氷柱と炎弧の決断(パーフェクト・コールドフレイム)

氷柱と炎弧の決断 VR 水/火文明 (3)
呪文
自分の墓地に呪文が2枚以上あれば、自分のシールドゾーンにあるこの呪文に「S・トリガー」を与える。
次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
▶相手のクリーチャーを1体選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
▶自分の手札を1枚捨て、カードを2枚引く。
▶コスト2以下のエレメントを1つ、自分の手札から出す。

DM23-RP4で登場した/パーフェクト呪文

攻撃もブロックもできない状態で防御札あるいはプレイヤーへの攻撃の障害の排除、手札交換、コスト2以下のエレメントの踏み倒し、これらの内から合計2回選べる。
自分の墓地に2枚以上呪文があればシールドゾーンにある間とシールドチェック時にS・トリガー持ちとして扱う。

基本的な使い方は、以下の2種。

1. 合計2ディスカード、4ドロー
《パンドラの記憶》《超次元の王家》の2枚コンボと比較したら、山札を掘れる枚数が1枚少ないが、逆に言えば1枚完結で2枚コンボにわずかに劣る程度の山札掘削が行える。先に捨ててから引くタイプは墓地に落とすカードの選択が難しいことが多いが、モードによって2回に分けて1枚捨てを実施するため、手札の質を維持しやすい他、《夜露死苦 キャロル》とのシナジーもある。
2. S・トリガーで2体止める防御札
無条件のS・トリガー呪文ではないが、《知識と流転と時空の決断》の半分という非常に達成しやすい要求で防御札になる。このカードの2体止めの動きと同等のカードには《泡星都市 バブラブル》があるが、そちらと比べてシールドに埋まっておらず山札から引いてしまった場合の腐りづらさは《氷柱と炎弧の決断》のほうが断然上。
ただし、複数回の単体選択であるため、《同期の妖精》にすべて吸われてしまうのは玉に瑕。

そして、特にプリン効果手札交換も必要ない場面ではコスト2以下のエレメント踏み倒しに割り当てることができて無駄がない。
流石に手打ちで踏み倒し目当てで唱えるのは《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の出力から一段も二段も劣るが、S・トリガーのプリン効果で1体だけ止めれば延命できる場面など、おまけ感覚でエレメントを出せるのはありがたい。

S・トリガー経由で相手ターン中にクリーチャーを出せていれば、《ボン・キゴマイム》《巨魔天 アオフェシー》といった、出たターン中の攻撃をロックする効果が自分のターンには終了している。

「自分の手札から出す」は強制効果だが、非公開ゾーンの裁定で自分の手札に出せる対象があっても出さずに効果を終了することが可能。残り山札が少なく、選ぶ効果が「相手が選んだ時」や「相手のかわりに自分が選ぶ」場面で使いづらいとき、実質的にパーフェクト呪文の2回選択を1回選択に縮小させて運用することができる。(実質的にどの効果も使わないこともできるが、どの効果も使わないなら唱えるはずがないと仮定してある。)

当然、自分のメインステップに唱えて攻撃もブロックもできない状態にするのも良い。【青赤マジック】では予め立っていたブロッカーを無力化して《芸魔王将 カクメイジン》の「各ブレイクの前に」のサポートに使える。

ルール

モードの選択を2回行ってからその選択した能力の解決に入る。なので、1回目の能力を選んでそれを解決してから、2回目の能力を選んでそれを解決するということはできない。モードの選択は、呪文を唱える段階で全て行うのがルール。

  • ドロー効果で引いたクリーチャーを即踏み倒すことは可能だが、踏み倒したいカードが引けなかった場合でも2回目の能力をドローに切り替えるようなことはできない。

環境において

発売前は、基盤で《芸魔隠狐 カラクリバーシ》《芸魔王将 カクメイジン》の多色8枚が確定枠だった【青赤マジック】での採用には多色事故が懸念されたが、発売後に蓋を開けてみればこのカードを4枚採用しても回るように構築レベルとプレイングレベルでデッキが再編成された。

1ターン目にかさばった水/火の多色を埋め、2ターン目に各種コスト2水マジック・クリーチャーを召喚し、3ターン目に《氷柱と炎弧の決断》を唱えてゲームメイクする枠として使われる。
このカードの登場までほぼ確定枠だった《ストリーミング・シェイパー》と違い、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》の攻撃後のアンタップ要員となる《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を手札に引きこめるようになったため、3ターン目の《芸魔王将 カクメイジン》への革命チェンジの安定度が上がった。クリーチャーの墓地回収リアニメイト手段のない【青赤マジック】では、《単騎連射 マグナム》が落ちないのも大きい。

ディスカードしたカードも呪文であれば、《芸魔王将 カクメイジン》の効果で墓地から唱えられるため、【青赤マジック】ではほぼ3コスト4ドローに近い破格のスペックとなる。

受け、リソース、突破力というデッキ内で改善の余地があった3点を完全なものとした。また、それなりに膠着しやすかった【青赤マジック】はこのカード1種類の存在で高い3ターンキルの再現性を手にした。

【白青赤ライオネル.Star】に5枚目以降の《T・T・T》感覚で採用された事例も見られた。

【クイーンサイクル】手札交換重視で1枚積みされる場合もあった。

【赤青アポロヌス】にもパーツ補充用に使われる場合があるが、マナがタイトなので2枚程度の採用に抑えるパターンがメイン。

基本的には3コスト4ドロー2ディスカードという山札掘削力を買われての採用が多い。また、《ボン・キゴマイム》で足止めしてからこれでまた足止めする動きも強力で、【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】も展開次第では十分止まる。また、打点形成手段としては《瞬閃と疾駆と双撃の決断》と合わせて最大8枚体制にできるようになったのが大きく、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》が手札に足りない時の打点形成手段としても使われることがある。

ソリティア墓地利用などによって連打すれば手札には困らないため、次第に《卯年の園上者 アルラパン》《強瀾怒闘 キューブリック》といった手札を酷使するため最初は敬遠されていたカードが再評価されるようになった。

アドバンスではディスカードシナジーから【4色万軍投】の確定枠になった。2コスト自壊クリーチャーの呼び出し手段として《有象夢造》と同時採用する型も見られるように。

他のカード・デッキとの相性

サイクル

DMRP-22以降に登場した多色パーフェクト呪文サイクル。自己コスト軽減またはコスト踏み倒し能力を持つ。

関連カード

収録セット

参考