零龍(ゼーロン)ギャスカ】

概要

DMRP-12で登場した《零龍》を、《怨念怪人ギャスカ》などのサポートカードで最序盤に零龍卍誕させることを狙う【速攻】に類するデッキ。【零龍速攻】、【アグロ零龍】とも呼ばれる。
をメインカラーとし、タッチでが加えられる。
本ページでは《怨念怪人ギャスカ》殿堂入り以前に構築されていた初期型の【零龍ギャスカ】と、それ以降に成立した同デッキの流れを汲む【零龍速攻】全般を扱う。

零龍 MSZ 闇 (0)
零龍クリーチャー:マスター・ドラゴンZ 0
ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)
このクリーチャーが零龍卍誕した時、そのターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを0にする。
このクリーチャーは、パワーが0以下の間バトルゾーンを離れず、すべてのバトルに勝つ。
このカードがバトルゾーン以外のゾーンにあれば、自分はゲームに負ける。
零龍卍誕前⇒《滅亡の起源 零無》
ゲーム開始時にバトルゾーンに存在出来るカード」のルールが適用される
怨念怪人ギャスカ UC 闇文明 (1)
クリーチャー:デビルマスク 4000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて捨てる。
※殿堂入り

【零龍ギャスカ】(初期型)

《零龍》の登場と同時に現れた最初期型。
現在では《怨念怪人ギャスカ》殿堂入りにより弱体化しており、主な活躍の舞台は殿堂ゼロデュエルとなる。
この項目では初期型【零龍ギャスカ】について扱いつつ、【零龍速攻】全体に共通する基本となるカード・動きにも触れる。

主要カード

《滅亡の起源 零無》/《零龍》フィニッシャー零龍卍誕時に相手全体をパワー0に。ほぼ無敵のバトル能力除去耐性
《怨念怪人ギャスカ》墓地肥やししながら手札を0にする
《虚像の大富豪 ラピス・ラズリ》1コスト重い《怨念怪人ギャスカ》
《無限皇帝の顕現》2枚の墓地肥やしと、コスト2以下になる様蘇生。《ギャスカ》殿堂以降の重要パーツであり、始動から詰めまで幅広く活躍する
《堕魔 ザンバリー》手札を減らしつつ墓地肥やし。そしてブロッカー
《暗黒鎧 ザロスト》条件の緩いセルフリアニメイトかつブロッカー
《ビックリーノ》1ターン目から打てるセルフリアニメイト能力持ち。攻撃時のハンデスも有り難い

初期型【零龍ギャスカ】の主要カード

候補カード

《暗黒鎧 ダースシスK》コスト0で全ての零龍星雲に干渉出来る
《ブラッディ・クロス》墓地肥やし
《一なる部隊 イワシン》
《大罪より生まれし果実》《破壊の儀》を稼ぐ
《失罪 モグニ否フ》
《学校男》《破壊の儀》を唐突に達成できる除去札。《無限皇帝の顕現》から出せる上、何気にW・ブレイカーなのも忘れてはいけない
《堕魔 ドゥポイズ》
《学校男/ゾンビ・カーニバル》スーサイドによる墓地肥やし選ばせ除去/1種族墓地回収
《斬罪 シ蔑ザンド》《破壊の儀》を唐突に達成できる除去札。オーラであるため《ジ・エンデザーク》から出せる
《ベル=ゲルエール》アビスラッシュ《復活の儀》《墓地の儀》をサポート。墓地から出せるので《手札の儀》との相性も良い
《撃髄医 スパイナー》貴重なS・トリガー。卍誕カウンターを狙ったり、スーパー・ボーナスブロッカーを大量蘇生できる
《死神術士デスマーチ》1コスト墓地進化。追加打点もブロッカーも何でもアリな上、《無限皇帝の顕現》から2体出せる
《時空の禁断 レッドゾーンX》超GRデーモン・コマンドからP侵略して打点増強&盤面処理

