新章デュエル・マスターズ背景ストーリー
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該当弾
DMRP-01 「デュエル・マスターズ 新1弾 ジョーカーズ参上!!」
DMRP-02 「デュエル・マスターズ 新2弾 マジでB・A・Dなラビリンス!!」
DMRP-03 「デュエル・マスターズ 新3弾 気分J・O・E×2 メラ冒険!!」
DMRP-04裁 「デュエル・マスターズ 新4弾 誕ジョー!マスタードラゴン!!〜正義ノ裁キ〜」
DMRP-04魔 「デュエル・マスターズ 新4弾 誕ジョー!マスター・ドルスザク!!〜無月の魔凰〜」
概要
前シリーズである革命ファイナルから世界観を一新[1]。
何らかの理由でドラゴンが消えてしまった世界線にて物語が展開されていく。
なお当シリーズ以降超天篇に至るまで、この世界線での歴史が描写され続けていく。
この世界線の性質
この世界線の最大の特徴は、その歴史が松本しげのぶ氏による漫画あるいはそれを原作とするアニメでの出来事と直接的にリンクしていること。
一応、漫画/アニメ主人公が切札 勝太であった時代にも、漫画の展開と類似した出来事が背景ストーリーでも発生していたり、漫画内でクリーチャーや登場人物が背景ストーリー世界と地球とを行き来しているような描写があった。
ただあくまでもそれは漫画内での描写に過ぎず、「漫画/アニメ内で間接的に描写される背景世界」と「カードや関連資料にて描かれている背景世界」とは似て非なる別物であった。
しかしながらこの世界線ではそうではない。
切札 ジョーがジョーカーズを生み出したり、デュエル・ウォーリアが存在したり、《“罰怒”ブランド》がボルツと契約したりなどの出来事は、単に「漫画/アニメとフレーバーテキストで似たようなことが起こっている」のではなく、直接的に同じ出来事である。
世界観概略
火文明を最下層として、自然文明、水文明、光文明へと伸びる「世界をつなぐ柱」。これによって各文明は繋がれているのである。そして、唯一、柱に繋がれていない闇文明は世界そのものを覆っている。
これが、現在の世界である。……だが、世界の根幹を成すこの柱が誰によって作られたのかは誰にも分からない。
光文明
4つの文明にまたがる「世界をつなぐ柱」の最上階に位置する光文明。彼らは闇文明からの侵略を止めるという使命感を持つ一方で、他の文明を護ってやっているというおごりもあった。
その多数を占める種族、メタリカは、光文明の象徴とも言える天空城から溢れ出る魔力を浴びて意思を持った石である「奇石」。奇石を操る「銀の民」。そして、銀の民が呼び出し、崇める神の器である「ゴーレム」の3つのグループに分類される。
奇石が生まれた原因である天空城。そこには隻眼の王が鎮座するという噂がある。
そんな光文明は常に他の文明に対して強気である。全ての文明の中で最も優れているという決して譲れない美学と、闇文明からの侵略を止めるという使命感を併せ持っていた。だが、その一方で、他の文明を護ってやっているというおごりもあった。その性格が功を奏した結果、光文明は強気に攻めれば攻める程に有利になるラビリンスというものを身につけた。
前述の通り、光文明は闇文明の侵略から他の文明を護っている。かつて光文明が闇文明への宣戦布告時に撃ち出した光の矢。だが、どういう訳か、その照準は敵である闇文明ではなく、護るべき対象である火文明へと向けられていた……。
闇文明
「世界をつなぐ柱」に唯一繋がれておらず、他の文明もろとも世界を覆っている闇文明。
その象徴は、「影の者」の長が産み出したと言われる《暗黒の太陽》。それから放たれる悪意の光は、少し浴びただけで体を衰弱させていく。そんな《暗黒の太陽》に照らし出され、産み出される影。その中を自由に移動するのが、闇文明を支配する「影の者」である。
上記の通り、《暗黒の太陽》の光は害でしかない。だが、闇文明にとっては恵みの光に他ならない。例えば、《暗黒の太陽》の悪意の光を浴びてうじゃうじゃと凶器が生えてくる「凶器の森」。そこで取れる凶器と「影の者」がどこからか連れてくる生物。この2つを「影の者」から資格を与えられた「改造医者軍団」が組み合わせて「凶鬼」という生物を産み出していくのだ。「影の者」、「改造医者軍団」、そして「凶鬼」。彼らは種族、マフィ・ギャング。
そうして産まれた凶鬼たちには、番号が振られる。その中でも特に出来の良いものには「影の者」から直々に一桁のナンバーが授けられる。
そんな凶鬼はこれと言った理由もなく他の文明へと攻撃を仕掛けるように作られている。しかし、彼らが本気で戦っているようには見えない。
光文明の銀の民たちが、闇文明が侵食してこないよう見回りに出している《一番隊 クリスタ》。特攻隊長と言われる凶鬼である《一番隊 バギン16号》がちょっかいをかけてくるのを追い払う毎日だが、その裏ではすでに……。なお「影の者」が用意する生物がどこから来るのかは不明である。
結局のところ、「影の者」たちが何を考えているのかは誰にもわからない。凶鬼を産み出して、他の文明を侵略しようとしているように見えるが、それすらも凶鬼達の行動から考えるに本気には思えない。しかし……闇文明が残りの4文明を押し潰しつつあり、最下層である火文明がいよいよ押し潰されようとしているのは紛れも無い現実である。
火文明
「世界をつなぐ柱」の最下層に位置する文明が火文明である。その種族、ビートジョッキーには、「チーム」を結成して戦っている「猿人」と、それらをサポートする「炎ネズミ」のチュリスたち、そして強力な力を持つ「戦車」が存在している。
なお、この火文明に存在するものはすべて、ギアによる機械仕掛けやチュリスによって動かされている。それは、巨大兵器や戦車も例外ではない。
闇文明が確実に世界を侵食し始め、火文明は既に端の方から押しつぶされ始めている。それに最初に気がついたのは文明の端に住むフレイム・コマンドだった。その話を聞き、ビートジョッキーの大幹部である《ドープ “DBL” ボーダー》は、偵察へ向かった。
絶体絶命の危機にある火文明に、お笑い野郎やミラーボール野郎といった、どの文明でも見たことの無いクリーチャーが現れたという噂がビートジョッキーの間で広まっていた。その話を聞くやいなや、《一番隊 チュチュリス》は真っ先に駆け出した。
偵察から戻ってきた《ドープ “DBL” ボーダー》は、マウナロアの話が真実であった事をビートジョッキー達に伝えた。それを聞いた「猿人」は全チームを集めて緊急会議を始めた。その中で、ある一人の猿人が、「罰怒」なる集団も呼んでみようと提案した。
水文明
水文明は《深海の覇王 シャークウガ》を中心とする魚人覇王団が「世界をつなぐ柱」の周囲を占拠したことで他文明との関わりを失ってしまった。だがその結果、争いの無い平和な文明となった。
