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鼓動する石版 C 自然文明 (2) |
呪文 |
自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。そのカードがクリーチャーなら、このターン、自分のクリーチャーすべてのパワーを+2000する。 |
DM-28で登場した自然の呪文。
マナブーストに条件付きのパンプアップがついた呪文。
2コストで山札の上からマナブーストするカードとしては《フェアリー・ライフ》に続き2種類目。
何より5枚目の《フェアリー・ライフ》としての存在意義が大きく、合わせて最大8枚積めることでかなり安定して2ターン目にマナブースト出来るようになった。3ターン目に手札に負荷を掛けずに4コストのカードを使いたいデッキにとっては、非常に大きな進展である。
この影響は初動だけでなく、2ターン目マナブースト→3ターン目2マナブースト→4ターン7マナ目達成(最速《ロスト・ソウル》)の再現性を高めたり、2ターン目マナブースト→3ターン目マナブースト+《エナジー・ライト》によって手札補充によるテンポロスを抑えたりなど、【ターボ】がより素早く、あるいは多彩なムーブを取ることが可能になった。
おまけのようについているパンプアップも有用性が高く、思わぬ殴り返しを可能にしたり、ブロッカーを乗り越えるのに役立ったり、《威牙の幻ハンゾウ》のパワー低下を耐えたり、《地獄スクラッパー》による盤面崩壊を防いだりなど、要所で良い働きをしてくれる。+2000という値と味方全体である所がミソ。
ただし要所で不発することも多々あるため、あまり当てに出来るものでもない。ハンデス避けや墳墓避けに握っていたマナブーストがパンプアップ手段になることがある、程度の認識でいいだろう。
《フェアリー・ライフ》と比較した場合、そちらがS・トリガーによって受けが強いのに対し、こちらはパンプアップによって攻めに貢献できる。
S・トリガーもパンプアップも条件によっては役に立たないのは同じであるが、S・トリガーマナブーストの有用性と比較すると、不発する可能性のあるパンプアップを活かせる場面はどうしても限られる。一概な優劣関係はないものの、特別な理由がないのなら《フェアリー・ライフ》を優先していいだろう。
DM-34では3種類目の「2コストで山札の上からマナブーストするカード」として《時空の庭園》が登場した。
そちらの付随する効果も限定的な用途にしか使えないため、同じく5枚目以降の、あるいは9枚目以降の《フェアリー・ライフ》という認識でよい。
以降《霞み妖精ジャスミン》をはじめとして続々と「2コストで山札の上からマナブーストするカード」が登場しており、《フェアリー・ライフ》も確定枠では無くなった現在においては5枚目の《フェアリー・ライフ》としての存在意義も消失している。
反面で多様化が進んだことにより、単色であること、呪文であることなど、当たり前だったことが個性になっている点もある。
カードパワーや汎用性で後世のカードに見劣りするのは仕方ないが、初動のマナブーストの枠はまだ潰しが効くため、《鼓動する石板》がニッチな需要に応えられる可能性は十分にある。
それらの中でパンプアップを付与出来るのは《鼓動する石板》だけであるため、今後はパンプアップを使った運用の開拓やシナジーの広がりに期待したい。
パンプアップ発動を視野に入れて採用する場合、《鼓動する石板》自体がパンプアップ発動を阻害する点には気をつけたい。
《霞み妖精ジャスミン》などクリーチャーの同類もいくつか存在するため、デッキのクリーチャー比率と相談して枚数調整すると良いだろう。
戦国編では【シノビドルゲーザ】の初動として採用された。シンパシー元の《西南の超人》、《土隠雲の超人》、《スペース・クロウラー》らはいづれも4コストであり、2ターン目にマナブーストする意義の大きいデッキの典型であった。【速攻】相手にはニンジャ・ストライクを発動できるマナを素早く貯めるのに役立ち、コントロール相手には最速《ソウル・アドバンテージ》(《ロスト・ソウル》)または《英知と追撃の宝剣》の構えをとることもあった。