超GRゾーン候補

超GRゾーンのクリーチャーは基本的に何でもよいが、味方を破壊するカードが多いのでpig持ちがここぞとばかりに活躍できる。

《ダラク 丙-二式》トップを確認して1枚墓地肥やし。この1枚が戦局を左右する事も
《シニガミ 丁-四式》pigで2枚墓地肥やし。最優先で2枚積みたいカード
《浸透 DS-10》貴重なアンブロッカブル。ダイレクトアタック要員として優秀
《シャギーII》pigマナ回収。マナに落ちたパーツもフル活用できる
《補充 CL-20》pigで1枚ドロー。発動する時は大抵《手札の儀》達成済であり、選択肢が増えるのは非常に大きい
《ロッキーロック》pigで別のGRクリーチャーに化ける。頭数を減らさず次に繋ぐ
《ポクタマたま》cipで相手の墓地をリセット
《暗黒の騎士ザガーンGR》W・ブレイカーデーモン・コマンドなので侵略にも
《漆黒の四男 一松》攻撃の終わり自壊。ただし会場に猫がいると不成立。特に《ブラックXENARCH》型で有用
《ドドド・ドーピードープ》W・ブレイカー。《ジ・エンデ》や《シ蔑》が付くとQ・ブレイカー以上の打点と化す
《ヘルエグリゴリ-零式》
《凶鬼000号 ゼロヴォイド》デーモン・コマンド。墓地にカード10枚で破壊耐性

概要

元々《零龍》の前情報が出た段階で殿堂ゼロデュエル《零龍》を4枚採用し《怨念怪人ギャスカ》を使って比較的安定して2ターンキルを行うデッキは考案されていたが、ゲーム開始時にバトルゾーンに存在出来るカードのルール変更が行われたことで実現不可能に。
しかし、殿堂レギュレーションにおいては《零龍》が1枚でもなお序盤に零龍卍誕する動きは強力であり、ぶん回ると理不尽で対処が非常に困難なデッキであるため、今度はそちらのメタゲームに食い込んだ。

《零龍》はごく一部のカード以外では場を離れず、封印《破壊の儀》サルベージした《虚像の大富豪 ラピス・ラズリ》を出すことで対処出来る。そのため、除去への耐性デッキ外のカードという括りを考慮せずとも過去に類を見ないほど強力。
零龍星雲の持つリンク効果もそれぞれ優秀で、少ないマナでもアドバンテージを稼ぎやすく、別の零龍星雲リンクの補助も兼ねる。

序盤の零龍卍誕は勝ちに直結すると言っても過言ではなく、動きとしてはひたすら自分のデッキとの勝負になり、相手プレイヤーへの依存度は低い部類に入る。

このデッキの回し方

手札によって動きは変わるが、基本的には4つの零龍星雲をリンクし《零龍》の完成を目指して動く。

主なルートは以下の様になる。

ルートA.《ギャスカ》or《ラピス・ラズリ》から始動する場合
1.《ギャスカ》or《ラピス・ラズリ》を出し、自分の手札をすべて捨てる。この時、《ステニャンコ》・《ジ・エンデ》or《ドレッド・ブラッド》・《ザロスト》をなるべく多く落としておきたい。
ターン終了時に《手札の儀》達成、GR召喚する。(現在の墓地最低数3枚)
以降状況によって分岐し、

2a.《ザロスト》を蘇生できる場合
→ターン開始時、墓地から《ザロスト》の蘇生効果を発動。《ザロスト》復活時に《復活の儀》を達成して2枚墓地肥し。(現在の墓地最低数5枚)

3a.続けて《ステニャンコ》の蘇生効果を発動。《ザロスト》or《ギャスカ》or《ラピス・ラズリ》を破壊して《ステニャンコ》を蘇生。次に蘇生した《ステニャンコ》ともう1体を生贄に《ジ・エンデ》or《ドレッド・ブラッド》を蘇生。
《破壊の儀》を達成し、墓地から《ブラッディ・クロス》or《無限皇帝の顕現》を回収。(現在の墓地最低数5枚)

4a.回収した《ブラッディ・クロス》or《無限皇帝の顕現》を使用し、墓地肥やしする。《無限皇帝の顕現》の場合は蘇生しない。(《学校男》or《ドゥポイズ》は状況に応じて蘇生しても良い。ただし即座に破壊する。)
ここで墓地が8枚となり、《墓地の儀》達成。

