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天使と悪魔の墳墓 R 光/闇文明 (4) |
呪文 |
S・トリガー |
バトルゾーンに同じ名前のクリーチャーが2体以上あれば、それらをすべて破壊する。 |
すべてのマナゾーンを見て、同じ名前のカードが2枚以上あれば、それらをすべて持ち主の墓地に置く。 |
自他を問わず、重複したカードを対象とした変則的な除去とランデスを行う。
特定の状況下では非常に高い決定力を持ち、墳墓避けという言葉を生み出すほど環境への影響力を持つカードである。
前提として除去及びランデスが発動するためにはカードが重複する必要があり、相手のデッキや動き次第ではまったく使う機会がない事も多い。また、相手だけでなく自分も能力に巻き込まれるため、極力自分のバトルゾーンのクリーチャーやマナゾーンのカードが重複しないように、構築やプレイングで注意しておく必要がある。
発動する機会に恵まれた場合、それが自分を巻き込む形でなければ、条件上最低2体除去か2枚ランデスを行うため、非常に高いコストパフォーマンスを発揮する。重複するカードが多ければ効力を増し、場合によっては一方的な大量除去と大量ランデスを同時に行う破壊的呪文に変貌し得る。
2体除去と2枚ランデスが同時に発動すれば《英知と追撃の宝剣》顔負けのコストパフォーマンスになり、同名のクリーチャーが並んだ場では小型の《アポカリプス・デイ》の様にも扱える。相手のマナゾーンにカードが複数重複し大量ランデスが決まれば《竜脈噴火》の様なフィニッシャー呪文になることもある。特にランデス呪文としての脅威度は高く、4コストの2枚ランデスはそれだけでも高いフィニッシャー性を持っており、序盤でうっかりランデスが決まれば勝負が決するほどのテンポアドバンテージとなる。
この様に、上振れた時のアドバンテージは底が知れず、高いポテンシャルを持った呪文であることがよく分かるだろう。
ではどうすれば相手のカードが重複するのかという話であるが、相手の構築に依存する関係上こちらが出来る事は「相手のデッキを読んで採用する」か「運頼み」である。
相手にカードを重複させるように仕向けるプレイがないわけでもないが、それがどのようなプレイかとなるとケースバイケースである。一例を挙げるなら《解体人形ジェニー》などのピーピングハンデスによって、マナゾーンに置かせる札や出されるクリーチャーを誘導することが出来る。
「相手のデッキを読む」という点において、《天使と悪魔の墳墓》が刺さる要素をざっくりと挙げると以下の通りである。
環境や周辺の対戦相手でこれらの要素を持ったデッキを戦う機会がある場合、十分に自身の構築やプレイングでケアした上で《天使と悪魔の墳墓》を採用すると良いだろう。
自分が《天使と悪魔の墳墓》を使う分にはプレイングでケア出来る部分が大きく、そこまでハイランダー構築に寄せなくともよい。
また「自分に2枚」「相手に2枚」だけでなく「自分と相手に1枚ずつ」でも反応するので、プレイの際は相手と意図的に重複させて除去やランデスを狙っても良い。
逆に光と闇が入ったコントロールと対峙した場合は、不用意にカードが重複しないよう気を付けるべきである。
また詳細は下記するが、デッキを構築する際は《天使と悪魔の墳墓》を考慮して出来るだけ墳墓避けを施しておくのが望ましい。
どこまでも相手の構築次第のカードではあるものの、その決定力の高さから《天使と悪魔の墳墓》がもたらす構築やプレイングへの影響力は極めて大きい。
正に「環境を読んで使うカード」を体現した存在であり、その性質からこれからもこのカードを意識していくことになるだろう。
登場当初は墳墓避けの理論自体が存在せず(当時仮にあったとしても未成熟であった)、自軍に被害を与える札として非常に低く評価されていた。高く評価する者としても「ウェーブストライカーやサバイバーに刺さる」程度としか考えていなかった。精々ハイランダーに近い初見殺し・プレイング勘狂わせ特化の変則の【ボルバル】にフィニッシャー呪文として投入される程度であった。当時カードプールが狭く、それなりのコストで強いカードの絶対数を確保しづらかったのも一因であった。
まともに評価されるようになったのは、1枚積みが多い構築であった(当時完全なハイランダーとまでは行かなかった)【ボルメテウスコントロール】が環境の一角にあった極神編環境に入ってからの事であった。
