革命編環境
デュエマ・スタートデッキ期
革命編最初の構築済みデッキであるDMD-21、DMD-22、DMD-23が発売されたことで革命編環境がスタート。
ドラゴン・サーガ環境に引き続き【モルトNEXT】や【イメンループ】、【ヘブンズ・ゲート】等のデッキが大会を飾る中、DMD-22で追加された《夢幻騎士 ダースレイン》の登場でかの【墓地ソース】を彷彿とさせる【ダースレインビート】が誕生。
DMR-17発売前に革命編最初の殿堂入りが発表。《鎧亜戦隊ディス・マジシャン》・《魔天降臨》・《ヒラメキ・プログラム》・《暴龍警報》が新規に殿堂入り。
既存のデッキにおいては【イメンループ】や【ヘブンズ・ゲート】、【黒単ヘルボロフ】に影響を与えたものの、依然として環境に残る。
新たな能力、侵略と革命が登場。
革命はシールドへの高い依存から環境に定着せず、一方の侵略はその使いやすさから様々なデッキに投入された。
特にレジェンドカードの《轟く侵略 レッドゾーン》は各種超次元呪文で呼び出せる《勝利のガイアール・カイザー》と抜群の相性を誇った。
色が合わずとも《勝利のガイアール・カイザー》が入るデッキならば投入を検討でき、【白青黒超次元】にタッチで《轟く侵略 レッドゾーン》を投入した形まで出現した。
【赤単速攻】も《音速 ガトリング》を得て3ターンキルのルートが増加した(>【赤単ガトリング】)。
侵略と革命以外のカードでは、強力なマナ拘束効果を持つ《メガ・マナロック・ドラゴン》が登場。
発売からすぐ【フェアリー・ギフト】系統のデッキや【モルトNEXT】のデッキに投入され、特に多色デッキに対して猛威をふるった。
またS・トリガーも大幅に強化され《デーモン・ハンド》を内蔵した《凶殺皇 デス・ハンズ》、火力の上がった《地獄スクラッパー》を内蔵した《破壊者 シュトルム》が登場。
運次第ではあるが場にクリーチャーを3体展開できる《ガチャンコ ガチロボ》も注目された。
《ガチャンコ ガチロボ》自身が6コストであることから6コストでスピードアタッカーを付与出来る《紅神龍ジャガルザー》や《ムラマサ・リザード》など過去のカードが日の目を見ることとなった。
そんな中、大型大会の「デュエル・マスターズグランプリ1st」が初開催され、優勝は【イメンループ】、準優勝は《光霊姫アレフティナ》を採用した【天門ループ】となった。3位は【ギフトモルト】、4位は【白青黒超次元】。
「デュエル・マスターズグランプリ1st」開催前はドラグハートに未知の部分が多かったためドラゴン・サーガのエキスパンションのカードの解析に依然として時間をかけている状況であり、さらに当時チャンピオンシップも盛んでなかったため新デッキの情報伝達が遅れていた。事前予想では【モルトNEXT】、【イメンループ】、【天門ループ】、【黒単ヘルボロフ】のいずれかが優勝するのではないかと言われていた。ところが2015年6月15日に《鎧亜戦隊ディス・マジシャン》が殿堂入りし、さらに同月6月20日に発売されたDMR-17で《メガ・マナロック・ドラゴン》が登場し、【イメンループ】の優勝予想がいわば「消し」になった。残った3つの候補の中では【黒単ヘルボロフ】が頭一つ抜けていた。
ところが【イメンループ】は《鳴動するギガ・ホーン》をサーチ手段として取り入れたリペア型が開拓され、「デュエル・マスターズグランプリ1st」直前週の3人1チーム戦チャンピオンシップでリペア型の【イメンループ】で統一したチームが優勝を果たし、【イメンループ】が環境で戦っていけることが判明。というのも【イメンループ】は安定感が高く、長丁場になる「デュエル・マスターズグランプリ1st」に有利である。また、当時の【黒単ヘルボロフ】は《百発人形マグナム》を搭載しない型が主流で、【イメンループ】はこのことから【黒単ヘルボロフ】を有利対面とすることができた。
蓋を開けてみると【イメンループ】は本戦進出者64人中13人が使用で使用率1位の勝ち組デッキとなり、優勝の栄冠も勝ち取ったのである。予選ラウンドで有利対面である【天門ループ】、【ビッグマナ】が多かったのも追い風となった。
