【黒緑アビス】

概要

DM23-RP3で登場した《アビスベル=覇=ロード》を軸に据えたデッキの総称。
……だったが、『DMGP2024-1st』にて《覇=ロード》抜きが結果を残してからは必ずしも《覇=ロード》が入るとは限らなくなってきた。そちらを不採用にして《シス=魔=シャル》が単採用される流行も見られた。

コスト5の中量級革命チェンジから《覇=ロード》に繋ぐことができるが、もっぱら《邪幽 ジャガイスト》の規格外の盤面形成能力からおまけのように出た《ア:エヌ:マクア》でチェンジすることが多い。

アビス・メクレイド5で出てくるリソース回復に《謀遠 テレスコ=テレス》が採用されることも多く、一見して赤抜き【赤黒テレスコ=テレス】のような構成になることも。また、実際にこれとそれがハイブリッドになった【黒赤緑アビス】も結果を残している。

王道篇アビス・レボリューションを対象にした2024年度の2ブロック環境では《邪幽 ジャガイスト》が使用不可能のため【黒緑アビス】の戦績が振るわず、このデッキの正式名称は【黒緑ジャガイスト】ではないかと一部では言われていた。
2024年8月17日付で《邪幽 ジャガイスト》殿堂入りとなるため、このデッキタイプは壊滅的な被害を受ける、もしくは従来型とは全く異なるレシピへと変貌するだろう。

アビスベル=覇=ロード OR 闇/自然文明 (7)
クリーチャー:アビスロイヤル 11000
革命チェンジ:コスト5以上のアビス
自分のアビスすべてに「マッハファイター」を与える。
W・ブレイカー
自分のターンの終わりに、コスト6以下のアビス・クリーチャーを1体、自分の墓地またはマナゾーンから出してもよい。
各ターン、相手のクリーチャーがはじめて攻撃する時、可能ならこのクリーチャーを攻撃する。
ドミー=ゾー R 闇文明 (5)
クリーチャー:アビスロイヤル 6000
アビスラッシュ:このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーはプレイヤーを攻撃でき、ターンの終わりに山札の下に置かれる。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を墓地に置いてもよい。
「倒したいか?」 R 自然文明 (2)
呪文:アビスへの誘い
自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
ア:エヌ:マクア SR 自然文明 (5)
クリーチャー:ヴェールアビス 6000
マッハファイター
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、次のうちいずれか1つを選ぶ。
▶自分の山札の上から2枚を、タップしてマナゾーンに置く。その後、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻す。
▶プレイヤーを1人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の墓地をシャッフルし、山札の下に置く。
▶相手は、自身のコスト5以下の、クリーチャーではないエレメントをすべてマナゾーンに置く。
邪幽 ジャガイスト VIC 闇文明 (5)
クリーチャー:アビスドラゴン 9000
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分の手札を2枚捨ててもよい。そうしたら、アビス・メクレイド5する。
各ターンに一度、自分の山札からクリーチャーが出た時、そのクリーチャーのコスト以下のアビス・クリーチャーを1体、自分の墓地から出してもよい。そのターン、そのアビスは相手プレイヤーを攻撃でき、そのターン中に攻撃したら、ターンの終わりに山札の下に置く。

