《頂上電融 クライアッシュ“覇星” '22》
頂上電融 クライアッシュ“覇星” '22 SR 水/火/自然文明 (10) |
クリーチャー:ディスペクター/グリーン・コマンド・ドラゴン/ビートジョッキー 11000 |
B・A・D4(このクリーチャーの召喚コストを4少なくしてもよい。そうしたら、このターンの終わりにこのクリーチャーを破壊する) |
EXライフ |
スピードアタッカー |
マッハファイター |
W・ブレイカー |
このクリーチャーが出た時、カードを2枚引いてもよい。 |
相手のクリーチャーが相手のマナゾーンのカードをタップせずに出た時、ターンの残りを飛ばしてもよい。 |
DM24-EX2で登場した水/火/自然のディスペクター/グリーン・コマンド・ドラゴン/ビートジョッキー。
3色のコスト10で、EXライフ、スピードアタッカー、マッハファイター、cipでの2ドローを持ち、更に相手がマナゾーンのカードをタップしないコスト踏み倒しをした場合に任意でターンの残りをとばすというコスト踏み倒しメタとしては珍しい能力を持つ。
B・A・Dの自壊をEXライフで無視できることから実質的にコスト6のクリーチャーとして運用することもでき、更に《流星のガイアッシュ・カイザー》のコスト軽減を活かせば3マナ(2+色マナ)で召喚することができる。
ターンの残りをとばす能力はコスト踏み倒しメタにありがちな「相手のターン中」という制限がないため、こちらのターン中でもS・トリガーなどで相手にクリーチャーを出されてもターンの残りをとばすことによって相手のクリーチャーのcipなどを失効させ、B・A・Dの自壊デメリットもなくなる。【ヘブンズ・ゲート】のようなコスト踏み倒しが必要不可欠なデッキへの対策としては優秀である。
ただし《流星のガイアッシュ・カイザー》とは違い、呪文のみの踏み倒しには一切反応しないのは注意。カウンターで飛んできた《深淵の逆転撃》には簡単に除去されてしまう。
またB・A・DでEXライフを消費している場合そこを突かれるとあっさり退場する事も。パワーも11000とやや控えめなので下手にタップさせると素出しされた《CRYMAX ジャオウガ》あたりにそのまま除去されてしまう。
後は《異端流し オニカマス》のようにバトルゾーンから追い出すような能力ではないため場にはそのまま残ってしまう。相手ターン中であればcipもすべて解決されてしまうので相手がターン終了を前提で踏み倒してきた場合には効果が薄い。これまでに存在したコスト踏み倒しメタカードとはまた違った運用法を見つけて活躍させたいところ。
マッハファイターによる疑似11000火力と2ドロー、さらに独特な踏み倒しメタ能力はコントロール系のデッキと相性が良い。《百族の長 プチョヘンザ》や《自然の四君子 ガイアハザード》などで相手盤面を縛って余裕ができた時の一手としては悪くないだろう。
また合成元の《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》と同じく《“必駆”蛮触礼亞》で踏み倒すこともでき、捨てた手札はcipでドローすることで回復できる。相手のマナが伸びきってない最速3ターン目に着地すればEXライフで生き残り相手の行動を大きく制限できるため、早くに出せば出すほど強力と言える。
環境において
登場から色の合うデッキや《“必駆”蛮触礼亞》など早出し手段を持つデッキである、【白ガイアッシュ覇道】や【青赤緑モルトNEXT】、【白青赤BAKUONSOOO】などに採用される。このカードが余りに強力なため【白ガイアッシュ覇道】自体がこれに寄せた【青赤緑ガイアッシュ覇道】に回帰する形で入賞した事例も一定数見られる。
環境に当たり前に踏み倒しデッキが蔓延っており刺さらない対面は少なく、例として除去手段の少ない【白黒赤ファイアー・バード】はこれ1枚で大きく機能不全に至る。
その他
2022年10月に開催されたDMGP2022Day1の決勝戦をミラーで対戦した【白ガイアッシュ覇道】からの主要カードである《流星のガイアッシュ・カイザー》と《勝利龍装 クラッシュ“覇道(へッド)”》を合成した『電融』ディスペクター。
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| | 合成元との関係
| - 《ガイアッシュ》の胸周辺にあった鎧らしきパーツを置き換える形で、《覇道》の乗り物を割り込ませている。キャタピラのカバーから腕が、浮かぶ歯車から翼が丁度良く繋がる形となっており、元の乗り物をそのまま配置しただけにもかかわらずデザインに整合性が取れている。総じて秀逸にして、ディスペクターとしてはかなり整った外観と言える。ただこの歯車はデザイン上、《覇道》においては乗り物の目に相当するものであるため、よく見てみると目の裏側から翼が生えてくるというインパクトある意匠にもなっている。
