(ゴッド)試練(しれん)

神の試練 VR 水文明 (5)
呪文
コストが同じカードが2枚出るまで、自分の山札の上からカードを表向きにする。
こうして自分の山札をすべて表向きにした場合、このターンの後に自分のターンを追加し、残りのゲーム中、自分の山札のカードが1枚もなくても、自分はゲームに負けない。
表向きにしたカードをすべて手札に加える。
※プレミアム殿堂

DMEX-15で登場した呪文

普通に唱えた場合は、最低2枚は山札が表向きにされ、それを手札に加えるドローソースとなる。
《ラトリエ・ロブション》と同様、あえてコストがバラバラな専用デッキを使えば、かなりの枚数を手札に加えることができるだろう。
そこまで極端に特化させずとも3〜6枚のドローは期待できる。ツインパクトが多めなデッキなら、よりドローできる枚数の期待値が上がる。

このカード最大の特徴は、この呪文で山札を空にできれば、1回の追加ターンを獲得し、永続的にライブラリアウト負けを無効化することだろう。

ルール

  • 山札をすべて表向きにできなければ、追加ターンも敗北回避も発生しない。対戦相手からのライブラリアウトメタになるドローソースとしては使えない。
    • 山札が0枚の状況で唱え、1つ目の効果で1枚も表向きにしなかった場合、2つ目の効果で「すべて表向きにした」として参照できないため、追加ターンは発生しない。表向きにする効果と表向きにしたかどうかを参照する効果が別の効果として区切られているためである。そのため、《超音速 ターボ3》などとは処理が異なる。
  • お互いがこの呪文で負けなくなっている状態の時に、お互いの山札が0枚になってお互いがドローゴー(ドローもしないが)しか自身のターンにできなくなった瞬間、そのゲームは決着がつかなくなってしまうが、この場合たいていの公式・公認大会では両者敗北になるだろう。お互い何もできない状態でターンを終了するしかない状態が続くのは、「お互いの意志では止めることのできない無限ループ」に当たり、この止めることができないループは競技ルールでは両者敗北と見なされると定められている。

即死コンボ

+  【青魔導具】
+  【5色ザーディクリカ】
+  《ア・ストラ・センサー》
+  殿堂入り以前

環境において

山札を削ることが勝利に直結する点では《水上第九院 シャコガイル》と同じ性質だが、そちらと比べるとコストが遥かに軽く、普通に手札補充としても利用価値がある点が優位点である。

殿堂入り前は2枚以上採用できたため、山札が削りきれないとわかりながら雑に唱えても大抵の場合は4枚程度ドローしてくれる優れ物であった。ツインパクトや山札の下にカードを戻す方式のサーチを重用するデッキでは5,6枚程度ドローできる場合も普通に起こり得る。

DMEX-15期にはこれを入れた【5色コントロール】オリジナルチャンピオンシップ準優勝を記録している。

普通の【5色コントロール】に入る《龍風混成 ザーディクリカ》《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》。これらのカードがあれば、コンボ構築専用カードを全く投入しなくともループで無限ターンを獲得できる。よって、コンボのために割かれがちなメインデッキ汎用性を下げずに済むこととなる。

DMSP-04期にはライブラリアウトループ型の【白青ギャラクシールド】でオリジナルのチャンピオンシップ優勝を果たした。

DMEX-16期にはリソース重量級マナドライブで山札を薄くしてからこれで追加ターンを得る型の【ダークネスコントロール】が一部で使われるようになった。同じ頃、《お清めシャラップ》による山札回復を活かして延々とこの呪文を唱える型の《砕慄接続 グレイトフル・ベン》《Disアイ・チョイス》不採用型の【5色ロマノフ】がチャンピオンシップ(オリジナル)4位以内入賞を果たした。

2021年8月下旬から9月にかけて公表されたリモートデュエマの非公認大規模大会予選の上位入賞構築である【5色コントロール】《“魔神轟怒”万軍投》との同時採用の形で見られるようになった。重量級マナドライブなどで山札を激しく掘削する《“魔神轟怒”万軍投》との相性は抜群。

