der'Zen(ダーゼン) Mondo(モンド)/♪必殺(ひっさつ)で つわものどもが (ゆめ)(あと)

der'Zen Mondo SR 水文明 (3)
クリーチャー:マジック・コマンド 3000
このクリーチャーが出た時、相手のエレメントを1つ選び、持ち主の手札に戻す。
♪必殺で つわものどもが 夢の跡 SR 水文明 (8)
呪文:マジック・ソング
残りのゲーム中、自分の山札にカードがなくなっても、自分はゲームに負けない。
カードを5枚引く。その後、自分の山札にカードがなければ、このターンの後に自分のターンを追加する。

DM23-RP1で登場したマジック・コマンドマジック・ソング呪文ツインパクト

クリーチャー側はcipで相手のエレメントバウンスする。

自分のカードは選べないものの、コスト3のクリーチャーでありながら制限なしのエレメント除去を振り回せる能力になっており、コストパフォーマンスは上々。

コマンドであるため侵略にも対応している。登場時点ではコスト3、水単色非進化コマンドは他に能力の癖が強い《奇天烈 サイコロン》しかおらず、基本的にメリットになる能力持ちのこちらは貴重な存在である。

能力が強制であり不用意に召喚すればcipを使い回させる利敵行為に繋がりかねない点には注意。

呪文側は《神の試練》と同じ残りのゲームライブラリアウトに対する敗北回避を得る能力と、5枚ドローの後で山札が0枚ならば追加ターンを得る能力を持つ。

フレーバーテキストにもある通りお手本のようなフィニッシャー呪文である。追加ターンを獲得することで疑似的なマナ回復を行い、増えた手札を使ってさらにアドバンテージを稼いでいく。ゲームは違うがMagic:The Gathering《時のらせん》に近いか。

《神の試練》より重いが、5枚のドローが付いているので追加ターンを取りやすい。あちらで同じ枚数引こうとするとほぼハイランダーの構築が必要だろう。

また、山札を引ききらなくても敗北回避を得られるのが最大の相違点で、ゲームが膠着状態になった際にライブラリアウトへのメタを兼ねたドローソースとして積極的に唱えるケースも考えられる。

「すべて引き切る」ではなく「自分の山札からカードが引けなくなる(見た目が空になる)」ことが追加ターン獲得の条件となっているため、コストの高ささえ解消できればループ向きのカードである。
クリーチャー面がウィニーツインパクトであるおかげで回収手段も豊富。
《無双と竜機の伝説》のように追加ターン中は得られないという制限もないため、山札がない状態で何度も唱えることで、芋づる式に無限の追加ターンを得るコンボも多数考えられるだろう。

  • 「山札にカードがなければ」とは「現在ライブラリアウトしていれば」という意味ではないことになっているので注意。

ルール

呪文側について

  • 山札がない状態で呪文側を唱えることでも追加ターンを得られる。

説明足らずな裁定

  • 1番目の能力の「山札にカードがなくなっても」と、2番目の能力の「山札にカードがなければ」意味合いが異なる
    • 1番目の「山札にカードがなくなっても」は「総合ルール703.4b 山札が0枚になったプレイヤーは、ゲームに敗北する。」という状況起因処理が起こる瞬間のことを指している。
    • 2番目の「山札にカードがなければ」は、意味が通るように行間を読むなら「自分の山札に引けるカードがなければ」という意味。※非公式による推定。公式がそのようなことを発表したわけではない。
  • このカードの呪文側をメクレイドで唱え、見ているカード以外のカードを引ききったら、メクレイドで見ているカードは手札に加わらないが、エクストラターンを得られるという裁定がある。
    • 2番目の「山札にカードがなければ」が1番目の「山札にカードがなくなっても」と同じ意味なら上記の裁定は矛盾している。実際には「山札を見る場合、見ているカードは他のカードの効果の影響を受けない」ルールで、「(実際にはまだカードが山札にある、という状況を無視して)山札にカードがない」という理屈。1番目の意味≠2番目の意味と解釈することで矛盾を解消できる。