零龍卍誕

2b.《ザロスト》を蘇生できない場合
《ギャスカ》or《ラピス・ラズリ》を破壊して《ステニャンコ》を蘇生。《復活の儀》を達成して2枚墓地肥し。(現在の墓地最低数5枚)

3b.《ブラッディ・クロス》or《無限皇帝の顕現》を引き次第使用、墓地が8枚となり、《墓地の儀》達成。
(相手のクリーチャーが1体以上居れば、《無限皇帝の顕現》で《学校男》か《ドゥポイズ》を蘇生して《破壊の儀》を同時達成可能→零龍卍誕)

4b.適当なクリーチャーを2体程出しながら《ステニャンコ》→《ジ・エンデ》or《ドレッド・ブラッド》連続蘇生コンボを狙い、可能になり次第コンボ発動。
《破壊の儀》を達成し、零龍卍誕する。(回収対象は《デスマーチ》か《無限皇帝の顕現》が良い)

ルートB.《ギャスカ》or《ラピス・ラズリ》を使わない場合
1ターン目に《堕魔 ザンバリー》を出し、手札を1枚捨てる。その後即座に《ザンバリー》を生贄に《暗黒鎧 ダースシスK》を代替コストで召喚。
ターン終了時に《手札の儀》達成、GR召喚する。(現在の墓地最低数4枚)
以下、ルートA.2a及び2b以降と流れは同様。

ルートC.《無限皇帝の顕現》から始動する場合
2ターン目に《無限皇帝の顕現》を唱えて墓地に落ちた《ギャスカ》or《ラピス・ラズリ》を蘇生し、かつ《復活の儀》を達成。
ターン終了時に《手札の儀》達成、GR召喚する。(現在の墓地最低数7枚)
以下ルートA.2a及び2b以降とほぼ同様の流れで動ける。
1ターン目に《ザンバリー》で《ギャスカ》or《ラピス・ラズリ》を落としておくと尚良い。(この場合は墓地最低数6枚)

もちろん、どんなプレイングをしても序盤に《零龍》まで辿り着かない手札のときも多く、その場合は山札の上からの完成を待つかシールドを攻めていくか、状況によって判断することになる。

長所

とにかく早いターンでの零龍卍誕が非常に強力。《墓地の儀》パワー低下効果を持ち、盤面を制圧されようが零龍卍誕の効果で一掃出来るので、ブロッカーで固められても詰みにくい。
また、《零龍》さえ完成できれば除去に滅法強くなり、ロングゲームに持ち込まれてもゴリ押しが可能。

速攻デッキでありながらハンデス《全能ゼンノー》もほとんど刺さらない。それどころか《ゼンノー》はパワー2000であるため《墓地の儀》の射程圏内であり、むしろ逆に利用する事さえ可能。
またS・トリガーである《撃髄医 スパイナー》を積めるため殴られてもある程度対応可能。スーパー・ボーナスが発動すればブロッカーを大量蘇生し、守りに転じる事もできる。

上ブレすると何もさせずに圧殺出来るデッキも多く、対話拒否で決着がつく事も。
場合によっては《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》さえも間に合わない事すらある。

《無限皇帝の顕現》登場以降は《一なる部隊 イワシン》を積まない黒単構築も可能となり、色事故を恐れる必要も無くなった。

短所

S・トリガーの厚いデッキ、少ないマナからソリティアできるデッキは、1枚多い手札も含めカウンターパンチを浴びやすい。打点が少ないため《スゴ腕プロジューサー》を1体踏むだけで苦しくなる事も。

このデッキが成立したのはちょうど幅を効かせていた《BAKUOOON・ミッツァイル》《「本日のラッキーナンバー!」》殿堂入りした時期であり、まだ受け軽視の風潮が強い環境のため相性が良い。

《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》を始めとする墓地肥やしメタ《ケッシング・ゼロ》《∞龍 ゲンムエンペラー》のような《零龍》メタが厳しい。特に後者はデッキの性質上ケアが難しいので、仕方ないと割り切るべきだろう。
能力を無視された《零龍》はパワーが0の為、勿論墓地送りになりその瞬間自分はゲームに敗北するので、後者のようなメタが出てくる前に決着を着けたいところだ。