DMEX-18期にはオリジナルでこれをフィニッシャー呪文として入れた【白青緑ギャラクシールド】が流行。

アドバンスではリソースマナドライブで山札を掘削する【4色万軍投】にも使われる。

DM22-EX1期には、《「無月」の頂 $スザーク$》を獲得した【青魔導具】【青黒ガル・ラガンザーク】にも採用されるようになった。山札の掘削速度とコントロール力が上昇した事により、このカードを使用できる程の余裕が作れるようになったのが理由である。

DM22-EX2期には系の【ヘブンズ・ゲート】での入賞も見られた。

2023年8月11日に殿堂入りした。【青魔導具】での活躍が考慮されたと思われる。

従来のデッキレシピでは1枚積みが多く、かつての《無双恐皇ガラムタ》同様影響は薄いと思われていた。
だが、殿堂入り後の環境変化で環境に進出した《堕∞魔 ヴォゲンム》軸の【青黒魔導具】では、これが1枚制限であることで《堕∞魔 ヴォゲンム》での大量墓地肥やしによって墓地に落ちるリスクが非常に高いため、結果的には殿堂入りによって多投できないことに意味が生まれたと言える。

しかしながら、1枚積みでもそのあまりの条件の緩さから、ループの核として【青黒魔導具】【4色万軍投】【ブレスラチェイン】を始めとするあらゆる山札掘削系デッキに使われ続けた。そのためか、2024年3月11日付でプレミアム殿堂に昇格。
《好詠音愛 クロカミ》《龍素記号wD サイクルペディア》の登場により、登場当初より1枚積みでもループがしやすくなっていたのも要因だろう。
一番大きかったのは5コストとフィニッシャー呪文として軽すぎで、マナを伸ばさないデッキであってもコントロールしてからループに入るのに丁度良すぎた点だろう。リペア《der'Zen Mondo/♪必殺で つわものどもが 夢の跡》はその点である程度調整されていると言える。

自分の山札をすべて表向きにする工夫

自分の山札が2枚または1枚の状態で唱える

これが現実的なやり方だろう。こうすれば、山札にあるカードのコストがなんであろうと、必ず条件を満たせる。

《黒神龍エンド・オブ・ザ・ワールド》
山札固定山札圧縮で《神の試練》サポートができる。《お清めシャラップ》などの墓地利用メタには注意。
《オールサンライズ》
《エンド・オブ・ザ・ワールド》よりは不確実だが、こちらも大規模な山札圧縮ができる。
《インビンシブル・テクノロジー》
容易に山札を2枚以下にできるが、コスト13が問題となる。
ループさせる
【ナウ・オア・ネバーループ】の無限ドローなどで、山札を削っていく。ループであれば、ついでに《神の試練》を唱えるループも作りやすいだろう。
連発する
《かっ飛ばす者 ラカン》《龍装艦 チェンジザ/六奇怪の四 〜土を割る逆瀧〜》などでこの呪文を何度も唱える。
たとえ1回で引ききれなくても、2回や3回も唱えればすべて引く事は夢ではない。
《魔法特区 クジルマギカ》の様なアタックトリガーで踏み倒すのも手。
コントロールによる長期戦の過程で山札を削っていく
非現実的なやり方であるわけではないが、そこまでの長期戦に持ち込めるのであれば、もはや《水上第九院 シャコガイル》エクストラウィンを狙った方が手っ取り早いことが多い。
そのためこの手段が取られるのは、専ら【青魔導具】のようなあまりマナを溜めることがないコントロールデッキにおいてであることが多い。

極限までコストをばらけさせたデッキを作る

理論上不可能ではないが、非現実的なやり方。

コストをばらけさせるためには、ほぼハイランダー構築になる。《伝説の禁断 ドキンダムX GS》《夢幻の無》といった超大型のカードも駆使し、一発でカードを引き切る。
DM23-EX3時点では捲れる最大数は27枚になる[1][2]
ゲーム開始時に山札に入る事の無い《禁断〜封印されしX〜》《禁断〜目醒めの刻〜》もコスト被りが生じにくくなるので有用。しかし、デッキの基礎となるカードが殆ど積めず、序盤の動きが安定しないのは明らか。構築難度は高い。

