赤黒(あかくろ)ドギラゴン(バスター)

DMR-21で登場した《蒼き団長 ドギラゴン剣》の能力を主軸においたデッキサイキック墓地回収、果ては禁断解放を用いて、非常に安定したクリーチャー展開を行う。現在は、リペア型の【赤黒ドギラゴン閃】に発展的解消を遂げている。

蒼き団長 ドギラゴン剣(バスター) LC 火/自然文明 (8)
クリーチャー:メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団 13000
革命チェンジ―火または自然のコスト5以上のドラゴン
自分の多色クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
T・ブレイカー
ファイナル革命―このクリーチャーが「革命チェンジ」によってバトルゾーンに出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、コストの合計が6以下になるよう、進化ではない多色クリーチャーを好きな数、自分のマナゾーンまたは手札から選び、バトルゾーンに出す。
※殿堂入り
絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート VR 闇/火文明 (5)
クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 4000
スピードアタッカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。その後、クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻す。
勝利のアパッチ・ウララー UC 闇/火文明 (6)
クリーチャー:メルト・ウォリアー/ダークロード/ハンター 3000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーが破壊された時、相手の手札を見ないで1枚選び、相手はそれを見せる。そのカードと同じ文明を持つ、コスト8以下のハンター・サイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。

概要

元々ドギラゴン剣を用いたデッキには【速攻】性能に特化した【ドギラゴン剣3キル速攻】が存在していたが、長期戦に弱いことや過剰な【速攻】の必要性のなさが考慮され、や、そこにを混ぜた青黒赤形(クローシス・カラー)が登場する。序盤から終盤にかけてすべての場面において安定した展開力とカウンター性能に加えて、他のデッキへのメタもある程度こなせる柔軟性なども評価され、公認グランプリ「デュエル・マスターズ グランプリ-3rd」で優勝を果たすなど環境を席巻することとなる。

特徴

5コストスピードアタッカーからスタートする1ショットキルの流れが主で、相手のデッキタイプに応じて1ショットキルの準備や対応を自在に調整できることが特徴。【ドギラゴン剣3キル速攻】
と違い4マナ分の余裕を割いているためマナやコンボの素材準備の際の事故率が少なく、《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》墓地回収&革命チェンジ素材としての性能も相まってハンデスに多少なりとも強い。寧ろ今引き《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》《超次元リバイヴ・ホール》1枚しかない状況からワンショットを仕掛けられるまで復帰できるまであった。

主に用いられる5コストスピードアタッカーは、《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》の他に超次元呪文《勝利のガイアール・カイザー》が挙げられる。こちらは《超次元ムシャ・ホール》を代表とする優秀な5コスト超次元呪文を環境によって選択できる柔軟性を持つ。DMRP-04魔ではB・A・D2によって3マナで出すことができる5コストドラゴン《“龍装”チュリス》を獲得。3ターンキルも可能となった。

超次元呪文の選択は、邪魔なシステムクリーチャーがあれば《超次元ムシャ・ホール》で焼き、なければ《超次元リバイヴ・ホール》で墓地回収する、と言った判断が一般的。

《異端流し オニカマス》のような除去耐性のあるコスト踏み倒しメタに出くわした場合はひたすら封印を外し、《伝説の禁断 ドキンダムX》への禁断解放による敵全体封印を狙おう。《異端流し オニカマス》のコスト踏み倒しメタ能力はバウンスなので、手札に戻されればまた封印を外せる。ただ、《絶対の畏れ 防鎧》の場合は再利用が困難なゾーンである山札の下に送られるため注意が必要。とはいえ大抵のコスト踏み倒しメタは4000火力なら十分焼けるので、それを基準として除去を用意すると良いだろう。

速攻の安定度で言えばドローや手札交換が充実した【赤青ドギラゴン剣】の方が上回るが、《“乱振”舞神 G・W・D》革命0トリガーなどのおかげで除去力が非常に高く、【ジョーカーズ】のようなウィニー系統には軽量除去の連打が刺さるため、アーキタイプ発祥の経緯を忘れず中速を意識すると上手く回るであろう。

