ダイヤモンド状態
何らかの理由で攻撃できないクリーチャーが攻撃できるようになった状態のことを示す俗称。
ルール上は厳密には、攻撃できない能力、または効果が無視されている状態のこと。
《ダイヤモンド・カッター》や《ダイヤモンド・ソード》など、この効果を生成するものはカード名に「ダイヤモンド」とあるものが多いことから、「ダイヤモンド状態」と呼ばれるようになった。
ダイヤモンド・ソード R 光文明 (3) |
呪文 |
このターン、自分のクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃することができない効果はすべて無効になる。(召喚酔いや、「このクリーチャーは攻撃することができない」または「このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない」などの効果が無効になる。ただし、この効果によってクリーチャーを攻撃することは可能にならない) |
これらのカードは主にブロッカーが持つ「このクリーチャーは攻撃できない」「このクリーチャーは相手プレイヤーを攻撃できない」を無効化するために使われる。
また、ルールによって攻撃できない状態になる「召喚酔い」も、この効果によって解消できる場合がある。
カードによって攻撃できるようになる目標や効果が及ぶ範囲が異なるので、テキストをよく読むよう注意したい。
- 奇襲性は高いが場を並べるデッキでないと効果が出にくかった為、あまりデッキには採用されにくかった歴史を持つものの、王来篇で汎用性の高い防御能力であるG・ストライクが登場。これはダイヤモンド状態を付与させるカードなら無効化出来る為、1ショットキルのお供として注目が集まっている。
ルール
- ダイヤモンド状態の結果、「可能であれば○○を攻撃する」とある対象を攻撃できるようになれば、攻撃する際それを攻撃しなければならない。
「効果」対象と「能力」対象の違いについて
ダイヤモンド状態には「効果を無視する」ものと「能力を無視する」ものの2種類がある。
前者(《ダイヤモンド・ソード》など)は「継続的効果を無効にする」もので、これが有効な間、いかなる攻撃禁止効果を受けても攻撃することが可能。
後者(《天命王 エバーラスト》など)は「能力を失わせる」のに過ぎない。そのクリーチャー自身が持つ「攻撃できない能力」は無効になるので攻撃できるようになるが、召喚酔いや別のカードから発生した《スローリー・チェーン》や《勝利のプリンプリン》などの「攻撃できない効果」が有効な場合は結局攻撃できない。
実際にダイヤモンド状態カードがそれぞれどちらに属するのかは、後述の表に示してある。
この二者は非常にまぎらわしいため、ルールの違いを理解した上で、自分の使うダイヤモンド状態カードがどちらに属するのかを確認しておきたい。
- 2015年度全国大会「デュエルマ☆スターカップ」日本一決定戦決勝トーナメントにおいてこの違いによるトラブルが発生している(一度決着が付いているため勝敗は変更なし)。
- 《禁断英雄 モモキングダムX》の「(前略)攻撃できず、相手に選ばれない。」の能力に対し、能力指定のダイヤモンド状態をかけると、選ばれなくなる効果も一緒に無視される。(2024.9.20)
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| | 過去の記述
| - 「能力を失わせる」ものはテキストごとなかったことにはならない。例えば「クリーチャーは攻撃できない」能力を持つ《禁断》が存在している状態で《光器の裏技ディーヴァ・ライブ》など自軍を対象とするダイヤモンド状態を使っても、攻撃制限が解除されるのはその《禁断》のみ。他のクリーチャーへの攻撃制限効果は消えず、かつそれらのクリーチャーは「攻撃できない」を自身の能力として得ているわけではないため、結果的に攻撃できるようにはならない。あくまで「対象クリーチャーはその効果を無視できる」だけとなる。
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- 上記の「能力の無視」の扱いの明文化により、利敵行為になる場面が生まれた。例えば《ボン・キゴマイム》は、相手のクリーチャーたちにだけ「攻撃できない」を及ぼす能力を持っているが、《喜びの夜 エルボロム・ハッピー》のように自分のクリーチャーに能力指定のダイヤモンド状態を作用させると、その攻撃禁止効果やその能力が含む追加効果もなくなってしまう。
