状況起因処理
状況起因処理とは、ゲーム中に特定の状況が発生した際に、カードの効果とは関係なしに発生する処理のこと。
要するに、ルール上の処理のこと。
状況起因処理はいくつかの種類があり、発生要因となる状況も処理の内容も様々である。
頻出のものは多くのルール解説に載っている。一方、発生条件が限られているものはカードに注釈文として書かれていたりする。
状況起因処理は他の呪文や能力の解決よりも優先して処理される。この点は常在型能力に近いが、あちらが継続的効果を生成する(一定期間ゲームの状態を変化させる)のに対して、状況起因処理はイベントを発生させるという違いがある。
発生原因としては「直近のイベントを参照するもの」「現在の状態を参照するもの」「その他のもの」がある。
このうち、その他に分類されるもの(下記一覧参照)は本家Magic:The Gatheringにおける状況起因処理の定義と異なる(分類が存在しない)ので注意。
現在の状態を参照する状況起因処理の中には該当の状態になった際、置換効果によって別の処理に置き換えられたり継続的効果で無視されることによって処理を行っても同じ状況のままである場合がある。
例)《インフィニティ・ドラゴン》がいる状態でドラゴンのパワーが0になる等
状況起因処理を行っても当該の状態が存在する場合、もう一度処理を行う。
何度行っても同じ状況のままである場合、選択肢のない無限ループに陥ってしまう。一部の処理には無限ループを阻止するために、無制限の置換効果が発生している場合には処理の発生を止めてゲームを続行するという例外裁定が出る場合がある。
例)《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》や《零龍》のパワーが0になる等
ルールによる状況起因処理一覧
デュエル・マスターズ総合ゲームルール Ver.1.8(2018/06/11)に基づく。
より詳細な裁定については、各項のリンク先も参照。
現在の状態を参照するもの
このタイプは、指定の状態にある時は常に処理が発生し続ける。総合ルールにて「〜になった〜は」と単一のイベントを指すような書き方がされているものでも同様。
- パワーが 0 以下のクリーチャーは破壊される。(703.4c)
- バトルゾーンにある単一のサイキック・セルおよびドラグハート・セルは、超次元ゾーンに置かれる。(703.4g)
- バトルゾーンにある適正なタイプを持たない表向きのカードは墓地に置かれる。(703.4j)
- バトルゾーンにある単一のウェポンは、超次元ゾーンに置かれる。(703.4l)
- 山札が 0 枚になったプレイヤーは、ゲームに敗北する。(703.4b)
- バトルゾーン以外のゾーンに置かれたサイキック・クリーチャーおよびドラグハートは、超次元ゾーンに置かれる。(804.4b)
直近のイベントを参照するもの
- シールドがない状態でダイレクトアタックを受け、攻撃先を変更できなかったプレイヤーはゲームに敗北する。(703.4a)
- バトルに負けたクリーチャーは破壊される。(703.4d)
- リンクしたゴッドの情報が不適正になった時、そのリンクは外れる。(703.4e)
- コマンドがバトルゾーンに出た時、そのコマンドの持ち主はそのコマンドと同じ文明を持つ封印の置かれているカードから、封印をひとつ墓地に置く。(703.4k)
- 要塞化されたシールドがシールドゾーンを離れた時、城は持ち主の墓地に置かれる。そのシールドの「S・トリガー」能力を使う場合は、使った後すぐに墓地に置かれる。(703.4m)
- 他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、先にバトルゾーンにあったD2フィールドは持ち主の墓地に置かれる。(703.4n)
その他のもの
- リンクしたゴッドがバトルゾーンを離れる場合、そのうちの 1 枚のみがバトルゾーンを離れる。(703.4f)
- 進化クリーチャーの上にあるカードのみがバトルゾーンを離れるとき、下にあるカードが再構築される。(703.4i)
- 退化、進化のページを参照。
- 進化クリーチャーだけでなく、進化クロスギアも同様の状況に陥った場合は同様の処理を行う。また、発生するのは実際に一番上のカードが離れる際のみで、同じく「離れるとき」と表現される置換効果によってクリーチャーがバトルゾーンにとどまった場合、この処理は起こらない。
カードの効果と状況起因処理の関係
- カードの効果によって結果的に状況起因処理が発生しても、それはカードの効果によって発生した処理とはみなされない。
状況起因処理による勝敗
デュエル・マスターズの勝敗は、「自分がゲームに勝つ」「自分がゲームに負ける」「相手がゲームに勝つ」「相手がゲームに負ける」のいずれかの条件を満たすことで決定される。これらの処理が適用されれば、勝敗が決定してゲームが終了する。
勝敗を決定する状況起因処理が同時に複数発生した場合、勝敗は以下のようになる。
- 自分と相手で矛盾する場合
- プレイヤーごとに矛盾する場合[1]
- 「自分が勝つ」と「自分が負ける」→自分が勝つ
- 「相手が勝つ」と「相手が負ける」→相手が勝つ
なお、「自分が勝つ」と「相手が負ける」、「相手が勝つ」と「自分が負ける」は矛盾しないので字面通りの処理となる。
状況起因処理としてみなされるカードの効果
状況起因処理は、かつてはルールによって発生するもののみだったが、事務局によれば2016年に開発から、一部のカードの能力によっても発生するという回答が返ってきたとのこと。
事務局によれば、基本的に特殊勝利、特殊敗北能力によって発生すると開発から回答が来ているらしいが、すべて状況起因処理が発生するかはまだ分かっていないとのこと。
これはかなり重要なルールなはずだが、デュエル・マスターズ総合ゲームルールにも、一切言及されておらず、2024年時点では明文化されていない。
特殊勝利、特殊敗北効果が状況起因処理と回答されているが、「ルールによる状況起因処理」と「能力による効果」が別物であるという基本ルールの整合性については正式には回答されていない。
過去に公式から状況起因処理と明言されていたことがあるのは以下のもの。
参考
要は「勝つ」と「負ける」がぶつかると「勝つ」が勝つ。