- ごく小さくしか映っていないため判然としないが、《覇道》の操縦士はこれといった組み換えを受けていないようだ。ただし本来立っていた場所が《ガイアッシュ》の首に占領されており、また構造上乗り物がかなり前傾しているため、乗り物背部の機構部分に近い、やや無理やりな位置に立たされてしまっている。
- 意図してのことかは不明だが、イラストにおける《ガイアッシュ》の文明が左右入れ替えられている。しかし角と目は反転しておらず、《覇道》本体の左右もそのままであるため、単純にイラスト全体を反転したわけではないようだ。
- 《ガイアッシュ》からは、cipの2ドロー(ただし《ガイアッシュ》では強制ドローだったのが任意に変わっている)と、「召喚コストを4少なくする」という文面と、「マナカードをタップしない」形のコスト踏み倒しに反応するという条件を受け継いでいる。
一方《覇道》からは、スピードアタッカーと、B・A・Dと、ターンに関わる能力を受け継いでいる。
- これら受け継いだ能力は互いに混ざり合っており、これはこちらの能力である、と明確に分けて述べるのは難しい。
- B・A・Dそのものは《覇道》のものだが、軽減幅が4に増えているのは《ガイアッシュ》由来だろう。また軽減を含めると丁度《ガイアッシュ》と同じ6コストになる。
- マナゾーンをタップしないことに反応するのは《ガイアッシュ》だが、その結果ターンの残りをとばすのは《覇道》の追加ターンを彷彿とさせる。
- 元々自身が持つB・A・Dで自壊することにより追加ターンを得るというクリーチャーだった《覇道》に対し、自身が持つEXライフでB・A・Dの自壊を免れるばかりか、追加ターンならぬターン飛ばしの能力によって自壊そのものすらキャンセルしうるという、コンセプトを丸ごと裏返したかのようなディスペストを受けた能力となり、更には《ガイアッシュ》側の本来条件を満たしている擬似侵略ZEROのタイミングも失わせてしまうため、こちらも痛烈にディスペクトを受けている。また文明数の都合で自身のB・A・Dに加えて《ガイアッシュ》によるコスト軽減を同時に適用した場合、その軽減を最大に活かせないことになる。活かせなかった結果払うマナが《ガイアッシュ》と《覇道》のコンボの再現となる4マナではなく【白ガイアッシュ覇道】とは直接関係ない別の《覇道》とのコンボである《“必駆”蛮触礼亞》のB・A・D・S2を再現した3マナとなっている。ディスペクターの面目躍如である。
- マッハファイターの由来は不明。単に電融ディスペクターのカラーパイに合わせて追加されただけかもしれないが、偏った見方をするなら《ガイアッシュ》の攻撃制限能力の反転だろうか。
- パワー11000も一見由来がないように見えるが、《覇道》の+5000パンプアップまで加味したパワー14000を基準にすると、そちらと《ガイアッシュ》のパワー8000の中間値となっている。
- 文明は両者から過不足なく継承しているが、種族は《流星のガイアッシュ・カイザー》からブルー・コマンド・ドラゴンとハンターを、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》からはドラゴンギルドを合わせて合計3つが削除されている。特殊種族のハンターとドラゴンギルドが省かれるのは通例だが、水文明を持ちながらブルー・コマンド・ドラゴンまでも削除されているのは意外なところ。そもそもグリーンのガイアとブルーのスプラッシュを合わせて《ガイアッシュ》だったのだから、これではあたかも《覇道》と《大地のリュウセイ・ガイア》のディスペクターかのようである。念のため述べておくと、イラストは間違いなく《ガイアッシュ》のもの。
- これは2022年当時の【白ガイアッシュ覇道】が、水のカードが全て多色である白赤緑タッチ青デッキであったという実情を反映しているのかもしれない。
事実、決勝戦で対決した2人の【ガイアッシュ覇道】も、外部ゾーンを除くと水のカードは多色しか入っていなかった。
- 「龍への憧れ」を背負うドラゴンギルドに対し、それを剥奪した上で本物のドラゴン種族を与えるのは、「リスペクト」とも「ディスペクト」とも取れる。一方、エピソード2背景ストーリーの中心人物であった鬼丸とリュウセイの亜種が元になったクリーチャーでありながら、ハンターを持っていないという「ディスペクト」も見られる。
- 乗り物部分だけが改造され、搭乗者はそのまま健在という形式のディスペクターには、《越獣縫合 ワルスラフォー》という前例がある。そちらの無改造ドリームメイトがあからさまに困惑していた一方で、《クライアッシュ“覇星”》では元イラストの堂々とした立ち姿がそのまま維持されており、対照的である。もしこちらでも《ワルスラフォー》の彼と同じく自我が(表面的にせよ)残されているのであれば、案外ノリノリで「ドラゴン」を満喫しているのかもしれない。
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関連カード
収録セット
参考