シングルカード

カードショップやその通信販売などで売られている、1枚から購入できるカードのこと。

エキスパンションは内容がランダムであり、余計なカードが手に入ってしまうことも多い。作りたいデッキの内容が定まっているならば、シングルカードでほしいカードだけを入手していくと効率が良いだろう。

シングルカードの値段はレアリティや使用頻度、人気などによって変動し、また各店の売り方によっても異なる。一般的には安い店では在庫が多く、高い店には在庫が少ない。また、価格競争の激しい都心部では安いが、競争相手の少ない地方では割高という違いもある。遅くとも2020年代に入ると自動価格設定ツールで大体のシングルカードの価格を設定するカードショップが一般化している。

また、基本的に中古品なので、傷や色落ちが見られる場合には値段が下がることもある。レアリティや実用性などの面で価値が低いと判断されたカードはいわゆる「ストレージ」という安価品コーナーに置かれる。競技勢向けのカードショップの中にはストレージコーナーを用意しないケースもある。

当然ながら、環境で活躍するトップメタカード、およびそのメタカードは需要が高いので値が張りやすい。それがベリーレア以上のレアリティだったり絶版であれば尚更である。

人気のカードは単価が高いため、むしろパックを買い続けて当たるのを待った方が安くなる場合もある。もちろん、パックの場合はどんなに買っても100%手に入るというわけではないため、どちらが自分にとってより得か、状況に応じて考えることが重要。

なるべく安い値段でカードを手に入れたいのであれば、上手に利用していきたいところである。

また、当wikiでは、シングルカードの価格は地域差があるうえに、このサイトを利用して価格操作する業者が出るのを防ぐため、明確な価格の記載は禁止している

ネットショップにおける注意すべき商品・出品者の見分け方

質問禁止の出品者

例えば「質問は受け付けません。質問した方はブロックします」と商品説明欄に注意書きが書かれている場合、最初から価値の低いカード、あるいは詐欺じみた商品を売り逃げするつもりと思った方が良い。

そこまで悪質な例でなくとも「コメントへの返信が遅れる場合がある」と、コメントに対する返信を待っていては他のショップユーザーに購入されてしまうと焦らせて、暗に質問をさせない出品者もいる。

カード以外をカードであるかのように誤解させて売り抜く例

シングルカードの写真を商品画像として公開し、あたかもシングルカードを販売してるかのように見せかけながら「届く商品は写真です」といったように商品説明欄の下部の方に分かりづらいように記載して後で言い逃れをするケースもある。このような詐欺めいた手法の被害者にならないために商品説明欄は最後まで読むこと。

プロモ版を販売していると誤認させて通常版を売り抜く例

プロモ版のカラーコピーを通常版のカードの入ったスリーブの中に重ねた上で、そのカラーコピーを商品説明欄であたかも傷・折れ防止用の資材として挟んだかのように言い訳する手法もある。この場合、「誰もプロモ版を売ったとは言っていない」と言い訳できるように、商品のバージョンを記載しないのが相場。

「ノークレーム・ノーリターン」を購入者に求める出品者

品質・価値の面で商品としてふさわしくないものを売り逃げすること、または商品の発送を故意に怠ることに対する言い訳として、悪徳出品者は「ノークレーム・ノーリターンの方のみどうぞ」と注意書きをすることがしばしばある。購入者への「ノークレーム・ノーリターン」の要求はオンラインショップによっては規約で禁止されているため、注意が必要である。

フライングゲット商品の出品者

フライングゲットはタカラトミーが公式で禁止行為として定めており、その商品を購入することはタカラトミーに対する迷惑行為になる。先行販売の商品を購入した場合も、みだりにフリマアプリなどで一般流通させてはいけない。
また、フライングゲットにより正式発売前に流通しているシングルカードは価値の定まらない状況の中で言い値で出品されているも同然であり、消費者にとって非常に非合理な買い物である。

