BAKUOOON(バクオーン)・ミッツァイル》

BAKUOOON・ミッツァイル SR 火文明 (9)
クリーチャー:ビートジョッキー/ワンダフォース 9000
このクリーチャーを召喚する時、自分のクリーチャーを好きな数破壊してもよい。こうして破壊したクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、このクリーチャーを召喚する時に破壊されたクリーチャー1体につき、GR召喚する。
自分のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
※殿堂入り

DMRP-09で登場したビートジョッキー/ワンダフォース

素のコストが9と重いが、召喚する時に自分のクリーチャーを破壊することで、1体につき2のコスト軽減が可能。
つまり4体破壊すれば1コストで召喚することが可能。
さらに召喚する時に破壊されたクリーチャー1体につきGR召喚する能力と、すべてのクリーチャーにスピードアタッカーを与える能力を持つ。

破壊するクリーチャーとGR召喚されるクリーチャーの価値は等価ではないものの、数の上でのフィールドアドバンテージで考えれば1体も損をせずコスト軽減できることになる。さらにpigcipが使えるので利益を出しつつコスト軽減できてしまうこともある。

ウィニーを順当に並べていけば、3、4ターン目にはわずか1コストでこのクリーチャーが出せるようになり、即死打点を形成できる。一度に多くのGRクリーチャーを呼び出せるので、ランダム性の高いGR召喚であるが目当てのクリーチャーを呼びやすい。

ビートジョッキー/ワンダフォースの戦略の「自壊によるGR召喚」との相性は抜群で、より多くGR召喚が行えるようになる。

自分のクリーチャーをタップする能力を持ったカードとも相性がいい。自分のクリーチャーを何体タップしようが、このクリーチャーでそれらを破壊することで超GRからアンタップしているクリーチャーを用意できる。同様に相手の《Dの牢閣 メメント守神宮》Dスイッチや、フリーズプリン効果にも強い。

総じて、非常に高い爆発力を持った攻撃的なクリーチャーと言えるだろう。

ルール

  • 1番目の能力(コスト軽減)は、破壊対象にしたクリーチャー1体につき召喚コストを2減らすことができる。対象になったクリーチャーが実際にどう処理されるかは関係ない。
    • これは、クリーチャーを破壊する能力と、コスト軽減する能力を、一連の効果として処理することによる。
    • この能力は置換効果ではないので、「破壊されない」「離れない」クリーチャーを破壊対象にできる。
    • コスト軽減持ちクリーチャーを破壊対象にした場合、そのクリーチャーのコスト軽減は適用できる。
    • 破壊対象になった結果、バトルゾーンを離れたクリーチャーが「クリーチャーが出た時」「クリーチャーを召喚した時」の能力を持っていた場合、それらは誘発しない。
    • 何らかのカードの効果でこのクリーチャーをコストを支払わずに召喚する場合は、コスト計算を行わないため、この能力は使えない。よって、クリーチャーを破壊することもない。
      • これは裁定によって定義されたものであり、総合ルールには記載がない特殊なルールである。
        総合ルールではそもそも「コストを支払わない」という処理が明確に定義されておらず、他の類似したカードでもコスト計算しないかは不明である。
    • コスト軽減効果を使用したとしてもマナゾーンのカードの枚数が足りないような状況では、召喚宣言自体が出来ない。もちろん、クリーチャーを破壊することもできない。
      • マナゾーンのカードが残り1枚しかない状況で召喚する場合、必ず自分のクリーチャーを4体以上破壊する必要がある。
  • 2番目の能力(GR召喚)は、1番目の能力によって実際に破壊され、墓地に置かれたクリーチャーの数を参照する。置換効果などによって異なる処理を行ったクリーチャーは数えない。(1番目の能力で)破壊するかわりに(自身の能力で)破壊するセイバーなども同様。
    • これは、クリーチャーを破壊する能力と、GR召喚する能力が、一連の効果ではなく、それぞれ別個の効果として処理することによる。
      2021/10/22の裁定変更によって「破壊した」と「破壊された」の処理が統一されたが、このクリーチャーにおいては、この理由により、それ以前と処理は変わらない。

環境において

登場してすぐに「DMGP-8th」でDay2(殿堂レギュレーション)で【メタリカミッツァイル】(当時は【赤白ミッツァイル】と呼ばれていた)が優勝したことで一躍有名になった。しかし、この頃のGRクリーチャーはバニラ準バニラ、もしくはそれに近いスペックのカードばかりであったこと、同じ色でより速くて安定した【赤白“轟轟轟”ブランド】が存在したことから、「強力なデッキの一つ」という程度の評価が多かった。