他のカード・デッキとの相性

  • 《ブレイン珊瑚の仙樹》と相性が良く、あちらの効果で山札を3枚削りつつ、上側のコストを参照することで最初の手札枚数に関係なく下側を使用できる。《仙樹》を経由することで《遣宮使 ネオンクス》で踏み倒せるようになるのも見逃せない。
  • 《龍素記号wD サイクルペディア》がいる状態で呪文側を唱えた場合、墓地から再度呪文側を唱えられる上、唱えた後で山札の下に戻るので追加ターンのドローステップに再度手札に加えられることになり、結果として1ターンごとに2ターン分ずつ追加ターンを得続けられる。この操作を無限に繰り返すことで、「無限の数の追加ターンを得た状態」にもできる。

環境において

登場から【黒ガイアッシュ覇道】【クイーンサイクル】【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】などの《龍素記号wD サイクルペディア》採用型デッキで使われるが、グッドスタッフデッキにおいては無限ターンを得るならより軽い《神の試練》で事足りる場合が殆どなので、採用ははまばら。

アドバンスでは【4色万軍投】で無限ターン目当てに1枚積みされる。

GOA・ARevマーク2ブロック構築環境に【青黒緑つわものループ】なるこのカード専用デッキが存在する。また、通常環境より低速なため地道に山札掘削して追加ターン条件を達成しやすく、【青緑ジャイアント】など相性の良い低速寄りのデッキ全般に使われる。

【アカシック3】では主流フィニッシャー呪文として利用される。

DM23-BD2DM23-BD3期時点では1枚積み20種類から24種類程度の【準ハイランダー青黒緑CRYMAX ジャオウガ】で1枚積み枠として採用される場合もある。

2024年3月11日殿堂レギュレーション改訂により《神の試練》プレミアム殿堂に指定されると、【青黒魔導具】リペアにこれが投入されるケースも見られるようになった。ただし、《ガル・ラガンザーク》ゲームにならなくなる対面でもない限りこれが唱えられる8マナ域まで凌ぐのは不可能に近く、採用を見送る構築も相当割合見られる。一応【青魔導具】なら《好詠音愛 クロカミ》2体で6コストまで詠唱コストが下がるため、《好詠音愛 クロカミ》2体がこれを唱えるまでに生存しさえすればそこまで運用が難しくはない。

大量の手札補充を行う【白青天門】のフィニッシャー呪文として採用される場合がある。この場合、《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》でこの呪文にアクセスする。

その他

  • クリーチャー側の名前の由来は「禅問答[1]」。呪文側の元句は松尾芭蕉の「夏草や (つわもの)どもが 夢の跡」。芭蕉が平泉の地にて奥州藤原氏の繁栄と滅亡を儚んだ一句。
  • 偶然かもしれないが、この句の◆解説◆は7音・8音であり、字余りはあるものの短歌の形式になっているように見える。

関連カード

フレーバーテキスト

  • DM23-RP1
    ◆解説◆必殺技は使えば勝ちます。

収録セット

参考


公式Q&A

  • 呪文側2つ目の能力について

Q.自分の山札が5枚の状況です。
《drAm'n rAsh》の「ターンの終わりに」の能力で「マジック・メクレイド8」を使って《der'Zen Mondo/♪必殺で つわものどもが 夢の跡》の呪文側を唱えました。自分はターンを追加できますか?
A.はい、ターンを追加します。
「メクレイド」で見ている2枚と使っている1枚の合計3枚を除く、残りのカードを2枚引き、効果によって追加ターンを得た後、見ている2枚を山札の下に置きます。
引用元(2023.4.21)

Q.自分の山札が残り1枚の状況です。
自分の《アクア・スペルブルー/インビンシブル・オーラ》の「出た時」の能力で、山札から《der'Zen Mondo/♪必殺で つわものどもが 夢の跡》の呪文側を唱えた場合、自分はゲームに負けますか?
類似例:《ホーガン・ブラスター》《蒼の潮流スーパー・スペル・グレートブルー》
A.はい、ゲームに負けます。呪文を唱える時点でその呪文は保留状態になります。効果を解決する前に山札が0になり、ゲームに負けます。

+  総合ルール 409.1b409.1c703.4b

引用元(2023.4.21)


[1] 禅宗の僧が悟りを開くためにおこなう問いと答えのやり取りのこと。 転じて、噛み合わないやり取りのこと。