ダイヤモンド状態にするカード
- 『無効になる攻撃制限』について、『能力』は「攻撃を制限する能力を失う」、『効果』は「攻撃を制限する効果が無効になる」をそれぞれ意味する。
<無視>とあるカードは「能力(効果)を無視する」、それ以外は「能力(効果)は無効になる」というテキストで書かれている違いを指す。裁定的にはどちらでも変わらない。
- 召喚酔いに効くという部分で(暗黙)となっているカードは、テキストでは召喚酔いに特に言及されていないが召喚酔いも無効化されるという裁定が出されている。
- 「-」となっているものは「能力」を対象としたダイヤモンド状態で、攻撃目標に指定がない。すなわち「攻撃できない」を持たないクリーチャーと同様に攻撃が行える。
- 「適正な目標全て」とは、攻撃できない効果を取り払った上で、ルール上攻撃できる相手に攻撃可能なことを意味する。例えばこの効果によってタップされていないクリーチャーを攻撃できるようにはならない。
ダイヤモンド状態ではないが、似た挙動のもの
基本は自身の持つ「攻撃できない」が有効だが、特定条件で自身が発生源になって攻撃不可になっている部分に限定して効果を失わせる。
それらは、各自が条件を満たしていないときでも、上にある正真正銘のダイヤモンド状態を使うことで無効にすることが可能。
※すべての網羅ではなく、一部の抜粋
その他
- デュエル・マスターズにおいて長らくは、こうした特定の能力を完全に無効化する能力は非常に限定的であり、このダイヤモンド状態も特殊な処理の一種だった。「無視」の概念が登場して以降は、こちらも上述の通りそれらに一本化されつつある。
- 本来注釈文は能力として扱われないが、ダイヤモンド状態はカードによって異なる効果が括弧書き(=注釈文の書体)の中に書かれていたりする。
- 《震空の鎖 メタルモグラ》の公式Q&A記載前は、「このクリーチャーは攻撃されない。」「相手は~~しか、クリーチャーで攻撃できない。」といったテキストだと無効化できないものもあった。《メタルモグラ》の公式Q&Aにより、適正な対象ならあらゆる「攻撃できない」は無視できるよう裁定変更された。
参考
公式Q&A
Q.自分の《震空の鎖 メタルモグラ》がバトルゾーンにいる状況で、自分のクリーチャーは相手の《子役者 ショニチラクビ》を攻撃できますか?
A.はい、《震空の鎖 メタルモグラ》の能力は、「攻撃されない」能力を持つ相手のクリーチャーも攻撃できるようになります。
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| | (総合ルール 101.2)
| - 101.2. 「できない」効果は「できる」効果に勝つ
- あるイベントに対して「できる」とされている効果と「できない」とされる効果が同時に存在するとき、「できない」とされる効果が優先されます。また、「できない」とされる効果を「無視する」という効果がある場合、「できない」とされる効果は無視され効力を失います。ただし、カードはルールに勝つので、「できる」効果は「できない」ルールに勝ちます。(スピードアタッカーを持つクリーチャーは召喚酔いルールに勝ち、攻撃することができます。)
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引用元(2020.12.15)
Q.《赤翼の精霊エルラ・ルージュ》の「シビルカウント3」が発動している状況で、自分の「ブロッカー」を持つクリーチャーは召喚酔いを無視して攻撃できますか?
A.いいえ、召喚酔いは無視できません。《赤翼の精霊エルラ・ルージュ》の能力はテキストにある通り、「そのクリーチャーが持つ相手プレイヤーを攻撃できない能力」のみを無視します。これは、《聖女の翼 アクルクス》の「このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。」や、《シンカイフォックス》の「このクリーチャーは攻撃できない。」のように、クリーチャーが持っている能力を無視して相手プレイヤーに攻撃できるという意味です。
なお、この能力が発動している状況でも、《シンカイフォックス》のような「攻撃できない」能力を持つクリーチャーは、相手のクリーチャーに攻撃できるようにはなりません。
引用元(2022.9.16)
条件を満たさなくても、素でクリーチャーへの攻撃は許可されている。