アンノウン(種族)
DMR-03で初登場した特殊種族。存在自体はそれ以前のカードのフレーバーテキストで仄めかされていた。
その正体や由来に多くの謎を残す種族であり、背景ストーリーにおいては複数の世界線で活動している他、同じアンノウンであっても由来が異なる場合もある。
登場時期によって性能の方向性もかなり異なるが、殆どがコスト7以上と大型であり、デッキのコンセプトになるような強烈かつ個性的な能力を持つものも多い。
デッキとしてのアンノウン→【アンノウン】
《ヴィオラの黒像》を除き、現状アンノウンを持つカードはクリーチャーのみ。
命名ルールとして基本的に「偽りの名〜」または「真実の名〜」を冠する。この部分は併せ持つ種族によって派生が存在する。
偽りの名 ゾルゲ SR 水/火/自然文明 (8) |
クリーチャー:アンノウン 8000 |
このクリーチャーまたは自分の他のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある他のクリーチャーを1体選んでもよい。そうした場合、その2体はバトルする。 |
W・ブレイカー |
偽りの名 シャーロック SR 光/闇文明 (10) |
クリーチャー:アンノウン 23000 |
Q・ブレイカー |
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、サイキック・クリーチャーをすべて破壊する。 |
誰も、サイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。 |
相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。(ただし、このクリーチャーを攻撃またはブロックしてもよい) |
ハンターとエイリアンを争うように仕向けた黒幕として登場。他の種族を複合せず、名前に「偽りの名」と冠するなど異質さが目立つデザインをしている。
外見の共通点としては概ね人型であり、片腕がもう片方と比べ巨大になっている点が挙げられる。体色は自身の属する文明を思わせる色となっている。
性能面では相互のシナジーはほぼなく、グッドスタッフ気味な独自の能力を持つ。効果バトルの《偽りの名 ゾルゲ》や、ドローとマナブーストの《偽りの名 スネーク》は、それぞれ【紅蓮ゾルゲ】と【ヒラメキドレーン】のキーカードとして活躍した。他にはサイキック・クリーチャーを根絶する《偽りの名 シャーロック》や、ワールド・ブレイカーの《偽りの名 13》などが存在する。
偽りの王 ヴィルヘルム SR 闇/火/自然文明 (9) |
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 12000 |
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のクリーチャーを1体破壊する。その後、カードを1枚相手のマナゾーンから選び、持ち主の墓地に置く。 |
相手のカードがどこからでも墓地に置かれた時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。 |
T・ブレイカー |
「修羅」の頂 VAN・ベートーベン SR 無色 (11) |
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン/ゼニス 14000 |
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手のクリーチャーをすべてバトルゾーンから持ち主の手札に戻す。 |
相手がコマンドまたはドラゴンをバトルゾーンに出す時、相手はそのクリーチャーをバトルゾーンに出すかわりに墓地に置く。 |
T・ブレイカー |
エターナル・Ω |
超獣世界を支配し圧政を敷く敵として登場。トライストーンで洗脳、支配されたクリーチャーと、それらを率いるゼニスを複合したクリーチャーに大別される。また、同様にトライストーンに支配されたサポート種族としてアンノイズが存在する。
既存の種族を併せ持つクリーチャーが大量に登場した他、ゼロ文明を持つゼニスを複合した大型クリーチャーも登場した。
ゼニス複合のクリーチャーは《「智」の頂 レディオ・ローゼス》や《「祝」の頂 ウェディング》など、多くが非常に強力な召喚時限定cipを持ち、【ターボゼニス】などのフィニッシャーとして活躍した。
被支配側のアンノウンは《偽りの名 イージス》や《偽りの名 ハングリー・エレガンス》などアンノウンに関する能力を持つ者がいる一方、《偽りの名 バルガ・ラゴン》のように、元々の種族のサポートに回る者もいる。一部の複合種族にはテーマとなる戦略が設定されており、例えば光のデーモン・コマンドと闇のエンジェル・コマンドはシールドに関する能力を持つものが多く、【ウェディング・ゲート】や【クリスティ・ゲート】などのデッキが生まれた。意外にも同時期に直接ゼニスをサポートするアンノウンは《偽りの王 ヴァルトシュタイン》しかいない。
当初は感情を持たず「偽りの名」を名乗っていたが、次第に感情を取り戻して「真実の名」に目覚め、ゼニスへ反旗を翻す者もあらわれた。
外見の特徴として、光輪のある三角錐の結晶を身体の何処かに持つ。被支配アンノウンやアンノイズにあるこれらはゼニスが天から降り注がせた物であり、これが刺さったことで感情を失いゼニスの眷属となっていた。また白い色の武器や装甲のようなものを持ち、カードイラストに無色の紋様があり、虹色の線が体を伝っている。これらの特徴はアンノイズにも見られ、エピソード2のアンノウンはアンノイズの延長線の存在だという事が窺える。
背景ストーリー上、ゼニスは《「無情」の極 シャングリラ》と《超絶奇跡 鬼羅丸》の戦いにより消え去り、アンノウンもまたエピソード3の「最後のアンノウン」《神託の王 ゴスペル》を最後に、《「我」の極 エゴイスト》や《超絶の名 シャーロック》など外伝的なものを除き新規アンノウンの収録は長らく途絶えた。
