赤単速攻(あかたんそっこう)

文明のみのカードで組まれた速攻デッキ

中速ビートダウンもしくはビッグマナ型に組まれた【準赤単】と区別するためにこのように呼ばれる。

デュエル・マスターズ黎明期より存在する由緒正しいデッキタイプである。

凶戦士ブレイズ・クロー C 火文明 (1)
クリーチャー:ドラゴノイド 1000
このクリーチャーは可能であれば毎ターン攻撃する。
鬼切丸(おにきりまる) C 火文明 (3)
クリーチャー:ヒューマノイド/アンノイズ 1000+
自分のマナゾーンのカードがすべて火または無色であれば、このクリーチャーのパワーは+3000され、「スピードアタッカー」を得る。

1ターン目からクリーチャー召喚ブロッカー《火炎流星弾》などで破壊攻撃を繰り返す。そして3〜6ターンでの早期決着を狙っていく。

クリーチャーの主な候補

1コスト

2コスト

その他

3コスト

その他

4コスト

その他クリーチャー

呪文

基本方針

呪文除去カードのみに絞り、質の良いウィニー速攻をかける。

火の特長のひとつであるスピードアタッカーを最大限に利用し、相手の計算外の攻撃を加えて行くのが基本である。《火炎流星弾》が登場するまでは《ボルカニック・アロー》殴り返し対策とブロッカー除去用に使われていた。

ブロッカー以外も破壊出来るため、《希望の親衛隊ファンク》など出されたら基本的に詰みかねないカードの対策として採用していいだろう。

デッキの性質上、安定した動きを可能にするため4枚〜3枚積みが多くなるので、デッキのカードの種類は少なめ。他の速攻デッキと比べると、《鬼切丸》のような安定したスピードアタッカー《爆炎シューター マッカラン》などのマナ武装を積めることが大きなポイント。
単色であるおかげで色事故がなく、安定してデッキを回転させられる。

型分け

以下に代表的な型を挙げる。これらは厳密に分類できるものではなく、いずれかの要素を組み合わせて構築されることも多い。

コダマショック型

cipシールド回収する《斬斬人形コダマンマ》で、S・バック《デュアルショック・ドラゴン》を高速召喚するタイプ。
《凶戦士ブレイズ・クロー》《斬斬人形コダマンマ》+《デュアルショック・ドラゴン》→適当なスピードアタッカーと繋げられれば3ターンキルも狙える。
S・バックは相手に殴られた時も使えるため、ミラーマッチ対策ともなる。ただし、《デュアルショック・ドラゴン》は自分にシールド焼却を行うデメリットがあるので、使いどころには注意したい。

アウトレイジ型

エピソード3に入るとアウトレイジを主軸にしたタイプも出現した。コスト軽減《一撃奪取 トップギア》から《無重力 ナイン》G・ゼロで出すという戦術が可能。
《トップギア》のおかげで《早撃人形マグナム》《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》が運用しやすいのも魅力である。

ガトリング型

革命編で登場した進化ヒューマノイドである《音速 ガトリング》を活用する型。
ヒューマノイドデッキを固め、侵略進化を狙う。《爆冒険 キルホルマン》《炎舌実況 DJ・ショー》は条件を満たすとスピードアタッカーになるので、それらと組み合わせるとよい。《爆冒険 キルホルマン》ドラゴンがめくれてもスピードアタッカーになれるので《デュアルショック・ドラゴン》を無理なく搭載できるのも強み。

詳しくは【赤単ガトリング】を参照のこと。

  • 「デュエル・マスターズグランプリ-1st」でベスト8に輝いたデッキタイプの1つ。【モルト NEXT】の出場者が多かったことが主な原因である。

レッドゾーン型

革命編で登場した《轟く侵略 レッドゾーン》を主軸にしたタイプ。
《一撃奪取 トップギア》からコマンドである《轟速 ザ・レッド》に繋ぎ、素早く侵略して殴っていく。
殿堂入りしたものの、《暴龍警報》で適当なウィニーコマンド・ドラゴンにすることも可能。《凶戦士ブレイズ・クロー》に使えば最速で2ターン目にT・ブレイカーによる一撃を与えられる。

詳しくは【レッドゾーン】を参照のこと。

ビートジョッキー型

新章デュエル・マスターズで登場した《“罰怒”ブランド》擁するビートジョッキーを主軸にした種族デッキ。
《一番隊 チュチュリス》B・A・Dなどのコスト軽減を絡めた大量展開が持ち味。