【夢幻零龍グール速攻】

【零龍ギャスカ】を《黒神龍グールジェネレイド》リペアした型。
《蒼き覚醒 ドギラゴンX》と組み合わせることで、最速2ターン目にT・ブレイクが可能になった。

候補カード

【零龍ギャスカ】と共通のものは一部省略。

メインデッキ候補

《黒神龍グールジェネレイド》最速1ターン目にバトルゾーンに着地し、2ターン目にP革命チェンジできる
《夢幻なる零龍》マナを支払わずに《グールジェネレイド》や《破壊の儀》を誘発できる
《ダムダム・ジョーカーズ》1ターン目の山札からの墓地肥やし
相手の墓地肥やしにならない《ダムダム》のほうが優先度高め
《ブラッディ・クロス》
《ぴえんぱおん》2ターン目の山札からの墓地肥やし
相互互換はあるが、《ダムダム・ジョーカーズ》で任意で拾えるので使うならこれ
《アロガント・アウェイン》山札からの墓地肥やしを利用して1打点を生み出すために 《復活の儀》誘発
《盗掘人形モールス》墓地回収は任意なので《パラダイス・アロマ》感覚のおまけ打点としても狙える
《“轟轟轟”ブランド》手札消費の激しい速攻なので無理なく入る

超次元ゾーン候補

超GR候補

デッキ特性上《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》を採用しづらいため、《手札の儀》でのGR召喚を前提にしたグッドスタッフが中心となる。

《ヘルエグリゴリ-零式》W・ブレイカー 2回以上GR召喚しないこのデッキではノーデメリット
《アアルカイト 次元間航行モード》
《ドドド・ドーピードープ》W・ブレイカー ディスカードは手札0でノーデメリットあるいは墓地肥やしのメリット
《暗黒の騎士ザガーンGR》W・ブレイカー
《鋼ド級 ダテンクウェールB》W・ブレイカー 攻撃強制
《凶鬼000号 ゼロヴォイド》破壊耐性持ち、P侵略元にも

このデッキの回し方

《ダムダム・ジョーカーズ》《夢幻なる零龍》を使い、《黒神龍グールジェネレイド》の早期踏み倒しを狙う。《グールジェネレイド》はP革命チェンジで実質T・ブレイカーとして扱える上、追加で墓地に落ちれば《蒼き覚醒 ドギラゴンX》破壊にも反応して蘇るため、回り方次第では【零龍ギャスカ】にも引けを取らない速度で走れる。
《破壊の儀》は主に《夢幻なる零龍》で補い、積極的にスーサイドを行う《ステニャンコ》はあまり採用されない。そのため、手札を抱えておけない《怨念怪人ギャスカ》はあくまでサブプランであることが多い。

長所

なんと言ってもブロックされないT・ブレイカーが最速2ターンで出せるのが魅力。《虚像の大富豪 ラピス・ラズリ》《終端の闇 ウゴカ・ザルコ》を使えばこれまでも《S級不死 デッドゾーン》でT・ブレイクする事はできたが、それよりも1ターン早い上にP革命チェンジなのでデッキの枠を取らずに採用できる。
そして、条件を満たせば【零龍ギャスカ】同様耐性持ちワールド・ブレイカー《零龍》によるゴリ押しが可能。

短所

【零龍ギャスカ】の「墓地メタやカウンターに弱い」「《零龍》を破壊されるとそのまま負けに直結する」といった弱点が、こちらでも同様に刺さる。ただし、ブロッカーに対しては《蒼き覚醒 ドギラゴンX》がいるため、それほど脅威ではない。
また、《破壊の儀》《手札の儀》の達成は《夢幻なる零龍》に頼りがちになるため、そちらが引けない時のダメージは大きい。