戦国編では、同名のクリーチャーを大量展開する【グールジェネレイド】、【シノビドルゲーザ】、【ナイト】、【カウンターマッドネス】等が環境に進出し、それらに強烈に突き刺さるメタカードとなった。また、この頃は自然入りのグッドスタッフ構築のデッキが多く、マナブーストで不意にダブってしまったカードをランデスする機会にも恵まれた。
ただ、《天使の悪魔の墳墓》を明確に採用したデッキはなく、【ボルメテウスコントロール】や【ゼン&アク】、【5色コントロール】などに好みで投入された。それでも、トップメタには一歩届かないデッキに地雷性能を持たせるには十分な決定力があり、徐々に知名度や使用者も増えていった。
神化編環境では上記のデッキらはトップメタから転落し、これといった明確に刺さるデッキはいなかった。それでも、G・ゼロで《パラダイス・アロマ》を大量展開する【サイバー青単】や、同じく《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》を展開する【ハイドロ・ハリケーン】などには上手く刺さると大きな有利を築くことが出来た。
【エンペラー・キリコ】もマナゾーンで《エンペラー・キリコ》が被ってしまったり、《ブレイン・チャージャー》を採用した構築だったりすると大きな脅威となりえた。
覚醒編環境では《時空の喧嘩屋キル》の展開への返答として使われることがあった。当時のカードプールだと《巨人の覚醒者セツダン》2体にすぐに返答できるカードはこれくらいしかなかった。
エピソード1環境では4枚積み満載の【紅蓮ゾルゲ】に刺さるようになった。ほぼ4枚積みで構築されながらも積極的にマナブーストと展開を繰り返す【ラムダビート】や、3~4枚積みで大半を締めながら《復活の祈祷師ザビ・ミラ》のために8マナと贄となるウィニーを捻出しなければならない【青黒ハンデス超次元】も、引きによってはどうしてもケアをしきれず度々《天使と悪魔の墳墓》の餌食となった。
エピソード2環境で【Nエクス】や【ターボゼニス】などのマナを伸ばすデッキが流行すると、その対策として【オール・イエス】や【白青黒超次元】などのマナブーストが出来ないデッキで盛んに使用された。
革命編環境において多くのプレイヤーが【レッドゾーン】対策について頭を悩ませていた中、先攻なら相手が動き出す前に3ターン目のランデスで出足を鈍らせることも状況次第で実現可能な札として注目された。実際、タッチのS・トリガーとして《閃光の守護者ホーリー》、《終末の時計 ザ・クロック》を各4枚積みとした型の場合、手札にあっても仕方のないそれらのS・トリガーは積極的に早期にマナチャージされたため、案外刺さりやすかったと言える。
革命ファイナル環境から新章デュエル・マスターズ環境にかけては、【知新ジャスティス】における妨害札として活躍。新章デュエル・マスターズ期は4枚×10種類の構築が幅を利かせていたため、【白青黒ロージア】のフィニッシャーの1枚とし使われることもあった。
双極篇ではマナブースト系統が強化を受けたため、複数のマナゾーンのカードに干渉できるこのカードの需要が増した。
超天篇環境では同名クリーチャーを2積みする事が殆どである超GR戦術の対抗策として考慮されたが、《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》で封じられたり、《MEGATOON・ドッカンデイヤー》のループ戦術の前では唱える術がなかった。
王来篇環境では【5色コントロール】系統がアドバンス・オリジナルを問わずに環境の中心にあるため、1枚積み中心のグッドスタッフ構成での入賞が偶に見られる。《13番目の計画》登場後は、そちらで自軍の被害を出にくくした型の【5色コントロール】で使われるように。
オリジナルでは【白青黒ギャラクシールド】に中盤の繋ぎやフィニッシャー呪文として採用される場合もある。【5色ザーディクリカ】の場合は4枚積みが多い上に対面ごとに使わないカードは積極的にマナ埋めするため、案外早期に放っても刺さる。
DM22-BD1期には【白青ナウ・オア・ネバーループ】に妨害手段として1枚積みされるケースが目立つようになった。
DM23-BD4・DM23-BD5・DM23-BD6・DM23-BD7期辺りから《頂上縫合 ドギラディス勝3rd》軸の【オボロティガウォック】での活躍が散見されるようになった。極端な話、《頂上縫合 ドギラディス勝3rd》の革命チェンジ元である《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》を召喚できる5マナを1回でも払えればあとはほとんどマナが必要ないため、逆の意味で自軍マナゾーンへのデメリットが機能しづらい。また、フィニッシャーの1体である《∞龍 ゲンムエンペラー》が立っていると死に札になるカードを相手がマナチャージしている内に、結果的に相手がマナゾーンの種類被りを起こしてしまうということもままあり、《∞龍 ゲンムエンペラー》とは一種の二段構えを形成していると言える。