一応《天使と悪魔の墳墓》と同じく、他のコスト5のカード1枚を追加で積んでもコスト被りの影響は出ない。

その他

  • このカードの登場に伴い、追加ターンのテキストが、「このターンの後にもう一度自分のターンを行う」から「このターンの後に自分のターンを追加する」というテキストに変更されることになった。
    • 追加ターンを得た時点で効果が完了済み、即ちこの呪文を唱えた後に《∞龍 ゲンムエンペラー》が出ても追加ターンが失効されないことを明確にするためのテキスト変更であると推察される。ただし、実際にこの呪文を唱えたターンに《∞龍 ゲンムエンペラー》が出ることはまずないため、この相互作用が明確になったのは登場から2年半後である。
    • このカードが登場したDMEX-15追加ターンを得るカードの大半が再録されたのはこのテキスト変更が原因かもしれない。
  • 継続的効果の継続期間に「残りのゲーム中」という表現が使われるのはこのカードが初である。
  • 「表向きにする」と「表向きにしたカードを手札に加える」が別の能力になっている。下手に1つの能力にまとめてしまうと、敗北回避が有効になる前に状況起因処理が割り込んでゲームに負けることになりかねないからだろう。
    • 余談だが、自身の別の能力の効果を参照しないと意味がない能力を持つカードは、他に《あたりポンの助》などがある。
  • 環境レベルのループコンボデッキを嫌うはず」[3]の公式が世に送り出したループコンボ用のカードということで効果判明時は波紋を呼んだ。
    • 結果としては先述の通り2023年8月11日に殿堂入りしたり、2024年3月11日にプレミアム殿堂にした為、開発の見通しが甘かったとも言える。

関連カード

フレーバーテキスト

収録セット

参考


公式Q&A

  • 1つ目の能力について

Q.自分は《神の試練》を唱えました。最初に表向きにしたカードがツインパクトカードである《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》だったのですが、どちらのコストを参照するか決定するのは次のカードを表向きにする前ですか?後ですか?
A.次のカードを表向きにする前です。《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》を表向きにした時点で、どちらのコストを参照するかを決めます。
また、別のカードを表向きにした後は、参照するコストを変えることはできません。(例えば、最初にクリーチャー側の2を参照すると決めて、次にコスト2のカードを表向きにした場合でも、《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》の参照コストを呪文側の5に変えることはできません)
引用元(2022.7.28)

Q.相手の《飛ベル津バサ「曲通風」》がバトルゾーンにいる状況で、自分は《神の試練》を唱えました。この時、処理はどうなりますか?
A.山札の上から1枚目を表向きにして、そのカードを手札に加えて処理を終了します。
引用元(2022.9.16)

  • 2つ目の能力について

Q.自分のターン中、自分は《神の試練》を唱えて追加ターンを得ました。
同じターン中、自分が《凶鬼98号 ガシャゴン/堕呪 ブラッドゥ》の呪文側を唱えて山札にカードを戻した後、《∞龍 ゲンムエンペラー》がバトルゾーンに出ました。
《神の試練》の効果が無視されますが、このターンの終わりに、自分は追加ターンを行えますか?
A.はい、追加ターンを行います。すでに得ている追加ターンは、それを与えた効果が無視されても失われません。
なお、《∞龍 ゲンムエンペラー》がいる間、《神の試練》の山札がなくなってもゲームに負けない効果は無視されるため、《∞龍 ゲンムエンペラー》がいる間に山札がなくなった場合はゲームに敗北します。
引用元(2023.11.17)


[1] 山札内に搭載できるカードのコストは0~21、25、71、99、∞の26種とコスト被りのいずれか1種であるため。
[2] また非常に高難易度かつ実用性が無いが、敗北回避の状況で《終焉の禁断 ドルマゲドンX》を山札に加えた場合は28枚となる。
[3] 緑単ループの規制GRクリーチャーの反省などから窺える。ただし【バラギアラループ】といったデザイナーズコンボループをリリースすることもあるため、嫌い一辺倒でもない。
[4] 《試練》(5)+《お清め》(3)+《センサー》(1)=9。ここに2.+3.もしくは4.のいずれかを行うために必要な最低マナは14。