性質・傾向

  • シングルカードのレートは再録殿堂入りによって突然値下がりすることもある。損をしたくなければ、最新の情報を確認するようにしたい。逆に、何らかの原因で再録される前より相場が上がってしまう事も。
  • 一般的な傾向として、カードの値段は発売直後が最も高く、それから緩やかに下降していくことが多い。もちろん、メタカードの動向次第ではその限りではない。
  • カード登場直後の場合、カードの種類によっては「このカードはまだ価値が分からないので買取できません」と買取を拒否される場合がある。価格が高騰する見込みのあるカードを持つプレイヤーへの配慮としてこのような対応を取る場合があるので、このような対応を店側がしてきた場合は素直に従おう。
    同じような理由で、殿堂レギュレーション改訂発表当日やその前後数日間もカードの価値が不安定なため、買取自体を中止するケースもある。
  • 基本的にカードショップに転売して黒字が保証されるほどの価値の構築済みデッキは存在しない。そのようなことが罷り通るなら、カードショップ側が自ら構築済みデッキを開封してシングルカード化するためである。そもそもカードショップ側としては、構築済みデッキに収録されたカードの買取価格は構築済みデッキの価格を基準に定めるのが当然である。よくインフルエンサーが言う「この構築済みデッキは買ったら黒字になりますよ」という類の話は、原則として相当資金力のあるカードショップに買取に出した場合にのみ当てはまる仮説に過ぎない。
  • カードパワーの高さから厳しい規制を望む声があってもシングルカード市場の観点からそれを断行できないカードもある。その典型例が《爆熱剣 バトライ刃》であり、競技シーンでの使用率、フリー対戦での需要などの人気、ビクトリーカードで、かつ再録の厳しそうと見られた3D龍解カードであり中々再録されなかったことなどから、規制直前のシングルカードのレートが美品なら1万円に達していた。このカードを1発プレミアム殿堂に指定すれば中古トレーディングカード市場に大きな損害を与えることは明白であったため、2018年3月1日の殿堂レギュレーション改訂では、《超戦龍覇 モルト NEXT》とのプレミアム殿堂超次元コンビという措置に落ち着いた。
    • とはいえ通常の場合は規制により価値が下がるカードとその影響で価値が上がるカードとでバランスが取れるため、余程極端な価値のカードが規制されるのでない限りカードショップ目線ではバランスが取れるものである。
  • カードショップでデュエマのカードの状態を検品する時は基本的に目視でさっと確認する程度であり、肉眼で見える傷があるかどうかが状態の判断基準となる。これには転売屋が他のカードゲームと比べて比較的少ないという背景が関係している。またデュエマのパックを買う層は基本的に対戦を行う層なので、買取に出されるデュエマのカードは美品であることが他タイトルと比べて少ない。
  • フリマアプリを使ってカードのせどりを行う場合、フリマアプリの出品手数料、送料、交通費、などの経費を考慮しなければならない。その上で十分な利益を出せないのであれば、カードのせどりは非合理と言える。

賢い買い方

  • 高額なカードを買う前には、予めプロキシでデッキを回して本当に必要な枚数を把握しておくのが良い。そうすれば余計な出費を減らすことができる。

シングルカードの扱いの在り方

  • シングルカード市場の隆盛は必ずしも良い事ばかりではない。他TCGにおいては
    高額カードが収録されている品薄最新エキスパンションが買い占めに遭ってしまう
    さらにそれらが高額で転売市場に流出してしまい、プレイヤーの手に至らぬままあらぬ形で市場から枯渇してしまう

    逆に、高額でないカードがカードショップのゴミ箱に大量に廃棄されていた
    カードに『金銭的価値』しか見出さず、高額でないカードに対し「ゴミしか当たらなかった」等、キャラクターやカードゲームのファンに不快な思いをさせる
    といった行為も問題視されており、もはや「トレーディング」の意味が株のそれな「マネーゲーム」として扱われている節がある。もちろん、これらは本来のTCGの意義から逸脱した行為である。
    こうした行為は所謂「転売ヤー」や、投資家などのゲーム自体はプレイしていない、投機が目的である層に見られる。プレイヤーカードは大切に扱うべきだが、シングルカード市場の隆盛によるネット販売や中古販売の存在がカード本来の価値の把握に貢献しており、シャークトレードの防止・抑止にもつながっている側面は否めない為、難しい所である。