パンプアップもミラーマッチの《剛撃戦攻ドルゲーザ》への殴り返しに使えたのは勿論、《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》などパワー9000相手の上を取るのに重宝された。
また、シンプルに横並びするためにパンプアップの恩恵が大きく、ブレイクの際に《西南の超人》と《土隠雲の超人》を《地獄スクラッパー》に巻き込まれにくくする上でも役立った。
神化編やエピソード1では【エンペラー・キリコ】のマナブーストとして採用された。《フェアリー・ライフ》と《神秘の宝箱》を採用した上での《鼓動する石板》採用であり、《再誕の社》も合わせればデッキの1/4以上が軽量マナブースト呪文で構成されるのも珍しくなかった。【エンペラー・キリコ】では下手にブロッカーやシノビを採用できないため、いくら除去S・トリガーを積もうともスピードアタッカーには無力であり、【速攻】に勝つには先に《エンペラー・キリコ》を叩きつけるほかなかった。
逆に言えばワンショットで速攻を相手する時は、下手に除去S・トリガーを積むよりも軽量マナブーストを詰んでテンポを上げたほうが勝利に貢献できる良い例とも言える。そういう意味でも2コストのマナブーストのバリエーションが増えた意義は大きい。
エピソード1では【黒緑超次元】で3ターン目に《解体人形ジェニー》または《マナ・クライシス》を使うための初動として採用された。この頃には《霞み妖精ジャスミン》が登場していたものの、初動のマナブーストが8枚だと引けないことがままあったために《鼓動する石板》が1枚積みされるに至った。
【黒緑超次元】は呪文が多くパンプアップはあまり当てにならなかったが、発動すれば《勝利のリュウセイ・カイザー》や《希望の親衛隊ファンク》で《超電磁コスモ・セブ Λ》や《爆竜 GENJI・XX》のパワー7000を一方的に殴り倒せたため、活躍する機会が全くない訳ではなかった。
2012年全国大会「G-1(ガチンコワン)グランプリ」決勝トーナメントレギュラークラス・優勝を果たした【ミラクルとミステリーの扉】に1枚投入されていた。
「デュエル・マスターズ グランプリ-3rd」4位入賞を果たした【5色ジャックポット・エントリー】にピン挿しされている。
だが、山札からブーストする自然単色の初動2コストマナブーストが充実した新章デュエル・マスターズ以降はめったに見かけないカードとなっている。
しかし時は流れて超天篇環境では、【青赤緑ミッツァイル】で9枚目の初動ブーストとしてピン挿しされることが多くなる。このデッキはマナドライブ6の条件を達成させてから動きだす構築となっており、従って2→4→6のマナカーブを確実に達成することが必須となっているためである。しかしそれでも《イチゴッチ・タンク/レッツ・ゴイチゴ》が採用するプレイヤーも多い。この辺りは好みだろう。
呪文であるという点が幸いし、《Wave ウェイブ》から繋がる点が意外とユーティリティ。こういった点から《ジャスミン》を減らしてこちらを増量するプレイヤーも。
ただ、《ジョラゴン・オーバーロード》が登場すると、最大値の高さの違いから若干型落ち感が出てきた。
後により汎用性の高い《フェアリー・Re:ライフ》が登場。2マナブースト呪文としては独自性があまり無い事もあり、採用の機会はかなり少なくなった。一方、ツインパクト化した《韋駄天モー/鼓動する石版》は競合するカードの少なさもあり、未だ十分に活躍が見込める状況である。
Q.《デュエマの鬼!キクチ師範代》がバトルゾーンにいる状況で《鼓動する石版》を唱えました。どうなりますか?
類似例:《禁術のカルマ カレイコ》《DG 〜裁キノ刻〜》
A.結果的に、山札の上からカードをマナゾーンに置けず、クリーチャーのパワーは+2000されません。
《デュエマの鬼!キクチ師範代》の能力により、山札の一番上のカードをマナゾーンに置こうとした際、かわりに山札をシャッフルします。それが何のカードだったか確認することもできませんので、クリーチャーのパワーを+2000することもできません。
引用元(2022.1.14)