【ブレスラチェイン】

《ブレイン・スラッシュ》cipで《ブレイン・スラッシュ》を踏み倒せる《龍素記号Sr スペルサイクリカ》等のクリーチャーを使ったチェイン・コンボによって、呪文を何度も詠唱していくコンボデッキ
《ブレイン・スラッシュ》の青黒とマナブーストの緑の青黒緑をベースに組まれるが、リアニメイト主軸なので色が合わないコンボパーツでも採用される。《ディスタス・ゲート》軸では白も必要。

2024年3月11日施行の殿堂改定によって《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》殿堂入りとなり、かなりの弱体化になった。また、《神の試練》プレミアム殿堂入りし、エクストラターンを狙う戦術は狙えなくなった。
《天災 デドダム》《ディスタス・ゲート》《Disアイ・チョイス》《ブレイン・スラッシュ》《龍素記号Sr スペルサイクリカ》等の要求値で4ターン目の始動ができることになるため、上振れ以外は5ターン目始動のデッキとなるだろう。

龍素記号Sr スペルサイクリカ SR 水文明 (7)
クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 6000
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、コスト7以下の呪文を1枚、自分の墓地からコストを支払わずに唱えてもよい。そうしたら、唱えた後、墓地に置くかわりに手札に加える。
このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに山札の下に置く。
ブレイン・スラッシュ R 水/闇文明 (6)
呪文
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
次のうちいずれか1つを選ぶ。自分のクリーチャーまたはタマシードの中に水と闇があれば、かわりに両方選んでもよい。
▶カードを3枚引き、その後、1枚捨てる。
▶コスト8以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。

主要カード

候補カード

《天災 デドダム》3マナで1マナブースト1ドロー1墓地肥やし
《神秘の石柱》3マナで1マナブースト1墓地肥やし
《音素記号Bm エネルジコ/♪水面から 天掴まんと するチャージャー》cipで2ドローする7コスト9000/1ドロー1ディスカードができる単色の3コストチャージャー
《ディスタス・ゲート》《Disアイ・チョイス》早出し手段
《フォース・アゲイン》クリーチャーを破壊して出し直し。破壊コストがあれば4マナの疑似《ナウ・オア・ネバー》に
《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》ささやかだがcipメタがついており、ワンショットプランのフィニッシャーにも/マナブースト、マナ回収がこれ1枚に
《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》マナブーストとマナ回収がついた中型マッハファイター/墓地利用メタ付きマナブースト。無限ターンループにも関与
《インフェルノ・サイン》5コスト単色にして7コスト以下をリアニメイトし、S・トリガーまで付いている
《神の試練》無限ターンの要
《光霊姫アレフティナ》《マーシャル・クロウラー》と好相性のエクストラウィン
《CRYMAX ジャオウガ》有限戦術型のフィニッシャー。時間切れ対策にも
《聖魔連結王 ドルファディロム》雑殴りプラン用の呪文ロック
《ヨビニオン・マルル》ヨビニオン&各ターン2体目が出た時山札の上を見て手札に加えるかマナにタップイン
このデッキの場合ほぼ《天災 デドダム》1択
《フェアリー・ライフ》《ヨビニオン・マルル》軸でのブースト 《マーシャル・クロウラー》で暴発させられるので最優先
《ブルー・インパルス/「真実を見極めよ、ジョニー!」》最高峰の防御札かつ自軍を戻してcip使い回しも出来る

このデッキの回し方

初動はコスト3のマナ加速札でコスト5の早出し札に繋げる。この際墓地肥やしも並行して行っていると《インフェルノ・サイン》が早出しに使えたり、《ディスタス・ゲート》で手札もマナも減らさず《Disアイ・チョイス》を踏み倒せるリアニメイト特有の恩恵を得られる。

《龍風混成 ザーディクリカ》《龍素記号Sr スペルサイクリカ》《邪眼教皇ロマノフII世》《Disアイ・チョイス》いずれかを呼び出し、《ブレイン・スラッシュ》を唱えるところからチェイン・コンボを開始する。前3体は、単独では《ブレイン・スラッシュ》のモードを両方選択できないため、まずは水と闇がある状態を目指す(ここで《天災 デドダム》を出せて除去されていなければなお良し)。

適宜《マーシャル・クロウラー》《黒神龍ブライゼナーガ》盾落ちケアをし、《神の試練》《フォース・アゲイン》のマナ落ちは《白米男しゃく》《神秘の石柱》で《ザーディクリカ》でアクセス可能な手札または墓地に復帰させる。