他文明と接触が無く、暇を持て余した水文明の魚人達は、気の赴くままに魔術の研究を開始した。巨大生物の上に建造された施設、ホウエイルは魔術の都とも呼ばれた。その入場の合図をする為、魚人が生み出した使い魔である貝獣が笛を吹き鳴らす。
水文明は基本的に平和である。闇文明の侵略の被害も特に無く、これといった争い事もない。だが、貝獣たちには戦闘訓練が存在していた。それを疑問に思ったとある貝獣が試しにある魚人に尋ねてみるも、期待していたような答えが返ってくることはなかった。すべては魚人覇王団に任せておけばいい。魚人はそう言うのだった。
水文明に存在し、貝獣たちに探索させている海底遺跡。そこで発掘された古ぼけた機体は、かつて現在とは異なる、別の世界が存在した事を示している。
「魚人」とその使い魔である「貝獣」の種族、ムートピアが水文明の中心的存在であるが、それとは別に幾つかの種族も存在している。5万年もの時を生きたフィッシュは、ざわざわとした水文明を見て、5万年前の出来事を思い出し、デッキーという存在が何かを企んでいるのでは?と考えた。
自然文明
他文明と友好的な関係を保ち、戦力を消耗しなかった自然文明は豊かな大地に巨大な野菜畑を産み出した。そこで取れる野菜は当然だが食べてもめちゃくちゃ美味い。だがそれ以上に自然文明を驚愕させたのが、戦力として用いる事で強大な力を発揮する、野菜兵器にもなるという事実だった。
野菜兵器が発射する種ミサイルには、野生の動物などに当たると、その姿を動物兵器に変えてしまうという特性があった。もちろん、姿は戻らないままである。こいつはクマった。
かつて自然を育んでいたのは、妖精であった。だがしかし、10万年の時を経て、妖精の大多数は姿を消した。その代わりに、隆盛した種族、グランセクトの昆虫兵士が妖精の如く、大自然を育てていた。
野菜兵器は強大な力を持っているが、1つの疑問が生じる。自然文明は、他の文明と友好的な関係を築いていたはずである。そして、グランセクトは美味しさだけを追求して野菜を育てていたのである。……では、一体なぜ戦う相手のいない自然文明が、野菜を兵器として活用する道に気が付いたのだろうか?その原因は、一部の昆虫兵士しか知らない。
その疑問はさておき、自然文明では最近行方不明者が多発しているという。そんな訳なので、昆虫兵士たちの警戒心は強まる一方だ。
その他
ある日突然、超獣世界に新たな星が現れた。そこには、5文明のどこにも所属しない、奇妙でユカイな謎のクリーチャー、ジョーカーズが住んでいる。そう、ビートジョッキーの間で噂になっていたクリーチャー達は、このジョーカーズだったのである。現在、ジョーカーズで分かっている事はただ1つ。彼らは「マスター様」という存在が産み出したと自称している事だけである。
この超獣世界には、各文明の支配者の中でも最強の者。それこそがデュエル・マスターの候補となりうる者だという言い伝えがある。果たしてそれがジョーカーズの言う「マスター様」がそれに当たるのかは、誰にも分からない事である。
なお、それに関連してか、各文明の支配者の一部には、デュエル・ウォーリアになれる、「外の世界」なる世界に行く方法を知っている者もいるという話がある。そんな言い伝えを信じて「外の世界」を目指す者は後を絶たない。例えば、《阿修羅ムカデ》なんかは既に外の世界に行ってしまったとか……。
一方で、各文明に、2つのフォームを使い分ける新たな力を手にしたクリーチャー達が自然発生的に生まれ始めた。彼らは「NEO」と呼ばれるようになった。光文明の「奇石」や闇文明の改造闇医者軍団、火文明の戦車、水文明の貝獣などが「NEO」に目覚め始めた。
既に絶滅してしまった最強の種族、ドラゴン。かつてこの世界を襲った幾つもの災厄を退けたのも、このドラゴンだという。その伝説に憧れ、ドラゴンの化石を身につける者たち、それがドラゴンギルドである。
ドラゴンの伝説と化石は、すべての文明に存在する。決して話し合った訳ではないのに、その全ての文明でドラゴンギルドが結成された。勿論、闇文明も例外ではなかった。しかし、彼らはドラゴンの化石すらも凶鬼の材料としてしまった。
果たしてドラゴンギルドが身に纏うその化石が本当にかつて絶滅したドラゴンのものなのかは分からない。だが、それでもドラゴンを信じる者たちにとっては力の象徴なのだ。
光文明
決められたルールには、全ての文明が従うべき。光文明が独断で決めたそのルールに反した者たちには、制裁が与えられる。例えば、隻眼の王、《オヴ・シディア》の襲来などだ。
長きに渡って天空城の迷宮の奥底に鎮座し続け、決して姿を見せることのなかった《オヴ・シディア》が遂にその姿を現す。
《オヴ・シディア》から滴り落ちた雫から生まれるクリーチャー、そして《オヴ・シディア》自身までもが、見る者に対して並々ならぬ神々しさを感じさせた。……それだけなら良かったのだが、彼らは同時に禍々しさや恐ろしさまでをも感じさせていた。
「世界をつなぐ柱」の内部構造は各文明によって異なったものとなっている。火文明は蒸気にあふれるカラクリ仕掛け、水文明の中は見たこともない美しい海が広がっている。そして光文明は迷宮だった。
その迷宮こそ、光文明の力の象徴であり、彼らが独自に完成させたラビリンスの名の由来である。その迷宮の奥底から現れた《オヴ・シディア》は、更に強力なマスター・ラビリンスを持っていた。
ルール違反を犯した火文明に制裁を加えるべく、光文明の戦闘演習場であるチェサイズに奇石たちが集められた。作戦立案はツインタワー、ルクショップで行われる。部隊編成された彼らは、「世界をつなぐ柱」の迷宮を通って、火文明へと次々に送り込まれていった。
だがそうしている間にも、闇文明の襲撃が続き、激しい戦いが行われていた。そんな状況だというのに何故、火文明への進撃をするのか。後方支援部隊のクリーチャーの何体かは、《オヴ・シディア》の指令に対して疑問を持たない訳では無かった。
火文明
光文明の襲撃が目前に迫る中、火文明は突然現れたジョーカーズと接触を図っていた。一部のクリーチャーは仲良くなれそうだと思い、その友情を確かめるべく殴り合いを敢行したりするなどして小競り合いをしていた。
そこへ、光文明が無慈悲に襲撃した。
話は過去に遡る。かつて、ビートジョッキーのトップである《“罰怒”ブランド Ltd.》は光文明の頂点に君臨する《オヴ・シディア》へ戦いを挑んだ事があった。だがしかし、《オヴ・シディア》の圧倒的な力の前に彼は敗北してしまった。
敗北した事は事実だ。しかし、その理由はただの実力差などではなかった。というのも《“罰怒”ブランド Ltd.》の力は本来のものよりも制限されたものであり、それが彼を敗北に至らせた最大の要因だったのである。
そんな彼に転機が訪れる。《ダチッコ・チュリス》の連れてきた『ダチ』が《“罰怒”ブランド Ltd.》のボードを乗りこなし、マスター契約を成功させたのである。それによって、彼はマスタークリーチャーとなり、制限されていた力が遂に解放されたのである!