主要カード

アビス

《ド:ノラテップ》スレイヤー アビスコスト軽減
《オ:ンータイ》キャントリップ アビスコスト軽減ウルトラ・セイバー
《ハリート=ハイホ》コスト1のアビス《フォック=ザ=ダーティ》の2ターン目着地を狙える
《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》アビスラッシュ持ち。《フォック=ザ=ダーティ》の2ターン目着地を狙える/山札の上3枚を表向きにしクリーチャーを1体手札に加え、残りを墓地
《ブルーム=プルーフ》コスト2初動。cipで1枚墓地肥やし
相手のターン中限定で、召喚せず出た相手のクリーチャーを破壊するコスト踏み倒しメタ
《深淵の文暴具 ケシカス=カース》cip墓地肥やし墓地リセット
《フットレス=トレース/「力が欲しいか?」》ターン終了ステップ墓地肥やし任意で闇のカード墓地回収を行うブロッカー/アビスメクレイド5
《ノラディ:ド:スルーザ》cipハンデス&攻撃時で墓地加速か山札回復&アビスメクレイド8
《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》cipクリーチャー限定でピーピングハンデスする。
シビルカウント3で攻撃時で相手の墓地にあるカードのcipを1つ使えるスレイヤー
《謀遠 テレスコ=テレス》継続的なハンデスドローによってリソースに差をつける
《サドレイン=トレイン/邪神呪文「アビサール」》アビスラッシュ持ちのコスト5のW・ブレイカー兼チェンジ元
呪文側は僅か1コストで墓地からアビスを回収し、自身を墓地に仕込む
《スパトー:ド:スパトゥー/邪暴乱舞》アビスラッシュで登場可能なコスト5のW・ブレイカー
革命チェンジも含めて場から離れた時アビスメクレイド8を使える
呪文側はアビスメクレイド8した上で墓地肥やし
《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》cipで1体破壊&対象のコスト分任意で墓地肥やしハイパー化攻撃時にコスト8以下をリアニメイト
この効果で蘇生したクリーチャーは即座に相手プレイヤーへ攻撃可能
《ホルン=ストロン》スレイヤー&ヨビニオン&ランダムハンデス
《ヨービリン=リリン/「……誰を呼びたい?」》クリーチャー破壊時、1ドロー/相手のクリーチャーを1体パワーを-6000
《フォック=ザ=ダーティ》革命チェンジ&アビスラッシュ
cip山札の上4枚を表向きにし、クリーチャーを1体手札マナゾーンに加えて残りを墓地に置く
《悪縁 ガクブッチ=リッチーモア》コスト6のアビスラッシュ持ちW・ブレイカー&スレイヤーブロッカー
cipで闇のカードを2枚まで墓地回収し、シビルカウント5で攻撃時オールハンデス
《覇=ロード》の回収から革命チェンジまでが全て墓地のみで完結し、双方の能力も互いに良く噛み合う
《エリー=ザ=ダーティ》cipでコスト3以下のエレメントを全マナ送り エレメント破壊時墓地に置くかわりにマナゾーンに置ける
《トートロット=ザ=ダーティ》コスト5以上のアビスを条件とした革命チェンジ
cipで4枚墓地肥やし&墓地1枚につきパワー+1000&パワード・ブレイカー
《アビスベル=覇=ロード》不在またはシールド破壊を重視する場合はキーカードとなる
《邪龍 ジャブラッド》コスト3初動。cipアビス攻撃時に2枚墓地肥やし
自分のアビスすべてに墓地のカード4枚を山札の下に送ることを条件とした置換効果除去耐性を与えるタマシード/クリーチャー
《邪幽 ジャガイスト》ブロッカー cipで2ディスカードするとアビス・メクレイド5
ターン1で山札からコスト踏み倒しした時そのコスト以下のアビスを擬似アビスラッシュ
《邪闘 シス》アビスラッシュ持ちW・ブレイカー
cipで敵獣1体に-∞ものパワー低下を放ち、攻撃時にアビスW・メクレイド5
《シス=魔=シャル》コスト5以上のアビスを条件とした革命チェンジ持ちW・ブレイカー
任意cipで自分の墓地の枚数以下コストのクリーチャーを敵味方問わず全てマナ送り
終極宣言アビスクリーチャーを最大3体、墓地またはマナから踏み倒し
《漆黒の深淵 ジャシン帝》タマシード/クリーチャーcipで1枚墓地肥やし墓地の枚数未満のコストの相手1体を破壊
攻撃時で6以下1体リアニメイト
《アビスベル=ジャシン帝》ブロッカーで守りながら墓地をリソースにできる他、終盤の詰めにも活躍できるため長期戦に強くなる。
《アビスベル=覇統=ジャシン帝》革命チェンジ。自分のシールドブレイクに反応して敵獣1体破壊、コスト10以上の敵獣が居ると離れない
終極宣言で登場に伴う効果を無視する代わりに墓地とマナからアビスを好きな数召喚即座に攻撃可とする
チェンジ元がコスト7以上のアビス故に《トーチ》や《ドアノッカ》、《スベルニル》等を駆使しないと革命チェンジは厳しめ
《邪騎 スベルニル/「我が愛馬よ!!」》アビスラッシュ。相手よりマナ数が下回ればコスト7→5に。cipで5枚墓地肥やし+1枚回収
呪文側はS・トリガーエレメント1枚マナ送り
《暗刻 クロック=クロニクル》アビスラッシュ&W・ブレイカー攻撃時に3枚ランダムハンデス
自分のアビスは相手の呪文では離れない
コストが重いので上記の《シス=魔=シャル》《アビスベル=覇統=ジャシン帝》終極宣言踏み倒しがおすすめ
《深淵の螺穿 ラゼル=ズバイラル》cipタップされた時と離れた時に手札全破壊クリーチャー全破壊マナ3枚制限、2枚ブレイクのうち2つを自分が選び、
その2つの内どちらを発動させるかを相手に選ばせるW・ブレイカーブロッカー
コストが重いので上記の《シス=魔=シャル》《アビスベル=覇統=ジャシン帝》終極宣言踏み倒しがおすすめ
《ア:ニーオ:マクア》T・ブレイカーヴェールアビス
各ターンに一度cip持ちクリーチャーを任意でマナ送り
コストが重いので上記の《シス=魔=シャル》《アビスベル=覇統=ジャシン帝》終極宣言踏み倒しがおすすめ
《ハンマ=ダンマ》cipで3枚墓地肥やしの後、墓地の枚数未満のコスト火力を放つ
《ア:グンテ》cipで5コスト以下エレメント&S・トリガー・プラスで相手のクリーチャーを2体までマナ送り
《オ:ドユニワ/喰土邪覇》G・ストライク&メガ・ラスト・バースト&W・ブレイカー/マナからカードを1枚墓地に置き、山札の上から2枚をタップインマナブースト
《ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」》S・トリガーで相手のクリーチャーに-4000を2回/コスト2で撃てる-4000
《悪灯 トーチ=トートロット》cipでパワーの一番低い敵獣を、シビルカウント3で一番大きい敵獣を破壊させるS・トリガーブロッカー
【アポロヌス】系統に強く刺さり、コスト7のためチェンジ元としても最適

