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獰猛なる大地 R 自然文明 (8) |
呪文 |
進化ではないクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出す。相手のマナゾーンから進化ではないクリーチャーを1体選び、相手はそれを出す。その後、バトルゾーンから自分と相手のクリーチャーを1体ずつ選び、持ち主のマナゾーンに置く。 |
《母なる大地》の数ある派生カードの1つ。お互いのマナゾーンから、進化でないクリーチャーを1体ずつコスト踏み倒しし、その後お互いのクリーチャーを1体ずつマナ送りにする。
要は《父なる大地》のような処理を自分にも相手にも行う。自分は小型を大型と入れ替え、相手のファッティはウィニーにしてしまえる。触れられるゾーンが多い故に小回りの利いたプレイングも可能。
主な用途は《母なる》系列同様、自分のマナゾーンからのコスト踏み倒しである。素で8コストと重いが、コスト踏み倒しのコスト制限もないため、9以上でも出せる。質の高いファッティが増えたエピソード2以降で猛威を振るうこととなり、殿堂入りとなった。
除去は、エラッタ後の《父なる大地》と同じである。《父なる大地》と同様の悪用が可能であり、デメリット持ちや自壊してしまうクリーチャーを引きずり出したり、マナゾーンにあるべきキーパーツを引っこ抜いたりできる。マナ送りであるため、pigや破壊に耐性を持つクリーチャーにも銀の弾丸となりえる。
《獰猛なる大地》の本領として、これらの効果を同時に行うことによる特異な動きと、巧妙な効果の順序にも触れておくべきだろう。
この呪文を扱う上で考えたいのが、まず自分のクリーチャーをマナ送りにしてしまうこと。
コスト踏み倒し→マナ送りの順でなので他の《母なる大地》系列と異なり、先にコストとなるクリーチャーを用意する必要がない。勿論、自分のクリーチャーがいなければ、コスト踏み倒しの後にマナ送りされて何も残らないが、そのcipは発動可能。《偽りの王 ヴィルヘルム》などのcipを持つクリーチャーがマナゾーンにいれば、それらの能力を呪文感覚で使える。
《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》などの除去耐性を持つクリーチャーを出せばマナ送りを免れて残すことも出来る。EXライフを持つディスペクターも、シールドを犠牲にバトルゾーンに残ることができるので一考に値する。《聖魔連結王 ドルファディロム》などのEXライフのシールドが離れた時に能力を使えるものもいる。特に《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》の場合、cipで呪文を回収した後、即座に呪文の踏み倒しができる。そのため、EXライフのシールドを失うものの、マナゾーンにある《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》を一気に横並びできる。
そしてもう1つのポイントは相手のクリーチャーをコスト踏み倒しさせてしまうこと。
出すクリーチャーは唱えたプレイヤーが決めるが、それでも強力なcipを使われてしまうことはある。
コスト踏み倒しは自分が先なので、コスト踏み倒しメタを出せば相手のコスト踏み倒しを妨害できる。《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》《龍世界 ドラゴ大王》《地封龍 ギャイア》などのクリーチャーロックを先出しすれば、そもそも相手のコスト踏み倒しを不発どころかランデスに置換することも可能。
同じように《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》や《ブラキオ龍樹》を出してcipを誘発させないということもできる。
また、誘発したクリーチャーの効果解決は、《獰猛なる大地》の効果がすべて終わった後で行う。これによって、例えば相手のマナゾーンから引っ張り出した・マナ送りしたクリーチャーを《偽りの王 ヴィルヘルム》効果で狙撃したり、相手の場の大型クリーチャーを小型クリーチャーと入れ替えてcip全体除去に巻き込んだり、エターナル・Ωで手札に戻ったゼニスをcipハンデスで叩き落したり《サイバー・N・ワールド》で山札に埋めたりできる。
他にも終盤に相手の山札が少なくなってきた時に《天災 デドダム》などを出してライブラリアウトを促進するなどの使い方もある。
比較対象は《蒼龍の大地》あたりだろう。そちらは大量にマナブーストする必要があるものの、コスト踏み倒しは自分のみであり、自分へのマナ送りもない。また、効果バトルとS・トリガーのオマケもある。
このように、相手と自分のカードの組み合わせ次第で様々なアプローチが可能であり、同時に大きなアドバンテージを稼げる可能性を秘めている。
それぞれの要素を上手く使えたなら、ゼニスや除去耐性持ちといった対処が厄介なクリーチャーや盤面を、1枚で対処できてしまうことも珍しくない。
コストは高いものの、高い汎用性とカードパワーを兼ね備える。効果の完成度も極めて高く、1枚で戦況を変えたり勝負を決めたり出来るポテンシャルを持つ。デッキビルディングの時も実際のプレイの時も、是非ともうまく扱ってやりたい1枚である。
戦国編に入るとDM-28で《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》が登場。マナゾーンから踏み倒す先として優秀であり、シールド・フォースで自分へのマナ送りを帳消しにできる点から【ギャラクシーコントロール】で使われることがあった。
《母なる紋章》がプレミアム殿堂となり、《ミラクルとミステリーの扉》の殿堂入りが決定する中、使用制限のない貴重な無条件コスト踏み倒し呪文であった。特に《希望の絆 鬼修羅》は出た時と離れた時の条件を一度に満たせる点から能力を2回使うことができ、《勝利宣言 鬼丸「覇」》などを早期に出すために使われた。
しかし、エピソード2前後から《勝利宣言 鬼丸「覇」》をはじめとする強力な高コストのフィニッシャーが増えたこともあり、それらを容易に呼び出せることが原因となったのか、2013年6月22日付で殿堂入りとなった。
殿堂入り後も【ラララオプティマス】においてマナブーストによって増やしたマナの有効活用手段として採用された。
DMRP-19頃になると、大型ディスペクターを踏み倒す手段として【5色コントロール】系統のデッキに採用される構築も見られるようになった。《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》の能力で唱えられる範囲内であることに加え、《蒼龍の大地》と異なりマナゾーンのカードの枚数に縛られない強みがある。
コスト踏み倒しメタの普及、類似カードの《蒼龍の大地》など8コストでの無制限の踏み倒しが一般的となったからか、2022年7月1日に殿堂解除。同じコストを問わないコスト踏み倒しの《神歌と繚嵐の扉》が殆ど活躍しなかったのも大きい。直前に《星空に浮かぶニンギョ》、《若き大長老 アプル》といったマナ戦術メタが登場したのもある。
殿堂解除直後、これを4枚積みした【4色ロマノグリラ天門】がオリジナルのチャンピオンシップ優勝を果たした。【5色ザーディクリカ】のようにマナ回収感覚で1枚程度に枚数を抑えた例もある。
2023年8月11日殿堂レギュレーション改訂後に成立した【獰猛キーナリー】でも結果を残した。
殿堂解除後は概して良いカード止まりだが、殿堂解除されたカードとしては比較的よく使われた部類である。