速度制限の看板を粉砕し、最高にBADな存在となった《“罰怒”ブランド》と共に、火文明の本当の戦いが幕を開ける!
激突する光文明と火文明。だがそれも全ては闇文明のシナリオ通りの事だった。新たなるマスタークリーチャーを生み出す為に《オヴ・シディア》を呼び出したのも計画通り。狭くなった火文明を守る為に火のマスタークリーチャー、《“罰怒”ブランド》が誕生したのも計画通り。全ては、彼らの掌の上の出来事に過ぎない。
「影の者」がどこからか持ってくる人型素材。その中には、明らかに闇文明には存在しない生物が多数含まれていた。だが、それによって人口が増え続け、闇文明の領地も広がるのであれば何の問題もないものだ。
凶器の森も領地が広がるにつれて拡大し、更なる凶鬼の素材となっていく。本当に、何の問題もないものだ。
光の城に住む者が、闇文明に対して、破壊だけを目的にした生物を作り出し、光文明を攻撃する事に対して恐怖にも似た疑問を寄せるが知ったことではない。《暗黒の太陽》の光を浴びて豊作となった凶器素材をふんだんに使い、彼らは次々に凶鬼を生み出していく。
闇文明のこの残虐な侵略は、もしかしたら彼らの真の目的から目をそらさせる為に行われているのかもしれない。
至って順調に計画を進めていく闇文明。だが1つだけ、彼らにとって想定外のアクシデントがあった。光文明に存在する《プランDG》。それは、闇文明ですらもその存在を知らなかったのである。
謎の《プランDG》、そして光文明が裏で進めている恐ろしい計画。それらによって闇文明の計画に亀裂が生じるのも、時間の問題かもしれない。
光と火のマスターが争い、それに加勢する闇文明の対応に光文明が追われる中、水文明はある宝石を用いた移住計画を進めていた。それは《深海の覇王 シャークウガ》、1人の発案によるものではなく、とある別の存在も移住計画に関わっていた。
魚人覇王団が「世界をつなぐ柱」の周囲を占拠した理由。それは、かつて柱の付近で起こった《「世界をつなぐ柱」の天罰》と呼ばれる大洪水が原因だった。
それ以来、「世界をつなぐ柱」には天罰の再発を防止するという理由で近付けなくなり、貝獣の訓練や、海底遺跡の発掘作業も始まった。……だが、そもそも何故《「世界をつなぐ柱」の天罰》が起こったのか。貝獣たちにその理由が知らされることは、ない。
海底遺跡の発掘作業は着々と進んでおり、古ぼけた機体に続いて今度は実際に動く遺物も見つかり始めた。そんな海底の奥底には、魔力の溜まった様々な財宝が隠されている。
《「世界をつなぐ柱」の天罰》を避けるのが理由と言われている「世界をつなぐ柱」の封鎖。魚人覇王団の下っ端は、実はその財宝を守る為だと信じ込まされている。
怪しげな気配が漂う水文明の移住計画。来月には第6新都市まで完成する見積もりだ。
――移住計画は絶対安全。――新都市への移住を始めましょう。
移住計画のマスコットキャラクター、《貝獣 アーヤコーヤ》はそんな怪しげな雰囲気を一切感じさせず、今日も元気に宣伝活動を行っている。
自然文明では、強力な野菜兵器がドンドン増えていく様相を呈していた。野菜兵器の増大により、無鉄砲に弾を打ち続けることで、動物兵器もそれに比例するかのように増加していったのである。
現在は積極的に活用している野菜兵器や動物兵器だが、それらの兵器は自分たちで制御しきれない、大きすぎる力だった。だが自然文明の民たちは、制御できないからと言って放棄したり改良するのではなく、大きな力をそのまま受け入れていった。
そんな大きな力である野菜兵器。それが農場から生まれるようになったのは、天に佇む謎の繭が大きくなってからだという。孵化した時、大いなる存在が現れるという言い伝えが残る謎の繭。その肥大化は誰にも止められない。
さて、野菜は本来、食べられるものだ。グランセクトの民が作る野菜はとびきり美味く、食べる者の心を躍らせる。だが最近、肉食性の野菜が登場した事によって、食べる側と食べられる側の立場が逆転しつつある。
辺り一面に大自然が広がる自然文明にも勿論、村は存在する。その開拓にはモアイの石像が必要不可欠だ。この巨大な石像の指から発射されるビームが次々に村を生み出し、自然文明の開拓を大きく手助けしているのだ。……しかし、そもそもこの石像が本当はどういう目的の為に作られたものなのか。その真実を知る者は、誰もいない。
畑を耕し、のんびりとした毎日を過ごす自然文明。だが、あまりにも大きな問題が発生した時、四天王と呼ばれる存在が集結すると言う。繭がドンドン大きくなっている今こそ四天王集結の時のはずだが……。のんびり屋の彼らが全員揃うのはいつになるのか、まだ分からない。
その他
各文明の頂点に立ち、そして世界を揺るがす程の力を得た者、マスタークリーチャー。それは、「外の世界」とマスター契約を行ったクリーチャーの事だ。だが、残念ながらどんなクリーチャーでもマスター契約ができる、というわけではない。例えばの話だが……《魔神兵ズゴーン》には無理だ。
2つのフォームを切り替えられる新たな力、NEO。それに目覚めし者たちは、次第にその力を共振し始めた。その事に最初に注目したのは、自然文明だった。
また、闇文明でも、一応の注目はされていた。壊れやすい凶鬼を作る事に定評のある《死手医 リンパ》が作った凶鬼の1つが、偶然にもNEOの力を手にした所、壊れにくくなったのである。それがどんな影響を齎すのかは、未だ未知数である。