アビス以外

《フェアリー・Re:ライフ》マナブースト兼受け札
《配球の超人/記録的剛球》cipで1体強制マナ送り/シンプルなコスト2マナブースト
《大地門ライフ・ゲート》相手のクリーチャー1体をマナに送り除去したクリーチャーのコスト未満の非進化クリーチャーをマナゾーンから踏み倒すS・トリガー
《ダーク・ライフ》2枚見てマナブースト&墓地肥やし
《フェアリー・ギフト》召喚コスト最大3軽減
《深淵なる大地》G・ストライクアビス対象の《母なる大地》。強力なcip持ちを出し直したい時にも有効
《七王無き宮殿》多色カードを全てピーピングハンデス【青赤マジック】等をより意識したい時の選択肢
《秩序の意志》S・バック封印&間接的な墓地肥やし
《アーテル・ゴルギーニ》リアニメイトパワー低下墓地肥やしの中から2回使える上に耐性持ちのブロッカー
《Dの牢閣 メメント守神宮》ファッティデッキと相性の良いS・トリガー持ちフィールド
《無双恐皇ガラムタ》攻撃したターン中S・トリガーを完全封殺。《ヤバーダン=ロウ》のアタックトリガーでこれを出してワンショットは、(召喚酔いは消せるとはいえ)ちぐはぐなので《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》型がベター
《聖魔連結王 ドルファディロム》《ヤバーダン=ロウ》前提で出せるパワーカードだが、マナ基盤としてこの赤を利用できる【黒赤緑テレスコ=テレス】のほうが適性がある
《清浄のカルマ インカ/オキヨメ・水晶チャージャー》手札以外メタ/墓地リセット&水晶チャージャー

