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邪神M・ロマノフ P 火文明 (5) |
進化クリーチャー:ゴッド/ダークロード/ナイト 3000+ |
Mデッキ進化−自分の山札の上から3枚を表向きにする。その中からクリーチャーを1体選び、このクリーチャーをその上に重ねつつバトルゾーンに出す。表向きにした残りのカードを自分の墓地に置く。表向きにしたカードの中にクリーチャーが1枚もない場合、このクリーチャーを手札に戻し、表向きにしたカードをすべて墓地に置く。 |
メテオバーン−このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、火か闇のコスト6以下の呪文を1枚、コストを支払わずに自分のマナゾーンから唱える。 |
G・リンク《邪神R・ロマノフ》または《邪神C・ロマノフ》の左横。 |
※殿堂入り |
DMC-58で登場した火のゴッド/ダークロード/ナイトの進化クリーチャー。
マッド・ロック・チェスターを構成するロマノフ一族の左側。Mデッキ進化によって出るゴッドで、メテオバーンで火か闇のコスト6以下の呪文を1枚自分のマナゾーンからコスト踏み倒しする能力を持つ。
基本的なムーブとしては、コスト5パワー3000のクリーチャーが召喚酔いなしで攻撃してきながら、アタックトリガー型のメテオバーンでマナゾーンにある呪文を唱えてくるというもの。
DMC-58では様々なデザイナーズコンボが用意されており、状況に合わせて唱える呪文を使い分ける、トリッキーな戦い方が楽しめる。
ここまでは一見普通だが、そのポテンシャルとカスタマイズ性能は底なしであり凶悪。
マナゾーンから呪文を唱えることによる汎用性の高さと選択肢の広さ、コスト6以下の呪文をコスト5で唱えるというテンポアドバンテージとコストパフォーマンスの高さ、そして唱えた呪文にシナジーやコンボを見出すことで、コスト5にはあるまじき致死性と爆発力を兼ね備えた、非常に強力な進化クリーチャーである。
長い歴史を誇るデュエル・マスターズの中でも、《聖鎧亜キング・アルカディアス》や《エンペラー・キリコ》と並ぶ史上最凶の進化クリーチャーであった。
このカードの固有能力のMデッキ進化は、山札の上から3枚表向きにしてその中から進化元を選ぶというもの。デッキ進化よりも遥かに不発しにくく、進化の成否にかかわらず進化元にならなかったカードは墓地に行くため、墓地肥やしの効果も期待できる。
場の進化元を必要とせずに出せる進化クリーチャーであり、疑似スピードアタッカーのようなもので切り込み性能は抜群。即座に呪文をコスト踏み倒しすることで、あらゆる劣勢から攻勢に転じることが出来る。
肝心なコスト踏み倒し候補だが、範囲は火か闇のコスト6以下と非常に広く、選択肢にはまず困らないだろう。
汎用的な《デーモン・ハンド》や超次元呪文などを唱えるだけでも十分に強く、同じDMC-58にはデザイナーズコンボとして《爆進デス&リバース》が収録されている。《クリムゾン・チャージャー》などのチャージャーはマナの消費を補えるため、これも好相性。
中でも《邪神M・ロマノフ》と強力なシナジーを形成し、共に環境で暴れた存在として、《憎悪と怒りの獄門》、《魔弾 ベター・トゥモロー》、《大地と永遠の神門》には言及しておくべきだろう。
《憎悪と怒りの獄門》は同じDMC-58にも再録されているなど収録からもコンボを示唆されており、自分のシールドの枚数と同じになるように相手のシールドを削りながら1打点通すことが出来る。自分のシールドが0枚なら当然相手も0枚になり、《邪神M・ロマノフ》の攻撃が通ればそのまま勝利である。崖っぷちの状況から万全の相手を頓死させねない非常に強力なコンボであり、《邪神M・ロマノフ》の致死性を象徴する組み合わせであった。
【マッドロマノフワンショット】では、《デビル・ドレーン》を用いて能動的に自分のシールドを0枚にすることで、この状況を自ら作り出すことが可能だった。
《魔弾 ベター・トゥモロー》はこのクリーチャーがナイトであるため確実にナイト・マジックが発動し、自分のクリーチャーすべてが「パワーアタッカー+6000」と2枚の追加ブレイクを得る。その爆発力はすさまじく、まず攻撃中《邪神M・ロマノフ》本人がT・ブレイカーに化け、盤面のウィニー達もフィニッシャーに早変わり。相手のシールドが5枚あろうと、自分の盤面に他のクリーチャーが2体いるだけで相手を致死圏にとらえることが出来る。
デッキ構築でこちらを主力に置いたものは【Mロマノフビート】とよばれ、《邪神M・ロマノフ》の爆発力の象徴として最後まで共に使われ続けた。
《大地と永遠の神門》は相方である《邪神C・ロマノフ》をコスト踏み倒しすることが可能で、そちらのメテオバーンでも《大地と永遠の神門》を唱えることで、次々と《邪神ロマノフ》をコスト踏み倒し出来る。《邪神M・ロマノフ》に高い展開力を持たせるカードであり、メテオバーンの攻撃でシールドを適度に削りつつ、展開したゴッドやウィニーに《魔弾 ベター・トゥモロー》を付与すれば簡単にゲームをたたむことが出来た。