また、デュエル・マスターズにおいても「(余計な出費を避ける、他のカードは要らない等の理由で)シングル以外で買わない」「目的のカード以外、買値がつかないカードをすべてハズレとみなす」といった特定カード以外を不要とする層が増えた結果「特定カードのシングル相場が時として1BOXの定価以上に高騰する一方、そのカードの収録エキスパンションは売れ残り、定価より安売り(投げ売り)されている」という現象が起きる事は決して少なくなくなってきている。

実例として、売り上げが低迷したDMEX-13に収録されている《冥界を統べる新月のハーデス》が高騰したという事例がある。
プレイヤーが他が弱いからとシングル安定の姿勢を決め込んでしまえば、このような事態になりかねないという事である。
当然だが、カードはパックやデッキを買わねば市場に流通する事はない。シングルの高騰を嘆く前に、パックの購入をすることも検討していただきたいものである。

カードショップ経営者でもある動画クリエイターが公式から最新カード情報を公開前に先取りで入手する場合、これは実質的なインサイダー取引に繋がる場合がある。そのため、基本的にカードショップ系動画クリエイターは公式の最新カード情報動画には招待されないのが相場である。

店舗側も転売対策として点数制限を設けることが多々ある他、転売価格を下落させるために商品の包装部分に意図的に傷を付ける(純粋にプレイやコレクションなどカードそのものを目的とする層には害がない)、当該商品や有名カードの名前を言えないなど商品への知識が一定水準に達していない客の購入を拒否するなどの策を講じる場合がある。

十王篇期には個人投資家が限定プロモーション・カードを買い占めることで市場価格を操作して利益を出すという事例まで見られた。

王来MAX期にはフリマアプリで高額商品の自演購入を行って高額商品の出品履歴をサイトに残すことでアンカリング効果による価格操作をする事例が見られた。

転売に関して、希望小売価格の存在は小売店側が自ら転売を行うことを助長するのではないかという意見もある。まずデュエル・マスターズの商品に定められる、一般に「定価」と呼ばれるものは正確には「希望小売価格」であるため、基本的に小売店がいくらで商品を売ってもルール上は問題ない。弱小の問屋を利用して高い卸値で仕入れると希望小売価格で売ることが小売店側として難しくなるため、希望小売価格を上回る金額で売らざるを得なくなるが、そのような行為は炎上リスクを孕む。そこで小売店は店名を隠してフリマアプリなどで転売するという寸法である。このような状況は小売店側が希望小売価格を上回る価格で販売することを是とする風潮を作らなければ解決しない。

買い占めに関して言うと、通常の卸値を無視した価格で問屋から小売店側が商品を仕入た場合、比較的簡単に大量在庫を確保することができる。しかし定価やそれを超える価格で仕入れるとまともな方法では利益を出すことが出来ず、結局そうした仕入れ方をする小売店は裏でプレミア価格を付けて転売するしかなくなる。言い換えると、初めから転売の利鞘目当てで仕入れる業者は、正常な卸値を無視した高価な仕入れ値で問屋から購入するという悪質な手段を講じる訳である。また、そうした仕入れ方を問屋が認めるというケースは、問屋が転売業者と結託しているケースであって初めて成り立つ。

シングルカードがより多くの顧客に行き渡るようにエキスパンションを増産することは、バランスを誤るとシングルカード価格の暴落、それに伴うエキスパンションの売上不振に繋がりかねない。出て来る目玉カードのシングルレートが低くなってしまえば結果的には増産は失敗に終わってしまうのである。売れないイメージは次のエキスパンションにも悪影響を及ぼし、こうなるとユーザー激減に繋がる。そのため、転売屋による買い占めなどで品薄が起こっていても安易には増産はできない。

その他

  • なお、シングルカードの販売は古物営業法のもとに行われるため、公的な営業には古物商許可が必要。古物商取引なので、何らかのトラブルがあったとしてもタカラトミーには一切の責任は無いので注意。

参考