ツインパクト
1枚のカードに2つの側(カード情報)を持つカードのこと。
「ツインパクトカード」とも呼ばれ、テキスト上でこのようなカード群が参照される際にはそちらが使われるが、意味に差異はない。
双極篇にて新たなギミックとして登場。超天篇以降も続投された。
上側がクリーチャー、下側が呪文という形が基本的なスタイルになる。
一部例外として両側ともに呪文のツインパクトも存在する。
イチゴッチ・タンク P 自然文明 (7) |
クリーチャー:グランセクト 12000 |
T・ブレイカー |
|
レッツ・ゴイチゴ P 自然文明 (2) |
呪文 |
自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。 |
フルフレームの上側のイラストを背景に、下側の情報が斜めに入る形で従来のカード2枚分の情報が入ったカード。
時に呪文、時にクリーチャーとしてプレイすることが可能。両者で異なる能力を持ち、場面で使い分けができる。
多くの場合、異なるコストの2種で組み合わさっているため、序盤・中盤・終盤で使い分けができる汎用性の高いカードが多い。
また、クリーチャー側から呪文側を参照して使えるスマッシュ・バーストや両側を同時に使えるワンダブルなど、ツインパクトで無ければ成り立たないようなキーワード能力もあり、「使い分け出来るカード」にとどまらない多様なカードデザインを生み出している。
ルール
実際のツインパクトカードにはどこにも「ツインパクト」の文字はないが、テキスト上で「ツインパクトカード」とあった場合、これらのカードが参照される。
カードテキストでも使われているカードの総称が、実際のカードのどこにも明記されていない珍しい例。
以下、ツインパクトを「(クリーチャー)/(呪文)」というものとして解説を行う。それ以外の場合に関しては後述。
- 《蒼神龍スペル・サモニオン》でお互いの山札からツインパクトが参照された際、呪文側のコストで上回り、クリーチャーとしてのパワーでも勝ったのなら、好きな方を使うことができる。ただし、一度使うと元の場所から移動してしまうため、呪文として唱えた後、そのカードをクリーチャーとして召喚することはできない。(クリーチャーとして召喚したいなら、呪文として唱える任意効果を破棄する必要がある。)
- また、めくったカードが互いにツインパクトなら、呪文同士のコストで勝ったプレイヤーAが呪文として唱え、クリーチャー同士のパワーで勝ったプレイヤーBがクリーチャーを踏み倒すということが起こりうる。
異なる文明を持つツインパクト(多色ツインパクト)について
クリーチャー側と呪文側で異なる文明を持つツインパクトの場合、基本的にはコスト等とルールは同じ。ただし、各側のマナコストが単色である場合、カード単位では多色として扱われ、各側の単体では単色として扱われる。
- カード単体で参照される際は、全ての側にある文明を併せ持った多色カードとして扱われる。マナを生み出す際はそれらの中から1文明を出すことができる。
- プレイする際は、その側が持つ文明だけを支払えばよい。
両側呪文のツインパクトについて
- 「(ツインパクトカードを)バトルゾーンに出す」という能力の対象となった場合、バトルゾーンに出せる適正な側がないため墓地に置かれる。
- 「クリーチャーをバトルゾーンに出す」という能力ではそもそも対象にならない。
テクニック
ルールに記載した通り、ツインパクトをコスト踏み倒しする時、基本的にはそのコスト踏み倒し条件に合致した側しか踏み倒すことはできない。別の側を出すのはルール違反である。
だが、実は片側が条件を満たした時、もう片方の側をコスト踏み倒しさせることが可能な能力がごく一部のみ存在する。
その要件は、テキスト上にて「条件参照とカードの踏み倒し処理とが別々になっていること」。
例として、《ブレイン珊瑚の仙樹》のテキストは以下の通り:
カードを3枚引く。その後、自分の手札の枚数以下のコストを持つ水のカードを1枚、自分の手札から選んでもよい。そうしたら、そのカードをコストを支払わずに使う。 |
このテキストでは赤字の箇所でカードの条件チェックだけをしている。そして、青字の箇所であらためてコスト踏み倒しの処理が行われる。
この青字の箇所では、赤字の箇所でチェックしたカードと同じカードは参照しても、それ以外の条件は一切参照していない。そのため、「そのカードを使う」となった時にあらためてどちらの側を使うか選択することができるタイミングが訪れ、好きな側をコスト踏み倒しできるという寸法である。
別の例として、《ロック“SPK”スピーカー》は文章が切れていないが、カードを参照した後に改めてその中からクリーチャーを探すという処理をするテキストであるため、ここで挙げる能力に該当する。