デッキパーツ

主要カード

火文明のサポート

《超次元ムシャ・ホール》マグナムオリオティス除去しつつ《勝利のガイアール・カイザー》を出せる
《メガ・マナロック・ドラゴン》中盤の妨害で右に出るものなし
《メガ・マグマ・ドラゴン》《異端流し オニカマス》も処理可能
《スクランブル・チェンジ》強力コスト軽減呪文
《超次元シューティング・ホール》ブロッカー除去しながら《勝利のガイアール・カイザー》を出せる
《ゴーゴー・ジゴッチ》ドラゴンサーチ
《熱血提督 ザーク・タイザー》マッドネスコマンド・ドラゴンを最大3枚補充
《“乱振”舞神 G・W・D》繰り返し使えるウィニー除去、ドローソース
《SMAPON》相手全体に2000火力スーパー・S・トリガー敗北回避
《龍装者 バルチュリス》1ターン1体制限だが手札誘発でそのターン2回目の攻撃の後に自己コスト踏み倒し
《単騎連射 マグナム》【ヘブンズ・ゲート】等の対策
《守護炎龍 レヴィヤ・ターン》↑を出しつつ打点アップ
《サイコロプス》《卍 デ・スザーク 卍》対策。最悪空撃ちして初動キャントリップとして使える
《温泉 湯あたり地獄》低コストコスト踏み倒しメタを対処
《革命の鉄拳》カウンター用。デッキに赤以外の単色が少なければ採用の余地あり
《ボルシャック・ドギラゴン》
《伝説の禁断 ドキンダムX》フィニッシャー

自然文明のサポート

《フェアリー・ライフ》定番マナ加速
《神秘の宝箱》山札を見て必要パーツをマナに置ける
《Dの花道 ズンドコ晴れ舞台》D2フィールド枠。後述の《ズンドコバスター》の項で説明
《未来設計図》定番クリーチャーサーチ
《次元の霊峰》多色サーチ
《超次元フェアリー・ホール》マナを伸ばしながら勝利のガイアール・カイザー》を出す。

闇文明のサポート

《マッド・デーモン閣下/デーモン・ハンド》定番除去
《地獄門デス・ゲート》
《ボーンおどり・チャージャー》マナ加速と墓地回収の潤滑
《超次元リバイヴ・ホール》コンボパーツを回収しながら《勝利のガイアール・カイザー》を出す

水文明のサポート

その他サポート

《百鬼の邪王門》カウンターよりの構築にしたければ、《ボルシャック・ドギラゴン》と同じデッキに入る
《ウソと盗みのエンターテイナー》コスト踏み倒しメタ
《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》器用な働きの出来るカウンター札
《光牙忍ハヤブサマル》定番防衛札
《勝利の道標レティーシャ》第二のアパッチ、ジョーカーズ相手には《アパッチ・ウララー》よりも有効
《音精 ラフルル》カウンター呪文封殺
《テック団の波壊Go!》防御札。《伝説の禁断 ドキンダムX》のメタ
《漢の2号 ボスカツ剣》アクセス幅が広い上に超次元に依存しない革命チェンジ元のスピードアタッカー
《Mの悪魔龍 リンネビーナス》アクセス幅が広い上に超次元に依存しない革命チェンジ元。多色のマナ武装4で任意のリアニメイト&登場ターン限定で全クリーチャースピードアタッカー化。
《虹彩奪取 ブラッドギア》コスト軽減。《ウララー》殿堂入り後はささやかながらファイナル革命先としても
《バグ丸くん》上手く使えば手札の減らない軽量除去。ささやかながらファイナル革命で呼び出せる打点としても
《「ちくしょおおおおおおっー!!」》反撃用呪文。除去と手札リセットを行える

超次元ゾーン

ほとんどの場合、《勝利のアパッチ・ウララー》の効果の関係上種族ハンターを持つ多色サイキック・クリーチャーが中心となる。

サンプルデッキ

「デュエル・マスターズ グランプリ-3rd」優勝
レシピは大会事務局公表のデッキリストより。

メインデッキ

超次元ゾーン

デッキの動き

  • この3連鎖のみでも十分圧力をかけられるため、各種サポートカードの充実を図ることができる。3連鎖を安定して成立させるためのサポート、もしくはマナ加速、あるいは両方を取るものなど様々。これらのサポートによりデッキスピードの調節や各種メタデッキへの対策などを行いながら前述の3連鎖での攻撃性能を両立させるのがこのデッキの強みとなる動きである。

デッキタイプの変遷

【赤黒ドギラゴン剣】

《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》と超次元呪文→《勝利のガイアール・カイザー》が、ドギラゴン剣革命チェンジ元として多彩な動きをもたらすことから、中盤に特化した形を取ったもの。
墓地を肥やしておき、5コスト目の墓地回収(イーヴィル・ヒートやリバイヴ・ホール等)で必要パーツを手札に回収し3連鎖を決める。
5マナ目から動くとはいえ十分な早さであり、【ヘブンズ・ゲート】で巨大ブロッカーでも並べられたりしない限り対処不可能な一斉攻撃は非常に強力。
《特攻人形ジェニー》によるハンデスや《死神術士デスマーチ》による毎ターン使える除去など、序盤を強くした構築もある。