逆に優勝候補の一角であった【天門ループ】は【イメンループ】に散々カモにされた結果本戦進出者64人中3人しか使用者が残らなかった。【黒単ヘルボロフ】は本戦進出者64人中10人が使用で使用率3位とここまでは上々であったが【イメンループ】への対策が遅れてベスト4には残らなかった。後日しっかり対策すれば【黒単ヘルボロフ】側が余裕で勝てることが周知され、翌週以降のチャンピオンシップでは【黒単ヘルボロフ】が上位を独占する勢いで勝ち続けた。【モルトNEXT】はプレイングが簡単なことと爆発力の高さから本戦進出者64人中12人が使用で使用率2位と予選では存在感を示したが、《龍素記号Sr スペルサイクリカ》で《調和と繁栄の罠》の使い回しを行って《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》で蓋をするというビッグマナの勝ち筋にハマり、ベスト16進出者0人の憂き目に遭った。そのビッグマナは本選進出者3人、その3人全員ベスト16進出と内容の濃い実績を残したが、【イメンループ】に敗れベスト4進出を逃した。
元プレイヤーの復帰を狙った昔なつかしのカードが収録されたマスターズ・クロニクル・デッキが発売。
《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》、《邪眼皇ロマノフI世》、サバイバーのデッキが登場した。中でも復活した【ロマノフサイン】は大会で結果を残した。
侵略側の《超獣軍隊 ベアフガン》は3ターンキルが可能なデッキということで多くのプレイヤーに注目され、発売後すぐにCSで結果を残した。
その他、水は除去耐性を持つ《超奇天烈 マスターG》、火は破壊耐性を得た《超轟速 マッハ55》、闇は自軍が破壊される度に相手を破壊し墓地回収を行う《超復讐 ギャロウィン》が追加された。
一方革命側はレジェンドカードである《魔の革命 デス・ザ・ロスト》が革命限定環境で結果を残した。
シールドを減らすカードが増え、《革命魔王 キラー・ザ・キル》と組み合わせることによって手札と場のいずれにも干渉できるようになったことが一因とされる。《暗黒鎧 ヴェイダー》の追加もまた大きいだろう。
それ以外のカードとしては《デス・ハンズ》、《シュトルム》に続く強力S・トリガー《閃光の守護者ホーリー》、プレミアム殿堂である《アクア・パトロール》の調整版である《アクア警備員 ラスト》が注目された。
DMX-21にて登場した《目的不明の作戦》により【天門ループ】が強化され、新たなデッキタイプとして【マークロループ】が成立した。
その後DMD-27 「カスタム変形デッキ 革命vs侵略 爆熱の火文明」にて、シールド焼却能力を持つ《熱き侵略 レッドゾーンZ》と、新たな4コストスピードアタッカーソニック・コマンドである《轟速 ザ・ゼット》が登場したことで、【赤単レッドゾーン】が再び活躍する。自分のターン限定とは言え、相手のコスト踏み倒しを一切封じる《単騎連射 マグナム》も注目された。
一方で対となるDMD-28は【白単連鎖】と【九極侵略】という新たなデッキタイプを確立したものの、再録カードの地味さも相まって環境入りとはならなかった。
環境は全体的に速攻デッキが多く、プレミアム殿堂から殿堂入りに緩和された《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》がメタゲームを荒らすような事は無かった。
エキスパンション発売前の12月15日に殿堂入りカードが更新。新カードタイプである禁断の鼓動の《禁断〜封印されしX〜》と、禁断クリーチャーである《伝説の禁断 ドキンダムX》が一足早くその全貌を明らかにした。
発売直後のチャンピオンシップやデュエルマ☆スターカップの結果は、【赤単レッドゾーン】や【モルトNEXT】に《伝説の禁断 ドキンダムX》を投入したデッキがほぼ独占。特に【赤単レッドゾーン】はコマンドが多い速攻デッキな為、禁断解放する頃には相手のシールドが0枚ということがザラであり、除去されれば負けるのデメリットが無いに等しいという相性の良さが大きかった。この結果を受け、登場前における《伝説の禁断 ドキンダムX》の評価が大きく覆された。
また、侵略者からは上位能力であるS級侵略を持ったS級侵略者が新登場。
相手の山札を確実に削れる《S級宇宙 アダムスキー》の【アダムスキーライブラリアウト】、《勝利のガイアール・カイザー》との相性が良い《S級不死 デッドゾーン》の【超次元デッドゾーン】、《S級原始 サンマッド》と《龍覇 グレンモルト》を組み合わせた【サンマッドモルト】がそれぞれ結果を残している。