呪文側のコストを参照して合計6以下という条件を成功させ、クリーチャー側をコスト踏み倒しするというプレイングが可能。
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から3枚を表向きにする。この3枚のコストの合計が6以下なら、その中のクリーチャーをすべてタップしてバトルゾーンに出す。その後、残りを好きな順序で山札の一番下に置く。 |
非ツインパクトのカードを使用する分には、特段変な処理も行われず普通のコスト踏み倒しと変わらない。
些細なテキストの違いと思ってしまうプレイヤーも少なくないだろう。
該当カードは極めて少ないため暗記しても良いが、相手から説明を求められた際にはしっかりと説明できるよう、上記の理屈を理解しておくのが望ましい。
+
| | 上記の挙動が可能なカード一覧(情報提供・追記求む)
|
|
その他
- 片方のカードタイプを指す際、俗に「クリーチャー面」「呪文面」と書かれることが多い。しかし、デュエマには両面カードというものが存在しており、混乱を避けるためか、公式サイトでは一貫して「クリーチャー側」「呪文側」と表記される。
- 日本語的には「面」に「一面を持つ」「側面がある」など、物理的ではない面の意味もあるため、「クリーチャー面」が間違っているというわけではない。
- 『デュエル・マスターズ 双極篇フルコンプリートBOOK』ではクリーチャー側を「上段」、呪文側を「下段」と呼んでいる。
- 十王篇で一旦、通常弾でツインパクトが収録されることは終了した。これはツインパクトが二つの特性を持つがゆえに複雑化しやすいことから、新規層取り込みに難があると考えられたものと思われる。
一方で、特別拡張パックや一部の構築済みデッキでは新規ツインパクトの収録が続けられていた。
- 両方の特性を参照できるという性質は、実はサイキックや禁断のような両面カードのルールとほぼ変わらない。しかしそれらはバトルゾーン以外の場所で参照することがごく稀であったため、メインデッキに入るツインパクトの登場で改めてそのルールが問われた。
- クリーチャーと別カードの特性を併せ持つカードはWizards of the CoastのMagic:The Gatheringや他のTCGでも見られる。呪文としても使える汎用性を持たせる点は「遊戯王OCG」の「ペンデュラムモンスター」や「Battle Spirits」の「アクセル」、クリーチャーの必殺技のように見せるのは「バディファイト」の「必殺モンスター」の影響を受けていると思われる。
- 2種類のカードが1枚にまとまっているという点では、Magic:The Gatheringの「分割カード」の影響の受けていると考えられる。
- キャラクターの絵を斜めに挿入するというビジュアルは、格闘ゲームなどに見られる「カットイン」の演出からも影響を受けていると思われる。
- ツインパクトの呪文側を使用する際、便宜上カードを上下逆さまにしたり横向きにしたりして呪文側を使用したことを分かりやすくするケースがある。
- ツインパクトはシンプルな能力(テキスト)であることが少なくない。これは、もともと2枚分のカードの情報を1枚に収める都合上、長いテキストを入れるスペースの確保が難しいという事情があると思われる。
- ツインパクトのマスターカードは現時点で全てアニメ漫画の敵サイドのものであり、劇中の活躍でもジョーなどの味方側はツインパクトをそれ程使用しておらず、反対に敵やライバルサイドのキャラクターが多く使用している。この為敵味方両方に与えられたカードタイプであるにもかかわらず事実上敵側能力に近い扱いをされており、味方側の扱いは若干不遇気味である。
- 名前の由来は「ツイン(対)」+「インパクト(衝撃)」と思われるが、後に判明した背景ストーリーにより、「Twin(双子)」+「Pact(約束、誓い)」という意味もある事が判明した。
- 同時に「ツインパクト計画」という用語も登場している。詳細についてはアカシック計画の記事を参照。
ツインパクトの片側の名前が、他のツインパクトに完全一致しているもの
参考
公式Q&A
Q.《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》は《ディメンジョン・ゲート》で手札に加えることはできますか?
A.はい。できます。このカードはコスト9のクリーチャーであると同時にコスト10の呪文であるので、クリーチャーを探すことのできるカード、呪文を探すことのできるカード両方で参照することが可能です。
引用元
Q.呪文ではないカードを探す効果で、ツインパクトカードのクリーチャー側を探すことはできますか?
