《スチーム・ハエタタキ》

スチーム・ハエタタキ C 火文明 (1)
呪文
相手のパワー4000以下のクリーチャーを1体破壊する。

DMRP-02で登場した呪文

わずか1マナ《デコピン・クラッシュ》が撃てる、新章デュエル・マスターズ期のインフレを象徴する1枚。
《デコピン・クラッシュ》のみならず《クリムゾン・ハンマー》《ピコット・ミサイル》等の軽量火力呪文を一斉に下位互換にした。
序盤のシステムクリーチャー程度ならアンタッチャブルを除いて大抵除去できる。非進化クリーチャーであればコスト4以下は粗方このカード1枚で葬ることができる。

そのコストの軽さゆえに、コスト加重にもある程度強く、《タイム3 シド》を立てられても3マナで除去できる。

コスト論を遥かに逸脱したスペックだが、これでもなお環境を揺るがすには至らなかったことは、火力しか備わってないカードの優位性の低下を物語っている。

そもそも、こちらが後攻で相手が1ターン目にクリーチャーを召喚した時という限定的な状況でしか1ターン目にこの呪文を唱えることは意味はなく、そのような状況でも1ターン目にこの呪文が手札に来る確率は4枚積みでも半分に満たない。そのため、大抵は2ターン目以降に他のカードを使って余ったマナで使うことになるが、それだと手札消費が激しく、デッキの枠も奪うため、1枚で除去とそれ以外の役割を持てるカードに汎用性で大きく劣る。

DMRP-05ではコスト1上がったかわりにクリーチャー側が付いた《暴走 ザバイク/ブンブン・バースト》が登場し、さらにDMRP-08では火力が1000下がったかわりにS・トリガースマッシュ・バースト持ちのクリーチャー側が付いた《フンバルさん/フンバ・フライ・ダイ》DMRP-12ではコスト1上がったかわりにコスト踏み倒し手段が付いた《轟怒プレスユー》、同じくコスト1上がったかわりにS・トリガー付きのモードで火力か非クリーチャー指定除去を行うことができる《メッチャ映えタタキ》も登場している。汎用性という面ではそれらのほうがまだ使い勝手が良い。

ただ、4000火力なので《とこしえの超人》を出された返しのターンに焼くことは可能。
実際、4000までの範囲に届く単体除去は、《ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」》のようにCSで結果を残すデッキレシピに採用されていることも珍しくない。やはりネックなのはこれがツインパクトではない部分なのだろう。

DM24-EX1で強力なライバルとなる《完璧妖精ビスカX/「燃え燃えズッキュン!」》が登場。一応こちらには細部に差別化点が存在するが、単純な除去として考えても総合力ではもはや敵わないだろう。

環境において

このカードの登場以降も新章デュエル・マスターズ環境のの軽量火力呪文としては《勇愛の天秤》が相変わらず優先されていた。あちらは火力の範囲がこちらより狭いものの、状況に応じて手札交換ドロー旧式マッドネスの利用などの役に立つ。【赤青ブランド】でも極論《プラチナ・ワルスラS》+αのウィニーでビートダウンすればコスト踏み倒しメタには邪魔されずダイレクトアタックまで持って行けたため、真剣勝負における構築では採用を見送るケースも多かった。

双極篇になって《“乱振”舞神 G・W・D》が登場すると、手札の減らない汎用除去としてあちらが好まれるようになった。しかし、初期型の【赤単ブランド】ではわずかなコストで《制御の翼 オリオティス》《ウソと盗みのエンターテイナー》を焼ける手段として採用されており、このカードのおかげでデッキに死角がなくなっていた。

【赤単“轟轟轟”ブランド】の現役時代はそちらでも使われることはあったが、当時としてはこれでコスト踏み倒しメタ対策をしなくとも《ドリル・スコール》で相手を縛りながらコスト1ウィニービートダウンすることで十分何とかなったため、これを入れての入賞実績は少なかった。

《とこしえの超人》が登場すると、これで露骨に対策した【連ドラグナー】の上位入賞が報告されるなどした。

その他

関連カード

フレーバーテキスト

収録セット

参考