【黒赤緑ドギラゴン剣】(【デアリガズバスター】)

ドギラゴン剣ファイナル革命時までに前述の3連鎖の動きに必要な《勝利のアパッチ・ウララー》を確実に手札かマナゾーンに用意するため、アパッチをマナに送る《神秘の宝箱》や2ターン目の潤滑材としての《ダーク・ライフ》等を採用し、安定性を重点に置いた形。
2016年夏に流行してからしばらくすると流行が過ぎたが、2016年の終盤に【ジョバンニスコール】の流行によって【カウンタードギラゴン剣】が失速すると、殿堂入りとなった《フェアリー・ギフト》の枠の分初動マナブーストや超次元呪文の数を増やした、夏とほぼ同じ構築として息を吹き返した。この頃でも元々が強くリペアの《スクランブル・チェンジ》を必要としないデッキパワーがあった。

【ズンドコバスター】

【赤黒緑ドギラゴン剣】にD2フィールド枠で《Dの花道 ズンドコ晴れ舞台》を採用し、墓地回収と莫大なマナ加速からのマナ召喚を可能とした柔軟な形。
《Dの花道 ズンドコ晴れ舞台》からの3連鎖で高速のマナ加速が発生するため、定番メタS・トリガーとなった《オリオティス・ジャッジ》を躱せることも利点になっている。ゼニス等のフィニッシャーを加えても面白そうなところ。

【白抜け4色ドギラゴン剣】

【赤黒緑ドギラゴン剣】に、《ドンドン吸い込むナウ》《奇天烈 シャッフ》を搭載した形。デッキカラーこそ多いがプレイング次第で様々なデッキに対応できる柔軟性と防御力、ある程度速いスピードを持ち、赤黒ドギラゴン剣の応用型とも言われる。
特に《ドンドン吸い込むナウ》【レッドゾーン】等の高速なデッキと対戦する時やミラーマッチの際にサーチ除去を同時に行えるS・トリガーであり、ワンショット相手にカウンターでワンショットを決める確率を上げる重要なカードであるため、このカラーリングでは必須となる。

ある程度小型・中型のクリーチャーが入ることから、コスト踏み倒しメタ対策として《龍覇 グレンモルト》による素出しプランを盛り込んだ型もあった。

【カウンタードギラゴン剣】

全てのカードに赤が入るように構成し、主に《ボルシャック・ドギラゴン》で防御とカウンターができるように準備しつつ、そのまま革命チェンジしていく形。
3連鎖の基本形はそのままにサポートカードのほとんどをカウンターと墓地肥やしに費やし、奇襲性と意外性を高めた。
特に【緑単サソリス】《メガ・マグマ・ドラゴン》によって先置きクリーチャーをしばしば一掃されたため、この型が圧倒的不利対面として重くのしかかった結果環境から死滅したという。
マナ加速がないためデッキスピードが遅いことが欠点と言われていたが、《スクランブル・チェンジ》の登場で、4ターン目に、火のコスト5ドラゴンをスピードアタッカーとして用意できるので、非常に隙のないデッキタイプに生まれ変わった。
しかし《異端流し オニカマス》の登場によりカウンターもワンショットもまともに行えなくなることが多くなったため、たちまちメタゲームから失墜。

このデッキへの対策

  • このデッキの登場で《予言者マリエル》《巡霊者メスタポ》の株が上がりつつある。前者はパワー3000以上のクリーチャーの攻撃を禁止するため、基本ムーブとなる3連鎖を完全に制圧できる。後者は誰も山札が見れなくなるため、山札の上からx枚見る自分の山札を見るといった効果を無効にして、キーパーツのサーチを妨害できる。

その他

2018年7月14日にサイキック戦術の要である《勝利のアパッチ・ウララー》が殿堂入り。これによって、1ショットキルに必要な6打点を形成するには事前に他にウィニーなどを並べる必要が生まれた。

2019年3月1日には《蒼き団長 ドギラゴン剣》本体が殿堂入り。革命チェンジ先を《蒼き団長 ドギラゴン剣》のみに依存しないデッキビルディングが求められるようになった。

2020年1月1日に《音精 ラフルル》がプレミアム殿堂に指定される。これにより呪文ロックはできなくなった。その代わり《勝利のアパッチ・ウララー》殿堂解除されており、《蒼き団長 ドギラゴン剣》さえ手札にあれば1ショットキルすることは以前よりしやすくなった。

DMRP-15にて、《百鬼の邪王門》が登場したことにより大幅な強化を受けた。《ボルシャック・ドギラゴン》と併せたカウンター型が主流になり、このカウンター型の構築は、リペア型の【赤黒ドギラゴン閃】にも引き継がれている。

リンク