過去に大いなる存在として君臨し、今は絶滅したドラゴン。その化石を力の象徴として身に付けた者たち、ドラゴンギルド。最近、その化石に変化が起こりつつあるのを、ドラゴンギルドの一人、《龍装者 バヴェール》は感じていた。起きた変化といえば、ドラゴンの化石を用いた火文明の戦車、《龍装車 ボル・シデック》のエンジンの調子が良くなっていたらしいが果たして……。
一方、ジョーカーズのリーダーである《ジョリー・ザ・ジョニー》の馬《バレット・ザ・シルバー》が突如、輝き始めていた。
光文明で進められる恐ろしき計画。そこで発見された《プランDG》。肥大化する自然文明の繭。欺瞞にまみれた水文明の移住計画。計画に初めて想定外が生じた闇文明。光文明との決死のリベンジマッチを開始する火文明。そこに居座るジョーカーズ。
世界は変動していく。
火文明への制裁として《オヴ・シディア》から放たれた光線。それはあまりにも強烈な一撃であり、火文明へ甚大な被害をもたらすものであった。だが、同時にそれは光文明そのものを示すかのように神々しくも鮮烈な光だったという。
かくして火文明への攻撃を終えた光文明だが、闇文明からの攻撃はより熾烈なものとなっていた。天空城で密かに進められていた計画が闇文明に察知されてしまった為だ。ある銀の民は、闇文明の侵攻を見て「まるで、巨大な闇が天空城を覆い尽くさんとしているようだ」と語る。
最高傑作である一桁のナンバーの凶鬼が送り込まれるが、光文明は兵士が火文明から戻った事もあって、余裕の態度を崩さなかった。……奇石部隊の数が足りなくなっているという報告が《青守銀 グーテン》から送られてきたが。
想定外は続く。かつてわだかまりが生じていた、ジョーカーズのマスターと火文明のマスターとの間の誤解が解けた事により、2人は手を組んで、押し潰されようとしている火文明を救おうとしたのだ。
ビートジョッキーだけならまだしも、想定外の塊であるジョーカーズの参入。どんな命令でも冷静に実行する《戦の傾き 護法》だが、彼らのメチャクチャっぷりには流石に困惑の色を隠せなかった。
「世界をつなぐ柱」の外壁は、どの文明にも存在しない未知の材質によって構成されている。それは、光文明のどの鉱石よりも硬く、火文明の溶岩をもってしても溶けることはない。今日も、そしてこれからも、「世界をつなぐ柱」は一切欠けることなく雄大な姿を誇示し続けることだろう。
天空城の奥に存在するダイヤモンドの扉の更に奥、水晶で護られた中心部。そこで光の女王によって進められている超極秘計画である《プランDG》。その計画はいよいよ第二段階へ突入した。
一体そこで何が行われているのか……それを知る者はほとんどいない。だが、確実に言える事もある。かつて、あらゆる力の象徴であったものが今、ヒトの手によって造られようとしている事だ。
「どーれどれ、このヤバイ帽子で一儲けして来ようかな」
そう言ってデュエル・ウォーリアとなり、「外の世界」へ行った《ジャババ・ハット》は何者かの手によって消滅させられた。《ジャババ・ハット》だけではない。数多くのデュエル・ウォーリアが同じ目に遭っているのだ。その事態を重く見た影の者達は、「外の世界」へ行く事を禁止し、《プランDG》の正体を探るべく天空城へ凶鬼の大群を送り込んだ。
影の者の中には、《プランDG》に驚く者も少なからず存在した。だが、闇文明の支配者達にはそんな想定外を前にしても、動揺の色は全く見られなかった。
あらゆるものを素材にして生み出される凶鬼。価値ある美術品でも、歴史ある遺物でも、あるいは誰かの尊い命であろうとも、構わず材料にされる。そして、「こんにちは」の代わりに殴り、「良い天気ですね」の代わりに削り、「さようなら」の代わりに破壊する凶鬼が生み出される。
《骨刹医 リブ》は、そんな凶鬼を素材として凶鬼を作り、またその凶鬼を素材にして作り……を繰り返す事で超強力な凶鬼を作り出せるのではないか?という説を立てた。だが、それを実行するのは彼ではない。他の誰かだ。その理由はただ一つ。骨が折れるからだ。
「世界をつなぐ柱」によって闇以外の各文明は繋がっているので、4文明は他の文明へ移動する為には「世界をつなぐ柱」を通る必要がある。《マキャベリ・シュバルツ》はそんな面倒な事をする必要がある各文明たちを見て、静かに哀れみの感情を示した。世界は闇に包まれている。
さて、闇文明には長とも言うべき支配者が存在する。それは決して影の者ではない。では誰なのか?……誰なのだろうか。口には出せない。それが許されているのは、闇の七王と讃えられる7名のみだからだ。なので、それ以外のクリーチャーは畏怖と敬愛の念を込めて「あのお方」と呼んでいる。もし誤ってその名を呼んでしまおうものなら……。
そんな闇の七王の一人、蝕王ダンタルの為に、《ラトリエ・ロブション》はダンタルソースという特別なソースを制作した。少々強めの酸味が、どうしてもいつまでも口内に味を引きずりやすい揚げ物系の味をシュッと引き締め、料理を爽やかなものにしてくれる。まさにうってつけのソースだ。
そんな《ラトリエ・ロブション》に逃亡者が出たとの知らせが舞い込む。だが、逃げた方がより酷く、より凄惨な結末を迎える事を知っている彼はただただ逃亡者を嘲笑うだけだった。
