青黒赤(クローシス)ドギラゴン(バスター)

DMR-21で登場した【ドギラゴン剣】
元々【5色ドギラゴン剣】が抜けた4色のデッキタイプがあり、そちらを「クローシスバスター」と呼ぶこともあったが、このデッキは構築上は単なる派生にとどまらず、自然がほとんど入らないのでそれとは区別して解説する。

蒼き団長 ドギラゴン剣(バスター) LC 火/自然文明 (8)
クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団 13000
革命チェンジ―火または自然のコスト5以上のドラゴン
自分の多色クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
T・ブレイカー
ファイナル革命―このクリーチャーが「革命チェンジ」によってバトルゾーンに出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、コストの合計が6以下になるよう、進化ではない多色クリーチャーを好きな数、自分のマナゾーンまたは手札から選び、バトルゾーンに出す。
※殿堂入り
Dの博才(ばくさい) サイバーダイス・ベガス R 水文明 (5)
D2フィールド
S・トリガー
自分のターンの終わりに、カードを1枚引いてもよい。(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)
Dスイッチ:相手のクリーチャーが自分を攻撃する時、このD2フィールドをゲーム中で一度上下逆さまにしてもよい。そうしたら、水のコスト7以下の呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。

概要

2017年2月26日の殿堂レギュレーション発表で従来の【赤黒ドギラゴン剣】が失墜。さらにDMRP-01コスト踏み倒しデッキの天敵である《異端流し オニカマス》が登場し、もはやドギラゴン剣系列のデッキはこれまでかと思われた。

ところが、DMR-23で登場した《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》《テック団の波壊Go!》の組み合わせがカウンターとして最適ではないかと注目され、さらに《裏切りの魔狼月下城》《Mの悪魔龍 リンネビーナス》という【5色ドギラゴン剣】のキーカードを何とかして使えないかという発想も持たれた。
その結果として誕生したのがこの色の組み合わせの【ドギラゴン剣】である。

特徴

《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》によるカウンターが主軸であり、《テック団の波壊Go!》《超次元ガロウズ・ホール》《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》よって踏み倒すことで相手の猛攻を凌ぎつつ、《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》によるドローでリソースを確保。最後に《単騎連射 マグナム》《音精 ラフルル》によるカウンター封じで仕留めるため、やや低速の1ショットキルを志向する。

が15枚前後、が20枚前後と、に寄せた構築となっており、自然は《ドギラゴン剣》と《葉嵐類 ブルトラプス》程度しか入らない。《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》を活かす都合上、全体的に見て呪文(特に超次元呪文)が多めの構築であり、多色マナ武装を主軸とすることから当然多色が多めに積まれている。基本的にカードパワー重視のカウンター構築なので、4マナまでのアクションは1回や2回カードをプレイする程度である。

《禁断〜封印されしX〜》封印外しや《リロード・チャージャー》による墓地肥やしなど、【赤黒ドギラゴン剣】の墓地戦術はこのデッキに受け継がれており、殿堂入りだが運良く《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》が手札に来ればより円滑にデッキが回る。

サイキック・クリーチャーのチョイスは、カウンターで除去を放てる《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》、革命チェンジ元になる《勝利のガイアール・カイザー》《勝利のリュウセイ・カイザー》が優先。《勝利のアパッチ・ウララー》で呼び出せるようにハンターで統一するのは【赤黒ドギラゴン剣】と変わらないが、先述の3種類以外は基本的に打点形成と割り切っても構わない。

困った時は禁断解放して凌げば良い。封印残り1枚という状況において、《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》からの《超次元ガロウズ・ホール》で火のコマンドを出せば《伝説の禁断 ドキンダムX》によるカウンターになるし、選ばない除去なので《異端流し オニカマス》も確実に処理できる。
相手の《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》Dスイッチは攻撃しない限り誘発せず、攻撃するとしたら結局は「単騎ラフルル」によってカウンターが封じられるので、《伝説の禁断 ドキンダムX》特殊敗北能力はそれほど気にしなくても良い。

意外なところで《シルバー・ヴォルグ》が役立つ。《異端流し オニカマス》が攻撃したところに《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》からの《超次元ガロウズ・ホール》で呼び出した《シルバー・ヴォルグ》によって、《異端流し オニカマス》をチャンプアタックさせてそこから革命チェンジをつつがなく行うという寸法である。

弱点

そもそも《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》や超次元呪文ありきで構築されるデッキなので、こちらが5マナまでチャージしてそれらをプレイするより速い速度で殴り切ろうとするデッキには運に任せてS・トリガーに頼ることになりがちである。
多色カードが多く初動も遅い。カウンター気味に動くこのデッキは、序盤にこれといった積極的な動きができないのも辛い所。
とはいえ1ターンの内に殴り切られない限りブレイクによって増えた手札から《メガ・マグマ・ドラゴン》を投げる余地があるため【赤単ブランド】などにはやりようがある。S・トリガー《葉嵐類 ブルトラプス》を召喚し、そこから1ショットキルを目指してもよい。

