不死鳥編環境
転生編終盤からトップメタの座を得た《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》は、DM-19に入っても暴れ続ける。
DM-18まで《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》を《大勇者「ふたつ牙」》などのマナブーストで高速召喚する【牙サファイア】が暴れていたが、DM-19期にデュエル・マスターズ初のリアニメイトスペルである《インフェルノ・ゲート》が登場。
これにより、《ダンディ・ナスオ》または《ロスト・チャージャー》によってサファイアを墓地に送り、《インフェルノ・ゲート》で4・5ターン目にサファイアをバトルゾーンに出す【茄子サファイア】が登場し、【牙サファイア】や【タワーサファイア】をトップメタから押しのけた。
他方、転生編を経て強化された単色速攻・ビートダウンはまだ勢力を保っていた。【パシフィック青単】、【緑単速攻】、【準黒単】などが勢力を競っていたが、特に【赤単速攻】が強力なデッキタイプだった。
不死鳥編で追加されたハイブリッド種族たちは、ほとんどがファンデッキに甘んじたが、グランド・デビルはその粘り強いビート性から公式大会でもそこそこの成績を収める。
また、聖拳編の頃から存在していた【アクアンホワイトブラック】と【白青黒赤ライブラリアウト】といったコントロールの強豪達もそれらに続いた。
2006年夏の公式大会サマーギャラクシーリーグでは、【茄子サファイア】に対して有利な【白青黒赤ライブラリアウト】改造型【除去サファイア】が主に活躍しつつも、上記のデッキが並立して各大会を制した。
レギュレーションの問題で【牙サファイア】以外のすべてのデッキが否定されていたスプリングギャラクシーリーグに比べれば、一見するとバランスがとれていたように思えるものの、その実態は「【サファイア】か、速攻か、【除去コントロール】か」の鼎立であり、それら以外のデッキで勝ち上がることは不可能に近かったと言える。
ところがサマーギャラクシーリーグオープンクラスでは、汎用性を全く無視した【サファイア】と【白青黒赤ライブラリアウト】に対する徹底的なメタデッキである【チューザビートダウン】が優勝を果たしている。それだけ【サファイア】が圧倒的な地位にあったことを示す結果となった。
長らく上記の固まったメタゲームが続き、まさに不死鳥編の一年間はサファイアが牛耳る一年間となっていたが、大方の予想に反して《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》は1年を待たずして2007年1月にプレミアム殿堂入りが決定する。
《無双竜機ボルバルザーク》が当初殿堂入りすら渋られていたことを考えると、異例の措置となった。
同時にライブラリアウトデッキの生命線である三種の神器《ロスト・チャージャー》《ヘル・スラッシュ》《フューチャー・スラッシュ》もプレミアム殿堂入り。
これによりライブラリアウトデッキはDMR-02において《ヴォルグ・サンダー》が登場するまでメタゲームから消えることとなった。
これに対して【速攻】系統は殿堂入りの影響を全くと言っていいほど受けず、【赤単速攻】、【パシフィック青単】、【緑単速攻】、【準黒単】は以前に増して勢力を強めた。
【白青黒】赤ライブラリアウトの後継である【除去ガーディアン】や、【サファイア】系列の後継となる【牙バジュラズ】、【ドラゴンランデス】なども登場し、主要カードが禁止となったそれらの後釜となる。特に後者はDMC-33の発売によってパーツを揃えやすくなっていた。
ハイブリット種族では【グランド・デビル】にフィニッシャーの《超神星ネプチューン・シュトローム》、手札補充の《悪魔提督アルゴ・バルディオル》が追加され、名実ともに最強のハイブリット種族として名を馳せた。
【アーク・セラフィム】では《霊騎ラーゼ・ミケランジェ》と《聖霊提督セフィア・パルテノン》が登場し、大量展開デッキとして完成する。
最速4ターン目にでゲームの勝敗を決定付けるのは凄まじかったが、構築の要となる《霊騎プリウスライザ》が当時のプロモーション・カードとしても入手難度が極めて高かった為、多くのプレイヤーが作れずじまいに終わった。
【ティラノ・ドレイク】ではDMC-32でフィーチャーされたこともあり、《激竜凰ドランベルク》と《衝撃のロウバンレイ》を主軸とした速攻デッキとして活躍した。《竜音のキラ》と《炎竜提督ガウスブレイザー》によって展開力を手に入れたのも大きい。それでも《超神星マーズ・ディザスター》は条件が厳しすぎて殆ど使われなかったが。
これらのハイブリッド種族はDMC-28、DMC-29、DMC-30、DMC-31のハーフデッキも存在しており、初心者でもパーツを揃えやすかったが、ドリームメイトだけはプッシュされなかった。
DM-22では《光神龍スペル・デル・フィン》や《黒神龍グールジェネレイド》、《インフィニティ・ドラゴン》などの強力なドラゴンがこぞって登場し、【牙デルフィン】、【グールジェネレイド】などのデッキを生み、闘魂編より細々と組まれてきた【連ドラ】を一気にメタ格へと強化させた。
アンコモンフェニックスでは《光彗星アステロイド・マイン》と《闇彗星アステロイド・ゲルーム》が台頭。緩い進化条件と堅実な能力で環境に進出した。
軽量呪文封殺となる《封魔ゴーゴンシャック》も見逃せない。【グランド・デビル】のアタッカーとしては勿論、コントロールに対する回答として、この先何年にも渡って活躍する。
【アクアンホワイトブラック】は聖拳編より安定した強さを持ってはいたものの、やや使用率は低下していく。これにより、光の主力種族はアクアンホワイトブラックを中心とした【イニシエート】よりも、【除去ガーディアン】に活躍の場を得た【ガーディアン】に再シフト。ガーディアンは流行するランデスへの対抗策《光波の守護者テルス・ルース》をDM-23で得たのも追い風だった。
そして3月には再録エキスパンションのDMC-34が発売され、新規カードにはスリリング・スリーで呪文をサルベージできる《神託の守護者ミント・シュバール》が収録。【除去ガーディアン】が更に強化されることとなった。
【ドリームメイト】では《伝説のサンテ・ガト・デ・パコ》と《囚われのパコネコ》を中心としたデッキが考案され、アニメや雑誌で広く紹介され話題となった。
《究極銀河ユニバース》や《超神星ビッグバン・アナスタシス》といったド派手な能力を持つフェニックスも登場したが、まだまだ進化元が充実しなかったため、それらが活躍できるようになったのは何年も後の事になった。
春にはDMC-32、DMC-33に続く完成度の高い構築済みデッキとしてDMC-35が発売。これらのデッキ群は初心者が改造せずとも勝てるようなデッキとなっており、新規層だけでなくベテランプレイヤーからの評判も高かった。こうした構築済みデッキの完成度の高さは後のスーパーデッキの誕生に繋がる。
当時の主流デッキ
主なカード
参考