殿堂入り
あるカードを、1つのデッキに1枚しか入れられなくするという公式ルール。
その時期の環境において大きな影響を及ぼしているカードには、この措置が取られることがある。
要するに「デッキの自由度をなくしてしまうほど強すぎたために公式大会での使用を制限された」というカードたちであり、いわゆる「制限カード」と呼ばれることもある。
また、殿堂入りよりも重い措置としてプレミアム殿堂があり、これに指定されたカードは1枚もデッキに入れられない。
- 殿堂入りの改正は、元々は公式サイトやコロコロコミックで告知されていた。勝太編からは次世代WHFなどの大型イベント会場で告知されるようになり、イベントの目玉の一つとしての扱いがされるようになった。2019年6月以降はコロコロ生配信及びデュエチューブ開設後はLIVE配信で発表されることが多い。尚、2021年7月時点で最後にコロコロコミックで殿堂入り発表されたカードは《滅亡の起源 零無》/《零龍》である。
- 小学生からの若い年齢層に配慮し、名目上ではあるが、デュエルマスターズにおける制限や禁止は「強すぎることの証明」=「名誉なこと」として扱い、「殿堂入り」と呼ばれている。
- コロコロコミックの菊池修記者が後にTwitterで語ったところによると、カードを作るのに関わった人々の努力を踏みにじるような呼称を導入したくなかったため、名誉的な意味合いを持つこの呼称に決まったという。
- LIVE配信での発表になってからはDeadmanによって硬い空気の中発表されていたが、あまりにも「名誉なこと」からかけ離れた様相だった。2021年7月1日施行の殿堂発表の様子はこちら。人によっては葬式を連想するほど。
このことへの苦言が公式の耳に入ったのかは定かではないが2022年1月1日施行からチアリのハイテンション紹介が導入された所謂「お祭り」的な要素を押し出すようになった。
現在の殿堂入りカード一覧
改訂履歴
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殿堂施行の履歴
| そのカードで、最新の殿堂施行ではない内容 | | 最新ルールで殿堂入り | | 最新ルールでプレミアム殿堂 | | 最新ルールで殿堂入りでもプレミアム殿堂でもない(4枚まで使用可能) |
2004年3月15日
2005年3月15日
2005年7月15日
2006年3月15日
2007年1月15日
2007年8月15日
2007年11月15日
2007年11月23日
2008年4月15日
2008年10月15日
2009年4月15日
2009年12月19日
2010年5月15日
2011年1月15日
2011年7月23日
2012年3月15日
2012年8月11日
2013年3月15日
2013年6月22日
2014年3月15日
2014年5月24日
2015年3月14日
2015年6月15日
2015年9月19日
2015年12月15日
2016年2月1日
2016年2月28日
2016年9月15日
2016年12月16日
2017年1月30日
2017年2月26日
2017年7月8日
2018年1月29日
2018年3月1日
2018年7月14日
2019年1月21日
2019年3月1日
2019年7月1日
2019年12月20日
2020年1月1日
2020年1月19日
2020年7月1日
2020年12月18日
2021年7月1日
2021年10月23日
2022年1月1日
2022年7月1日
2022年8月15日
2023年3月20日
2023年8月11日
2024年3月11日
2024年8月10日
2024年8月17日
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解説
これらのカードは1枚のみでも充分に機能するものが多く、プレミアム殿堂入りしていないものは今なお多くのデッキに投入されている。ただし1枚だけなので、デッキの核になるカードは山札からサーチしたり、マナ・墓地回収、リアニメイトなど使用法を工夫する必要がある。シールドや封印に埋まっている場合は、回収が難しい。
《サイバー・ブレイン》や《アクアン》など、1枚のみになったことで逆に手札に早く引き込んで先に使った者勝ちの運ゲー要素が強まり、殿堂入りする前より事態が悪化してしまったことも。
そういった要素のカードは後にプレミアム殿堂になることが多いが、必ずしもそうなるわけではない(例:《ストリーミング・シェイパー》、《メガ・マナロック・ドラゴン》など)。
逆に1枚のみではほとんど、場合によっては全く機能しないカード(例:複数枚絡めることで初めて強力になる《クローン・バイス》)は、デッキに入ることがほとんどないため、実質的にプレミアム殿堂入りしたことと同じ扱いである。
殿堂指定される理由は「強すぎる」からだが、そう判断される要素はカードによって異なる。
特にゲーム性を損なうような強さの場合は殿堂入り、もっと言えばプレミアム殿堂になりやすい。
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| | 考えられる殿堂入り要因の種別
| 殿堂入りしているカードは、その強さの方向性によって大きく以下のタイプに分かれると言えるだろう。
※あくまで考察であり、公式からこのように分類されているわけではない。またここに示した分類のうち複数に当てはまるようなカードも存在する。
低コストの除去
強力なロック系の能力
ゲーム性を損なう速度の速攻
特定のカード、デッキと異常にシナジーする