《ナウ・オア・ネバー》の手札戻しをEXライフを消費して耐えた《ザーディクリカ》と、適当なリアニメイトで呼び出した《ブライゼナーガ》の2体が揃えば、シールド全回収時のS・トリガーで唱える《ブレイン・スラッシュ》は水と闇がある。場に残った《ロマノフII世》→コスト8リアニメイト《マークロ》→手札から仕込む暴発でも同じく水と闇がある。

ループの手順

+  《神の試練》プレミアム殿堂前の記述のため格納

長所

やはり基盤が【5色ロマノフ】【5色ザーディクリカ】であることから、それらと共通する受けの固さが魅力。相手のターン中でも《ブレイン・スラッシュ》《ナウ・オア・ネバー》が引ければ展開することができ、そこに《マーシャル・クロウラー》《天命龍装 ホーリーエンド》《聖魔連結王 ドルファディロム》が絡めば相手の追撃をシャットアウト可能。

打点が並びやすいことから、殴りきれそうな時は雑にワンショットを狙うのも一つの手。《蒼き団長 ドギラゴン剣》《蒼き覚醒 ドギラゴンX》といった打点増強手段にアクセスできるカードが概ねメインの展開パーツを兼ねるので、ループに失敗してもライブラリアウトさえしなければ相手に即死の危険を押し付けられる。

《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》《異端流し オニカマス》のような通常の防御札が効きにくい相手にも、《龍風混成 ザーディクリカ》《ブレイン・スラッシュ》《フォース・アゲイン》などで出せばEXライフによって延命可能。ビートダウン系のデッキには滅法強いと言える。

《光霊姫アレフティナ》型の場合は流れでソリティアするだけでエクストラウィンを達成できる場合が多いため、ループを覚えられない初心者にもおすすめのデッキである。

そもそもの開発経緯が「《CRYMAX ジャオウガ》のcipの後に残ったシールド3枚で受け切れるデッキを作る」であったため、《CRYMAX ジャオウガ》シールド焼却ぐらいではびくともしない。

短所

【ロマノフ】系列の宿命とも言えるが、呪文メタに弱い。《アルカディアス・モモキング》などを展開された時はもちろん、相手が殴るターンに《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》《ファイナル・ストップ》を使われるだけでもかなりキツイ。自分のターンの展開も呪文で行うため、次のターンにまで及ぶカードは単発的効果でも強く刺さってしまう。

展開札にリアニメイトを伴うものが多いため、《とこしえの超人》《ポッピ・冠・ラッキー》など墓地からの展開を阻害するカードも苦手。

また、無限ターンループはコストの関係で専ら《神の試練》がメインエンジンとなるため、【ヘブンズ・ゲート】【青黒緑オービーメイカー】などが相手だと《∞龍 ゲンムエンペラー》によってコンボを封じられるという裏目も存在する。

環境において

王来篇環境ではDMSP-04期あたりからオリジナルを中心に【5色ロマノフ】と呼ばれる【5色コントロール】の一種が流行。これが【ブレスラチェイン】の源流であり、《ブレイン・スラッシュ》は当時存在しなかったがデッキコンセプトはある程度固まっていた。リアニメイト呪文とこのクリーチャーでソリティアしながら《砕慄接続 グレイトフル・ベン》をリアニメイトし、《Disアイ・チョイス》マナ召喚してから《蒼龍の大地》《水上第九院 シャコガイル》にアクセスするのが主な勝ち筋。よしんばソリティアが途切れても、途切れる直前に《メガ・マナロック・ドラゴン》《悪魔龍 ダークマスターズ》といった妨害系クリーチャーをリアニメイトすれば、EXライフ持ちの連打による耐久性能もあって、次のターンまで凌げることもあった。

2023年8月の終わり頃からオリジナルで、《マーシャル・クロウラー》《黒神龍ブライゼナーガ》暴発することで山札を掘削し、《神の試練》《水上第九院 シャコガイル》に繋げる5色型ないし白青黒緑型が散見された。
DM23-SD3発売日のアドバンスでは《超GR・チャージャー》をループさせることで《ツタンメカーネン》を無限回GR召喚してライブラリアウトを狙う型が3位入賞。同日の128人規模のオリジナルのチャンピオンシップでは、《ドラグハリケーン・エナジー》で展開して呪文詠唱回数を稼いでから《次元の嵐 スコーラー》で追加ターンを狙う型が3位入賞。
9月末には《Disアイ・チョイス》《蒼き団長 ドギラゴン剣》で呼び出してループを起動するルートを取り入れた型、【5色ザーディクリカ】の基盤を殆どいじらず組まれ、ただクリーチャーをソリティアで並べて《聖魔連結王 ドルファディロム》《CRYMAX ジャオウガ》で雑にフィニッシュする型も結果を残した。