【デアリアビス】型

《鬼寄せの術》コスト5以上の中量級の早期着地
《百鬼の邪王門》防御札。他の《百鬼の邪王門》を使うデッキとは異なり、鬼エンドを能動的に使うことはまれ
《ネオ・ボルシャック・ドラゴン/ボルシャックゾーン》2ターン目初動兼火文明枠
《イカリノアブラニ火ヲツケロ》コスト6以下を手札から踏み倒し、相手と効果バトルさせるが、出したクリーチャーのコストが自分のマナゾーンより多ければ自壊

【ネクラアビス】型

このデッキの回し方

序盤は《「倒したいか?」》や《喰土邪覇》など軽量マナブースト呪文を使って、早期に5コストアビスに繋げる。
《「力が欲しいか?」》のアビス・メクレイド5や《フェアリー・ギフト》を利用すれば最速3ターン目に5コストのアビスを出すこともできて強力である。

5マナまで貯まったら状況に応じた5コストのアビスを出すことで盤面を制圧していく。特に《邪幽 ジャガイスト》の効果で盤面に複数のアビスを並べる動きが強力であり、《謀遠 テレスコ=テレス》を複数体並べてリソースの差を広げる、《ア:エヌ:マクア》の効果で序盤にマナに埋めた《アビスベル=覇=ロード》を回収しそのまま《覇=ロード》へ革命チェンジさせるなど多彩な動き方ができる。

《邪幽 ジャガイスト》や《覇=ロード》の効果で盤面に十分な数のクリーチャーが並んだら、《テレスコ=テレス》複数体の継続ハンデスで手札を完全に枯らしつつ《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》《フットレス=トレース》等打点の低いクリーチャーで1枚ブレイク→ターンエンドを繰り返し、相手に困難なトップ解決を強いた状態で安全に削っていきフィニッシュする。もしくは、そのままワンショットを狙う。

長所

アビスラッシュ革命チェンジの性質が非常に良く噛み合っており、墓地から召喚して即座に殴れるチェンジ元から入れ替わりつつ、ターン終了時のデッキボトム行きを回避しつつ手札から再利用できる。

《邪幽 ジャガイスト》《謀遠 テレスコ=テレス》の組み合わせによる制圧力は【赤黒テレスコ=テレス】で証明済みであるが、そこに《アビスベル=覇=ロード》が加わる事によってマナゾーンからも展開コンボを始動する事が可能となり、より柔軟な動きを取れる様になった。
また《覇=ロード》の効果で自軍アビス全てがマッハファイターを得るため、手札だけに留まらず相手の場にも多大な被害をもたらす事ができる。

《ジャガイスト》によって大量のブロッカーが並ぶのは勿論の事、《覇=ロード》が各ターン1回の攻撃誘導までも持ち合わせている。《テレスコ=テレス》の継続ハンデスも相まって一度展開を決めれば相手にとって突破は非常に困難となる。

自然のマナブースト戦術を取り入れた事で、これまで扱いが難しかったコスト5以上の大型アビスも無理なく扱える様になった。さらに《覇=ロード》自体も素出しで全ての能力が問題無く機能するため、メタカードでの対策を狙う相手にはブーストからの素出しで対応してやるのも一つの手である。

《ア:エヌ:マクア》がコスト5以下の非クリーチャーエレメントを対象とした全体除去を持つため、それらを多用する【白赤アーマード・サムライ】《最終龍覇 グレンモルト》等に強く刺さる。それ以外の場合でも《覇=ロード》をマナから回収しつつマッハファイターで即座に革命チェンジ可能。