呪文が半分程度を占めるデッキなので呪文メタにも弱い。新章デュエル・マスターズ環境では《タイム3 シド》《爆鏡 ヒビキ》は少ないが、《音精 ラフルル》《ミラクルストップ》が幅をきかせているので油断は禁物。

しかし何と言っても《異端流し オニカマス》に弱いのが弱点。これに対応する除去は決して軽量ではないので、かなり手を焼くクリーチャーである。前述の《シルバー・ヴォルグ》ルートで対処するにしても、あくまで《シルバー・ヴォルグ》は単体性能で言ってプレイヤー攻撃不可の準バニラブロッカーなので、超次元の枠を考慮しつつ環境を読んだ上で搭載することが重要である。
これに加えて速攻を仕掛ける【赤青レッドゾーン】などは天敵と呼べるデッキタイプであり、相手が何らかの理由でもたついているところに《メガ・マグマ・ドラゴン》を投げ付けて流れを作れれば御慰みといったところである。
【青黒ハンデス超次元】も不利対面であり、能動的にクリーチャーを並べる動きを封じられた挙句貯め込んだ手札を刈り取られるので、何もできないまま負けることが少なくない。

主要カード

《蒼き団長 ドギラゴン剣》主要カード
《Mの悪魔龍 リンネビーナス》革命チェンジと「単騎ラフルル」を両立するための起点
《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》カウンターの起点、置きドローソース
《超次元ガロウズ・ホール》革命チェンジ元の用意、自軍にも相手にも使えるバウンス、火のコマンドを出すことで禁断解放へ。それらがすべてカウンターで行えるのが強力
《テック団の波壊Go!》とことん腐りにくい防御札
《単騎連射 マグナム》詰めの要
《音精 ラフルル》
《伝説の禁断 ドキンダムX》困ったら禁断解放
《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》《リンネビーナス》より腐りにくい。

候補カード

《勇愛の天秤》系統のデッキでは定番の手札交換
《ドンドン吸い込むナウ》系統のデッキでは定番のサーチバウンスS・トリガー
《水晶の記録 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》最上質のサーチカード
《異端流し オニカマス》強力なコスト踏み倒しメタ
《ウソと盗みのエンターテイナー》《オニカマス》より重いが、踏み倒しに反応した時の除去がより上質
《裏切りの魔狼月下城》強力極まりないハンデス
《デモンズ・ライト》ドローは《ダイス》と役割が被るが、軽さ、即効性に優れる
《リロード・チャージャー》これでピンポイントでカードを落とせるからこそ「単騎ラフルル」が安定する
《超次元リバイヴ・ホール》必要パーツを墓地回収しつつサイキック・クリーチャーバトルゾーン
《超次元ムシャ・ホール》大抵のシステムクリーチャーが焼ける。色の都合上あまり主流とは言えない
《勝利のアパッチ・ウララー》何もない所から6打点を形成するなら。ジョーカーズデッキには腐るので注意
《メガ・マグマ・ドラゴン》能動的にシステムクリーチャーを除去するなら
《メガ・マナロック・ドラゴン》引けたら勝負を大きく左右する。
《葉嵐類 ブルトラプス》性質上《オニカマス》を処理しやすい
《光牙忍ハヤブサマル》定番防御札

超次元ゾーン

《勝利のガイアール・カイザー》ドギラゴン剣のチェンジ元としては非常に優秀
《ガイアール・カイザー》相手の手札だった場合。素でスピードアタッカーを持つW・ブレイカー
《勝利のリュウセイ・カイザー》相手の手札//だった場合。打点強化とマナ妨害札。
《紅蓮の怒 鬼流院 刃》自然に対応するW・ブレイカー
《アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>》に対応するW・ブレイカー
《時空の司令 コンボイ・トレーラー》ハンターサイキック獣では貴重な多色ブロッカー
《勝利のプリンプリン》//自然に対応する汎用性の高いサイキック獣
《ヴォルグ・サンダー》打点形成、ライブラリアウトプランへのシフトなどに
《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》《ダイス》から踏み倒した《ガロウズ》から呼び出し、攻撃中のクリーチャーなどを除去
《シルバー・ヴォルグ》《ダイス》からの《ガロウズ》から呼び出し、疑似的な《光牙忍ハヤブサマル》に。ブロックなので《オニカマス》などのアンタッチャブルにも有効

サンプルデッキ

「超CS in 熊本」優勝
レシピは大会事務局公表のデッキリストより。

メインデッキ

超次元ゾーン

その他

2018年3月1日に《裏切りの魔狼月下城》《音精 ラフルル》《単騎連射 マグナム》《超次元ガロウズ・ホール》が同時に殿堂入り。合計採用枚数で例えると10枚分と推定されるほどの大打撃を受けた。このデッキ自体環境の汎用パーツを集め作ったデッキであっただけに、構築を根本から変える必要があるほどの事態となった。

参考