《スケルトン・バイス》
スケルトン・バイス R 闇文明 (4) |
呪文 |
相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。 |
※プレミアム殿堂 |
DM-08で登場した闇の呪文。
ハンデスの代表格とも言えるカードであり、4コストで2枚もの手札破壊を行う。
2コスト1ハンデスの《ゴースト・タッチ》や、3コスト2ドローの《エナジー・ライト》の存在を考えた場合、一見するとハンドアドバンテージ的には並み程度のように思える。
しかし、ゲーム序盤から中盤にかけての展開合戦の時に能動的に2枚捨てさせるという効果は想像以上のテンポアドバンテージを生み出すことができ、一気にゲームの機先を制することができるほど。
コストと捨てさせる枚数の設定が絶妙であり、手札補充の手段に乏しいデッキが相手の場合、ちょうど相手が温存していたカードをこれで根こそぎ落とす事ができ、捨てさせる枚数の多さから、ドローを多用するデッキ相手でもかなりの確率で重要なカードを墓地に送る事ができた。
《フェアリー・ライフ》からは2→4と繋がり、先攻ならば相手が《エナジー・ライト》を使う前に捨てさせてしまう事さえあった。
DM-08版のテキストは以下の通り(旧《スケルトン・バイス》のテキスト)。
このテキストである理由は空撃ちのページを参照。
相手の手札から2枚見ないで選び、相手はそれを持ち主の墓地に置く。1枚しかない場合は、相手はその1枚を持ち主の墓地に置く。 |
- 相手の手札を2枚減らすという部分だけなら、殿堂入りにもなっていないカードはいくつも登場している。しかし、それらすべては「コスト5以上」か「そのカードを使う前に○○していれば〜」という条件付きという部分で使い勝手に抑制が掛かっている共通点がある。
- 《復讐 ブラックサイコ》は、「そのカードを出そうとする前に進化元を準備していなければ〜」「侵略するには攻撃可能な状態の闇のコマンドがなければ〜」の前提がある。侵略でコスト踏み倒しする場合、基本的にシールドブレイクが要求されハンデスの威力を自ら下げてしまうということで登場したと思われるが、それでも強すぎたため殿堂入りした。
- 《裏切りの魔狼月下城》はカード自体は軽量級でも、「自分のマナゾーンに多色カードが4枚以上あれば〜」により合計3ハンデスになるのは試合中盤以降という予定のカードだったが、実際のゲームでは比較的早期に条件を達成できてしまうことになり、最終的にプレミアム殿堂に指定された。
環境において
登場当初は手札が溢れるほどのドローを実現させた《アストラル・リーフ》のせいで影が薄く基本的に《ロスト・ソウル》優先であったが、《アストラル・リーフ》が殿堂入りになるとすぐにその凶悪さを見せつけはじめる。
しかし、《アクアン》系統のデッキに対しては腐りやすく、同系だらけの聖拳編環境では徐々に不採用もざらになっていった。
《アクアン》殿堂入り後にはトップメタに立った【ボルバル】系デッキにハンデスが刺さりやすかったため本領を発揮する。以降、闇文明入りデッキの必須カードとして活躍するようになる。
転生編環境の2005年7月より殿堂入りし、1枚制限に。それでも依然として強力なカードであり、《クローン・バイス》の殿堂入り後はさらなる活躍を見せていた。
殿堂入り時代末期には【ナイト】を中心に使われ、特にそちらでは《ロジック・キューブ》で3→4と繋ぐ形で使われるケースまであった。
戦国編環境の2008年10月より遂にプレミアム殿堂入り。ただ、戦国編環境で特段このカードが猛威を振るうようになったわけではなかったため、このタイミングでの規制は予想外というプレイヤーも一定数いた。同じような経緯を辿ったハンデスカードには後の《裏切りの魔狼月下城》が挙げられる。
その後は、闇の低コストハンデスは《解体人形ジェニー》《特攻人形ジェニー》《ヤミノカムスター》などクリーチャーが主体となった。
このカードの凶悪さは「下準備や運に左右されない4コスト2ハンデス」「色の合うあらゆるデッキに入る」の2点が大きいだろう。同じコスト4で複数枚ハンデスできる余地のある《拷問ロスト・マインド》や《七王無き宮殿》を鑑みるに、複数枚ハンデスとして確実性が高すぎるのが大きいと言える。初期のドローソース軽視の風潮の下に、それと張り合えるハンデスとして設定されてしまった結果かもしれない。
後に《有象夢造》が下準備や運次第でこのカードと同等のハンデスとして使えるようになったが、あちらは多色であり、それを除いてもマナブーストさえできれば運に左右されず3ターン目に2ハンデスを放てるこちらほどのコストパフォーマンスはない。
その他
- 英語版では以下のカードが登場している。
Cranium Clamp R 闇文明 (4) |
呪文 |
Your opponent chooses and discards 2 cards from his hand. (対戦相手は、自身の手札から2枚カードを選び、捨てる。) |
※()は日本語訳 |
- カード名の「バイス」の由来はおそらく「vise(万力)」と「vice((人格上の)邪悪、悪)」を合わせたダブルミーニングだろう。
のちのハンデス呪文にも名前に「バイス」とつくものが多い。おそらくハンデス呪文の象徴となったこのカードからとったのだろう。もちろん《地獄万力》は関係ない。
- 漫画「デュエル・マスターズ」及び「FE」の勝舞vsブラックサンタ戦にてブラックサンタが使用。しかし、《緑神龍アーク・デラセルナ》を落としてしまい、反撃を食らう。また、ザキラvsトーイ戦でもザキラが使用し、「デュエル・ジャック!!」でも宇宙人がショー戦で使用。いずれも(鎖つきの)万力が手札のカードに噛み付き、奪い去るような演出となっている。
また、DMC-19に収録されたアルトアートバージョンのフレーバーテキストは、劇中でのザキラの台詞が元になっている。
関連カード
収録セット
参考