真っ赤な雲から火の雨が降り注ぎ、あちこちで間欠泉が噴き出す。炎のプールで泳げばスカッと爽やか、腹が減ったならドリンクとセットでお得なバッドドッグを喰らう。スチームパンクな建物からガンガン鳴り響くのは、大音量の音楽。とにかくノリと勢いで何でも楽しんでしまう。それが、火文明の世界だ。
そんな火文明を纏めるリーダーこそ、マスタークリーチャーである《“罰怒”ブランド》だ。しかし、先程の《オヴ・シディア》から放たれた光線により、彼は大怪我を負った。火文明の頂点が今にも没するという一大事。
その危機を救ったのは、他でもないジョーカーズの、『DM』の形の髪をしたマスターだった。
以前、何者かに殺された火文明の仲間が遺した『DM』の文字。ジョーカーズのマスターはその髪型のせいで殺した犯人だと疑われ、敵意を向けられた。だが、彼は構わず《“罰怒”ブランド》の負傷を自身の能力によって治癒し、火文明の再起の第一歩を歩みだしたのだ。
これにより、一触即発の事態は免れ、ジョーカーズと火文明は手を組む事となった。それが影響したかは定かではないが、火文明のB・A・Dの力を取り込み、「ジョーカーズ・オーバー・エクスプロード」…略してJ・O・Eという力を持つジョーカーズが少しずつ現れ始めていた。
ジョーカーズの魂を爆発させる事で強力な力と共に身軽さも得る、それがJ・O・Eである。そして、その力を持ったジョーカーズ達を弾丸として撃ち出す必殺技こそ、マスタークリーチャーである《メラビート・ザ・ジョニー》の持つマスター・W・メラビートである。
彼は決して多くを語る事はない、孤高のガンマンだ。しかし、その全身から強力な力が沸き上がって来ているのは、誰の目にも明らかな事だ。
奇跡の完全復活を果たした《“罰怒”ブランド》が率いるビートジョッキー、新たな力を得た灼熱のジョーカーズたち。火文明の運命は、この2種族に委ねられた。
水文明を覆う広い海。海底に点在する海溝のそこには、光すら届かぬ深い闇が広がっている。そこには、数万年前に存在した遺物が、誰の目にも触れられる事なく静かに眠っていると伝えられている。
平和な平和な水文明。しかしそんな水文明で、何故か貝獣に課せられた戦闘訓練。それに関して疑問を抱く者は少なからず存在した。
つい最近になってようやくその説明がされた。その戦闘訓練は、他文明と戦争する為ではなく、《深海の覇王 シャークウガ》の海賊船の乗組員を決める為の試験だという。
戦争でなくて良かったと喜ぶ者もいれば、来たるビッグウェーブでなくて残念がる者もいる。反応は貝獣それぞれだ。
魚人覇王団ごっこが魚人の子供の間で大ブーム中だ。やはり《深海の覇王 シャークウガ》の人気も高いが、最近の一番人気は決めポーズがカッコイイ、《甲殻鬼動隊 セビーチェン》なのだ。
そんな無邪気な子供たちは、現在、海底遺跡の発掘に専念していた。掘れば掘るほどにザックザクと出てくる金銀財宝にはしゃぐ貝獣たち。だが、ある魚人は金銀財宝には目もくれず、渋い顔を見せていた。
「アレは出て来ぬか……」
彼の求めている物とは一体、何なのだろうか?
不穏な影はまだ伸びる。最近、魚人覇王団に対しても姿を見せていなかった《深海の覇王 シャークウガ》が、彼自身が立ち入り禁止区域に指定したはずの「世界をつなぐ柱」へ侵入しているという噂が各地でささやかれているのだ。
何かの間違いだ。信じられない。水文明の民は、そう思い込むしかない。
日々巨大化していく繭。そしてそれに呼応するかのように活発になっていく野菜兵器の活動。その一方で、繭の影響を受けずにいる種族もチラホラ存在している。
そんな自然文明だが、なんと1人目の騎士団長がたった3ヶ月で到着したという情報が舞い込み、騎士団は沸き立ち、大盛り上がりの様相を呈していた。それに拍車をかけるかのように、2人目の騎士団長も既に城を出ようとしているという情報が舞い込んだ。自然文明は現在、絶賛祭り中だ!
ある者たちは騎士団長を歓迎する為にお祝いダンスの練習に励み、ある者たちは騎士団長に振る舞う料理のデザートを紅いリンゴにするか青いリンゴにするかを決める為に、《アップップ・タンク》で勝負する。
騎士団長の集結だけでここまで盛り上がる自然文明だがそれもそのはず。《マイト・アンティリティ》曰く、騎士団長全員が揃うのは、千年前に地震で大地が真っ二つに割れた時以来なのだという。……しかし、それを逆に取れば、それ程までの脅威が今、自然文明に迫っているという事でもあった。だが悲しきかな、その事に対して、熱気に包まれている彼らが気付く事はない……。
自然文明の夜は、植物兵器や動物兵器も眠りに落ちる為、水を打ったかのように静まり返る。秋の夜に漂う《ヨゾラフワフワダケ》は、自然文明の風物詩として秘かに観に来る影の者もいるとの噂だ。
騎士団長が到着したり、繭の巨大化がドンドン進んでいったり。何かと大きな出来事が続く自然文明だが、肝心の行方不明者の捜索、及び調査は全く進んでいなかった。誰に聞こうが、「影に吸い込まれたみたいだった」としか言わないからだ。
その他
NEOの力を持つ者が力を共振した結果、彼らは新たな能力を獲得した。自分のみならず、共鳴した相手の能力をも使いこなす強力な力、その名もキズナプラス!
