月下旋壊(げっかせんかい) ド・リュミーズ》

月下旋壊 ド・リュミーズ R 水文明 (5)
呪文:ドルスザク
自分のマナゾーンにカードが4枚以上あり、そのうち少なくとも1枚が魔導具なら、コストを支払うかわりに魔導具を2枚自分の手札から捨てて、この呪文を唱えてもよい。
カードを3枚引く。
※殿堂入り

DMEX-17で登場したドルスザク呪文

魔導具を含む4枚以上のカードマナゾーンにあれば、代替コストとして魔導具を2枚手札から捨てて唱えられる。呪文能力は3ドロー

代替コスト唱えるとマナ消費無しで差し引き1ドロー(このカード自身を含めると±0)となり、手札交換のような使い勝手となる。一方代替コスト無しではディスカードがなくなり、《トリプル・ブレイン》相当[1]ドローソースとなる。

デッキビルディング上の制約こそあれど、マナを支払わずにアクションを起こせるのは強力で、このカードも例外ではない。
コストを支払って使う場合のパフォーマンスは高くないため、代替コスト唱えることを主軸に活用法を考えていくのが良いだろう。

ただし、行えるのは手札交換及び墓地肥やし程度であり、唱えるだけで直接アドバンテージを得られる訳ではない。
効果そのものは墓地を多用する魔導具と相性がよいが、デッキスロットが比較的厳しい魔導具主軸のデッキに、あくまでデッキの潤滑油でしかないこのカードを投入するかは疑問が残るところ。

「自分のマナゾーンにカードが4枚以上」という条件も、マナブーストを入れない【青魔導具】では基本4ターン目以降でないと達成できない。
しかもこの呪文は魔導具ではないため、《卍 新世壊 卍》のサポートにも、《ド・リュミーズ》の代替コストの種にも使えない。

そのため一般的な魔導具中心のデッキとは特段相性がいいわけではないが、「マナコストを払わずに呪文を唱えられる」点を活かした運用は考えられる。その点では【青単ムートピア】との相性が良いといえる。
また《罪無 ズゴブ垓/堕呪 バケドゥ》ムゲンクライムを持つため、この呪文代替コストで捨てつつ複数展開した《超宮兵 マノミ》《次元の嵐 スコーラー》タップして出す事ができる。墓地肥やしを活かして《魔導管理室 カリヤドネ》を詰めに召喚し、殿堂入りカード《「本日のラッキーナンバー!」》を墓地から再利用するのも悪くない。

サブタイプドルスザクを持つ呪文であるため、《卍 新世壊 卍》展開してあれば相手の呪文ロック無視して唱えられる。
反面コスト5以下の呪文であるため《∞龍 ゲンムエンペラー》バトルゾーンにあると効果そのものが無視されてしまうので注意。

そのまま使えば手札を増やすことはできないが、《堕魔 ヴァイプシュ》を捨てることで擬似的に手札補充としても使える。次に自分が呪文を唱えた時、《ヴァイプシュ》が自身の効果で手札に戻ってくるためである。

総じてピンポイントだが、替えのない能力を持ったカードである。

ルール

環境において

DMEX-17期のオリジナルのチャンピオンシップで、【青タッチ黒魔導具スコーラー】が3位入賞を果たした。
ドローソース魔導具を手札に集め、ノーコストで唱えられるこのカードを中心にして呪文のプレイ回数をストックするという型であり、入賞以降この型が流行することとなった。

この呪文をサーチするための魔導具には手札補充持ちのカードが多い事もあって、4ターン目からのこの呪文連打は比較的容易だった。
また、キーカードである《堕魔 ヴァイプシュ》が相手のハンデスに対するハズレ枠として機能し、代替コストメタであるハンデスが通用しづらかった。

ソリティアデッキの軸となり、しかもこのデッキ以外では使われず不健全な使い道が専らであったためか、2022年8月15日付で殿堂入り
登場から296日での殿堂入りは、1発プレミアム殿堂を除けば殿堂入り指定時点で《超七極 Gio/巨大設計図》と並んで史上9位タイのスピード記録。

代替コストによる0マナでの呪文使用と手札を整えつつ山札を減らし墓地の呪文を増やす性質がコンボデッキそのものの性質や《次元の嵐 スコーラー》および《魔導管理室 カリヤドネ》と非常に噛み合っており、このカードのせいで安全な4ターンキルがあまりに安定するようになってしまったため、順当な規制といえるだろう。

しばらく環境で見掛けなかったが、同年12月に入るとアドバンス【青魔導具】に実質0マナの手札交換として採用されるようになった。
魔導具ではないため《卍 新世壊 卍》の下に蓄えることはできないが、《神の試練》のための山札掘削には役立つ。【青黒魔導具】のスーパーサブに使われる場合もある。

一見無月の門99が起動しそうにない場面でも、これで《堕呪 ゾメンザン》を複数枚引けばそのまま勝ってしまうという事故のような勝ち筋もあった。

《神の試練》プレミアム殿堂後は《好詠音愛 クロカミ》型が主流になり《ゾメンザン》を積極採用する理由も薄くなったため、【青魔導具】では下火となった。【青黒魔導具】《堕∞魔 ヴォゲンム》で大量墓地肥やしして《絶望と反魂と滅殺の決断》でリソース化すればこれが無くとも十分勝てる。

【白青赤ゴスペル】にも稀に入る。

関連カード

収録セット

参考


[1] ただしこちらはドロー枚数を調整できない