コスト踏み倒し対象の量増しとして、カードパワーに優れ【速攻】を積ませられる可能性のあるヘヴィ・デス・メタルを同時に投入する例も多かった。
ほか《破壊と誕生の神殿》や《焦土と開拓の天変》など、相性の良い呪文を挙げるときりがない。
以上のように、圧倒的汎用性とフィニッシャー性能を5コストで即座に相手に押し付けることが出来る、純然たるパワーカードであり、長らく環境の一角を担った。
そしてその汎用性とカードパワーが祟り、2012年3月15日から10年後の2022年6月30日までプレミアム殿堂に指定されることとなった。
神化編環境後半の2010年1月30日、DMC-58で登場。発売前から《憎悪と怒りの獄門》や《魔弾 ベター・トゥモロー》とのコンボが注目されており、【マッドロマノフワンショット】、【Mロマノフビート】を生み出して早速メタゲームの一角を占領する。初期から完成形といえるくらい強力なアーキタイプであり、カスタマイズ性も高いため、最後まで適宜改良されつつ使われ続けた。
【マッドロマノフワンショット】は、《デビル・ドレーン》で自分のシールドを能動的に0枚にしつつ手札補充し、《光姫聖霊ガブリエラ》や《光牙忍ハヤブサマル》などで相手の攻撃を1ターン凌ぎ、返しに《憎悪と怒りの獄門》を唱えて1ショットキルを行うというもの。自分のシールドを0枚にしてターンを渡すという工程をはさまないといけないが、【エンペラー・キリコ】などの低速デッキが多く、《光牙忍ハヤブサマル》が4投出来た神化編環境当時は耐えるのはそう難しい話ではなく、容易に1ショットキルが可能であった。
コンボが出来なくともウィニーが並べば、《魔弾 ベター・トゥモロー》でのビートダウンないし1ショットキルプランもとることが出来る。ピーキーになりがちな戦略に対して、あらゆるデッキを相手に有利に立ち回ることが可能なコンボデッキであった。反面、あらゆるデッキに負け得る不安定さもあり、トーナメントシーンでの活躍は少なかった。
【Mロマノフビート】は、《邪神M・ロマノフ》から《大地と永遠の神門》や《爆進デス&リバース》・《破壊と誕生の神殿》を唱えてゴッドやウィニーを展開し、コントロール用のウィニーと合わせてそれらに《魔弾 ベター・トゥモロー》を付与して攻め落とすビートダウンデッキ。早期G・リンクによるパワーと打点でテンポを押し付けることも出来れば、《魔弾 ベター・トゥモロー》による過剰打点で1ショットキルすることも出来、劣勢時は《憎悪と怒りの獄門》での一発逆転が可能など、多彩なフィニッシュプランを持つ。
構築の柔軟性にも優れ、《焦土と開拓の天変》や《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》といった隠し味を利かせやすく、ヘヴィ・デス・メタルを投入したものはグッドスタッフ性にも優れた。DMC-57・DMC-58に主要パーツが集まっており、そこに《魔弾 ベター・トゥモロー》とマナのコントロール手段を揃えれば、比較的手軽に強力なデッキを組むことが出来た。
【マッドロマノフワンショット】は《憎悪と怒りの獄門》、【Mロマノフビート】は《魔弾 ベター・トゥモロー》に特化したデッキと捉えることも出来るが、基本的にどちらのデッキにも両方採用され、いずれも高い致死性を誇った。
また、この頃はリンク時の裁定が現在と異なり、タップ状態のクリーチャーにアンタップ状態のクリーチャーがリンクした場合、G・リンク後のクリーチャーのタップ状態とアンタップ状態を任意で選ぶことが出来た。結果、《大地と永遠の神門》で《邪神C・ロマノフ》を出してリンクさせることで強化状態で再度起き上がり、怒涛の連続攻撃を仕掛けることが可能だったのである。
裁定の変更がなされるまでのごくわずかな期間であったが、この頃の【連神】はすさまじい攻撃性能を保持していた。
覚醒編に入ると相性のいい超次元呪文を味方につけ、当時のトップメタである【白青黒超次元】と真っ向から張り合った。
DM-37ではサイキック・クリーチャーでのウィニー展開が可能になり、《魔弾 ベター・トゥモロー》でのビートダウン戦略にさらなる磨きがかかる。中でも《時空の英雄アンタッチャブル》と《時空の探検家ジョン》とは3体で屈強なシナジーを生み出し、《邪神M・ロマノフ》で5コスト超次元呪文唱えてこの2体を踏み倒せば、《時空の探検家ジョン》が条件を満たして覚醒し、それで《時空の英雄アンタッチャブル》も覚醒するという、4、5ターン目には当時としてはあるまじき盤面をいともたやすく作りだすことが出来た。これらは一種のギミックの面が強いが、【マッドジョンタッチャブル】と呼ばれることもあった。
