【スクランブルモルトNEXT】

《スクランブル・チェンジ》を早出しの要とした【モルトNEXT】

ここでは歴史保存上、《スクランブル・チェンジ》登場から殿堂入り直前の構築を解説する。

主要カード

候補火単色クリーチャー

候補多色クリーチャー(火/自然)

候補単色呪文

候補多色呪文

《メンデルスゾーン》2ターン目に最大で2マナブースト
《焦土と開拓の天変》妨害をしつつ2→5→7のマナカーブに貢献

候補禁断

候補ドラグハート

このデッキの回し方

マナブーストを行ってから最速で《超戦龍覇 モルトNEXT》を出してワンショットするか、途中で《メガ・マナロック・ドラゴン》《永遠のリュウセイ・カイザー》で妨害しながら安定ルートを狙う。

《超戦龍覇 モルトNEXT》を引けない場合は《蒼き団長 ドギラゴン剣》で打点を作る。

時には当時可能であった閣ループで詰める。

また、《ベイB ジャック》の現役時代には、そちらを的に《次元龍覇 グレンモルト「覇」》アタックトリガードラグハートを溜めるプランも取られた。《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》《ベイB ジャック》でのマナリソースとなる盤面を処理しつつ龍解を狙うのが1つの安定択であった。

長所

《スクランブル・チェンジ》殿堂入り前当時は速ければ3ターン目に閣ループで山札のありったけのドラゴンを展開しつつ《不敗のダイハード・リュウセイ》でシールドを全焼却し、諸々のスピードアタッカー手段で過剰打点を活かしてダイレクトアタックまで持ち込めた。もっとも革命ファイナル環境の頃の主流防御札は事実上単体除去のみである革命0トリガーだったため、大半の場合は《不敗のダイハード・リュウセイ》まで出さなくとも過剰打点で押し切れたが。

当時のコスト踏み倒しメタは碌な除去耐性が無かったため、事実上《フェアリー・トラップ》《無双竜鬼ミツルギブースト》で十分何とかなった(時々採用される《革命の鉄拳》もあった)。

当時は除去されると息切れする速度重視のデッキもそこそこ見掛けられたため、《フェアリー・トラップ》などの除去で凌ぐだけで勝ち濃厚となった場合も多い。

ミラーマッチでは最速で《闘将銀河城 ハートバーン》を呼び出して《蒼き団長 ドギラゴン剣》も交えてワンショットするだけで案外何とかなることも多かった。《超戦覇龍 ガイNEXT》《蒼き団長 ドギラゴン剣》が既に《ボルシャック・ドギラゴン》パワーを上回っていたためである。当時《偽りの王 モーツァルト》でも捲れない限り《革命の鉄拳》も怖くなかった。そして《偽りの王 モーツァルト》4枚積みするカードでもなかったため猶更であった。

短所

当時はメインデッキのドラゴン枚数を20枚台後半まで絞った構築が珍しくなく、《メンデルスゾーン》の結果にムラができやすかった。

また、龍マナ武装や重量級マナ武装もある程度時間を掛けないと達成しづらく、特に《次元龍覇 グレンモルト「覇」》マナ武装7とまでなると5ターン前後掛かることもしばしばだった。

高速デッキに対しては不覚を取ることがあり、マナが伸び切っていない状況で《制御の翼 オリオティス》により《ボルシャック・ドギラゴン》を封殺されたらお手上げであった。

環境において

通常の速攻にはない爆発力を発揮しながら、速攻と変わらない速度で攻めることができるようになり凶悪化した【モルトNEXT】がこのデッキであり、当時としては衝撃的なデッキタイプであった。

さらにこのDMR-23期には《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》を獲得。
これ以降は、その効果でスレイヤーを与えることで、《熱血龍 バトクロス・バトル》などのコマンドを持つ効果バトルドラゴンを実質的に、相手ターン中に出てくる確定除去、として運用することが可能となった。

《蒼き団長 ドギラゴン剣》は登場当時からドラグナーの再利用手段として投入されるケースがあったが、当初は《無双竜鬼ミツルギブースト》のような自己マナ送りしないとバニラ同然で貧弱になるクリーチャーですらファイナル革命先として投入される程ファイナル革命先に困っていた。それが《リュウセイ・ジ・アース》の登場によって解決され、《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》を使った戦略の開拓によって《蒼き団長 ドギラゴン剣》投入型が確立された。

2017年2月16日をもって《メガ・マナロック・ドラゴン》殿堂入り。この流れを受けて《スクランブル・チェンジ》《超戦龍覇 モルトNEXT》に宛がうようにして、ドラグハート革命チェンジで制圧する赤緑構築が確立された。

新章デュエル・マスターズ環境では前期と比べて、ビートダウンデッキの中に早期に過剰打点を生成するデッキが少なくなっており、ギリギリの打点で1ショットキルを仕掛ける相手に対して打点計算を狂わせるために《光牙忍ハヤブサマル》を搭載するケースも見られるように。
また逆転要素として《爆殺!! 覇悪怒楽苦》を取り入れるケースも増えた。

閣ループで大量展開してから《不敗のダイハード・リュウセイ》によるシールド焼却で詰める型は新章デュエル・マスターズ環境に流行したと言われる。また、【青黒赤ドギラゴン剣】が成立するまでの間、このシリーズにおける【ドギラゴン剣】の最大手は事実上このデッキであったと言われる。

当時、【モルトNEXT】【緑単ループ】の両方に有利を取れるメタデッキはほぼ作れなかったと言われる。共に圧倒的なデッキパワーを持つだけでなく、【モルトNEXT】を受け切るには相応の受け札が必要だが【緑単ループ】には刺さらず【緑単ループ】を処理するための軽量除去を積むと【モルトNEXT】に刺さらないという補完関係が、二強環境をより強固なものにした。

2017年7月8日をもって《スクランブル・チェンジ》殿堂入り。これにより【スクランブルモルトNEXT】が事実上消滅。

殿堂入り後《スクランブル・チェンジ》はドラゴンデッキで細々と使われていたが、各種マナブーストのインフレを見越してか2023年3月20日付で殿堂解除された。
すでに《キャディ・ビートル》《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》といった優秀なコスト軽減メタが登場していることや、相棒だった《メガ・マナロック・ドラゴン》が依然として殿堂解除されていないことから《スクランブル・チェンジ》自体環境で目立った活躍はしていない。

《スクランブル・チェンジ》の対抗馬としては《炎龍覇 グレンアイラ/「助けて!モルト!!」》が出現し、相性の良かった《爆熱天守 バトライ閣》プレミアム殿堂入り。また、《超戦龍覇 モルトNEXT》《メガ・マナロック・ドラゴン》以降そもそも《スクランブル・チェンジ》と相性の良い火のドラゴンに恵まれない。

参考