A.いいえ、ツインパクトカードはクリーチャーであり呪文なので、呪文ではないカードとして扱うことはできません。
引用元
Q.《ジョット・ガン・ジョラゴン Joe》で山札の上2枚を手札に加える時、《キング・ザ・スロットン7/7777777》が含まれていました。コストをいくつとして数えたらよいですか?
A.カードとして参照される時は、適正なカードタイプのうち好きな方を選ぶことができます。この場合コストは呪文側の3としてもクリーチャー側の7としても数えることができます。
引用元
Q.《時の秘術師 ミラクルスター》の効果で、墓地の《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》を手札に加える場合、このカードはコスト9あるいは10の好きな方として数えられますか?
A.いいえ、呪文を参照とする場合、呪文部分の情報のみを参照します。この場合10として数えます。
引用元
Q.《超奇天烈 ベガスダラー》の効果で相手は山札の上のカードを見せました。そのカードがコスト4以下のクリーチャーとコスト5以上の呪文の組み合わせのツインパクトカードだった場合どうなりますか?
A.そのカードはコスト5以上のコストを含むため、最初の「バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべて手札に戻す」効果を発動させます。コスト4以下のコストを含みますが、カードとして「コスト5以上のカードではない」として扱わないのでカードを2枚引くことはありません。
カードがどのカテゴリーに属するか否かを問う場合、ふたつのうちどちらかがカテゴリーに属していればそのカードとして扱います。
引用元
Q.《ヴォルグ・サンダー》の効果で相手の山札の上のカードを墓地に置いた時、ツインパクトカードでした。呪文として扱ってクリーチャーが墓地に落ちたことにしないことはできますか?
A.いいえ、ツインパクトカードがどのカテゴリーに属するか否かを問う場合、ふたつのうちどちらかがカテゴリーに属していればそのカードとして扱います。この場合、墓地に置かれたツインパクトカードはクリーチャーとしてカウントされます。
引用元
Q.《ブレイン珊瑚の仙樹》を唱えて、カードを3枚引いたら手札が7枚になりました。コスト8のクリーチャーとコスト3の呪文を併せ持つツインパクトカードを選んで、クリーチャー側を召喚することはできますか?
A.はい、選ぶ段階でカードとして手札枚数以下のコストを含んでいれば適正とみなされます。その後どちらの側を使うかプレイヤーの自由です。
引用元
Q.《S級不死 デッドダラー》で相手は山札の上のカードを墓地に置きました。それがツインパクトカードであった場合、コストを選ぶのは自分ですか?相手ですか?
A.二つ両方とも適正な特性を持つ場合、選択するのは効果の持ち主になります。この場合、デッドダラーを出した側のプレイヤーが、どちら側のコストを参照するかを選ぶことができます。
引用元
Q.《テック団の波壊Go!》の「バトルゾーンにある相手のコスト5以下のカードをすべて、持ち主の手札に戻す。」という効果で、クリーチャー側がコスト8、呪文側がコスト3である《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》を手札に戻すことができますか?
A.バトルゾーンにあるカードとして適正な状態はクリーチャーですので、クリーチャー側のコストの8のみを参照できます。この場合手札に戻すことはできません。
引用元
Q.《勝利宣言 鬼丸「覇」》で攻撃してガチンコ・ジャッジしました。相手がツインパクトカードを表にした場合、《勝利宣言 鬼丸「覇」》の持ち主は自分なので、自分がどちら側のコストか選ぶことができますか?
A.いいえ、ガチンコ・ジャッジは独立したルール処理で、カードを表にしてコストを決定するのはそれぞれのプレイヤーに責任があります。この場合、相手がめくったカードは相手がコストを決定することになります。
引用元
Q.《ナ・チュラルゴ・デンジャー/ナチュラル・トラップ》と《ナチュラル・トラップ》はこれはデッキ構築する時にはあわせて4枚までしか入れられないのですか?それともそれぞれ4枚ずつ入れられるのですか?
A.ツインパクトカードはカードとして数える時は二つの部分の合わさった名前を持つカードとみなします。仮に呪文部分が一緒でも、クリーチャー部分が名前に追加された別のカードとなりますのでそれぞれを別のカードとみなして4枚ずつデッキに入れることが可能です。
引用元
Q.《星龍パーフェクト・アース》などの効果でシールドゾーンにあるツインパクトカードが「S・トリガー」を得ている場合、クリーチャーと呪文どちらか選んで使う事ができますか?