【0コスト零龍】

従来の零龍速攻に対し、0コストクリーチャー、また無月の大罪《手札の儀》のシナジーを利用して早期の零龍卍誕を目指すアプローチをとったもの。
デッキの性質上《DARK MATERIAL COMPLEX》と非常に相性が良く、サブフィニッシャーとして高頻度で採用されるため【黒単COMPLEX】と呼称されることも多い。

候補カード

【零龍ギャスカ】と役割や採用理由が共通するものは省略。

《DARK MATERIAL COMPLEX》サブフィニッシャー。自壊能力持ちや無月の大罪で早期の起動を目指す。
《ゾンビポンの助》メインエンジンとなる0コストクリーチャー。他の0コストクリーチャーに対し、ジョーカーズであるため《ダムダム・ジョーカーズ》で回収できるという利点を持つ。
《夢幻なる零龍》0コストクリーチャーの嵩増し。自壊で《破壊の儀》を、大量の手札消費で《手札の儀》を狙う
《試作品 クロコギア》
《ダムダム・ジョーカーズ》1ターン目の山札からの墓地肥やし。《ゾンビポンの助》と組み合わせて実質的に《破壊の儀》のカウントを進められる。
《大罪より生まれし果実》《破壊の儀》を稼ぐ。無月の大罪《手札の儀》の解決タイミングが同時であるため、《手札の儀》から先に解決することで《破壊の儀》による強制墓地回収に邪魔されずに両者の儀を達成できる。
《失罪 モグニ否フ》
《ヴィオラの黒像》受け札。相手のクリーチャーを1体破壊しながら《復活の儀》を達成できるためそのまま零龍卍誕によるカウンターが狙える。

このデッキの回し方

カードを使用して手札消費を行いつつ、通常は2~4ターン目、最速1ターン目でターン終了時に《手札の儀》、また無月の大罪を解決すれば《破壊の儀》を達成できる状況を作り、先に《手札の儀》を達成し、効果を解決してGR召喚をした後、無月の大罪を解決して《破壊の儀》を達成。
次のターンに軽量アビスラッシュ持ちクリーチャー等で《復活の儀》《墓地の儀》を達成して零龍卍誕して殴ったり、あるいは《墓地の儀》だけを残してカウンターできる状況を整えたりして、最終的にダイレクトアタックを目指す。

長所

従来の零龍速攻と比較して同一の役割を持つカードが複数種積める分安定感に優れ、3~4ターン目にダイレクトアタックが可能な範囲まで打点が伸びることも少なくない。
またアビスラッシュ持ちクリーチャーの採用によって即時打点の生成能力にも優れ、デッキ単位で除去への耐性があるとも捉えられる。
《ヴィオラの黒像》による受けや《DARK MATERIAL COMPLEX》等の《零龍》に依存しないフィニッシュ手段も有しており、一度受けられたり、メタカードを使われたり、また相手に先に動かれて殴られたりした場合でも打開できる可能性を有している。

短所

【零龍ギャスカ】と同じく《零龍》を主に使用するデッキのため、《∞龍 ゲンムエンペラー》《ケッシング・ゼロ》等の《零龍》メタには苦しい戦いを強いられる。
また《破壊の儀》の達成を《大罪より生まれし果実》《失罪 モグニ否フ》のGR召喚を伴うカードに頼っている部分があるため、1コストと軽く、また速度的に間に合いやすく、GR召喚《復活の儀》の達成を同時に対策出来る《とこしえの超人》には屈しやすい。

【ブラックXENARCH】

DM24-RP2で登場した《死神覇王 ブラックXENARCH》の能力に着目した型。
とにかく《ブラックXENARCH》を早出しするため、場持ちするウィニーの重要度が高いのが特徴。
基本的には《零龍》を入れてアドバンスで構築されるが、そちらへの依存度が低くオリジナルでも構築可能。

