DM23-BD5での再録時に公開されたよくある質問で、「シールドが3つ以上ある時は、ブレイクされた結果のシールド枚数が何枚でも、S・トリガーは得られない」という裁定が公開された。
それと同時にテキストが異なる《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》の、同様の状況で「S・トリガーを得られる」という裁定が削除された事で、多くのカードがS・トリガーの付与タイミングについて裁定変更を受けたのではないかと波紋を呼んだ。
以前は、S・トリガー付与の対象は「シールドゾーンから手札に加えるカード」と「シールドゾーンのカード」のどちらのテキストであっても差はないとされており、《レオ》の裁定を全てのカードに適用しようとすると、カードデザインを無視した奇妙な挙動になってしまう事が懸念されていた。
(以下、当時のログ)
DM23-BD5版のテキストの革命2は、ブレイクでカードが移動する前のシールドの数を参照するという個別Q&Aが出ている。
しかし、日付が新しいよくある質問だからといって、その裁定を鵜呑みにすると明らかに他のカードに支障が出ることが指摘されている。
実際に《レオ》の裁定を真としたことによってどこがおかしくなるのかは以下を参照。
- 《レオ》
- この革命2はシールドチェックが始まってから達成したのでは「S・トリガー」を得ないという内容である。
常在型能力は文字通り「常に」現在の状況を確認しており、シールドが2つ以下になりながら手札に加わるせいで付与タイミングを逃すということは起こり得ない。
すなわち、S・トリガーの使用宣言をするためにはシールドチェックに入る前からS・トリガーを持っている状態にしないといけないと定義したことになる。
- 《雪精 エリカッチュ》
- 《レオ》の裁定を参考にすると、過去のよくある質問は撤廃され、シールドチェックが始まってから達成したのではS・トリガーで召喚できないということになる。
- 《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》
- 「自分のシールドゾーンから手札に加える」という動作は、シールドチェックそのものないしはシールドチェックの終着点である。すなわちシールドチェックに入った後のイベントであり、そこでS・トリガーを得ているので《レオ》の裁定を参考にすると使用宣言できない。……ということにはならず、なぜか普通に使用宣言できる。おまけに、《レオ》とは異なりシールドチェックが始まってから達成した革命2によって、S・トリガーを使用宣言できる。
- 《星龍パーフェクト・アース》
- 《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》のケースでは、そのカード自身がS・トリガーになるので総合ルール110.4cが適用され特殊な処理になったと仮定する。しかし《星龍パーフェクト・アース》は他のカードに対してシールドチェックに入った後からS・トリガーを与える能力なので、《レオ》の裁定を参考にすると使用宣言できない。……はずだが、デザイン上、使用宣言ができないとこのカードの能力が全て無意味になってしまう。
- 《ヤミノリミット》
- S・トリガーを使用宣言するためには、シールドチェックに入る前からS・トリガーを持っているのが条件になったとする。
そこで、《ヤミノリミット》の影響下ではシールドチェックに入る前のシールドカードにS・トリガーを使わせない状態にしてからシールドチェックを開始する能力となるのではないか。
すると相手のシールドが4つ以上なら通常のS・トリガーにはロックが効いた状態として扱えるはずだが、シールドチェックに入った後からS・トリガーを得ることを許可する「自分のシールドゾーンから手札に加えるカード」というテキストには「シールドの数が減ってから使用宣言に入る」と《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》で定義されているため、途中から相手のシールドが4つ未満になったらそこはロックすることができないことになってしまう。
S・トリガー付与が「手札に加えるカード」というテキストであるだけで、このカードの能力をすり抜けられる可能性があるということである。
上の説では「常在型能力が付与タイミングを逃すことはない」としたが、そこに「付与タイミングを逃しているからS・トリガー宣言できないことを議論しないのはおかしい」という反論があるかもしれない。
そこで《レオ》がタイミングを逃すということはどういうことを意味するのかも書いておく。
- 理不尽な事が起こってしまう
もっともらしい挙動
- 自分のシールドが3つの状況で3つ同時にブレイクされた。この時点ではシールドの数はまだ変わっておらず、革命2を達成していない。
- そのことを確認し終わったら、ブレイク予定のカードを「シールドゾーンにあるカード」から外し、同時に「シールドの数」も0に変更する。それを完了してから手札に加え始める。
- こうすることで革命2は後から達成されているがブレイクされたカードはS・トリガーを得るタイミングがないまま手札に加わることになる。
- なのでS・トリガーとして使えない。これだけならおかしな部分はない。
それの裏返しで起こる挙動
- 自分のシールドが2つの状況で、革命2を達成している。そこで2つ同時にブレイクされた。この時点ではシールドの数はまだ変わっておらず、革命2も継続中である。
- そのことを確認し終わったら、ブレイク予定のカードを「シールドゾーンにあるカード」から外し、同時に「シールドの数」も0に変更する。それを完了してから手札に加え始める。
- すると、ブレイクされたカードが得ていたはずのS・トリガーは「自分のシールドゾーンにあるカード」ではなくなることにより革命2は達成していたのにS・トリガーを失った状態で手札に加わることになる。
- つまり、ブレイクの前で革命2を達成していても、結局S・トリガーとして使えずに終わることになる。
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