DM23-EX3期には【アーテルマトリクスループ】のフィニッシャー呪文に利用される事例もあった。自軍を巻き込んでも後で無限リアニメイトのストックを解決すれば挽回できるためである。
DM24-EX1期には【白黒メカ】にフィニッシュ力の増強として投入される場合が稀にある。
他にも、王道篇環境では【シールドプリズン】系統の妨害手段として使われる場合もある。耐久を続けている内に相手のマナゾーンやバトルゾーンに同名カードが溜まり、結果として刺さるという寸法である。
かつてのカードテキストでは、破壊とランデスの能力が以下のようになっていた。
バトルゾーンに同じ名前のクリーチャーが2体以上あれば、それらをすべて破壊する。その後、すべてのマナゾーンを見て、同じ名前のカードが2枚以上あれば、それらをすべて持ち主の墓地に置く。 |
2020年12月17日の「その後」と書かれたテキストの処理に関する裁定変更に伴い、1つの能力だったものが2つの能力に分離された。
呪文能力は上から順番に処理しなくてはならないため、この変更がなされても全体除去より先にランデスを行えるようにはならない。
天使と悪魔の墳墓 R 光/闇文明 (3) |
呪文 |
S・トリガー |
バトルゾーンに同じ名前のクリーチャーが2体以上あれば、それらをすべて破壊する。 |
DMPP-09EXで実装。コストが3になり、ランデスが消去された。
名前はTCG版と同じものの、テキストの処理が半分なくなった。
《英知と追撃の宝剣》が《龍素の宝剣》に、《ヘヴンとバイオレンスの衝撃》が《ヘブンの衝撃》になるレベルの大変更である。
マナゾーンに同名カードが並ぶことは気にならなくなったが、バトルゾーンでは同名クリーチャーを2体並べるとたった3マナ、またはS・トリガー1枚だけで2体破壊される可能性が生まれた。デッキビルディングやプレイングに与える影響は無視できない。
Q.呪文《天使と悪魔の墳墓》は、どのように使えばいいのですか?
A.《天使と悪魔の墳墓》は、バトルゾーンにあるカード名が同じクリーチャーをすべて破壊し、マナゾーンにある同名のカードをすべて墓地に置かせます。
この呪文を唱えた時、まずバトルゾーンに同じ名前のクリーチャーが2体以上ないかチェックします。2体以上あった場合はそれらをすべて破壊してください。
次に、自分と相手のマナゾーン両方を見て、同じ名前のカードがないかをチェックします。そして、同じ名前のカードはすべて持ち主の墓地に置きます。
例えば自分と相手プレイヤーが1枚ずつ《デーモン・ハンド》をマナゾーンに持っていた場合、その《デーモン・ハンド》は両方とも持ち主の墓地に置いてください。 同名のカードがすべてプレイヤー1人のものであっても構いません。
引用元(過去のよくある質問より)
Q.バトルゾーンに自分の《光器ペトローバ》が2体あります。 相手が《天使と悪魔の墳墓》を唱えた場合、《光器ペトローバ》を破壊することになりますか?
A.はい、破壊することになります。 相手は《天使と悪魔の墳墓》で《光器ペトローバ》を「選んだ」わけではないので、効果の対象となります。
引用元(過去のよくある質問より)
Q.G・リンクしたゴッド1体と片方のゴッド1体が出ている状態で《天使と悪魔の墳墓》を使われると、リンクしているゴッドは好きな方を破壊できますか?
A.はい、好きなほうを選んで破壊できます。
引用元(過去のよくある質問より)
Q.リンクしている《龍神ヘヴィ》《龍神メタル》と、《龍神ヘヴィ》がバトルゾーンにいる状況で、自分は《天使と悪魔の墳墓》を唱えました。この場合、どうなりますか?
A.リンクしている《龍神ヘヴィ》《龍神メタル》と、《龍神ヘヴィ》が破壊されます。リンクしている《龍神ヘヴィ》と《龍神メタル》は、《龍神ヘヴィ》の名前も持っていますので、《天使と悪魔の墳墓》の効果で破壊されます。
引用元(2021.7.16)
Q.バトルゾーンに相手の《「正義星帝」 <ダンテ.Star>》と《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》と《「正義星帝」》がいる状況で《天使と悪魔の墳墓》を唱えた場合、この3体のクリーチャーは破壊されますか?
A.いいえ、破壊されません。「同じ名前のクリーチャー」とは、名前が完全に一致しているクリーチャーを指します。
引用元(2021.12.17)