DMBD-06ではエピソード2期の流れを汲む4種の新規アンノウンが登場。背景ストーリー上においては、ドラゴン・サーガ世界線にてゼニスの力を生み出した《「終焉」の頂 オーエン・ザ・ロード》、《「創世」の頂 セーブ・ザ・デイト》が他のゼニスを支配し顕現するも、《龍世界 ドラゴ大王》に敗れたと語られている。
偽りの名 ワスプメリサ VR 自然文明 (7) |
クリーチャー:アース・ドラゴン/アンノウン 11000 |
W・ブレイカー |
このクリーチャーが出た時、または自分のターンのはじめに、自分のマナゾーンにあるカードを1枚、裏向きにしてもよい。 |
自分の他のオラクル、アンノウン、ゼニスのパワーを+4000し、「マッハファイター」を与える。 |
水晶武装4:自分のマナゾーンに裏向きのカードが4枚以上あれば、相手のクリーチャーの「このクリーチャーが出た時」で始まる能力がトリガーする時、かわりにトリガーしない。 |
偽りの名 ドルーシ UC 光文明 (7) |
クリーチャー:メカ・デル・ソル/アンノウン 4000 |
S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい) |
水晶ソウル2(このクリーチャーを召喚する時、自分のマナゾーンにある裏向きのカードのマナの数字は2になる) |
このクリーチャーが出た時、カードを1枚引き、自分の手札を1枚シールド化する。 |
《クリス=タブラ=ラーサ》によって生み出された「蟲兵・アンノウン」と呼ばれる存在として登場。オラクル・セレスに恐怖を与え、よりゼロの力を求めさせるために生み出し、信徒を管理するゼニス・セレスへと与えられていた。なお、アンノウン・セレスは《師団の先導者 ツラトゥストラ》に直属の部下として生み出された存在であるが、彼が水晶の花にされてからは《タブラ=ラーサ》に利用されたという。
水晶武装や水晶ソウルなど水晶マナに関連した能力を持ち、水晶マナを主軸としたデッキで活躍できる性能となっている。
外見は文明ごとに特定の虫がモチーフとなっている。
- 先行登場していた《偽りの嘘 ネメシス》と《クリス=タブラ=ラーサ》の生み出したアンノウンの関連性は不明。アンノウン単種族であり、巨大な片腕を持つ姿はエピソード1期のアンノウンと類似するが現状情報はない。
背景ストーリーでの扱い
謎めいた種族であるアンノウンだが、川崎大輔氏の言及やデュエチューブなど各所で断片的にその設定が語られている。
- エピソード1のアンノウンについて
- 設定上アンノウンである《天罪堕将 アルカクラウン》はエピソード1アンノウンの一味であり、DMBD-01における失敗と成功を踏まえ親子を戦わせるべきでない事を学び、エピソード1の戦略へと移った。
- 《偽りの名 シャーロック》は彼らの「ボス」ではなく、他のアンノウンを率いていたわけではない。
- エピソード1とエピソード2におけるアンノウンは全く別の存在。
川崎大輔氏によれば、エピソード2のアンノウンがトライストーンによりゼニスに支配され、偽りの名を名乗らされているのに対して、エピソード1のアンノウンは自身の事情により偽りの名を名乗っており、ゼニスとの関係も利害の一致に近いものだと考えられるとのこと[1]。ゼニスはパンドラ・スペースに干渉できないとされており、そちらへの対処のため両者は協力関係を結んだのかもしれない。
- それぞれが独自の二つ名を持っていることがデュエプレのフレーバーテキストで判明。のちにTCG版でも二つ名に言及されている。川崎大輔氏によれば、これはエピソード1のストーリーの中で新たに獲得したものであり、同時にエピソード1アンノウンは「名前」に対する執着があると言及している。
- ドラゴン・サーガ世界線からもパンドラ・スペースにアクセス出来る事を一部のアンノウンは把握しており、ドラグハート作成を目論む《龍覇 ザ=デッドマン》と接触していた。
- 以降のアンノウンと異なり、彼らの由来は完全には明言されていない。川崎大輔氏は「次元の狭間に存在していた(もしくは飛ばされていた)事により名を名乗れない者たち」と言及している。また、《天罪堕将 アルカクラウン》の由来について、デュエチューブでは「超次元に送られた闇道化マルバスが《アルカクラウン》に変質したのではないか」と言及されており、他のエピソード1アンノウンも同様である可能性がある。
- エピソード2のアンノウン
- ゼニスを持つアンノウンはいずれかの種族のアンノウン派閥のトップである(例えば《「呪」の頂 サスペンス》は光デーモン・コマンド)。この場合その種族を持つアンノウンと命名ルールが一致するにもかかわらず、該当種族を持っているものといないものが存在する。
- 概念的存在である《シャングリラ》と他のアンノウン/ゼニス達は「全てをゼロにする」目的は共通しつつも、全体が《シャングリラ》の指揮下にあるわけではない。
- アンノウンかつゼニスであるクリーチャーと、ゼニスのみを持つクリーチャーが存在する事から、ゼニス≠アンノウンである事が窺えるが、両者の相違点が何であるかは不明。一応、アンノウンを持たないゼニスの一部は三角錐を持たない、または三角錐に光輪が無い事があるが、例外も多い。
- トライストーンはアンノウンやゼニスにゼロの力を与える役割を持っていた。一方、初めにトライストーンを降り注がせたのは《「命」の頂 グレイテスト・グレート》だが、誰がトライストーンを生み出しているのかは明言されていない。
その他
- 名前の由来は「アンノウン(Unknown)」。「未知の」や「不明の」などといった意味を持つ。
アンノウンに関する能力を持つカード
参考
アンノウン(種族カテゴリ)
DM23-EX3でアンノウン・セレスが登場したことにより、種族カテゴリとなった。
「アンノウン」とある種族
参考