DMSD-10期になると、専用構築よりも【赤白“轟轟轟”ブランド】における中盤以降のエースカード、またはS・トリガーで唱えたGR召喚呪文を起点に召喚できるカウンター手段として採用され始めた。ただ、コスト軽減の際にメタクリーチャー破壊してしまうため、召喚した後にカウンター札で凌がれると返しのターンに相手に動かれる恐れもあるという欠点もあった。

《“轟轟轟”ブランド》殿堂入りすると【赤白“轟轟轟”ブランド】は消滅。かわりにそちらの基盤を継いだ、【メタリカミッツァイル】とは異なる【赤白ミッツァイル】が注目された。

その後、DMEX-06期からはジョーカーズを使った【赤緑ジョーカーズミッツァイル】が注目され、超天篇環境のトップメタの一角となった。豊富なGR召喚持ちのクリーチャーで大量展開し、《夢のジョー星》アドバンテージを稼ぎ、タップしたクリーチャーをこのカードで破壊することで、大量の打点を用意できる。最速で4ターンに《ジョジョジョ・マキシマム》G・ゼロを達成することも可能である。

同時期に【赤白ミッツァイル】《S級原始 サンマックス》を採用した【赤白サンマックス】も成立している。

DMBD-09DMBD-10期には【青黒緑デッドダムド】が登場したことで再び環境入りした【赤単ブランド】でも採用されていた。

ミッツァイル・マスターズの到来

DMRP-11にて、マナドライブ6を持つ重量級のGRクリーチャーが登場すると、それらを使い回して膨大なアドバンテージを稼ぐ【青赤緑ミッツァイル】【4色ミッツァイル】が成立する。こちらは対応力が高く隙の少ないデッキであり、以降は超天篇環境トップメタになり、環境を一気に荒らしていくようになる。

DMEX-07にて【赤青ジョーカーズミッツァイル】環境入り。メタに対して脆弱ではあるが安定して4ターン前後で安全にフィニッシュできる、所謂アンフェアデッキであるため、こちらもトップメタへと昇り詰める。

この時期になると速攻ループコントロールビッグマナといったあらゆるデッキで採用され、【ミッツァイル】対策に【ミッツァイル】を選択するプレイヤーも多く、CSでも全体の半数以上がこのカードをデッキに投入していたということもザラにあった。【赤青ミッツァイル】→【青赤緑ミッツァイル】→【赤白ミッツァイル】→【赤青ミッツァイル】のようにトップメタの【ミッツァイル】同士で三すくみが成立していたのは長いデュエマ史の中でもかなり異様な光景であった。その圧倒的な支配率はかつての《無双竜機ボルバルザーク》を想起させ、一部のプレイヤーからは「ミッツァイル・マスターズ」と呼ばれるほどだった。

これほどまでに環境を支配した理由は、このカードの登場時に比べてマナドライブなど強力な能力を持ったGRクリーチャーが次々登場し相対的にこのカードの性能も凶悪になったことと、有効なメタが限られておりそれらもこのカードが同型対策に取り込んでしまっていることが挙げられる。

『デュエル・マスターズ全国大会2019』店舗予選では《DROROOON・バックラスター》と共に【青黒GRハンデス】に投入されるケースまで見られた。『デュエル・マスターズ全国大会2019』エリア代表戦でも2ブロック環境を一色に染め上げており、例として九州大会Bブロックではベスト16進出者中11人が使用していた。

そして2020年1月1日付けで殿堂入りが決定。登場から殿堂入りまでの日数は277日。ゲーム開始時にバトルゾーンに存在出来るカードを除き、登場から1年足らずで殿堂入りしたのはこのカードが8例目。これより早く殿堂入りした前例はゲーム開始時にバトルゾーンに存在出来るカードを除けば、《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》の275日、《暴龍警報》の268日のみである。ワンダフォースGR召喚関連のカードとしてはゲーム開始時にバトルゾーンに存在出来るカードを除けば初の殿堂入り。デュエル・マスターズ全国大会2019 エリア代表決定戦参加賞のプロモーション・カードとしてこのカードが配布されたばかりにもかかわらず殿堂入りに指定された辺り、このカードが規制される運命は火を見るより明らかであったと言える。

日数としては10ヶ月に満たず、マナドライブの充実したDMRP-11期からわずか3か月後に殿堂入りしたため、期間だけで言えば1年以上環境を踏み荒らしていた《無双竜機ボルバルザーク》《蒼き団長 ドギラゴン剣》と比べればまだ印象は薄い。