詳しくは【赤単ブランド】を参照のこと。

ヴァルボーグ型

進化ヒューマノイド《機神装甲ヴァルボーグ》を使ったタイプ。
基本セット環境スピードアタッカーが登場する前にはよく組まれており、初期のカードプールの中ではなかなか強力なデッキタイプだった。
現在では【赤単ガトリング】に居場所を譲っている。

詳しくは【赤単ヴァルボーグ】を参照のこと。

弱点

言うまでもなくブロッカーS・トリガー、そして相手クリーチャーの殴り返しに弱い。
特にS・トリガークリーチャー《アクア・サーファー》《終末の時計 ザ・クロック》は1回でも踏むと殴り返しクリーチャーを減らされて苦しい展開となる。

1コストのクリーチャーはすべてパワー1000以下、2コストの候補もパワー1000のクリーチャーが半数ほどなので、早期に《ローズ・キャッスル》を出されるとデッキ構成によってはかなりのアドバンテージを削がれる可能性がある。
3コスト以降は殆どがパワー2000以上なので気にする必要はないが、少なくとも2コスト域には《ローズ・キャッスル》1枚で破壊されないクリーチャーを用意しておきたい。

6ターン以内に決められなかった場合、シールドブレイクによって増えた手札を使って巻き返されて敗北するパターンが多い。

しかし、このパターンを嫌って対策カードを投入しデッキ全体のマナカーブを重くしてしまうと、本来の強みである早期決着性が薄れてしまい本末転倒になるため「耐えられたら負け」くらいの覚悟で構築したほうがいい。

その他

  • 2005年夏公式大会GLレギュラークラス日本一。その他数え切れないほどの受賞経歴を持つ。

【赤単速攻】の変遷

古くはDM創世記から組まれてきたデッキタイプである。

ただし、第4弾環境まではカードプールの少なさ、何よりスピードアタッカーという能力が存在しなかったことから、デッキとしての成立は困難であった。基本セット当時は《ストームジャベリン・ワイバーン》《ボルカニック・アロー》を入れて若干【除去コントロール】に寄せることも珍しくなかった。

【青単速攻】【アクアンホワイト】など、物量に優れたデッキが環境に存在したのも向かい風だった。

DM-05で軽量スピードアタッカーである《解体屋ピーカプ》が登場してからは、デッキのカードをほぼ全て3コスト以下にして一瞬で決着を付けるタイプとして成立した。

闘魂編《ピーカプのドライバー》《襲撃者エグゼドライブ》《火炎流星弾》といった汎用性に優れた軽量カードを獲得すると、優秀なデッキとして台頭する事になる。目の上のたんこぶであった水系のデッキが殿堂入りの影響で大幅に弱体化したことも大きい。

その後はしばらく多色環境が続いたこともあり、大きな収穫はなかったが、DM-14における《放浪兵エルジージョ》《タイラーのライター》などの登場により復権を果たす。
同時に登場した《地獄スクラッパー》は天敵であると同時に、自らの防御手段としても広く採用された。

DM-28では、《ブレードグレンオー・マックス》が登場。これにより、3コストでパワー3000以上のスピードアタッカー(疑似スピードアタッカーであるマナ進化を含む)を最大で12枚まで搭載できるようになった。この頃から《解体屋ピーカプ》等が投入されないケースが多くなる。

マナ進化によるマナ損失を嫌って《ブレードグレンオー・マックス》は3枚程度のことが多いが、それを逆手にとって《究極兵士ファルゲン》が搭載されることも。

転生編から極神編まではトップメタの一角を占めていたが、現在は速攻デッキなら赤緑【墓地進化速攻】のほうが有力視されていることなどから、以前ほどの活躍は見せていない。

とはいえエピソード1《斬斬人形コダマンマ》エピソード2《鬼切丸》エピソード3《一撃奪取 トップギア》と優秀なウィニーが追加され着実に強化されており、環境に存在感を示しつつある。

パワー3000〜4000クラスのクリーチャーが多いため火力に対する耐性が比較的強く、単色であるため色事故を起こしにくいのも強みとなっている。

革命編に入ると《轟く侵略 レッドゾーン》《音速 ガトリング》を主軸にしたタイプも登場し、【赤単速攻】の可能性はどんどん広がっていると言える。

参考