《異端流し オニカマス》に対しても、自慢のマッハファイター戦術で打ち取れる他、メクレイド召喚扱いなので規制されないなど、非常に強固といって良い。そのためこのデッキは、通常のコスト踏み倒しが増えると環境での立ち位置が良くなる《異端流し オニカマス》にある程度比例した活躍を見せると言える。

《大地門ライフ・ゲート》を使用可能となった事で、相手の《地封龍 ギャイア》で詰むといった事態に陥りにくくなった。【アポロヌス】を相手取る場合でも、上手く行くと相手ターン中にマナゾーンの《ジャガイスト》が起動しかねない。

パワー6000以上のクリーチャーが大半を占めるため、本来展開系デッキの天敵となる《飛翔龍 5000VT》もまるで刺さらない。

《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》のピーピングハンデスや《謀遠 テレスコ=テレス》の継続ハンデスといった質の良いハンデスを早い段階から乱発できるため、多くのキーカードを抱える必要のある【青赤マジック】に有利。妨害系呪文も基本的にツインパクトのため《マーダン=ロウ》等で落とせば問題無く、パワーラインも貧弱なので手札と場を徹底的に枯らしてブロッカー軍団と《アビスベル=覇=ロード》で封殺可能。

《アビスベル=覇=ロード》を使っての盤面処理は《アーテル・ゴルギーニ》の展開力にも追いつくほどである。

こうした汎用性の高さから、【速攻】以外の大抵のデッキに万遍なく対処できると言える。

短所

真っ先に挙げられる弱点は受けの薄さだろう。一応回ってしまえば低くはないパワーのブロッカー軍団と《アビスベル=覇=ロード》で壁を築くことは可能ではあるが、メクレイドの関係上デッキをコスト4~5のアビスで固めることになり、受け札はかなり限定されてしまう。そのため、受け札が《フェアリー・Re:ライフ》G・ストライク4枚のみになるケースも珍しくなく、3ターンキルを狙う速攻は不得手。

また、相手がクリーチャーを展開しないタイプのデッキである場合、妨害手段が《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》《謀遠 テレスコ=テレス》等のハンデス《ア:エヌ:マクア》墓地リセット程度のためやや心許ない。
加えて相手のクリーチャーがいなければ革命チェンジのためには相手プレイヤーに攻撃せざるをえないため、出した直後の《アビスベル=覇=ロード》S・トリガーで打ち抜かれるリスクもあって、総じて一部のコンボデッキを筆頭とした盤面戦を挑まないデッキにはやや苦しい。

各種メタクリーチャーがそこそこ刺さり、コスト指定除去などの高パワークリーチャーに有効な除去が無い場合、あるいはあっても採用枚数が少なく手札に安定して引っ張り込みづらい構築の場合、《デスマッチ・ビートル》で詰む場合もある。《ボン・キゴマイム》はこちらのマッハファイターやアビスラッシュを完全に無効化し、除去や革命チェンジによる奇襲を阻害してきて厄介。あまつさえ、こちらが大量踏み倒しで溜めるプランを取ろうものなら、大量ドローによるアドバンテージまで稼いでくる。

パワー12000以上のクリーチャーを多用するデッキ相手だとバトルゾーンの制圧が困難となる。《ド:ノラテップ》《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》等のスレイヤー《邪闘 シス》《漆黒の深淵 ジャシン帝》といった除去持ちを適宜飛ばして対応する必要がある。

クリーチャーのコストが5に偏っているため《奇天烈 シャッフ》《♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》には要注意。コスト5を宣言されるだけでブロッカー軍団の大半があっけなく沈黙してしまう。また革命チェンジ持ち以外のクリーチャーは単色なので、《聖魔連結王 ドルファディロム》にも弱く、ついでに呪文も止められる。