ミッツァイル・マスターズの終焉

殿堂入り直後、【メルゲドッカンデイヤー】が消滅した《MEGATOON・ドッカンデイヤー》と手を組み、新たに誕生した【ドッカンデイヤーミッツァイル】で活躍し、【バーンメアジョーカーズ】でもたまに採用されていたため、環境にしぶとく生き残った。後に登場した【4色ドッカンデイヤー】では、初めはこのカードが確定で投入されていた(【4色ドッカンデイヤーミッツァイル】)が、その後このカードがなくても十分デッキが回ることから必ずしも投入されるとは限らなくなった。

十王篇では《暗黒鎧 ザロスト》《暗黒鎧 ダースシスK》を優秀なGRクリーチャーに変換できる上に、《破壊の儀》の達成に役立つことから【零龍墓地ソース】のサブフィニッシャー候補になったほか、1枚制限のハンデを大量ドローによって克服できることから【オボロティガウォック】フィニッシャーとしても使われている。

2021年8月下旬から9月にかけて公表されたリモートデュエマの非公認大規模大会予選の上位入賞構築である【5色コントロール】に見られるようになった。実際の対戦上は《“魔神轟怒”万軍投》の詠唱を繰り返した後、リソース確保により手札に引っ張り込んだ《メガ・マナロック・ドラゴン》の疑似ランデスをこのクリーチャーでおかわりして雑にワンショットするという場面が目立った。デッキには除去ハンデスも多いため、ワンショットの際に相手クリーチャーが1体もいないという《メガ・マナロック・ドラゴン》の疑似ランデスを使う上で理想的と呼べる盤面が整っているケースもざら。

【我我我ブランド】に関しては最初は《とこしえの超人》が流行していたためあまり採用されていなかったが、徐々に採用されるケースが増え、DMEX-18期には【我我我ブランド】の標準装備となった。盤面を貯めてから終盤にこれでの大量GR召喚によって単体でスピードアタッカーを持つクリーチャーを並べればワンショットしていても1枚や2枚の単体除去S・トリガーG・ストライクにはぐらつかなくなるのが美味しい。

ところが【絶望神サガループ】が環境に進出すると、《とこしえの超人》などの手札以外メタが溢れ返り、【4色万軍投】【オボロティガウォック】などの相性の良いリソース系デッキでも採用を見送られることが増えた。【絶望神サガループ】消滅後も他のGR召喚手段やフィニッシャーで事足りる場合が目立つように。

その他

  • このカードが4枚使えた頃は、大量展開するデッキにありがちな全体除去に弱い点も各種のロックで封じられるだけでなく、それらを確保出来ない場合も高コスト・高パワーのこのカードを複数体並べればある程度ケアすることが可能な点も凶悪だった。また強さだけでなく、対戦環境目線で見た不健全さも指摘されていた。ソリティアによって1ターンが長くなることが多く、低速のデッキ環境から排除してしまうほどの速度も併せ持つことから、ゲーム開始から、このカードが着地するまでの時間よりもループしている時間の方が遥かに長くなり、負けた方はほとんど何もしていないのに相手がループするのをひたすら見るだけで終わってしまうことも多い。
  • 登場した年のWINNERカードに指定され、なおかつ登場から1年未満で殿堂入りしたのはこのカードが初めて。
  • 開発部の射場本氏のTwitterアカウントにて、開発中のテキストが公開されている。→参考
    開発段階では「マルチブランド」というカード名が使用されており、《“罰怒”ブランド》の派生カードとしてデザインされていた事が窺える。
    マルチブランド 火文明 (7)→(9)
    クリーチャー:ビートジョッキー 9000→12000
    スピードアタッカー
    W・ブレイカー
    このクリーチャーを召喚する時、自分のクリーチャーを好きな数破壊してもよい。こうして破壊したクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
    このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、このターン破壊されたクリーチャーの数だけトークンを超召喚する。
    スピードアタッカー付与は無かったもののコストが7で、超召喚(GR召喚)する回数が「そのターンに破壊されたクリーチャーの数」だった。
    この段階でも強すぎたためか、テストプレイの途中でコストが7から9に変更され、それに伴いパワーが上げられた跡がある。
  • アニメ「デュエル・マスターズ!!」ではボルツの切り札の一つとして使用。声優は真木駿一氏。

