遅延誘発型能力

呪文能力解決により生成される能力の一種で、元々の能力を使用したその時ではなく、それより後の指定されたタイミング誘発するものを指す。
元となる能力誘発型能力であるとは限らない。さらには遅延誘発型能力が単発的効果ではなく継続的効果の場合もある。

  • この用語は総合ルール606.6に記載のある公式の用語である。
    ただ、ルールの整備により「能力」と「効果」の境界線が定められた今となっては、何らかの「能力」が引き起こす出来事のタイミング、すなわち「効果のタイミング」のニュアンスであるこれは、「遅延誘発型効果」という呼び方のほうがふさわしいだろう。

誘発型能力による遅延誘発型能力

ねじれる者ボーン・スライム C 闇文明 (1)
クリーチャー:リビング・デッド 1000
ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
このクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃する時、攻撃の後、破壊する。

※「攻撃の後、破壊する」という単発的効果

飛翔龍 5000VT VIC 水文明 (8)
クリーチャー:マジック・アウトレイジMAX 12000
このクリーチャーの召喚コストを、バトルゾーンにあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
ジャストダイバー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手のパワー5000以下のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。次の相手のターン中、相手はパワー5000以下のクリーチャーを出せない。

※「次の相手のターン中、相手はパワー5000以下のクリーチャーを出せない」という継続的効果

起動型能力による遅延誘発型能力

幻想妖精カチュア VR 自然文明 (7)
クリーチャー:スノーフェアリー 3000
このクリーチャーで攻撃するかわりに、タップして次のTT能力を使ってもよい。
TT−自分の山札を見る。その中からドラゴンを1体選び、バトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。そのクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。このターンの終わりに、そのクリーチャーを破壊する。

※「このターンの終わりに、そのクリーチャーを破壊する」という単発的効果

呪文能力による遅延誘発型能力

ミラクル・サーチャー UC 水文明 (3)
呪文
このターン、自分のクリーチャーがシールドをブレイクするたびに、カードを2枚引いてもよい。

※1ターンの継続的効果かつ、その中で何度も発生する単発的効果

白騎士スパーク R 光文明 (6)
呪文
S・トリガー
バトルゾーンにある相手のクリーチャーすべてをタップする。
このターンの終わりに、バトルゾーンにある自分の、名前に《白騎士》とあるクリーチャーをすべてアンタップする。

※「このターンの終わりに、バトルゾーンにある自分の、名前に《白騎士》とあるクリーチャーをすべてアンタップする」という単発的効果

置換効果による遅延誘発型能力

光姫聖霊ガブリエラ SR 光文明 (7)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/メカ・デル・ソル 7000
G・ゼロ−自分のシールドが1枚もなく、バトルゾーンに自分の《光姫聖霊ガブリエラ》が1体もなければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
W・ブレイカー
相手のクリーチャーの攻撃によって、相手がゲームに勝つ時、かわりにこのクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、相手はゲームに勝たず、このターン中クリーチャーは攻撃できず、自分の次のターンの終わりに自分はゲームに負ける。

※「自分の次のターンの終わりに自分はゲームに負ける」という単発的効果

ルール

遅延誘発型能力を生成する呪文能力解決される前に、遅延誘発型能力の誘発条件を満たしても、その遅延誘発型能力が誘発することはない。その結果、誘発条件が満たされることがなくなることもありうる。
例) 「ターンの終わり」に誘発する《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》《龍聖霊ウィズダムフェウス》を出し、その能力で《白騎士スパーク》を唱えても、すでに「ターンの終わり」のタイミングを過ぎているので、クリーチャーアンタップすることはできない。

特定のカードに影響する遅延誘発型能力は、そのカードの特性が変化しても影響を及ぼすことができるが、そのカードがそのゾーンを離れた場合(指定された時点までに戻ってきたとしても)、影響を及ぼさない。
例) 《幻想妖精カチュア》で出したドラゴン《フォース・アゲイン》で出し入れした場合、ターン終了時にそのドラゴンは破壊されない。

バトルゾーン以外で効果を使い、それからバトルゾーンに出て遅延誘発する効果は、「バトルゾーンにあるクリーチャーの能力」に含まない。
例) 《樹食の超人》コスト軽減は召喚するゾーンから使う。バトルゾーンに着地した際、予め《あたりポンの助》《樹食の超人》が指定されていたとしても、既に誘発を終えているディスカードランデスする効果は無視されない。(公式Q&A

遅延誘発型能力の例

その他

  • 基本的に、「その後」とある能力は一連の処理なので遅延誘発型ではない。
    • ただし、遅延誘発型能力ではないが《暗黒皇グレイテスト・シーザー》をはじめとした、「墓地から呪文を複数枚を選んでからコストを支払わずに唱え、その後、山札の下に置く」効果は、唱え終わるごとに山札の下に置くのではなく、すべて唱え終わってからまとめて山札の下に置くことには注意が必要である。唱えた呪文の動き方は墓地保留状態墓地山札の下になる。
  • 古いルールではpigは墓地で誘発する能力だったことがある。そのルールの時代は、pigにより《ケンゲキオージャ 〜究極火焔〜》を破壊など除去をした場合、「バトルゾーンのクリーチャーの能力」とはみなされなかった。だが、遅延誘発型能力のスレイヤーは《ケンゲキオージャ》とバトルし、負けて破壊された後に「バトルの後」の効果で《ケンゲキオージャ》を道連れにした場合、誘発はバトルゾーンで済んでいるためpigとは異なり「バトルゾーンのクリーチャーの能力」とみなしていた。
  • なお、現在ではpigはバトルゾーンに能力を無視されていない状態で存在していることで誘発できるものとなった。したがってスレイヤーでもpigでも《ケンゲキオージャ》を除去されたプレイヤーはエクストラウィンする。

参考


[1] 実質継続的効果と同義
[2] 何らかの能力によって生成される効果が後から発揮されること