候補カード

【零龍ギャスカ】と役割が共通するものは一部省略。

《死神覇王 ブラックXENARCH》キーカード。とにかく早出しして相手に破壊ハンデスを押し付ける
《霊淵 アガルーム=プルーフ》ハイパーモードを起動すると大量の墓地肥やしが可能。《ブラックXENARCH》とその他クリーチャーを墓地に叩き込む
《ビックリーノ》墓地を積極的に肥やすので自己蘇生は特に相性が良い
《暗黒鎧 ザロスト》
《罪無 ターボ兆》軽量展開に加えムゲンクライムで《アガルーム》のコスト確保
《罪無 メリゴ垓》ムゲンクライムとしては5枚目以降の《ターボ兆》。デッキが軌道に乗れば除去には困らないのでパワー低下はオマケ
《緊縛の影バインド・シャドウ》タップインと《アガルーム》の相性が良い。
《アイロン=バイロン》手札に来た《ブラックXENARCH》や《ザロスト》を墓地に落とす
《堕魔 ザンバリー》
《無限皇帝の顕現》横展開、《復活の儀》達成に
《DARK MATERIAL COMPLEX》サブフィニッシャー。耐性pigなど全ての効果が《ブラックXENARCH》と噛み合っている

このデッキの回し方

序盤は大量の1コストクリーチャーで盤面を並べていき、適宜《復活の儀》《霊淵 アガルーム=プルーフ》ハイパーモード能力、《無限皇帝の顕現》を駆使して墓地を肥やしていく。墓地に《死神覇王 ブラックXENARCH》が落ちたら場に出し、次のターンでさらに1コスト獣を連打して盤面を制圧。《ブラックXENARCH》を出す過程でほとんどの零龍の儀が達成できるので、後は《零龍》《DARK MATERIAL COMPLEX》の耐性に物を言わせて殴り切る。

《ビックリーノ》《死神覇王 ブラックXENARCH》でのハンデスを活かし、少しずつ刻んで安全に詰めるというやり方もある。よしんばS・トリガーを踏んでも、自己リアニメイト系で《死神覇王 ブラックXENARCH》での除去誘発してS・トリガー獣を破壊することで逆転を許さないことができる。もちろん受けの薄い相手には早期卍誕した《零龍》で殴るアグロプランも出来る。

長所

《霊淵 アガルーム=プルーフ》によって一気に墓地が肥えることから、盤面さえ並べば最速2ターンで《死神覇王 ブラックXENARCH》が着地する[1]。《XENARCH》を出せるほどに展開が進めば同時に零龍卍誕も狙えるため、最速で3ターン程度でリーサル打点が揃う。
一度《ブラックXENARCH》が出てしまえば、例え破壊されてもアビスラッシュムゲンクライムで墓地から何度でも種を蒔いて即座に復活ができる。そうする過程で《DARK MATERIAL COMPLEX》《零龍》のカウントがどんどん進んでいき、あっという間に手のつけられない盤面になってしまう。
【ヘブンズ・ゲート】系統に対してはハンデスしながら少しずつ刻めば、たとえカウンター札をS・トリガーで踏んでも相手に有効活用できるだけの手札が無い場合も多い。
【赤黒バイク】などのクリーチャーを重用するデッキに対しては《緊縛の影バインド・シャドウ》が刺さる。

短所

良くも悪くも《ブラックXENARCH》がデッキの中心のため、中々引けない時は当然展開も控えめになってしまう。《ブラックXENARCH》なしでも零龍卍誕や《COMPLEX》起動は狙えなくもないが、かなりシビア。
また【零龍速攻】の宿命として墓地利用メタには弱い。横展開してゴリ押しする手段もあるが、そうして手間取っている間に《∞龍 ゲンムエンペラー》などを投げられたらひとたまりもない。
またこれは運用上の注意点だが、ターン終了ステップ誘発した《復活の儀》《霊淵 アガルーム=プルーフ》《ビックリーノ》《死神覇王 ブラックXENARCH》を引いても、それらは誘発するタイミングを逃しているのでそのターン中には蘇生できない。ターン終了時の能力を多用するデッキなので注意。
【ムザルミ天門】【白緑巨大天門】などの【ヘブンズ・ゲート】系統との対面では、焦って零龍卍誕すると《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》《∞龍 ゲンムエンペラー》がカウンターで出て来て《零龍》特殊敗北を突かれるため、油断は禁物。