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その他
- 殿堂入りの目的は主にトップメタデッキの淘汰、弱体化だが、大会ではまず見かけないようなファンデッキもその煽りを受けてしまうことがある。しかし、そのような事態もカードゲームを続けていくに当たっては仕方のないことである。
- 規制をかけられるほど強い殿堂入りカードも、インフレやカードプールの変化によって、弱体化することはよくある。そうしたカードの中には、殿堂解除という措置が取られ、再びデッキに4枚投入できるようになることも。
- 近年においては単に強すぎるといった理由で規制されるというより、ループやランデスなどの対話拒否を発生させるもの、或いは逆転要素を封じたりロックなどでゲーム時間の長期化を招くものなど、公式の目指すゲーム性の方針と異なるカードが規制される傾向にある。
- 一部例外は存在するが、再録が行われた直後のカードは殿堂入りしないことが多い。商品展開の都合上、店頭で多く販売されているエキスパンションの価値を極力下げないためと思われる。
- 殿堂入りしたカードは、当然殿堂入り前よりシングルカードの相場価格が落ちることになる。しかし、《生命と大地と轟破の決断》のように多くのデッキに入る汎用性を持ち、1枚積みでも十分強力なカードに関しては、殿堂入り前とは大差ない価格を維持することもある。これは、多くのデッキに入るがゆえに、殿堂入りしても1枚も手放さないプレイヤーが多く、かつ1枚だけなら手に入りやすいことから買い求めるプレイヤーが続出すること、また1枚しか搭載できず流通数を増やすと市場価格へ大きな影響を与える関係で再録が避けられやすくなるためである。
- このルールは殿堂ゼロデュエルなどの特殊なフォーマットを除けば公式大会と公認大会において適用されるものなので、それら以外の時に対戦する場合ではこれらのカードがデッキに複数枚入っていても問題はない。ただし、当然ながらほとんどのプレイヤーはこのルールを遵守してデッキを組んでいるため、もしこのルールに対応していないデッキを使って対戦を申し込むのであれば事前に相手の了承を得ておくのが望ましい。また、非公認大会であってもこのルールを適用する大会は多い。事前のルール確認は必ず行うべきだろう。
- 「殿堂入りするくらいなら最初から作るな」という意見も多く聞かれる。しかし、メーカーとしては拡張パックの売り上げのために少しずつ新しく出るカードの性能を上げていかなければならず、それが結果としてパワーカードの出現やインフレにつながり、殿堂入りカードを生むことになっている。また、後に出たカードとのシナジーやカードプールの増加によって突然強化されてしまうこともある。
どの道、殿堂入りカードはこれからも少しずつ増えていくだろう。
- とは言え、殿堂入りには環境を切り替え、ゲーム性の変化をもたらす作用もあるので、こちらは1枚のみで使われるということに意味もあり、単なる規制ととらえず好意的に解釈するのがよい。プレイヤー間では環境に変化をもたらす一種の大イベントとして楽しまれている傾向もある。
- 上記の「特定のカード、デッキと異常にシナジーする」の枠の入るカードは殿堂入り当時、あまり環境で活躍していなかったという点はある。これは次のエキスパンションと組み合わせることで凶悪化するということから予め殿堂入りしていると考えられる。例えば《ビックリ・イリュージョン》は殿堂入りした当時は「何故殿堂入りしたのか」と疑問の声が多かったが、アタック・チャンスの登場によりその原因が明らかとなった。このように「誰も予想できないような殿堂入りカード」を、《ビックリ・イリュージョン》から「ビックリ枠」と呼ばれることがある。
- 《暴龍警報》はこの「ビックリ枠」の最たる例であるが、通常エキスパンション産のカードとしては9か月という異例の速度での殿堂入りであった。カードゲーマーで「1年先を見越してカードをデザインしている」とインタビューに答えていた記事もあるため、あまりにも早すぎるこの規制は波紋を呼んだ。
- 2021年7月現在、カードの発売から殿堂入りまでの最速記録は、1発でプレミアム殿堂になったカードを除くと
- プレミアム殿堂に指定されることを「温泉行き」「温泉送り」などとも呼ぶことから、殿堂入りに指定されることを「足湯」と呼ぶことがある。
- Deadmanは、殿堂入り・プレミアム殿堂を指定し過ぎないこと、登場から日が浅かったり大会で十分使う機会を得ていなかったりとしっかりそれで遊んだとは言えないカードはなるべく殿堂カード化しないことを開発陣が心掛けていることを、2021年12月にデュエチューブ出演者のYouTubeチャンネルに公開されたDeadman本人への取材で明かしている。また、低年齢層向けカードゲームであり低年齢層に対して難しいことは抜きにしたいという意図から、殿堂カード化の具体的な理由を解説することはないとしている。参考
TCGの殿堂入りを参考に、カード自体の性能を低下させたり、そのカードと相性の良い周辺カードを抑制したりすることが多い。
また、相性の良いカードが未実装あるいは未来のカードで組み合わせがまだできない場合もある。
環境の違いで、全く弱体化していないものでもTCGほど活躍できない場合もある。
- 《無双竜機ボルバルザーク》は結果的にDP殿堂になったが、実は「弱くしすぎると《ボルバル》じゃない!」と開発チームで協議され、意図的に強めな調整で登場させたと語られている。詳細はそちらのページを参照。
参考
この能力になった時期