以前から続く雛形の【Mロマノフビート】を改良して流用したものや、【超次元ビートダウン】の一部を《邪神M・ロマノフ》に割いて特化したもの、当時超次元メタとして注目を集めていた《封魔ゴーゴンシャック》や新たな展開戦術の星である《アクア・ジェスタールーペ》を使った青入り【Mロマノフビート】などが環境に名をはせた。
2011年1月15日より殿堂入りを果たし、デッキに1枚しか投入できなくなり《邪神M・ロマノフ》を連射することはできなくなった。進化クリーチャーとしては6例目の殿堂入り。
一時は環境から身を引くも、《邪神M・ロマノフ》をリペアしたデッキは構想された。《邪神M・ロマノフ》の依存性が高い【マッドロマノフワンショット】や【マッドジョンタッチャブル】はデッキとしては実質崩壊したが、それらの中核のギミック自体は超次元呪文があれば使用可能であり、それらのギミックを折衷してつくられたリペア型の【Mロマノフビート】は、高い汎用性をもつビートダウンとして環境に君臨した。
上記の通り《邪神M・ロマノフ》への依存性が少なくなるようにデッキが組まれたため、環境に合わせて適宜改良する玄人好みなデッキとして知られた。《邪神M・ロマノフ》は主に《進化の化身》によってサーチされ、【マッドジョンタッチャブル】や各呪文を適時使い分けるのが役目となった。《邪神M・ロマノフ》はいわば勝利工程を縮めるためのカードであり、ベースとなったビートダウンの戦力を大幅に底上げした。
エピソード1に入っても活躍は相変わらずであり、《超次元シューティング・ホール》から《ガイアール・カイザー》を出すことが可能になった。持ち前のビートダウン性能はさらに磨きがかかり、【超次元ビートダウン】が強化されると共に《邪神M・ロマノフ》も強化された。
神化編末期からエピソード1までおよそ2年2カ月の間環境に残っていたが、遂に《エンペラー・キリコ》とともに2012年3月15日付でプレミアム殿堂に昇格。ゴッド初のプレミアム殿堂である。進化クリーチャーとしては《エンペラー・キリコ》と同時で2例目のプレミアム殿堂。登場以来、《邪神M・ロマノフ》を使ったデッキは多くの期間メタに存在していたため、単体のスペックで見ればプレミアム殿堂も納得と言える。
近年のビートダウンデッキの更なる高速化、セットで使われた超次元呪文の優位性の低下などからか、2022年7月1日付で殿堂入りに降格。直前に強力なメタカードである《飛ベル津バサ「曲通風」》や《若き大長老 アプル》が登場したのも大きいだろう。
降格後間もなくデュエプレで《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》が登場したため、話題性を重視してデュエプレ勢へのTCG版の宣伝目的で殿堂復帰させたとも取れる。
殿堂入りへの復帰後しばらくは【赤青覇道】で採用される場合があったが、【5色ザーディクリカ】であれば《ソーシャル・マニフェストII世》で事足りる場合がざらで、汎用性はそちらの方が遥かに高い。
【青黒赤緑邪王門】は一見相性の良いデッキだが、その実主要コスト踏み倒し先は元々自己コスト踏み倒し効果のある《百鬼の邪王門》ぐらいなものなので、採用する意義が十分にあるかどうかは微妙。
殿堂入りへの復帰後のカードプールにおいてはこのコスト帯でワンショットできるクリーチャーがいくらでも存在する上にこのクリーチャーを使ってワンショットすること自体安定しないのが痛い。相性の良いカードは自己コスト踏み倒しや自己コスト軽減を持っており、わざわざこのカードで正規コスト近くのコストを支払って唱えることが好相性であるのか疑問符が付く。
2023年4月初頭にはオリジナルのチャンピオンシップで《百鬼の邪王門》にアクセスするためにこれを入れた青黒赤型の【絶望神サガループ】が準優勝した。それを皮切りに同デッキでの入賞が散見されるようになった。殿堂解除直後に比べれれば少しは環境で見かけるようになったと言える。
その先駆者から研究が進み、次のような利点が言語化されている。
《頂上縫合 ドギラディス勝3rd》型【オボロティガウォック】が浸透してきた2024年2月上旬頃になると、そちらの墳墓避けとして使われるケースも見られるようになった。そちらの型は《天使と悪魔の墳墓》をフィニッシャーの1つとするため、本当に墳墓避け採用といって差し支えがない。
DM24-RP2時点ではこれをスーパーサブに据えた型の【ブレスラチェイン】も存在する。
Q.相手の《とこしえの超人》がバトルゾーンにいる状況です。
自分は《絶望神サガ》の効果で墓地から《邪神M・ロマノフ》を出そうとし、「Mデッキ進化」によって自分の山札の上から3枚を表向きにしました。表向きにした3枚の中にクリーチャーがあったのですが、処理はどうなりますか?
A.相手の《とこしえの超人》の置換効果によって《邪神M・ロマノフ》のみがマナゾーンに置かれ、表向きにした3枚はすべて墓地に置きます。
その後、《絶望神サガ》を墓地に置きます。
引用元(2023.6.23)