関連カード

収録セット

参考


公式Q&A

  • 1つ目の能力について

Q.《BAKUOOON・ミッツァイル》の最初の能力で破壊した自分のクリーチャーの中に、「このクリーチャーが破壊された時」という能力を持つクリーチャーがいました。その能力をすぐ使ってもよいですか?
A.いいえ、まずこのクリーチャーの召喚を終わらせてから、能力を使ってください。このクリーチャーの持つGR召喚の能力とどちらを先に使うかは選ぶことができます。
引用元(2019.7.2)

Q.《BAKUOOON・ミッツァイル》の最初の能力で、破壊したクリーチャーの数だけコストを少なくしても召喚するマナが足りない場合でも、自分のクリーチャーを破壊だけすることはできますか?
A.いいえ、自分のクリーチャーを破壊できるのは最終的にこのクリーチャーを正しく召喚できる時だけです。
引用元(2019.7.2)

Q.2番目のQ&Aの「正しく召喚できる」とは何ですか?「このクリーチャーを召喚する時」というのは、自分のクリーチャーを破壊しなくても召喚可能なマナ(9マナ)がある時だけ使える能力ということですか?
A.いいえ、召喚とは召喚を宣言してコスト軽減を適用してバトルゾーンに出すという一連のプロセスです。コスト軽減を適用しても召喚するに必要なマナを確保できない場合召喚を宣言できないということになります。
引用元(2019.7.2)

Q.《バングリッドX7》のクリーチャーを1体マナゾーンから召喚できる能力で、《BAKUOOON・ミッツァイル》をマナゾーンから召喚しようとした時、召喚する時の能力で《バングリッドX7》を破壊したら《BAKUOOON・ミッツァイル》は召喚できますか?
A.はい、できます。すでに召喚は始まっているので、途中で《バングリッドX7》がいなくなっても召喚が中止になることはありません。
引用元(2019.9.30)

Q.《超神星ビッグバン・アナスタシス》の能力でコストを支払わずに《BAKUOOON・ミッツァイル》を召喚する時、《BAKUOOON・ミッツァイル》の能力を使ってクリーチャーを破壊することができますか?
A.いいえ、できません。コストを支払わずに召喚する際には、《BAKUOOON・ミッツァイル》のコストを少なくする能力は使えません。
引用元(2020.2.26)

+  類似裁定(2020.11.13)

Q.自分の《BAKUOOON・ミッツァイル》を召喚する時、自分の《追憶人形ラビリピト》を破壊しました。この《追憶人形ラビリピト》の「召喚した時」の能力はトリガーしますか?
A.いいえ、トリガーしません。《追憶人形ラビリピト》を破壊してから《BAKUOOON・ミッツァイル》がバトルゾーンに出ます。

+  (総合ルール 601)

引用元(2021.2.5)

Q.《BAKUOOON・ミッツァイル》を召喚する時、自分のクリーチャーを2体破壊しました。この際、破壊したクリーチャーの内1体が「エスケープ」などでバトルゾーンに残った場合、GR召喚は何回行われますか?
A.1回です。別の効果で破壊したクリーチャーを数える場合や、「このターン中に破壊されたクリーチャー」を数える場合、実際に破壊されたクリーチャーのみを数えます。召喚する時に実際に破壊されたクリーチャーは1体だけなので、GR召喚も1回のみ行います。
引用元(2021.10.22)

Q.《BAKUOOON・ミッツァイル》を召喚する時、自分のクリーチャーを2体破壊しました。この際、破壊したクリーチャーの内1体が「エスケープ」などでバトルゾーンに残った場合、《BAKUOOON・ミッツァイル》の召喚コストはいくつになりますか?
A.5コストになります。一連の効果の中でクリーチャーを破壊し、それにより破壊したクリーチャーを参照する場合は、そのクリーチャーが実際には破壊されなかった場合でも、破壊されたものとして処理を行います。
引用元(2021.10.22)

Q.《邪帝縫合王 ザ=デッドルナ》の「攻撃の終わりに」の能力で《BAKUOOON・ミッツァイル》を召喚する場合、その《BAKUOOON・ミッツァイル》の「召喚する時」の能力で自分のクリーチャー好きな数破壊できますか?
A.はい、好きな数破壊できます。破壊された数、GR召喚も行えます。
引用元(2022.02.18)

Q.自分の《極楽鳥》と他に3体のクリーチャーがバトルゾーンにいる状況です。自分は《極楽鳥》をタップして1コスト支払い、その《極楽鳥》を含むクリーチャー4体を破壊して《BAKUOOON・ミッツァイル》を召喚できますか?
A.はい、召喚できます。

+  総合ルール 601.1d 601.1e 601.1f

引用元(2022.9.28)