DM-17 「転生編(ジェネレート・ギア) (だい)4(だん) 終末魔導大戦(ジ・オーバーテクノクロス)

転生編最後のエキスパンション。2006年3月17日発売。1パック5枚入りで価格は150円(税抜)。全60種類。現在は絶版
ついに進化クロスギアが登場。これらはどれもド派手な能力を持ち、インパクトの強いカードが多い。
全て友好色多色で構成されるカードであり、転生編で収録された多色はこれらだけである。

クロスギアに関するカードは他にも多数収録されており、クロスギア転生をテーマにした転生編を総括する内容。
支援系のものだけでなく、クロスギア対抗策となるクリーチャー呪文も多い。

有名なカードとして

などがある。

また、新規キーワード能力S・バックが登場。S・トリガーに次いでの、シールドを攻められた時になんらかの反撃を行える逆転要素である。

終末ナスオ大戦

このエキスパンションの中で当時のメタゲーム上で明らかに活躍できたカード《ダンディ・ナスオ》ぐらいと言われたため、それを揶揄してこのエキスパンションを「終末魔導大戦」になぞらえて、「終末ナスオ大戦」と皮肉をこめて呼ばれるようになった。
奇数弾の法則に当てはまった弾の1つと言え、スーパーレアベリーレアも全部ハズレアと呼ばれ、そのプレイヤーたちの嘆かれっぷりは、DM-07に匹敵すると言っていいだろう。

全体的に見ると面白いカードも多いが、それ以上にカードパワーが低いカード、または使いづらいカードが多いといった印象が強かった。

かの悪名高い《メテオレイジ・リザード》《アストラル・テンペスト》もこの弾収録。《タイラント・クワザリ》含め、これらのクリーチャーパワーが6000であるにもかかわらずW・ブレイカーを持っていない。
この弾の目玉である進化クロスギアは使いづらさの象徴のようなものであり、オーバーキル過ぎて《グランドクロス・カタストロフィー》《ツナミ・カタストロフィー》がたまに使われる程度だった。

ただし、実際にはハズレアの1枚だと思われていた《デュアルショック・ドラゴン》メタゲームに出る力を持っていたもの、《マインド・リセット》のように元々潜在能力自体は評価されていたもの、《ファンタズム・クラッチ》《進化の化身》《天真妖精オチャッピィ》《テンペスト・ベビー》《予言者プロキオン》《クラック・クロウラー》など、後になって再評価されている実用的なカードも存在する。中には《紅風の盗賊ビューラー》《ヴァリアブル・ポーカー》《シナプス・キューブ》といった登場から評価されるまでに10年以上を要した大器晩成型もある。それらが環境に影響を与えた事実を顧みれば、後のDM-23より遥かに優良なパックだったのは間違いないだろう。

しかし、再評価されたのがこのエキスパンションが絶版になった後の話であり、当時から評価の高かった《ダンディ・ナスオ》プレミアム殿堂にされてしまったのは、なんとも救われない。

一般に、低スペックばかりのエキスパンションブースターパックをよく買う層の買い控えを起こし、売上を落とす傾向にある。メーカー側もプレイヤーも、こういった状況は好ましくない。

真偽が定かではないが、一説にはタカラとトミーの合併によりトミー側からゲームバランスを崩すようなカードを作らせないため、意図的にカードパワーを低く設定するように指示されたとも言われている。後のDM-18における再録内容の酷さや不死鳥編のスペックの低さもこれが影響しているのではないだろうか。
しかし、カードデザインをするのはWizards of the Coastであってタカラではないことから、恐らくMagic:The Gatheringのようにスタン落ちを想定してデザインしていたという説の方が有力。

  • このエキスパンションの存在のせいか、転生編全体のイメージが悪くなっており、売上が下がったという誤解まで広まった(転生編全体の売上は109億円で、聖拳編を上回っている)。また、DM-15DM-16で使いやすく改善して株を上げていたクロスギアの評価も地に落ちた。
  • DM-17に限らず、各シリーズの最後のエキスパンションは当たり外れが大きいものが多い。特に神化編エピソード3はこの傾向が顕著であった。
    • シリーズを通してプッシュされるギミックが、進化等の扱いにくい代わりに高いスペックを得るものの場合、最終弾ではそのギミックの進化系としてよりハイリスク・ハイリターンの尖ったカードが登場する事が多い。劇的なギミックを開拓する場合は新弾でプッシュした方が都合が良い上、シリーズ終盤かつ3月という売り上げを見込みにくい時期であるという部分がこのような現象に拍車をかけていると考えられる。
  • これ以降、環境クラスのカードの収録が極端に少ないブースターパックはこの言葉をもじって「終末○○大戦」と呼ばれる場合がある。
  • 今回の転生カードは以下の通り。

収録カード

スーパーレア 5種類

ベリーレア 5種類

レア 15種類

アンコモン 15種類

コモン 20種類

参考