DMGP2023-2ndでもベスト128進出者中11人使用で【赤緑アポロヌス】【青黒魔導具】と共に予選実績4位タイ。しかしベスト8は逃している。

DM23-EX2発売から約2週間後には、《超GR・チャージャー》を初動の1つとしつつ、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》を用意し、《死海竜ガロウズ・デビルドラゴン》カウンター封じする型が、アドバンスで優勝。DM23-EX2発売から約3週間後には、5枚目以降の《龍風混成 ザーディクリカ》として《龍素記号Sr スペルサイクリカ》を使った型がオリジナルの72人規模のチャンピオンシップで優勝。DM23-BD2DM23-BD3発売直後にはソリティアパーツとして《偽りの名 スネーク/アンノウン・プログラム》1枚積みした型がアドバンスのチャンピオンシップで優勝(ただし32人規模)。コスト7を踏み台に《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》《復活の祈祷師ザビ・ミラ》といった勝ち確クラスの8コストに《アンノウン・プログラム》でヒラメくのが目的。

2023年末から2024年始辺りから、《邪眼教皇ロマノフII世》の数を減らしても十分回ることから、そちらを1枚から2枚程度に削った型が主流化。マナ回収感覚として《呪術と脈動の刃》を1枚積みした型や、山札圧縮《龍素記号Sr スペルサイクリカ》を1枚採用した型も見られるように。ループが洗練されたことから《光霊姫アレフティナ》での安全なフィニッシュに特化した型ほぼ1本とあった。

DM23-BD4DM23-BD5DM23-BD6DM23-BD7最終週末のアドバンスでは、基盤を概ね踏襲しつつ、《邪眼教皇ロマノフII世》《龍風混成 ザーディクリカ》をカットし、《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》に特化した【白青黒緑イソレイト】なる型がアドバンスのチャンピオンシップで3位入賞(ただし実測参加者45人規模)。

超CSⅥ in福岡』ではベスト128進出者中1人が使用。『超CSⅥ in群馬』ベスト128進出者の中にも3人残っており、【黒緑アビスロイヤル】と並んで予選実績9位タイ。

2024年3月11日の殿堂改訂で、《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》殿堂入り《神の試練》プレミアム殿堂入り。
追加ターンを狙う戦術が扱えなくなった上、展開がしにくくなりコンセプトは崩壊していないものの弱体化した。
新殿堂施行初週には《龍風混成 ザーディクリカ》《邪眼教皇ロマノフII世》を使わない新型が確認された。

DM24-SD1DM24-SD2DM24-SP1発売当日、青黒緑ベースでタッチ《龍素記号Sr スペルサイクリカ》4枚積み型がオリジナルの74人参加規模のチャンピオンシップで準優勝。《龍素記号Sr スペルサイクリカ》フル投入も然ることながら、直近では珍しい《調和と繁栄の罠》《ダンディ・ライフ》が1枚採用されたという点でも変則的であった。

DM24-SD1DM24-SD2DM24-SP1発売日のオリジナルでは、《聖斬のコード アシッド》をフィニッシャーに据えた型が50人参加規模のチャンピオンシップで3位入賞。

DM24-RP1期には、《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》プランに加え、《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》《MEGATOON・ドッカンデイヤー》で物量を稼いで圧殺したり、《ツタンメカーネン》ループで安全に勝ちにいく型が53人規模のアドバンスのチャンピオンシップで優勝。

《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》に関しては、《マーシャル・クロウラー》で大量暴発すれば一気に山札0枚まで掘削できる。もっとも、大抵は2枚ぐらい暴発すればソリティアが繋がるのだが。

DMGP2024-1st』Day1個人戦(アドバンス)予選ではベスト128進出者中3人使用と、【サバキZ】【青黒卍夜】と並んで実績10位タイ。Day2の3人1チーム戦(オリジナル)でも本戦進出の64チーム192人中2人が使用するなど、2枚目以降の《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》を失ったにしては上出来か。もっとも、コンボに特化するよりも《ブレイン・スラッシュ》を軸の1つとして臨機応変にコントロールする【5色蒼龍】の方がこの大会で強かったのも事実である。《ブレイン・スラッシュ》に関してはその後のチャンピオンシップでも同様の傾向がしばらく続いた。

