砕け散った。
「《イズモ》... お前の不器用な師匠に免じて、今日のところは勘弁しといたるで」
最後に《イズモ》をかばったヨミを見て、オラクルにも仲間を愛する心があることを知ったカツムゲンは、《イズモ》に手をのばした。その和解の言葉が、世界を再び美しい姿へと戻していった。こうして、オラクル教団とアウトレイジの戦いは決着した。互いに仲間として相手のやり方を認め、なにより、オラクルたちも自由を求めるようになった。そして、それが平和を世界にもたらしたのだ。
パンドラスペースからの侵略ではじまった物語は一旦の終焉を迎えた。物語はまったく別の世界に移っていく……。
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参考