緩い進化条件と、シールド追加による対ビートダウン性能で光の速攻を躍進させた《三界 ナラカ・マークラ》も見逃せない。
一方で革命軍も、初のクリーチャーの革命0トリガーである《ボルシャック・ドギラゴン》、《ヘブンズ・ゲート》から間接的に光のコスト7ドラグナーを踏み倒せる《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》、強力な踏み倒し能力を持ち自身も革命2で1マナで出せる《革命目 ギョギョウ》が登場。特に、《ボルシャック・ドギラゴン》は【赤単レッドゾーン】や【準赤単】において《革命の鉄拳》と比べて《伝説の禁断 ドキンダムX》の封印を外したり、進化元のクリーチャーのcipを使うことができるので、革命軍だけではなくドラグナーや侵略者とも相性が良く、種族の枠を超えて活躍した。
そんな中、2016年2月1日付で《炎槍と水剣の裁》、《ディープ・オペレーション》、《雷鳴の守護者ミスト・リエス》、《パシフィック・チャンピオン》、《予言者ローラン》、《龍神ヘヴィ》、《アクア・ハルカス》が無制限。《凶星王ダーク・ヒドラ》が殿堂入りに緩和された。
さらに、2016年2月28日付で《転生プログラム》、《鎧亜戦隊ディス・マジシャン》がプレミアム殿堂カードに、《無双恐皇ガラムタ》、《奇跡の精霊ミルザム》、《極・魔壊王 デスゴロス》が殿堂入りに指定。環境トップであった【イメンループ】、【天門ループ】、【黒単ドラグナー】にそれぞれ影響を与えた。
その殿堂入り施行と同日にデュエルマ☆スターカップ全国大会決勝が行われ、【白青ヘブンズ・ゲート】が優勝、【青黒緑デッドゾーン】が準優勝となった。【ヘブンズ・ゲート】はループを主軸にせずとも地力を示した形となった。
コントロールとビートダウンを同時にこなせる【超次元デッドゾーン】が環境トップへ進出。
光のレジェンドカードであり、2枚目となる革命0トリガークリーチャーである《ミラクル・ミラダンテ》は【ヘブンズ・ゲート】や【サザン・ルネッサンス】を環境上位に押し上げてくれた。前者は《奇跡の精霊ミルザム》が殿堂入りしたことで白単寄りの構築に変化したこと、後者はフルクリーチャーよりの構築と《共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス》のドロー能力との相性が良かったことが大きい。
初の多色の侵略者である《禁断の轟速 レッドゾーンX》は、手札だけでなく墓地からもS級侵略ができるため、《超音速 ターボ3》や《禁断〜封印されしX〜》の封印解除による墓地肥やしとの相性の良さが注目されている。
さらに、ファイアー・バードを最大で5体踏み倒す《キャプテン・ドラッケン》の登場により【連鳥】が大幅に強化された。同時に《キャプテン・ドラッケン》と相性の良い《ボルコフ・紫苑》や《G・アイニー》といった一昔前のカードが突如として脚光を浴びることとなった。
一方で、水のレジェンドカードでありエクストラウィン能力を持つ《伝説の正体 ギュウジン丸》だが、限りなく青単に近いデッキにしなければ召喚コストを支払えない上、仮に召喚が成功してもバトルゾーンに相手のクリーチャーが6体以上居なければエクストラウィンの条件は満たせない為か、活躍はしていない。
同年2月の殿堂入り発表により《鎧亜戦隊ディス・マジシャン》がプレミアム殿堂、《無双恐皇ガラムタ》が殿堂入りして【イメンループ】は一時期消滅したかに見えたが、自身をマナ送りできる《S級原始 サンマッド》と《アクア忍者 ライヤ》のループが注目され、再び環境へ舞い戻った。《S級原始 サンマッド》の活躍は留まることを知らず、《革命目 ギョギョウ》の防御力と組み合わせたコントロール型の【緑単サソリス】を生み出した。《邪帝遺跡 ボアロパゴス》は、《龍覇 イメン=ブーゴ》無しでも十分にループされることが証明された。
《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》が殿堂入りした【黒単ドラグナー】も、展開力こそ半減したがその堅実さが変わることはなく、やはり環境上位に君臨し続けている。
当時の主流デッキ(通常環境)
新戦力カード
既存の有力カード
参考