グランプリ終了後のオリジナルでは踏み倒し手段を《Disアイ・チョイス》《龍素記号Sr スペルサイクリカ》《マーシャル・クロウラー》に絞り、《光霊姫アレフティナ》でフィニッシュする型が主流化。
マナ・墓地・手札全てから踏み倒しが出来、また《アイチョイス》によりマナ→墓地、《サイクリカ》で墓地→手札と移動させる事で《マーシャル》の弾数を増やせるため回収にならない《ロマノフ》《ザーディクリカ》が抜けた。

2024年のゴールデンウィーク中には、《禁断樹幹 WO-ZERO》山札掘削重視でリソース札に2枚採用した型が流行し始めた。《禁断樹幹 WO-ZERO》に封印として付けたカードはあらかじめ持ち主が見ているため、流れで自然コマンド出した際にある程度狙ったカードを封印外しで墓地肥やしできるという利点もある。《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》を隠し味に1枚積みする型も見られた。これを除けば3割近くがS・トリガーなので、他にやることがないタイミングでクリーチャー側をプレイすれば、運は絡むが上振れを狙える。

同年5月下旬のチャンピオンシップでは、スーパーサブに《エンペラー・キリコ》(進化元は《Disアイ・チョイス》)を採用した型も見られた(オリジナル、32人参加、優勝)。

DM24-RP2時点では、初動マナブースト兼【青赤マジック】対策として《ベイB セガーレ》4枚積みした方が主流。また、《蓄暗呪文「デスイキル・チャージャー」》の評価が上がったことにより、そちらを1枚程度入れる型も見られるように。《邪神M・ロマノフ》をスーパーサブに据えた型も存在する。《グレート・流星弾》水晶武装度外視で単純な除去に2枚程度採用した型というものもある。変に無限ループせずに《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》を使うことで雑に勝ちに行く型も。

DM24-BD1DM24-BD2期には、2枚程度採用した《アーテル・ゴルギーニ》で墓地をリソース化する型が結果を出した(オリジナル、78人参加、準優勝)。また、《ルピア&ガ:ナテハ》《理想と平和の決断》《虚無の守護者グリ・ラ/無情の光》リソースを稼ぎ、《超光喜 エルボロム》コンボパーツをシールドに仕込み、《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》を使って一気にコンボに向かう白青黒型を、62チーム参加の3人1チーム戦の優勝チームが3面使っていた。

DM24-RP3《逆転の剣スカイソード》《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》《ヨビニオン・マルル》《ゴールド・フラウム》を獲得。《逆転の剣スカイソード》はフィニッシュパーツをマナ回収感覚で呼び出すことができ、終盤には《Disアイ・チョイス》を呼び出して即死トリガーになれる上に、窮乏しやすい自然単色マナにもなると優秀な点づくめである。
《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》は元々このデッキ自体が「《CRYMAX ジャオウガ》のcipの後に残ったシールド3枚で受け切れるデッキを作る」という目的で開発されたため、ある意味では原点回帰となる受け札である。
《ヨビニオン・マルル》ヨビニオン《天災 デドダム》リクルートし、マナと手札を整えてからの手打ちコンボ始動プランに繋がる。コンボ中にもマナブースト《逆転の剣スカイソード》の呼び出し範囲を広げられる。《ヨビニオン・マルル》を4ターン目までに2体召喚できるパターンでは、5ターン目に10マナ素出しで《逆転の剣スカイソード》を呼び出せるケースも珍しくない。
《ゴールド・フラウム》マナの調整、シールド追加によるカウンターの増強や延命に使える。

DM24-RP3発売日には、《逆転の剣スカイソード》《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》を含めて16種類のカードを1枚積みした準ハイランダー型がオリジナルの73人参加のチャンピオンシップで優勝。

DM24-SP2期になると《ヨビニオン・マルル》軸の青黒緑基盤型も見られるようになった。ヨビニオンを邪魔しない非クリーチャーかつ《マーシャル・クロウラー》暴発させられるマナブーストとして、《フェアリー・ライフ》《フェアリー・Re:ライフ》よりも優先採用される珍しいデッキとなっている。この時期には1枚積み15枚の準ハイランダー構築も結果を残した(アドバンス、28人参加、優勝)。

参考