主に《邪幽 ジャガイスト》《ドミー=ゾー》の流れで山札を酷使しがちなため、アドバンス【モルトNEXT】との対面では勝負を長引かせると《伝説の禁断 ドキンダムX》全体封印ライブラリアウトすることも。

【白緑巨大天門】のような手札が溢れるほど手に入るデッキはハンデスの有効性が薄いため苦手である。《∞龍 ゲンムエンペラー》もこちらのデッキにとっては即死級のロックなので、油断ならない。

環境において

多くの弱点を抱えていながらもDMGP2023-2ndではベスト128進出者中13人使用と予選実績3位と好成績。

DM23-EX2期には墓地肥やしマナブーストで大型に繫ぎ、《暗黒の怨草士 クロユ・レシア》スピードアタッカー化して一気にワンショットしたり《水上第九院 シャコガイル》で安全に勝ちに行ったりする【青黒赤緑アビス】なる派生型が136人規模のオリジナルのチャンピオンシップで優勝しており、アビスという種族を中心としていながらかなりの拡張性を持つデッキとして知られてきている。

2023年12月初頭には、《奇石 トランキー/アイ・オブ・ザ・タイガー》《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》の光を足し、キング・セルで光マナを補強した【白黒緑アビス】なる派生形が結果を出している。同月上旬の内に《極閃呪文「バリスパーク」》を入れた型も結果を残している。【白黒緑アビス】は《奇石 トランキー/アイ・オブ・ザ・タイガー》を早出し手段に採用してはいるもののマナが伸びるので、黒赤構築のアビスデッキが早出し手段をプレイしたきりになりがちなのに比べて後が続きやすい。

ジュニア グランプリ2023』では参加者271人中19人使用と使用率3位。

DM23-RP4《エリー=ザ=ダーティ》《機深天 クロフェシー》を獲得。

DM23-RP4発売直後には、《流星のガイアッシュ・カイザー》《飛翔龍 5000VT》《ブラキオ龍樹》を採用した【青黒緑アビス】なる派生型がオリジナルのチャンピオンシップで準優勝。

2023年のクリスマスシーズンには《メガ・マグマ・ドラゴン》型の【黒赤緑アビス】も結果を出した。《メガ・マグマ・ドラゴン》にそれほどコスト踏み倒しメタへの対策札として依存しておらず、着地置換効果方式のコスト軽減メタなどに止められて機能しなくても致命打にならないため採用されたのだろう。

2024年1月中旬には、1位から3位までが【黒緑アビス】、4位が【黒赤緑アビス】と、【黒緑アビス】系統が上位を総なめしたチャンピオンシップが確認された。

DM23-BD4DM23-BD5DM23-BD6DM23-BD7発売2日目、ミラーマッチに強い《マナ・クライシス》4枚積み型がオリジナルのチャンピオンシップ(ただし実測参加者41人規模)で準優勝。

超CSⅥ in福岡』ベスト128進出者の中に6人残っており、【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】【黒単アビスロイヤル】と並んで予選実績6位タイ。しかしベスト8は逃している。
超CSⅥ in群馬』ベスト128進出者の中に3人残っており、【ブレスラチェイン】と並んで予選実績9位タイ。

DM23-EX3《邪騎 スベルニル/「我が愛馬よ!!」》を獲得。

長らく環境では3〜4番手に位置していたが、2024年3月11日の殿堂入りにより不利対面だった【アカシック3】【青黒魔導具】等が軒並み弱体化したため評価が急上昇し、殿堂入り直後の週の入賞数でトップに躍り出る。
また、《深淵なる大地》《アビスベル=ジャシン帝》を採用し、触れられる領域を増やした型が入賞し注目を集めた。

