不死鳥編
デュエル・マスターズ5番目のシリーズ。
「不死鳥編」と書いて「スペクタクル・ノヴァ」と読む。
転生編から1万年後の世界という背景ストーリー設定があり、それまで存在した種族の大半が姿を消し、同時に多くの新種族が登場した。そのこともあって、フレーバーテキストには時の流れを感じさせる文章や、引き続き生存した種族のクリーチャーのなかに過去のクリーチャーとの関連が見られるものがある。
また、このシリーズのテーマとして、聖拳編で少数ながら登場した種族であるフェニックスがテーマとなっており、ほとんどは新システム進化GVによって呼び出すものになっている。ただし、聖拳編期の不死鳥型の風貌とは違い、このシリーズの彼らは全て天体や惑星がモチーフの抽象的なデザイン。さらにほとんどはカードイラストを囲むフレームが特殊な仕様になっている。
その他、「種族が文明の枠を超える」ことが試みられた。その結果、2文明にまたがるハイブリッド種族(例:闇文明と火文明に存在するティラノ・ドレイク、光文明のリキッド・ピープルなど)が登場した。
5種のハイブリッド種族は、それぞれにサポート種族が存在し、かつほとんどのフェニックスの進化元であるなど、このシリーズの重要な構成要素となっている。
このセットに当てはまるエキスパンションは、
の5つ。エキスパンション5つでシリーズが構成されるのは基本セット以来となる。
種族間の繋がりを重視したシリーズで、シンパシーなどの種族システムも再登場。パワーを分け与えるダイナモ種族クリーチャーも特徴であり、フェニックス以外にも種族デッキを組めそうな進化クリーチャーは数多い。
- 一部の種族を除いて大半の種族がこのシリーズで一度姿を消した。各文明に残った旧種族は文明別に以下の通り。
- ちなみにシリーズ名が漢字4文字(不死鳥編)のシリーズは未だにこれだけである。
- 次の極神編以降、このシリーズが始まる際に絶滅した種族が次々に復活を遂げていった。しかし、すべての種族が復活する(新しいクリーチャーを出した上で)のはDMRP-03までかかった。苦節11年である。
売り上げと人気に関して
エキスパンション自体の売り上げも、転生編から一転して低迷する結果に終わっている。エキスパンションの売上52億円は明示された中では全シリーズ中史上最低額。このシリーズ中はデュエマの展開終了も囁かれるほどであった。
- 転生編の時からカードパワーの低さが改善されるどころか、さらにカードパワーの低さが目立つようになった。
- まず、旧種族を排斥してまで新たに誕生させた肝心のハイブリッド種族は、グランド・デビルしか目立った戦績を残せず、その他の4種族のカードはメタゲームにほとんど影響を与えなかった。これは既存のカードと被らないようなカードを多数作ろうとした結果、中途半端になったカードが多かったのだろう。
デュエマ史上最大のデフレシリーズとも呼ばれるが、そうなった理由はタカラがトミーと合併してタカラトミーとして再編された際に配布された合併基本方針説明会資料からある程度推測される。その資料によると、タカラはヒット商品の開発力に長けていたが商品マネジメント力に乏しく、トミーは逆に商品マネジメント力は高いがヒット商品の開発は不得手、とのことであった。ちょうど転生編終期に《無双竜機ボルバルザーク》のプレミアム殿堂が決定したが、ここでトミーは商品が不安定であるという懸念を抱き、商品の安定化を図るために不死鳥編でカードパワーの緊急修正を行った、という見方がある。尤も、これは考察に過ぎず、真相は不明。
拡張パックでの不振が目立った一方で、構築済みデッキの完成度が以前より高まったことは不死鳥編における数少ない功績と言える。実戦的な限定カードを入れ始めたのも構築済みデッキの完成度を押し上げた一因だろう。
環境においても、前半こそ【サファイア】が暴れ続けていたが、サファイアのプレミアム殿堂施行後は、再び多様性を取り戻していく。この時期から公式における殿堂入り・プレミアム殿堂への対応も機敏になっていった。
余談
- パックのパッケージに勝舞は描かれているものの、CMには聖拳編以降のエキスパンションCMで唯一勝舞や勝舞役(及び勝太、ジョー役)の小林由美子氏のナレーションが一切存在しない。アニメ「デュエル・マスターズ チャージ」の放送が終了し、登場人物と設定をほぼリセットした「新星輝デュエル・マスターズ フラッシュ」に移行した為だろうと思われる。
- デュエル・マスターズの低迷を危惧してか、同時期にWizards of the CoastよりTCG「ウズマジン」がリリースされている。しかしカード自体の人気が出なかったことや極神編でデュエル・マスターズ自体の人気が復活したためか、現在では展開を終了している。
このシリーズに発売された商品
※= ブロックマークなし
参考