A.カードまたはシールドカードを指定している場合、それぞれが「S・トリガー」を得ているので、クリーチャーと呪文どちらかを選んで使う事ができます。ただし、《天雷龍姫エリザベス》のようにカードタイプを指定して「S・トリガー」を与えている場合、そのカードタイプしか「S・トリガー」を得られません。
引用元
Q.自分のシールドゾーンから手札に加えられる「ブロッカー」を持つツインパクトクリーチャーの呪文側を、《電脳護聖ビョイト》の能力で「S・トリガー」呪文として唱えることはできますか?
A.はい、その「ブロッカー」を持つシールドカードは「S・トリガー」を得ていますので、呪文側を「S・トリガー」として唱えることができます。
引用元
Q.《ドラゴンズ・サイン》の効果で《メヂカラ・コバルト・カイザー/アイド・ワイズ・シャッター》をバトルゾーンに出せますか?
A.いいえ、出せません。《メヂカラ・コバルト・カイザー》自身は、水のドラゴンです。
引用元(2021.9.24)
Q.《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》の「出た時」の能力で、呪文側のコストが4の《メヂカラ・コバルト・カイザー/アイド・ワイズ・シャッター》を破壊できますか?
A.いいえ、破壊できません。バトルゾーンにクリーチャーとして存在しているツインパクトカードを選ぶ場合、クリーチャー側のコストを参照します。
引用元(2021.9.24)
Q. 《スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘》をバトルゾーンからマナゾーンに置く際、タップ状態で置かれますか?
A. いいえ、アンタップ状態でマナゾーンに置かれます。《スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘》は多色カードですが、クリーチャー側は単色です。バトルゾーンにある間は《スゴ腕プロジューサー》は単色のクリーチャーとして扱われていますので、マナゾーンに移動した際もアンタップ状態で置かれます。
引用元(2021.10.22)
Q.《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》の呪文側を唱えて、効果で相手の手札から《天地命動 バラギアラ/輪廻暴炎》を捨てられますか?
Aはい、選んで捨てさせることができます。≪輪廻暴炎≫がコスト3ですので、「コスト3以下のカード」として選べます。
引用元(2021.10.22)
Q.自分の《邪帝縫合王 ザ=デッドルナ》と《天地命動 バラギアラ/輪廻暴炎》がバトルゾーンにいる状況で、《天地命動 バラギアラ》の「輪廻∞」を使って呪文を唱える場合、支払うコストは2少なくなりますか?
A.いいえ、支払うコストは1だけ少なくなります。ツインパクトカードを使用する際、どちらを使うか決定してからマナコストを増減させる効果を適用します。
引用元(2022.02.18)
Q.自分の《邪帝縫合王 ザ=デッドルナ》がバトルゾーンにいる状況で《天地命動 バラギアラ/輪廻暴炎》をクリーチャー側で召喚する、もしくは呪文側で唱える場合、支払うコストは2少なくなりますか?
A.いいえ、支払うコストは1だけ少なくなります。《輪廻暴炎》は火文明のみを持つ呪文ですので、その分しか少なくなりません。
引用元(2022.02.18)
Q.《アカシック・ヴィジョン》の「自分のターン中、呪文またはタマシードを自分の山札の上から使ってもよい」の能力で、ツインパクトをクリーチャー側として召喚できますか?
A.いいえ、呪文側しか唱えられません。
引用元(2022.12.16)
Q.自分の《マジック・H・コレクター/♪マジソンを 集めて早し ストリーム》がバトルゾーンにいる状況です。
手札にある「S・バック:ツインパクト」を与えられたカードを「S・バック:ツインパクト」で使う場合、クリーチャー側と呪文側どちらを使うかを決めるのはいつですか?
A.「S・バック」の使用宣言をした時点で決定します。
例えばシールドゾーンから手札に加えるツインパクトカードを捨てて、「S・バック」を宣言する時に、どちらの面を使うかも指定する必要があります。
引用元(2023.6.23)
Q.《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》の「出た時」の能力で、墓地にある《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》を選び、《クリスタル・ドゥーム》側を唱えられますか?
A.いいえ、唱えられません。《サイバー・K・ウォズレック》の「出た時」の能力は、墓地からコスト3以下の呪文を選んだ後、それを唱えます。このように、カードタイプ(呪文、クリーチャーなど)が指定された効果でツインパクトカードの片側を選んでから唱える場合、実際に唱える際にも選んだ側の呪文しか唱えられません。この状況で唱えられるのは、選んだコスト3以下の呪文である《水晶の祈り》のみです。
引用元(2024.3.13)