全国大会2023』ではベスト8に1人残っている。予選のアドバンス使用デッキとして《キャディ・ビートル》を入れた型が確認され、以降アドバンスでのパーツとして流行。

DM24-RP1《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》《超化秘伝アビスアサルト》《邪魂の王道 ジャシン帝》を獲得。
特に《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》の活躍は目覚ましく、変に踏み倒し前提のクリーチャーを採用せずとも《アビスベル=覇=ロード》《邪闘 シス》などコスト6〜7を出すだけでも十分。人によっては《配球の超人/記録的剛球》《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》の初動呪文をクリーチャーとして再利用するギミックが見られる。

DM24-RP1発売日には《百発人形マグナム》を使ってアビスメクレイドをループさせ、《「すべてを見通す眼だ」》でフィニッシュする型が74人規模のオリジナルのチャンピオンシップで準優勝。

2024年6月中旬には、《超神星DOOM・ドラゲリオン》《水上第九院 シャコガイル》を呼び出し、《深淵の怖豪 キャッシュ=キャラッシュ》エクストラウィンを補助する型が結果を出した(43人参加、準優勝)。

DM24-RP2《深淵の瘴炉 インシネ=ロウ》《霊淵 ヒドアノッカ=ノアドッカ》を獲得。

超CSⅦ in横浜』(オリジナルでの3人1チーム戦)では予選突破のベスト128の384人中11人が使用と予選実績8位。

2024年8月17日殿堂レギュレーション改訂直前には、完全ハイランダー型が32人参加のオリジナルのチャンピオンシップで準優勝。あくまで《邪幽 ジャガイスト》殿堂入りで1枚になった場合の試験的運用と思われるが、アビスカードプールの豊富さをうかがわせる実績と言える。
そちらの型には通常のアビス系統のデッキには入らない《ノラディ:ド:スルーザ》《流星のガイアッシュ・カイザー》も投入されていた。

2024年8月17日で《邪幽 ジャガイスト》が殿堂入り。新殿堂施行開始直後には余った枠に《深淵の瘴炉 インシネ=ロウ》を挿してコントロール色を強めた型が見られた。同月末辺りからは、さらに《邪幽 ジャガイスト》をカットし、《悪魔妖精ベラドンナ》を4枚積みした型が流行。

DM24-RP3《深淵の逆転撃》《ホルン=ストロン》を獲得。

サンプルレシピ

DMGP2024-1st(チーム戦)優勝

【黒緑ザビ・ミラアビス】

クリーチャーが2体以上いる状態で《復活の祈祷師ザビ・ミラ》を出し、《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》を呼び出すアドバンス限定アーキタイプ。

復活の祈祷師ザビ・ミラ SR 闇文明 (8)
クリーチャー:デーモン・コマンド/エイリアン 9000
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分の他のクリーチャーを好きな数破壊する。こうして破壊したクリーチャー1体につき、コスト6以下のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンから出してもよい。
(ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自身の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)
勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th UC 光/水/闇/火/自然文明 (15)
サイキック・スーパー・クリーチャー:デーモン・コマンド・ドラゴン 15000
T・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、クリーチャーを合計3体まで、自分の手札、マナゾーン、または墓地から出す。
自分の他のクリーチャーに「ブロッカー」、「ジャストダイバー」、「スレイヤー」、「スピードアタッカー」、「マッハファイター」を与える。
覚醒リンク前⇒《頂上の王龍 ヴィル・ド・テラ》(上)/《頂上の精霊 ミラクルスZ》(中)/《頂上龍素 サイクリタ》(下)

主要カード

このデッキの回し方

通常は【黒緑アビス】と同じ。
《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》のアタックトリガーなどで《復活の祈祷師ザビ・ミラ》を出し、《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》を呼び出す。【黒緑アビス】の展開力では《復活の祈祷師ザビ・ミラ》のコストとなる破壊先のクリーチャーを用意するのは容易であるため、すぐに《ヴォルグ・イソレイト6th》を出せるだろう。
跡はスピードアタッカージャストダイバーを得たクリーチャーらで殴って勝利する。
また、複数の《復活の祈祷師ザビ・ミラ》を用意してループする型も存在している。

