フルパワー

主に以下の4つについて使われる。

1.なるべく早期ターンにダイレクトアタック、または特定の即死コンボループを目指すことに特化した構築
2.テーマとなるカード群のみを採用し、主流の色構成を守ったいわゆる純正構築
3.殿堂レギュレーションによる規制の影響を受けていない、あるいは受ける前の構築。
4.デッキ内の全カードを最高額のレートにしたもの。

1の解説

フルパワー理論のうちの、「メタ防御札は一切入れず、自分の理想とするプレイングを最速で行うこと」だけで実現された構築。一応、デッキの動きを円滑させるためのパーツとなるなら、メタ防御札が入ることもあるが、それを目的に投入されているわけではない。

メタ防御札を入れないと聞くと、ネタもしくは極端な構築と思う者も少なくはない。いつの時代でも、攻めが重要な速攻ですらS・トリガーのような防御札を投入するのは当たり前となっており、防御札をすべて抜くという発想にすら至らないプレイヤーもいるだろう。しかし、フルパワーにした方が勝率が安定するという事例はよくあることである。

防御札を入れないからと言って、速攻に弱いとは限らない。速攻よりも早く動くこと、つまり「やられる前にやる」ことで、速攻より弱くなるどころかむしろ強くなることもある。そのため、速攻に弱いなら、逆にフルパワーで構築を考えてみることも重要になってくる。
ただ、フルパワーに特化しても速さで負けてしまうことが頻発するようであれば、大人しく防御札を入れた方が賢明だろう。

環境が低速化している時代では、ターボビッグマナ系統のデッキも手札補充マナブーストに特化して最速でフィニッシャーを出すフルパワー型で構築されたこともあったが、3、4ターンキルするデッキも数多く存在する現在では流石に防御札を多めに入れた方がいい。

フルパワーの構築をした「対話拒否」デッキが、決して低くはない勝率を実現できる場合、公式からの規制対象となる事が多い。
【零龍ギャスカ】は1ターン目の《怨念怪人ギャスカ》によってフルパワー理論を体現していたが、《怨念怪人ギャスカ》殿堂入りにより1ターン目に《ギャスカ》が手札にある確率がかなり低くなった。

デュエル・マスターズ プレイスでは【黒緑速攻】 (デュエプレ)【赤緑速攻】 (デュエプレ)【青単ツヴァイランサー】(デュエプレ)で適用されることがある。

2の解説

「純正構築」などとも呼ぶ。
例えば【デ・スザーク】の場合、黒単でありほぼ魔導具のみで構成され、フィニッシャーも魔導具との関連性が高い無月の門持ちに任せる構築を純正と呼ぶ。デッキ成立最初期の場合、純正ではカードプールが不十分で満足なデッキパワーを発揮できないケースがあり、【デ・スザーク】【ゲイル・ヴェスパー】はまさにその典型であった。

単なるテンプレ構築をノリでフルパワーと呼ぶこともあるが、これは半分正解で半分間違い。環境で流行している「テンプレ」に「純正」には含まれないカードが使われていることはよくある。

3の解説

そのままの意味で、主に殿堂ゼロデュエルで使用される言葉。成立当時既に殿堂入りプレミアム殿堂に指定されており使えないカードが殿堂ゼロデュエルでは使えることもしばしばであり、殿堂ゼロデュエルにおける《無双竜機ボルバルザーク》投入型の【モルトNEXT】ではこの意味でのフルパワー構築である。
上述の【ボルバルモルト】や《ヘブンズ・フォース》搭載型【鬼羅.Star】のように通常環境での成立当時には構築できなくなっていたデッキもあれば、《“轟轟轟”ブランド》《ドリル・スコール》4枚積みの【“轟轟轟”ブランド】のようにかつて存在したが殿堂入りで消滅したデッキタイプについて使われることもある。

また、通常環境においても当然殿堂解除によって活躍当時と同等またはそれ以上の動きができるようになった、という例も存在している。【ターボメビウス】【獰猛ブラスター】などが良い例である。

4の解説

「フルレート」とも呼ぶ。同じカードでも、優勝者賞など通常版より高額で取り引きされる版が存在する事がある。そのように高額な版がある場合、デッキ内のカードを可能な限り最高額レートの版にしたデッキを指す。
当然カードの性能が版によって変わる訳ではない[1]が、単なる自慢や見映え、デッキへの愛着などがフルパワーにする理由となる。
フルパワーのデッキはプロモーション・カードシークレットカードとして収録されたカードを積極的に採用するため、アルトアートフルフレームであるカードが非常に多くなる。
また同様の理由で、過去にプロモやシークレットで登場したカードが多く採用されるデッキほど、フルレートにした時の総額は非常に高価になる。【カイザー「刃鬼」】【モルトNEXT】はその典型例として知られ、特にこれらは真の意味でフルレートにする事はほぼ不可能[2]である。

参考


[1] 《レアリティ・レジスタンス》が無制限だった時代は大きく左右されたが、現在ではプレミアム殿堂入りしているため通常は関係ない
[2] 【刃鬼】の《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》《不敗のダイハード・リュウセイ》公認グランプリベスト8賞、【モルトNEXT】の《伝説の禁断 ドキンダムX》の金プレート版、《蒼き団長 ドギラゴン剣》全国大会優勝者賞《熱血星龍 ガイギンガ》《勝利宣言 鬼丸「覇」》の記念プロモ版など、現在では入手が極めて困難ないし不可能なカードが複数枚存在するため。