自分で発動しなくても、共鳴した仲間さえいれば発動できるキズナプラス。友情を超えたキズナの力が、今ここに誕生した。
日々増加していくNEOの力を持つ者に呼応するかのように、NEOをサポートする力を有する者達も現れ始めた。
世界各地で共鳴するNEOの力。だが、共鳴しているのはNEOクリーチャーだけではなかった。かつて頂点に君臨したがある出来事によって絶滅し、今は名残を残すだけの存在。そう、ドラゴンの化石だ。
化石たちが一斉に振動し、音を奏で始めたのである。それは祝福の音色か、それとも恐怖の悲鳴か。それは誰にも分からない。
《プランDG》の正体を探る闇文明。それを迎撃せんと戦う光文明。続々と騎士団長が集まる自然文明。不穏な動きを見せ続ける水文明。手を組んで世界を救おうとする火文明と、J・O・Eを得たジョーカーズ。そして、第二段階へ突入し、遂にイノチを宿した《DG 〜ヒトノ造リシモノ〜》。
裁キノ刻ハ近イ。
光文明が秘密裏に進めていた《プランDG》が、遂に最終段階へと突入した。
《DG 〜ヒトノ造リシモノ〜》の身体が歪に変化していく。やがてそれは翼を持つ4足歩行のクリーチャーへと変貌を遂げた。その姿はさながらドラゴンのようであり……。
長らく極秘とされてきた《プランDG》の正体。それは、太古の昔に滅んだ最強の種族、ドラゴンを外の世界の力を使って復活させる計画だった。
かくして《プランDG》の最終段階、《サッヴァークDG》は誕生した。それと同時に一部のメタリカは新たな姿を得た。彼らは自らをサバキストと名乗った。
頭部に仮面を装備した《サッヴァークDG》の咆哮が、光文明に響き渡る。
闇文明にはある封印されたクリーチャーが存在した。その名は《阿修羅サソリムカデ》。一体彼が何をしたのかは、明らかにされていない。だが、封印されるのはされるだけの意味があるという事である。
影の者たちは、《阿修羅サソリムカデ》を目覚めさせてはならないという事を自然と理解していた。
だがしかし。何者かの手によってその封印が解放されてしまった。《阿修羅サソリムカデ》が再び、現世に蘇る。
封印の解けた《阿修羅サソリムカデ》は手始めに、あるウィルスを放った。それはごく僅かな時間で対象を死に至らしめる、極めて凶悪なものであった。そして、そのウィルスは、一人の未来ある女の子の身体を蝕んだ。
そんな《阿修羅サソリムカデ》の前に、《サッヴァークDG》は姿を現した。
《阿修羅サソリムカデ》と戦闘を繰り広げる《サッヴァークDG》。
凶悪な力を振るう《阿修羅サソリムカデ》に対して、《サッヴァークDG》は裁きの紋章という力を行使して応戦する。
その最中、突然《サッヴァークDG》の仮面が剥がれ落ち、ある1つの裁きの紋章、《断罪スル雷面ノ裁キ》が刻まれた。
天カラノ断罪ガ雷面ヨリ行ワレ、正義ガ執行サレル。
それは《プランDG》の最終段階である《サッヴァークDG》が更なる段階へと突入することを意味していた。
《断罪スル雷面ノ裁キ》により、DGは真の姿を現す。
かつて振るった猛威を、勝利に導いた栄光を、巨悪を討った正義をもう一度。
《プランDG》によって産み出された最強の種族マスター・ドラゴンを持つ究極のドラゴン、《煌龍 サッヴァーク》はこうして降臨した。ドラゴンがついに蘇る。
《煌龍 サッヴァーク》が刻む裁きの紋章。それは、モチーフとなった印に従って裁きを行い、裁いた証として紋章を残し続ける。
マスター・ドラゴンの凄まじい力が《阿修羅サソリムカデ》を襲う。必死の抵抗も虚しく、《阿修羅サソリムカデ》の邪悪な身体は消滅し尽くされた。
消滅と同時に、《阿修羅サソリムカデ》の魂は《煌龍 サッヴァーク》に奪われた。
《煌龍 サッヴァーク》が持つマスター・ドラゴンの真の能力。それは、裁く相手の魂を奪い、自分の力とするドラゴン・W・ブレイカーだった。
その戦いを目撃していた《龍装者 アブゾード》は、仮面が剥がれてからまるでレベルの違うパワーを感じ、マスター・ドラゴンの力に震えていた。
《煌龍 サッヴァーク》の誕生によって《プランDG》は完成し、マスター契約が完全に行われたことで、メタリカたちはDGの傘下となった。
だが、《太陽の使い 琉瑠》の加護を受けた者たちの中には、DGの影響を受けない者もいた。
火文明では《“罰怒”ブランド》と《オヴ・シディア》によるマスタークリーチャー同士の激戦が繰り広げられていた。その戦いもいよいよクライマックスへ突入しようとしていた。
「そのデッケェ1つ目見開いて良く見やがれ!これが、俺ちゃんと仲間の、燃える友情の一撃だァァァァ!!!!」
《“罰怒”ブランド》は怒りの雄叫びと共に必殺技、《最終“罰怒”梵破》を発動させる。尋常ではない威力の拳が《オヴ・シディア》を撃ち抜いた。
崩れ去る《オヴ・シディア》。勝利の叫びを上げる《“罰怒”ブランド》。闘いの決着は付いた……はずだった。
勝利の喜びに震える《“罰怒”ブランド》の前、DGが怪しく蠢き出した。隻眼の王がみるみるうちにDGの強大な力に取り込まれていく。
そして、隻眼の王は《オヴ・シディアDG》として復活した。
ラウンド2、マスタークリーチャーVSマスタークリーチャーの闘いはまだ終わらない。
そんな血戦に次ぐ血戦を展開するビートジョッキーに対し、ジョーカーズはマスター・ドラゴンとの戦いに備えて準備を進めていた。
その一環として、《超特Q ダンガンオー》、《超ド級 テンクウオー》、《超Z級 ゲキシンオー》から成る3人の超勇者を合体させる試みが行われた。
試みは見事成功し、マスタークリーチャーである《ジョリー・ザ・ジョニー》にも引けを取らない強さを持つジョーカーズ、《王盟合体 サンダイオー》が完成するのだった。
《阿修羅サソリムカデ》は《煌龍 サッヴァーク》によって消滅させられた。それを知った《アラン・クレマン》は、七王の一人である絶王ゼルなる存在から下された指示に従い、監視を続けることにした。