環境において

DMGP2024-1st』Day1個人戦(アドバンス)優勝の実績を残した。予選ではベスト128進出者中10人使用と実績5位。
Day1個人戦環境では【青赤マジック】【赤黒バイク】といったビートダウン系が多く、そちらとの対面では後攻を取った場合、相手の3ターン目までの動きを耐えれば、ブレイクによって増えた手札と後攻の初期手札アドバンテージを活かして3ターン目の《「力が欲しいか?」》からの《邪幽 ジャガイスト》複数体出しに繋げることできる。実際、優勝者も決勝戦2本目で【青赤マジック】の攻撃に乗じて後攻3ターン目に同様の動きを決めて一挙6体の盤面を作り、そのままブロッカーで相手の攻撃を止めてから後攻4ターン目にさらに打点を追加して《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》から《復活の祈祷師ザビ・ミラ》を呼び出し、《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》スピードアタッカージャストダイバーを付与して過剰打点で圧殺した。優勝レシピのフィニッシャーとしては《無双恐皇ガラムタ》]が採用されていた。
因みにこのレシピに隠し味として採用されていた《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》は、《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》cip《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》で横取りした際に呼び出すことができ、その後から《∞龍 ゲンムエンペラー》などの厄介なロック持ちが出ても《極・魔壊王 デスゴロス》龍解することで返せる。
Day2の3人1チーム戦(オリジナル)では、本戦進出の64チーム192人中57人が使用と予選実績1位。ベスト4の4チーム12人中5人が使用し、ベスト4使用実績1位。優勝チーム、3位チームに各1人使用者がおり、4位のチームは3人全員が使用。ベスト8にも1人残った。
アドバンス・オリジナル共に《とこしえの超人》が往時より少なかったため、このような手札以外全盛環境の復活が訪れたのは必然であった。

DMGP2024-1st終了後には、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》+《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》を決めてから《ラルド・ワースピーダ/H.D.2.》のクリーチャー側を延々と出し入れし、ラスト・バースト呪文側の効果を無限に相手に宛がう型が確認された。また、流石に無対策は危険なため、グランプリ後のオリジナルではミラーマッチ対策として《とこしえの超人》をフィニッシャー運用で1枚積みするケースも見られるようになった。《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》cip《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》で横取りした際に呼び出すことができるドラグハートとしては、《最前戦 XX 幕府》という選択肢も見られるようになったが、そちらはフォートレスなので《∞龍 ゲンムエンペラー》《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》でロックされない。《魔の革命 デス・ザ・ロスト》《マキシマムザ亮君(暴天覚醒MAXIMUM神羅曼象)》など様々な呼び出し先に注目が集まり、中には《ガチャダマン》を採用し、無限に《ツタンメカーネン》を出し入れしてライブラリアウトを狙う型まであった。

2024年5月中旬では、《勝利のヴォルグ・サンダー》を相手の防御札に反応させることでワンショットを凌がれた際の保険を掛ける型が見られた。《勝利のヴォルグ・サンダー》が2体並べば、大体のデッキは凌いでも反撃まではできなくなる。
また、《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》の自壊と再建築を繰り返して《不敗のダイハード・リュウセイ》によるシールド焼却で詰める型も見られた。《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》でのスレイヤーマッハファイター付与で相手の盤面は壊滅し、シールド焼却で手札は増えないはずなので、何らかの手札誘発で1ターンを凌いでも《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》で作った諸々のスレイヤーブロッカーで耐えられるはずであるし、何らかのオールタップでブロッカー軍団を返されても《不敗のダイハード・リュウセイ》敗北回避という奥の手がある。

6月に入ると既にアドバンスでは《死海竜ガロウズ・デビルドラゴン》型が主流化し、殿堂入りかつメインデッキに入れなければならず、《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》とちぐはぐな関係の《無双恐皇ガラムタ》型は既に退潮していた。

DM23-RP3ごろから成立した敵対色2色の文明シャッフル種族デッキ

参考