環境において

成立したDMRP-12期当初は受け軽視の風潮が強かったため、チャンピオンシップ4位以内入賞に恵まれていた。

DMEX-08期になると受け重視の【バーンメアジョーカーズ】が、その後に再び【ドッカンデイヤー】が環境トップとなったため、数を減らした。《暗黒鎧 ザロスト》シールド焼却によってカウンターに弱くなる弱点も浮き彫りになっていた。
だが、いくら受けからのカウンターを用意したところで、2,3ターンという(《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》のような例外を除いて)もはやメタが間に合わないターンから無敵に近い耐性持ちのワールド・ブレイカーを飛ばせることから、運次第でゲーム性を否定する動きができていた。

そしてやはりというべきか、2020年7月1日付で《怨念怪人ギャスカ》が殿堂入り。これによりこのデッキは速度の低下を余儀なくされた。4ターンキル程度なら依然として比較的容易に達成できるが、その程度の速度だと墓地利用メタが間に合う上にこのデッキである意味が薄いので、大幅弱体化と言える。

とはいえ枠が空いた事で《無限皇帝の顕現》を入れやすくなった他、先述の様に《ギャスカ》や《ラピス・ラズリ》に頼らず素早く零龍卍誕する手段もあり、《ギャスカ》殿堂以降も時折入賞報告が挙がっている。
《ブラッディ・クロス》が積めるため【ゾンビパルテノンループ】にも強く出られ、そして現環境トップメタの一角である【オカルトアンダケイン】に対しては相手が勝手にこのデッキを回す手助けをしてくれる上に受けも無いに等しく、デッキ単位でのメタが可能。未だにその脅威性は完全消失していない。

2021年7月1日付で《暗黒鎧 ダースシスK》殿堂入り《破壊の儀》《復活の儀》の起動札が減った上に仮想敵の一つ【アンダケイン】も消滅してしまい大きな痛手を受けた。この頃は大型ディスペクターや強力な3色呪文の受け札を採用した【5色コントロール】が幅を利かせており、また強力な【速攻】デッキ【我我我ブランド】の登場に加え、《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》などの強力なメタの跋扈、さらには《零龍》の天敵たる【ヘブンズ・ゲート】からの《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》の動きの台頭など、風当たりは強い。一方で受け札に全体除去よりも単体除去が重視される環境に対してワールド・ブレイカー除去耐性を持つ《零龍》は強烈な回答であり、そういう意味では強化と呼べなくもないか。

その後も少しずつ型を変えながら、度々上位入賞を果たしている。

DM24-RP2期から【ブラックXENARCH】が環境に進出。黒単が主流だが青黒型も一部で根強い。

DM24-EX1末期には置きドローであり「あわよくば」でエクストラウィンを狙える《無量大龍 トゥリナーツァッチ》を1枚積みした【青黒ブラックXENARCH】が32人参加規模のオリジナルのチャンピオンシップで優勝。

DM24-BD1DM24-BD2期にはアドバンスで《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》破壊ギミック型が確認された。

SpDeck11《暴淵 ボウマ=ダンマ》を、DM24-RP3《幽幻人形キヨ&ヨン&シー》を獲得。オリジナルの【青黒XENARCH】のパーツとしてはDM24-RP3《爆藍月 スケルハンター》《ツイン・シックス》が登場。

DMGP2024-2nd』Day1のアドバンス部門では【黒単XENARCH】予選突破のベスト128進出者1人を出している。この頃になるとドラゴン系のデッキに《爆龍覇 グレンリベット/「爆流秘術、暴龍の大地!」》などのマッドネスが入っており徹底的にマークを受けている。またこちらの準備が整い切る前に速攻系のデッキに殴り切られる事も少なくなく、デッキのプレイ難度の高さも相まって環境的には逆風気味。

参考


[1] 1ターン目に適当な1コスト獣+余裕があれば《ビックリーノ》、2ターン目にそれらと合わせて合計3体以上を並べ、《アガルーム》のハイパー化《緊縛の影バインド・シャドウ》によって全員をタップできれば、その時点で墓地にあれば《ブラックXENARCH》の発動条件が整う。《ビックリーノ》への《復活の儀》や、《堕魔 ザンバリー》で《ブラックXENARCH》を落とすチャンスが作れる。