凶鬼が生まれる場所の1つである《改造治療院》から、1つの材料が逃亡した。行けども行けども、不気味な凶器が生えているばかりの世界。逃亡者がよく知る野菜畑など、どこにもなかった。
やがて《凶鬼04号 ビビム》が逃亡者を捕らえた。逃亡者の意識は闇の中へと消え去り、生まれた場所へは二度と戻ることは出来なくなった。
《凶鬼04号 ビビム》、《凶鬼71号 ドーン》、《凶鬼34号 バッシュ》……。彼ら凶鬼の番号には恐ろしい秘密が隠されている。
どいつもこいつも適当な闇医者ばかりなのに番号が被らないのは、同じ番号をつけられた凶鬼同士が、その秘密により殺し合いを始めてしまうからだ。
気を使うところには気を使う闇医者たち。近日、医局長を決める選挙が行われるという。盛り上がるイベントなはずなのだが、中には名前だけの役職に立候補するモノズキなどいるのか、とひねくれた考えを持つ闇医者もいた。
余裕な態度を崩さない闇文明だが、《煌龍 サッヴァーク》の持つマスター・ドラゴンの力には目を見張るものがあったようだ。七王と讃えられし7人が一堂に会し、会議を行ったのである。
「これが《プランDG》の正体…マスター・ドラゴン。なんという力だ」
絶王ゼルは素直にその力を認める。
「確かに見たこともない力だが…われらの魔導具が完成すればこれ以上の力になる」
そう述べるのは戒王ガデス。
マスター・ドラゴンとジョーカーズ。圧倒的な力と力がぶつかろうとしている中、闇文明は混乱を利用して、魔導具を投下し始めた。七王が信頼を寄せる程の力を有する魔導具が、他文明へと落とされていく。それは、更なる混乱の幕開けとなる。
騎士団長は、まだ到着しない。
2人目の騎士団長を傍で支える《ジーク・ナハトファルター》は、あまりの到着の遅さに、どこかで蜜草でも吸っているのではないかと考え、不安そうだ。
そんな《ジーク・ナハトファルター》だが、その力は他の騎士団長にも劣らず、彼こそが次の団長に相応しい存在と思う者も少なくない。
自然文明で多発している行方不明事件。最近ではそれを追っていた兵士までもが行方不明になったという。被害は増すばかりであり、いよいよ自然文明の一大事になろうとしている。
天空の繭は相も変わらず巨大化し続けている。明らかに異常事態なのだが、自然文明の誰しもが、それを日常として受け入れ始めている。
自然文明に代々伝わる王家。そこには、綺麗な女王様と可愛らしいお姫様が住んでいると言われている。
そんな自然文明で最近語られている噂話。星の無い夜にもかかわらず、「この重厚な枝ぶりは3つ星! 城に戻ったら、すぐガイドブックに書かねば!」と興奮気味に語る声が、誰もいない森から聞こえるという。
魚人も貝獣も、魔術を志す者は「ホウエイル」と呼ばれる学校で学ぶ。その中でも、《最高学府 インテリエイル》は一握りだけが入ることを許される、文字通り最高の魔法学校なのだ。
また、魔法以外にも他文明の事についても学ぶことがある。どうして他の文明の事など学ぶ必要があるのか、という問いに対して、《崇高なる智略 オクトーパ》は「いずれ役に立つ時が来るからですよ。いずれ、必ずね」とはぐらかしたような返答をするのだった。
海底遺跡から発掘された魔力は、《蓄積された魔力 パーノレ》などの貝獣に蓄積される。魔力が十分に蓄積されると、その絶大な魔力量から特別な称号が与えられている。
だが、そんな膨大な量の魔力が一体何に使われるのかに関しては、ほとんど知らされていない。
《漫遊の神官 マンボボ》はふと思い出す。《万年の甲 ガメッシュ》の事だ。しばらく会っていないが、果たして彼は今も菓子を作り続けているのだろうか。彼は思いを馳せた。
「世界をつなぐ柱」が封印されて以来、港に繋がれっぱなしだった《覇王海賊船 キングシャーク》号の出港式が盛大に行なわれた。盛大な式を楽しむ者たちの中、何故このタイミングで出航するのか疑問に思う者もいた。
また、出港式の直前、大量の薬がキングシャーク号に届けられたという。運搬した《貝獣 リガイト》は誰か大怪我でもしたのかと心配そうであった。
かくしてキングシャーク号は出港した。その船が繋がれていた「世界をつなぐ柱」の閉ざされた扉のその奥で。マスター同士の戦いの始まりの音に、静かに耳を傾ける者がいる。
講義を終えた《崇高なる智略 オクトーパ》。彼の元に、労働を労おうと、《偉大なる魔術師 コギリーザ》が訪れる。ひとまずの挨拶を終え、彼は本題に入る。
「ところで、我らが真の王のご調子はその後いかがでしょうか?」
海底遺跡から発掘されたのは、魔力だけではなかった。《ソニック・IV・ワン》。かつてドラゴンと戦いを繰り広げたという禁断の勢力。伝説となったその力の一部がついに水文明の手に渡った。
その他
ドラゴンの中でも、デュエルマスターにしか使えない存在、それがマスター・ドラゴンだ。
NEOから産み出されたキズナの力。そのキズナはNEO以外のクリーチャーにも広がりつつあった。
キズナは集まれば集まるほど強くなる。そして、ついに強力なNEOクリーチャーは、すべてのキズナをつなげるキズナコンプを手に入れた。
それは、キズナで結ばれた仲間の力を一気に発動させる能力。キズナを超えたキズナの力は今、文明内の勢力図すら変動させかねないほどの力を持とうとしている。
だが、肝心のNEOの力の正体は未だ不明だ。明かされる日が来るかも分からない……。だが、多くのキズナをつなげる力である事は間違いない。
悠久の時を経て遂に再臨したドラゴンである《煌龍 サッヴァーク》。隻眼の王すらも取り込むDGの恐るべき力と、それに酔いしれるメタリカとサバキスト達。
ジョーカーズは来るべき宿命の戦いに備え、ビートジョッキーはDGをも粉砕せんと奮闘を続ける。
禁断の力を我が物にしてしまったムートピアたち。
異常を日常として受け入れてしまったグランセクトに忍び寄る、マフィ・ギャングの魔の手。
魔導具は投下された。果たしてその力とは一体。
次回、「闇から来た魔導具」!!戌年になっても、ジャストミートにファイアー!!!
ジョーカーズのマスターと光文明のマスターによる戦いが遂に始まった。
真っ向から激突する《メラビート・ザ・ジョニー》と《煌龍 サッヴァーク》。マスターに負けじと他のジョーカーズやメタリカもぶつかり合い、壮絶な死闘が繰り広げられた。
《メラビート・ザ・ジョニー》の力は、強かった。並大抵のクリーチャーでは決して太刀打ちできない程に。
だが真なるドラゴンの力はそれをも上回り、火文明の力を得た《メラビート・ザ・ジョニー》を《煌龍 サッヴァーク》は圧倒した。
光のマスターが叫ぶ。その手には《煌龍 サッヴァーク》の最大にして最強かつ最後の裁きの紋章、《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》が握られていた。
「天にキラめけ、オレの正義!これが最後の龍の裁きだぁあああーーーーっ!!!!」
超絶的な威力の前に、ジョーカーズの軍勢はいとも容易く蹂躙されていった。
光文明の誰しもが、怒涛の攻勢に打って出たマスター・ドラゴンの勝利を信じて疑わなかった。……しかし。
「バカな。あのガンマンは確かに退けたはず……しかも、何だあの巨大な武器は……!?」
「これが俺とシルバーの最終兵器……引き金は二度引かねえ。一発が全てだ!」
マスター・ドラゴンのパワーの前に屈したはずの《ジョリー・ザ・ジョニー》。
だが、彼は、マキシマム・キャノンに変身した愛馬、《バレット・ザ・シルバー》と共に戦場に舞い戻る!
全ては《煌龍 サッヴァーク》との最後の決着の為に!!
《ジョリー・ザ・ジョニー》の最後の必殺技、《ジョジョジョ・マキシマム》が放たれた。全てを焼き尽くす究極の砲撃が《煌龍 サッヴァーク》に襲い掛かる。
そして……。
戦いは終わった。
光文明のマスターは光の女王と向き合い、正義を守り続ける事を誓う。その顔には、笑顔が戻っていた。
ジョーカーズのマスターは新たに、自分だけのドラゴンを描き始める。何発もの銃を持つ新たなドラゴン、その名は《ジョット・ガン・ジョラゴン Joe》。
Jの意志は今、受け継がれようとしている。
《オヴ・シディアDG》と《“罰怒”ブランド》による激闘はなおも続いている。果たしてこの激闘に終止符が打たれる日はやってくるのだろうか…?
キングシャーク号の出港式は何日にも渡り行われた。住人たちはその宴に熱中し、その裏で密かに出港した船には誰も気付かなかった。
海底遺跡から発掘された魔法の腕輪。朽ち果てているものがほとんどの中、強大な魔力を保ち続けている物が発見された。それとは別に、研究の結果、魔力が蓄積された財宝は複数集めることで爆発的な力を得ることが新たに判明した。
「今日も魔力講義サボって。オクトーパ様、怒ってたよ?」
《貝獣 ジミーシ》が《貝獣 ヒラーガ》をたしなめる。だが、彼はそれを意に介す事もない。
「いいんだよ。机にしがみついてるより、ボードに乗ってる方が何倍も勉強になるんだから!ほら、一緒にビッグなウェーブを感じようぜ!」
彼は、逆に《貝獣 ジミーシ》をサーフィンに誘うのだった。
そんなやり取りが行われる裏で、《絶海の虎将 ティガウォック》は『主』と対話していた。彼は尋ねる。
「いよいよ闇の奴らが動き出しやがったか。主よ、オレらはどうしますかね」
水文明の真の企みに気付くものは、限られていた……。
一時期は行方不明者が頻発する謎の事件が起きていた自然文明だったが、最近は被害者が減少する傾向になりつつあった。だが依然として原因は不明のまま。《シムーズス》は自然の民全員にいっそスズを持たせる事も検討に入れていた。
日夜血湧き肉躍る激闘が繰り広げられる、熱き《オニオン・リング》の舞台。そこへ《ハサイサク》が名乗りを上げた!果たして辛口評論家をもうならせるゲキウマな戦いを見せてくれるのか!しかしサイズの合うリングがまだ育ってないので、試合はお預けなのだ!
「外の世界」から超獣世界へ帰還した《自然星人》。その際にこっそり持ち帰った種を育てていたところ、突然何かが発光し始める、奇妙な現象が起こった。
行方不明者に関する事件を調査していた《ボントボ》はある任務を引き受けた。見知らぬ土地へ派遣される事に若干の恐怖を感じる《ボントボ》であったが勇気を絞り、任務を実行に移す。
騎士団長の到着が遅れているのは、転んだ《デデカブラ》を起こすのを手伝っていたからだそうだ。《デデカブラ》が起き上がった今、到着は近い。
遂にこの日がやってきた。魔導具を世界に投下し、闇文明を総べし《卍 デ・スザーク 卍》が世界に絶望を振りまく日が。
見る者の心を映し出す絵画《堕魔 ヴォガイガ》。雷鳴を断つ鋭さを持つ鋏《堕魔 ドゥシーザ》。全てを蝕む毒を宿す瓶《堕魔 ドゥポイズ》。読み人の知識を奪う本《堕魔 グリペイジ》。笑いながらその身を投げ出す水瓶《堕魔 ドゥグラス》。持つ者すら焦がす燭台《堕魔 グリギャン》。魔凰の道具が、淡々と空より墜ちていく。
光文明のマスターに消し炭にされた《阿修羅サソリムカデ》。その欠片は、小さなサソリの形に集まると、何処かへ消えて行った。
無月の門の欠片さえあれば、魔導具はすぐに出来上がる。その為にも、一欠片ずつ大切に回収することが欠かせないのだ。
揃った魔導具によって無月の門が描かれる時、奴は降臨する。
その名は、《卍 デ・スザーク 卍》。
《卍 デ・スザーク 卍》の降臨により、世界は闇に塗りつぶされる。
新たな時代を切り開くには、1つの力だけでは不十分だ。2つ。双つの力が極まった時、凄まじい衝撃によって世界は塗り替えられるだろう。闇に覆われた世界にインパクトをもたらすのは、果たして誰か。
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参考